押入れは開けっ放しが正解?白カビを防ぐ対策&カビ取り方法を徹底解説
「押入れの中はいつも湿気がこもっていて、カビが生えないか心配…」
「押入れは閉めたままと開けた状態どっちがいいんだろう?」
押入れは湿気がこもりやすく、白カビが発生しやすい場所の一つです。
特に梅雨のように湿度が高い時期には、収納している衣類や布団がカビに侵されてしまう危険もあります。
そんなときに気になるのが、「押入れは開けっ放しにするべきなのか、それとも閉めておいた方が良いのか」という疑問ではないでしょうか。
この記事では、押入れを開けっ放しにすることのメリットとデメリット、そして効果的な押入れのカビ予防策について解説します。
万が一カビが発生してしまった場合の正しい対処方法も紹介するので、是非最後までお読みください。
この記事でわかること |
・押入れを開けっぱなしにするメリットとデメリット ・押入れのカビ予防策 ・押入れに発生したカビの正しい除去方法 |
目次
1.基本的には「開けっ放し」の方がカビ予防になる!
押入れのカビ対策において重要なのは「通気性を確保すること」です。
そのため、押入れを開けっ放しにすることで効率的に湿気を逃がし、カビの繁殖を抑制することができます。
しかし、押入れを開けっぱなしにすることは、同時にデメリットもあります。
ここでは開けっ放しによるカビ予防効果とデメリット、そして押入れの開け閉めを使い分けるコツについて解説します。
1-1.開けっ放しによってカビ予防になる理由
まず、カビは一定の条件が揃っている場所に発生し、繁殖します。
その条件というのが以下の4つです。
押入れを開けっ放しにすることで空気が循環しやすくなり、湿度を下げられるため、カビの繁殖条件を崩すことができます。
湿気がこもりやすい閉めっぱなしの押入れはカビの温床になりやすい一方、開放状態にすることで室内の空気と押入れ内の空気が入れ替わり、湿気が外へ逃げやすくなります。
また、通気性が良くなることで結露を防ぎ、押入れの木材や収納物をカビから守ることができます。
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1-2.開けっ放しにはデメリットもある
一方で、押入れを常に開けっ放しにすることにはデメリットもあります。
まず、開けっ放しにすることで埃やゴミが内部に入り込みやすくなります。
開放状態の押入れは部屋の空気中の埃が入り込みやすく、収納している衣類や寝具に汚れが付着する原因になります。
特に、頻繁に使用しない布団や季節物の衣類などは、埃を被りやすく、その後の使用時に手間がかかることがあります。
また、見栄えの問題も無視できません。
押入れを開けっ放しにしておくと、部屋全体の印象がすっきりしなくなり、来客時には生活感が見えてしまうでしょう。
さらに、小さな子どもやペットがいる家庭では、押入れに入り込むリスクもあり、安全面での配慮が必要です。
1-3.開けっ放しと閉めっぱなしを使い分けるコツ
押入れの「開けっ放し」と「閉めっぱなし」のどちらが良いかは、状況や環境によって異なります。
基本的には湿気が溜まりやすい時期や天候が続く場合は開けっ放しにして通気性を良くすることが推奨されます。
ただし、常に開けっ放しにするのではなく、定期的に開閉を繰り返す方法も効果的です。
例えば、普段は押入れを閉めた状態にしておき、晴れた日に数時間程度開けて換気する習慣をつけると、埃の侵入を最小限にしつつ湿気を逃がすことができます。
また、見栄えが気になる場合は、押入れ内の収納をカバー付きのケースに入れることで、開けっ放しでも内部を清潔に保てます。
さらに、扉を完全に開けるのが難しい場合は、少しだけ隙間を作るだけでも湿気対策に効果があります。
押入れの環境や用途に応じて、「開けっ放し」と「閉めっぱなし」をバランスよく使い分けることが、白カビ対策の最善策と言えるでしょう。
2.押入れのカビを防ぐための7つの対策
1.基本的には「開けっ放し」の方がカビ予防になる!でお伝えした通り、押入れを開けたままにすることで通気性が良くなり、カビの発生を抑制できます。
