フライパンにカビが生える原因とは?知っておきたいカビ取り&予防策


「フライパンを洗い忘れていたらカビが生えてしまった」
「フライパンのカビ取りに漂白剤は使用できるの?正しいカビ取り方法は?」

フライパンは日々の料理に欠かせない調理器具ですが、意外と見落としがちなのが、その衛生管理です。
特にカビは、ほんの少しの油分や水分が残っているだけで、静かにその存在を広げていきます。

カビは見た目にも不快で、場合によっては健康被害が発生することもあります。
そのため、日々の生活で対策を行い、カビの発生を防がなければいけません。

この記事では、フライパンにカビが生える原因や、カビ取り方法、再発を防ぐカビ対策について解説します。
是非この記事を参考にして、フライパンを清潔に保ち、食の安全を守りましょう。

この記事でわかること
・フライパンにカビが生える原因
・間違ったフライパンのカビ取り方法
・正しいフライパンのカビ取り方法
・フライパンのカビ対策

1.フライパンにカビが生える主な原因

フライパンにカビが生える原因の前に、まずはカビが発生する仕組みから解説します。

カビは微生物の一種であり、湿度が高い環境や有機物が豊富な場所を好んで生息します。
家庭内でよく見られるカビは、主に空気中に漂う微小な胞子が、適した条件下で成長し始めることによって発生します。
カビの胞子は非常に小さく、目に見えないため、気づかないうちに私たちの生活空間に広がっているのです。

そしてカビが成長するためには、以下の4つの条件が必要です。

湿度
カビは湿度が高い場所で最もよく成長します。特に湿度が70%以上の環境は、カビの成長に最適な条件とされています。

温度
カビの成長に適した温度は、一般的に20~30℃程度ですが、種類によってはそれよりも広い範囲の温度で成長することがあります。

栄養源
カビは有機物を栄養源としています。食品の残骸、油分、埃など、さまざまな物質がカビの栄養源となり得ます。

酸素
人間と同じでカビも酸素がある場所で生育ができます。

カビはこれらの条件が揃っている場所に発生することが多いです。
そしてフライパン使用後の扱いや保管方法によっては、カビが繁殖しやすい環境を作り上げてしまうことがあります。

1-1.適切な乾燥がされていない

フライパンを洗浄した後に乾燥が不十分だと、それがカビの原因になることがあります。

カビは濡れている場所を好みます。
そのため、水滴がフライパンの表面に残っていると、カビの繁殖を促してしまいます。

特に、フライパンの裏側や取っ手の隙間など、水が溜まりやすく、乾きにくい箇所に注意が必要です。

1-2.食品の残骸が残っている

食品の残骸がフライパンに残っているとそれがカビの原因となります。

たとえ小さな食品のカスであっても、それがカビの栄養源になり得ます。
特に、隅や溝に残りやすい食品のカスは、見落としがちです。

こうして気付かぬうちにカビの栄養を与えてしまい、カビは静かに繁殖していくのです。

1-3.長期間使用されずに保管される

長期間使用しないで保管されるフライパンはカビの温床になりやすいです。

定期的に保管場所の掃除をしていたり、フライパンの手入れをしていればいいのですが、そうでない場合はいつの間にかカビが繁殖し、カビだらけになっていた…ということも考えられます。

1-4.湿度が高い環境での保管

フライパンを湿度が高い場所に保管することも、カビの成長を助長します。

フライパンをシンクやコンロの下の収納場所に置いている方も多いと思いますが、キッチンは自然と湿度が高くなりやすい場所です。
また閉じられた環境は通気性が悪く、湿気がこもりやすくなります。

このような場所に保管しているとカビが好む高湿度の環境が揃ってしまうのです。

2.カビが生えたフライパンを放置してはいけない理由

カビが生えたフライパンをそのまま放置することは絶対にやってはいけません。
その理由は、フライパンに発生したカビによって、健康被害が発生したり、カビが拡散したりする恐れがあるからです。

2-1.健康への悪影響

カビが生えたフライパンを放置することは、様々な健康問題を引き起こす可能性があります。

カビにはアレルギー反応を引き起こしたり、呼吸器系の疾患を悪化させたりする種類も存在します。
特に、アスペルギルスやペニシリウムなどのカビは、長期間にわたって露出することで、喘息やアレルギー性鼻炎を引き起こすことが知られています。

また、カビは有害な物質を放出することがあり、これらが体内に入ることで免疫系に負担をかけることもあります。
このように、カビの存在は人の健康に直接的な悪影響を及ぼすため、フライパンにカビが生えたらすぐに対処することが重要です。

2-2.食品の汚染

カビが生えたフライパンを使用すると、そのフライパンで調理される食品がカビで汚染されるリスクがあります。
一度食品にカビが付着すると、見えない部分でさらにカビが増殖する可能性があり、食中毒の原因となることもあります。

カビには毒素を生産する種類も存在し、これらが食品に混入することで健康被害を引き起こす可能性があります。
したがって、カビが生えたフライパンは食品の安全性を確保するためにも、使用を避けるべきです。

2-3.周囲へのカビの拡散

フライパンに生えたカビを放置しておくと、カビの胞子が空気中に放出され、周囲に拡散する恐れがあります。

カビの胞子は非常に軽く、わずかな空気の流れでも運ばれるため、キッチンからリビングや寝室など、家の他の部分にも簡単に広がる恐れもあります。
これにより、家全体がカビの影響を受けることになり、清掃が困難になるだけでなく、家族全員の健康を害する可能性が高まります。

したがって、カビが生えたフライパンは速やかに対応し、周囲への拡散を防ぐ必要があります。

3.間違ったカビ取りでカビが悪化!?やってはいけないこととは?

2.カビが生えたフライパンを放置してはいけない理由でお伝えした通り、フライパンにカビが発生した早急に除去する必要があります。
しかし、誤ったカビ取りをしてしまうと、カビが完全に除去されなかったり、フライパンを劣化させてしまったりする恐れがあります。

ここではやってしまいがちな間違ったカビ取り方法について解説するので、このやり方は避けるようにしましょう。

3-1.中性洗剤で洗うだけ

中性洗剤で洗った場合、表面に付着したカビは取り除けたとしても、カビ菌はしぶといためそれだけで死滅させることは難しいです。
そのままフライパンを料理に使用すると知らず知らずのうちにカビを摂取してしまうことになります。

また、カビが再発して、そこから別の場所に拡散する恐れもあります。
中性洗剤で洗うだけで終わらせるのではなく、しっかりとカビを死滅させることが重要です。

3-2.塩素系漂白剤を使用する

塩素系漂白剤は強力な漂白・除菌効果がありますが、フライパンの材質によっては腐食や変色の原因となり得ます。
特に、アルミニウム製やノンスティック加工が施されたフライパンには使用を避けるべきです。
塩素系漂白剤は、表面を荒らし、フライパンの寿命を縮めることにも繋がります。

3-3.硬いスポンジで洗う

カビを強く擦り取ろうとして硬いスポンジや金属タワシなどを使用すると、フライパンの表面を傷つける恐れがあります。
特に、ノンスティック加工のフライパンでは、加工を損ねることで食品がくっつきやすくなったり、加工材料が剥がれて食品に混入する危険性もあります。

これはカビ取りだけでなく、普段フライパンを洗う時にも注意が必要です。

4.正しいフライパンのカビ取り方法

フライパンにカビが生えた際の正しいカビ取り方法を実行することで、フライパンを清潔に保ち、カビの拡散を防ぎます。

ここでは、正しいカビ取り方法と、重曹を使用したカビの臭いを消す方法を紹介します。

用意するもの

  • 食器用洗剤
  • 柔らかいスポンジ
  • 重曹

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注意事項

テフロン加工や他のノンスティック加工されたフライパンは、高温処理や硬いスポンジの使用を避けましょう。
カビ取り作業を行う際は、換気を良くすることが重要です。
カビ取りに使用したスポンジは、後で殺菌消毒するか、新しいものに交換してください。

カビ取り手順

①食器用洗剤でフライパンを洗う
②水を入れて沸騰させる
③再び食器用洗剤で洗う
④しっかり乾燥させる

①食器用洗剤でフライパンを洗う
温水と食器用洗剤を用いてカビが生えたフライパンを洗います。
この際、柔らかいスポンジを使い、フライパンの表面を傷つけないように注意してください。

②水を入れて沸騰させる
フライパンに十分な水を入れ、強火で沸騰させます。
沸騰したら、火を中火に落として30分程度煮沸消毒します。
この工程で、カビ菌は100℃の高温で死滅します。

③再び食器用洗剤で洗う
煮沸消毒後、フライパンを冷ましてから、再び食器用洗剤で洗います。

④しっかり乾燥させる
カビは湿気を好むため、フライパンを完全に乾燥させることがカビ予防には欠かせません。
洗った後は風通しの良い場所でフライパンを完全に乾かしてください。