しかし、これだけでは押入れのカビ対策としては不十分です。
ここでは、押入れのカビを未然に防ぐために有効な7つの対策をご紹介します。
これらを組み合わせて実践することで、カビのリスクをさらに減らし、押入れを清潔で快適な状態に保つことができます。
2-1.すのこや新聞紙を敷く
押入れの底や側面にすのこを敷くことで、床と物の間に空気の流れるスペースを作り出し、湿気の蓄積を防ぐことができます。
また、新聞紙を敷くことで湿気を吸収し、カビの発生を抑制します。
新聞紙は湿気を吸い取ると効果が低下するため、定期的に新しいものに取り替えることが重要です。
市販の防カビシートも同様に使用でき、より長期的な防カビ効果が期待できます。
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2-2.除湿剤を置く
押入れ内の湿度を効果的に管理するためには、除湿剤の活用が有効です。
角の部分など、空気の流れが弱い場所に除湿剤を配置すると良いでしょう。
除湿剤は定期的に交換する必要があるため、湿度が高い季節には特に注意して管理するようにしてください。
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2-3.空気を循環させる
冒頭からお伝えしている通り、押入れは開けたままにすることで通気性が良くなり、カビ予防に繋がります。
しかし押入れは物が詰めこまれているため、襖を開けるだけでは完全には空気が入れ替わらないことがあります。
そんな時におススメなのが、扇風機やサーキュレーターを押入れに向けて回して、空気を循環させる方法です。
これにより、湿気がこもるのを防ぎ、カビが生育しにくい環境にすることができます。
襖を真ん中に寄せて両端を開け、そこから空気を送り込むことで効率的に空気を循環させられます。
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2-4.部屋を除湿する
押入れがある部屋全体の湿度管理も重要です。
エアコンのドライ機能や除湿機を利用して、室内の湿度を適切なレベルに保ちましょう。
目安としては、湿度は60%以下が望ましいです。
部屋全体の湿度が低いことで、押入れ内の湿度も自然と低く保たれ、カビのリスクを減少させることができます。
ただしエアコンの掃除を怠っていると、エアコン内部にカビが発生し、カビをばら撒く恐れがあります。
こまめにフィルター掃除を行い、定期的に業者にエアコンクリーニングを頼むのがいいでしょう。
2-5.定期的に掃除や除菌をする
押入れのカビ予防には、定期的な掃除と除菌が非常に重要です。
最低でも季節の変わり目には、全ての収納物を取り出し、押入れ内部の隅々まで丁寧に清掃しましょう。
掃除の際には、消毒用エタノールを含ませた雑巾で壁面や床、棚板を拭き上げることが効果的です。
これにより、カビの胞子や埃を除去し、環境を清潔に保つことができます。
2-6.物を詰め込みすぎない
押入れに物を過剰に詰め込むことは、空気の流れを阻害し、湿気が滞留する大きな原因となります。
通気性を保つためにも、収納する物は必要最小限に留め、適度に隙間を空けることがカビ予防につながります。
また、収納する際は、物同士がくっつき過ぎないように配置し、押入れ内の空気が自然に流れるよう工夫しましょう。
季節ごとに不要な物を整理し、押入れ内をすっきりと保つことも重要です。
2-7.湿っているものは入れない
押入れに物を収納する前に、その物が完全に乾燥していることを確認することがカビの予防には不可欠です。
特に、洗濯後の衣類や季節の変わり目にしまう布団などは、完全に乾燥させてから収納しましょう。
湿った状態で収納すると、その湿気が押入れ内でカビの栄養源となり、カビが発生しやすくなります。
また、長期間使用していない物も定期的に外に出して風通しを良くし、乾燥させることが推奨されます。
3.押入れにカビ発見!まずやるべきことは?