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カビの臭いを消す方法

カビの臭いが気になる場合は、重曹を活用しましょう。

煮沸消毒後、フライパンがまだ温かいうちに重曹を適量まぶし、柔らかいスポンジでフライパン全体に軽く擦り込みます。
その後、フライパンを再度水で洗い流し、よく乾燥させてください。

重曹には消臭効果があり、カビの臭いを効果的に軽減できます。

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5.フライパンのカビが周囲に拡散した場合の対処方法

フライパンをシンクやコンロの下の収納場所で保管しているご家庭も多いでしょう。
それらの場所は密閉されていて湿度が高くなりやすいため、カビにとって最適な生育環境になりやすいです。

そのため、フライパンに発生したカビが周囲に拡散し、収納場所にもカビが発生してしまうことがあります。
もしフライパン以外にもカビが広がっているなら、それらのカビ取りも必要です。

5-1.消毒用エタノールでカビ取りする

消毒用エタノールには漂白効果はありませんが、白カビなど表面に発生しているカビには有効です。

用意するもの

  • スプレータイプの消毒用エタノール
  • 雑巾
  • マスク
  • ゴム手袋

カビの胞子を吸い込んだり、手が荒れたりするのを防ぐために、マスクとゴム手袋を身に付けてください。

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注意事項

カビ取り作業中はカビの胞子が飛散しやすいので、換気しながら行いましょう。
エタノールは引火する恐れがあるため火の近くでは使用しないでください。
全体をカビ取りする前に目立たない場所で試して、問題がなければ作業を行うようにしてください。

カビ取り手順

①消毒用エタノールを含ませた雑巾で拭き取る
②消毒用エタノールを吹きかける
③雑巾で消毒用エタノールを拭き取る

①消毒用エタノールを含ませた雑巾で拭き取る
収納場所に保管しているものはすべて出してください。
それから雑巾に消毒用エタノールを吹きかけ、その雑巾を使って埃などの汚れを取り除きましょう。

②消毒用エタノールを吹きかける
カビが発生している箇所やその周辺に消毒用エタノールを吹きかけます。
浸透するまで10~15分ほど放置します。

③雑巾で消毒用エタノールを拭き取る
雑巾で消毒用エタノールを拭き取って、しっかりと自然乾燥させてください。
また、完全に乾いたのを確認してから、保管していたものを戻すようにしましょう。

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5-2.プロレベルのカビ取り剤でカビ取りする

消毒用エタノールはカビの殺菌には効果的ですが、カビによる着色や黒カビの跡を除去する能力はありません。
特に、黒カビのような強い色素を持つカビが発生している場合、カビを除去しても跡が残る可能性が高いです。

また、消毒用エタノールの揮発性が高いため、広範囲にわたるカビの場合、完全にカビを死滅させる前に乾燥してしまうことがあります。
そのため、より効果的なカビ取りには、木材を含む様々な素材で安全に使用できる専用のカビ取り剤を選ぶと良いでしょう。

カビ取り業者ハーツクリーンによって開発された「カビ取りマイスター」は業務用のカビ取り液剤を家庭用に調整した製品で、高いカビ殺菌効果を誇ります。
この製品は有害な成分を含まず、水で洗い流せない場所でも安心して使用できるため、徹底的なカビ取りが必要な場合に適しています。

カビ問題に対処する際は、このような専用のカビ取り剤の使用を検討してみてください。

5-3.カビ取り業者に相談する

カビの問題が自分で対処できる範囲を超えてしまった場合、または広範囲にわたって深刻なカビの被害が見られる場合は、プロのカビ取り業者に相談することが最善の策です。

プロの業者は、カビの種類を正確に特定し、そのカビに最適な除去方法を提案してくれます。
また、カビの再発防止策についてもアドバイスを受けることができます。

カビ取り業者に依頼する主な利点は以下の通りです。

専門知識と経験

カビ取り業者は、さまざまな種類のカビに対処するための専門知識と豊富な経験を持っています。
これにより、カビの根本的な原因を突き止め、効果的に除去することが可能です。

高度な機材と技術

業者は、カビを安全かつ迅速に除去するための専門機材や化学薬品を使用します。
これにより、家庭での対処では難しい深刻なカビの問題も解決できます。

健康リスクの低減

カビの除去作業中には、カビの胞子が空気中に拡散しやすく、これを吸い込むことは健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
プロの業者は適切な保護措置を講じることで、このようなリスクを最小限に抑えます。