どれだけ注意深くカビ対策を行っていても、完全にカビの発生を防ぐことは難しい場合があります。
特に湿気が多い季節や、押入れ内に収納していた物が湿っていた場合、気づかないうちにカビが繁殖してしまうこともあるでしょう。
そんなときは慌てずに、以下のステップを踏んで対処しましょう。
3-1.収納物を取り出す
押入れ内にカビを発見したら、まずは全ての収納物を取り出してください。
そのまま放置するとカビの胞子が広がり、収納物や押入れ全体に被害が拡大する可能性があります。
取り出す際は、カビの胞子が部屋に飛散しないよう、ビニール袋に入れて密封することがポイントです。
特に白カビは根が浅く、拡散しやすいため、十分な注意が必要です。
3-2.収納物の状態を確認する
取り出した収納物を一つずつ確認し、カビの付着や被害の程度をチェックします。
布団や衣類のカビが軽度の場合は、クリーニングや自宅での洗濯で対応可能ですが、広範囲にカビが広がっている場合は処分を検討しましょう。
もし大切な物で捨てるという決断をしたくないということであれば、クリーニング業者などの専門業者に相談するのが安心です。
カビ取り専門のクリーニング業者のハーツクリーニングなら、しぶといカビでも徹底的に殺菌して除去することができるので、大切な衣類や小物にカビが発生した場合は、こちらの利用も検討してみてください。
また、カビの被害が見られない収納物も、念のため乾燥させてから再収納することで、再発のリスクを軽減できます。
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3-3.カビ取り準備をする
カビ取りを安全に行うためには、事前の準備がとても重要です。
まず、窓を開けて換気を行いましょう。
作業中にカビの胞子を吸い込むのを防ぐため、マスクやゴム手袋を着用することを忘れないでください。
これにより、健康へのリスクを最小限に抑えられます。
さらに、小さな子どもやペット、高齢者はカビの影響を受けやすいので、作業中に近くにいないよう注意してください。
不在のタイミングを選ぶのが安心です。
具体的な作業方法については、次の項目で詳しく解説しますので、しっかり準備を整えてから進めてください。
4.押入れのカビを除去する方法
押入れにカビが発生した場合、適切な方法で速やかに対処することが大切です。
ここでは、「消毒用エタノール」「酸素系漂白剤」「プロレベルのカビ取り剤」の3つの方法をそれぞれ詳しく解説します。
4-1.消毒用エタノールを使用する方法
押入れに発生したのが白カビや軽度のカビの場合には消毒用エタノールを使用してカビを除去しましょう。
エタノールには無水エタノールと消毒用エタノールの2種類がありますが、カビの殺菌には消毒用エタノールがおススメです。
用意するもの
- 消毒用エタノール
- 雑巾
- マスク
- ゴム手袋
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出典:Amazon
注意点
カビを吸い込んだり、皮膚に付着しないようにマスクやゴム手袋を着用し、換気しながら作業してください。
消毒用エタノールはカビを殺菌することができますが、カビによる着色を落とすことはできません。
また、エタノールは引火しやすいため、火気の近くでは使用しないようにしてください。
カビ取り手順
- ①収納している物を取り出す
押入れの中に収納している物を全て取り出します。
- ②消毒用エタノールで除菌する
雑巾に消毒用エタノールを吹きかけて、それを使って押入れを拭きます。
それから全体に消毒用エタノールを吹きかけてください。
- ③乾燥させる
押入れの扉を開放したままにして、しばらく乾燥させます。
- ④収納しているものを戻す
押入れが完全に乾いたのを確認してから収納していた物を元に戻しましょう。
4-2.酸素系漂白剤を使用する方法
消毒用エタノールで落とせないカビの着色がある場合、酸素系漂白剤を使用して漂白することができます。
酸素系漂白剤は塩素系に比べて素材へのダメージは少ないものの、一定の影響はあります。
使用する前には、目立たない場所で試し、問題がないことを確認してから作業を行うようにしてください。
用意するもの
- 酸素系漂白剤
- ぬるま湯
- バケツ
- 雑巾2枚
- マスク
- ゴム手袋
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注意点
カビを吸い込んだり、皮膚に付着しないようにマスクやゴム手袋を着用し、換気しながら作業してください。
また、目立たない場所で色落ちや変色がないか試してからカビ取り作業に入るようにしましょう。
カビ取り手順
- ①収納している物を取り出す
押入れの中に収納している物を全て取り出します。
- ②酸素系漂白剤を含んだ雑巾で拭く
バケツにぬるま湯を入れて、そこに酸素系漂白剤を溶かします。
そして酸素系漂白剤の溶液を雑巾に含ませて硬く絞り、カビを拭き取ります。
- ③雑巾で水拭きする
30分程度放置したら、別の雑巾で水拭きし、酸素系漂白剤を拭き取ります。
酸素系漂白剤が残らないようにしっかりと拭き取ってください。
- ④乾燥させる
押入れの扉を開放したままにして、しばらく乾燥させます。
- ⑤収納しているものを戻す
押入れが完全に乾いたのを確認してから収納していた物を元に戻しましょう。
4-3.プロレベルのカビ取り剤を使用する方法
押入れのカビによる着色が強固である場合、消毒用エタノールや酸素系漂白剤では落としきれないことがあります。
カビの殺菌力や漂白効果を考えると塩素系漂白剤(キッチンハイターなど)や、塩素系カビ取り剤(カビキラーやカビハイターなど)が効果的ですが、塩素系の薬剤を木材に使用すると、変色や劣化などの危険を伴います。
そのため、しっかりとカビ取りしたいのであれば、木材でも使用できるカビ取り剤を使用するのがいいでしょう。
カビ取り業者のハーツクリーンが開発したカビ取りマイスターキットは、危険な成分が含まれていない為、押入れなどでも安心してご使用いただけます。
また、実際に業者が使用している液剤を誰でも使えるように改良した製品なので、自宅でプロレベルのカビ取りが可能です。
さらに防カビ剤もキットに含まれているため、カビ取りだけでなく、カビの再発の予防も可能です。
徹底的にカビ取りと防カビをしたい方は、是非検討してみてください。
5.カビが酷い時は専門業者への依頼も検討する
押入れのカビが広範囲に広がっていたり、再発を繰り返している場合、自己対応では完全に除去するのが難しいことがあります。
特に木材に深く浸透したカビや、頑固な着色汚れは、市販のカビ取り剤では十分に対処できないことが多いため、こうした場合は専門のカビ取り業者に依頼することを検討しましょう。
専門業者は、専用の機材や薬剤を使用してカビを根本から除去するだけでなく、原因を特定し、再発を防ぐための適切な対策を提案してくれます。
さらに、カビの除去後に必要な木材や内装の補修にも対応できる場合が多いため、安心して任せられます。
カビ取り業者は多く存在するため、どの業者を選ぶか迷うこともあるでしょう。
業者選びで失敗しないためには、以下のポイントを押さえることが重要です。
まず、専門知識が豊富で、丁寧に説明してくれる業者を選びましょう。
カビの発生原因や除去方法をわかりやすく説明し、具体的な提案をしてくれる業者は信頼性が高いです。
さらに、カビ対策のアドバイスを提供してくれる業者であれば、再発を防ぐための具体的なケア方法を学ぶことができます。
また、明朗会計で、見積もり後に追加料金が発生しない業者を選ぶことも重要です。
見積もり内容を明確に提示し、後から不必要なオプションを押し付けてこない業者であれば、安心して依頼できます。
もしどの業者が良いかわからないということであれば、まずは複数の業者から見積もりを取ることで、料金やサービス内容を比較することができます。
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6.まとめ
押入れのような閉じた空間は湿気がこもりやすく、カビが発生するリスクが高い場所です。
そのため、カビを防ぐためには、扉を開けて空気を循環させることが重要です。
また、湿気が溜まりやすい時期には、定期的な掃除と湿度管理を習慣化することで、カビの発生リスクを大幅に減らすことができます。
以下のカビ対策を積極的に行うことで、押入れのカビの発生を抑制することができます。
万が一カビが発生してしまった場合には、迅速に対応することが求められます。
白カビのような軽度のカビであれば、消毒用エタノールを使って除去が可能です。
一方で、カビの色素沈着が見られる場合は酸素系漂白剤や木材に対応した専用カビ取り剤を使用しましょう。
ただし、広範囲にわたってカビが広がっている場合や原因が特定できない場合には、自力で対処しようとしてもカビを根絶することは困難です。
そのため、専門のカビ取り業者に相談することをおススメします。
どのカビ取り業者が良いのか迷っているということであれば、まずは一度現在のカビの状況を相談してみてください。
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カビは見た目の問題だけでなく、健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。
そのため、早期に適切な対策を行い、安全で快適な住環境を維持することが大切です。
今日からできるカビ予防を実践し、押入れを清潔に保ちましょう。
<参考文献>
- 大津たまみ『「汚れ予防」のコツと裏ワザ』2015年、青春出版