再発防止策

カビの問題を一時的に解決するだけでなく、再発防止に向けての対策も提案してくれます。
これにより、長期的にカビの問題から解放されることができます。

カビ取り業者に依頼する際は、事前に複数の業者から見積もりを取り、評判やサービス内容を比較検討することが重要です。
また、作業後の保証やフォローアップサービスが提供されるかどうかも確認しておきましょう。

カビ取り業者に相談する

6.フライパンにカビを発生させないための6つ対策

フライパンにカビが発生しないようにするためには、日々のお手入れと適切な保管方法に注意を払うことが重要です。
すぐにできるカビ対策を紹介するので、是非実践してみてください。

  • 使用後すぐに洗う
  • 洗う時に強く擦らない
  • しっかりと乾燥させる
  • 通気性の良い場所で保管する
  • 定期的に保管場所の掃除をする
  • 定期的にメンテナンスする

6-1.使用後すぐに洗う

調理後は可能な限り迅速にフライパンを洗浄することが重要です。

食材の残骸や油分は、カビの栄養源となり得ます。
速やかにこれらを除去することで、カビが発生する環境を事前に防ぐことができます。

また、洗浄後はすすぎ残しがないように注意し、食品のカスや油が残らないようにしましょう。

6-2.洗う時に強く擦らない

フライパンの表面を傷つけないように、洗う時は強く擦らないように心がけましょう。
特にノンスティック加工されているフライパンは、傷がつくとそこから錆びやカビの原因となります。

柔らかいスポンジを使って、優しくに洗浄することが望ましいです。
また、傷がつきにくい専用のクリーナーを使用するのも良い方法です。

6-3.しっかりと乾燥させる

洗浄後はフライパンを完全に乾燥させることがカビ予防の鍵です。

水気を残さないために、自然乾燥させるか、布巾で丁寧に水分を拭き取りましょう。
可能であれば、乾燥機を使用したり、少し加熱して水分を蒸発させたりする方法も効果的です。

6-4.通気性の良い場所で保管する

フライパンを保管する際は、できるだけ湿度の低い場所に保管しましょう。
できれば吊るすなどして、通気性を良くするのがおススメです。

とはいえ、シンクやコンロの下などの密閉された空間しか置く場所がないという方もいると思います。
その場合は、保管場所に除湿剤を置くようにしてください。
除湿剤が湿気を吸い取り、適度な湿度に保ってくれます。

ただし除湿剤は交換を怠ると効果が得られないため、定期的に確認して、必要であれば新しいものと交換するようにしてください。

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6-5.定期的に保管場所の掃除をする

フライパンだけでなく、保管場所も定期的に掃除することが重要です。
カビは埃なども栄養源にするため、それらを取り除く必要があります。

また、掃除をする時は同時に換気もするようにして、こもっている湿気を外に排出しましょう。

6-6.定期的にメンテナンスする

フライパンは定期的にメンテナンスすることで、長持ちさせることができます。
コーティングされている場合は、傷がないかチェックし、必要に応じて専門のメンテナンス用品でケアしましょう。

また、フライパンの材質に合わせたお手入れ方法を実践することが、カビ予防にも繋がります。

7.まとめ

今回はフライパンにカビが発生する原因や、発生した場合の対処方法、カビの再発を防ぐ予防策について解説しました。

カビは見た目にも不快であり、健康に対しても様々なリスクをもたらすため、早期の対処と予防が必要不可欠です。
もしカビが発生してしまった場合は、以下の手順でカビ取りを行ってください。

①食器用洗剤でフライパンを洗う
②水を入れて沸騰させる
③再び食器用洗剤で洗う
④しっかり乾燥させる

これでカビは死滅しますが、カビの臭いが残っているなら重曹を使用しましょう。

そしてカビ取りが終わった後は、今後カビが再発しないように対策する必要があります。

  • 使用後すぐに洗う
  • 洗う時に強く擦らない
  • しっかりと乾燥させる
  • 通気性の良い場所で保管する
  • 定期的に保管場所の掃除をする
  • 定期的にメンテナンスする

適切な洗浄と保管方法を実践することで、そのリスクを大幅に低減させることができます。
特に、フライパンのような日常的に使用する調理器具においては、常に清潔に保つことが、美味しく安全な料理を作るための第一歩です。

最後に、カビは家庭内のあらゆる場所に発生する可能性があるため、今回のフライパンに限らず、キッチン全体の清潔さを保つことが、快適な生活空間を維持する上で非常に重要です。
定期的な清掃と適切な保管方法を心がけ、カビのない健康的な生活を目指しましょう。

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