本のカビは天日干しで落とせるの?

しばらく本棚に置いていた本を取り出してみると・・・表紙や小口がカビている!?同時に、鼻をツンとつくカビ臭さを感じたことはないでしょうか。

カビたままでは捨てるしかありません。しかし、よく耳にする「本の天日干し」でカビを落とすことができるのでは?そうお考えの方もいらっしゃると思います。

今回は、天日干しで本のカビが落とせるのかどうかを解説し、正しいカビの落とし方や、本のカビ対策をくわしくご紹介していきます!

本のカビは天日干しで落とせる?

本の手入れではよく耳にする天日干しですが、本に生えてしまったカビにも効くのでしょうか?

多少のカビならまずは天日干しを試してみよう

天日干しとは、日光(紫外線)の殺菌効果と、湿気を除去することによって微生物であるカビを殺菌する方法です。とても原始的な手段ですが、カビには有効とされています。

本の表紙や小口にうっすらとカビが生えている程度であれば、まずは天日干しで様子をみてみましょう。手間がかからないので、本棚のすべての本がカビてしまっている場合でも、一気に日光に当ててカビ退治できるのがメリットです。

また、本のカビ予防として天日干しはおすすめ。本棚整理をするたびに、数十分でもいいので日光に当てる時間をつくるよう意識してみましょう。

■ 参考記事:天日干しの殺菌効果| 比べる×調べる

カビた本の天日干しの方法

※天気のいい日におこないましょう。

〈 用意する物 〉

  • 使い捨てビニール手袋
  • 使い捨てマスク
  • ゴーグル
  • レジャーシートやブルーシート
  • ビニール袋

〈 天日干しの方法 〉

1:マスク・手袋・ゴーグルを身につける

2:本棚のある部屋の換気をする

3:ベランダや庭の日光がよく当たる場所にシートを広く敷き、本を置けるスペースをつくる

4:本棚の本をビニール袋に入れ、封をしてから屋外へ運ぶ

5:一冊一冊、横にならべていく

6:30~40分経ったら裏表を返す

7:日が落ちる前に取り込む

ポイント

・天日干しをおこなう時間は、紫外線量の多い「10時〜14時」がおすすめです。

・日陰では殺菌効果のある紫外線量が足りない場合があります。かならず日光が当たる場所にカビた本を広げましょう!

・本の日焼けが気になる場合は、日光に当てる時間を調整してください。

ひどくカビている場合は天日干しはNG!

ここまでは天日干しについて説明してきましたが、あくまでも軽度のカビであれば効果のある方法です。胞子の集団が目に見えるほどひどくカビてしまっている場合、天日干しはあまり適切ではありません。

なぜなら、干すだけでは多くのカビを完全には殺菌できず、胞子も残ってしまうからです。そのまま元の本棚に戻すとカビがまた繁殖し始めてしまう可能性も・・・。

また、たくさんカビが生えている本をむやみに動かすと、とても細かくて目に見えないカビの胞子が空気中に舞ってしまいます。そうすると、他の物にもカビが生える原因になりかねません。

では、ひどくカビてしまった本の処置を次で解説していきましょう。

ひどいカビはエタノールで除去できる

本のカビをきちんと除去したい時には、エタノールを使った掃除が適切です。

エタノールは用途にあわせて使い分けが大事!

エタノールとひとくちに言っても、一般的に手に入るものでは2種類に分けられます。それが「無水エタノール」と「(消毒用)エタノール」です。

ここでは、その違いと本のカビへの使い分けをみていきましょう。

■ 無水エタノール

水分が含まれていない、100%のエタノール。揮発性が高いのが特徴!カビた本を消毒する場合には、紙がふやけてしまわないよう無水エタノールを使用しましょう。もちろん、本の表紙やカバーの消毒にも使えます。

出典:Amazon

ちなみに水で70~80%に希釈されたエタノールの場合は、水分を含んでいるので紙に吹きかけるとふやけてしまう恐れがあります。そのため、ビニールコーティングされたカバーや表紙などの拭き取り掃除に適しています。

出典:Amazon

無水エタノールで本のカビを除去する方法

それでは、無水エタノールを使って本のカビを除去していきましょう。

〈 用意する物 〉

  • 使い捨てビニール手袋
  • 使い捨てマスク
  • ゴーグル
  • ビニール袋
  • 乾いた布(ペーパータオルやキッチンペーパーでも可)
  • 無水エタノール
  • 刷毛

〈 方法 〉

1:マスク・手袋・ゴーグルを身につける

2:本棚のある部屋の換気をする

3:可能であれば、カビの生えた本をビニール袋に入れて封をし屋外へ持ち出す

4:乾いた布やペーパーに無水エタノールを含ませ、本をやさしく拭き上げていく(ゴシゴシこするのはNG!)

5:刷毛などで拭いたところを払い、カビの胞子を落とす

他にも、

  • NGのカビ取り方法
  • カビ臭さの対処法
  • 小口、天、地の仕上げの仕方

…を以下の記事でくわしく説明しています!

お悩み解決にお役立てくださいね。


本(書籍)に生えたカビを除去し、再発を防ぐ方法 | カビペディア | カビの悩みならカビペディア

本にカビを生やさない本棚整理術

ここまでは本に生えてしまったカビの落とし方や、カビが生えてしまう理由をご説明してきました。しかし、なによりカビはやっかいなもの。エタノールで落としてもまたすぐに再発してしまうことも少なくありません。

そのため、カビは除去するよりも発生させないことがとても大切!最後に、カビを防ぐための本棚整理術をご紹介します。ぜひご自宅の本棚にひと工夫してみてください。

本棚と壁の間を離す

本棚を壁に寄せすぎているとそこに空気の流れができず、湿気がこもってしまいます。さらにほこりや汚れが溜まっていき、それらがカビの餌となって繁殖を後押ししてしまうことに・・・。

隙間が空いていれば汚れにも気付きやすく掃除もしやすいですから、本棚と壁の間には少し空間をつくるようにしましょう。

除湿剤や除湿シートを置く

カビを防ぐには、なにより湿気対策が欠かせません。本棚の各段に除湿シートを敷いてから本を並べたり、空いている棚に除湿剤を置いて置くのも効果的です。

出典:Amazon

湿気は下に溜まりやすい性質があるため、本棚の下にも除湿剤を置いておきましょう!

出典:Amazon

クリアファイルや新聞紙、布などを本の上にかけておく

家に余っている新聞紙や、クリアファイル、布などを本の上(天の部分)にかけておくとほこりを溜めることなく保管できます。本の天にほこりが溜まってしまうと一冊ずつ掃除するのはとても手間がかかるため、このような方法で防ぎましょう。

また、ほこりを防ぎたい場合、このような本収納ケースに入れてから本棚に置いておくのも良いでしょう。

■ 本収納ケース

見栄えを重視するならば、扉付きの本棚や本がぴったり入る高さの本棚を選ぶという手もあります。この機会に、本棚の選び方から工夫してみるのもアリですね!

■関連記事■本のカビを防ぐお掃除方法

まとめ

今回は、本に生えてしまったカビについて、落とし方や予防をご紹介してきました。冒頭では天日干しと虫干しを説明しましたが、あくまでも予防としておこなうのがおすすめ。本の表紙・天・小口に目に見えるほどカビが生えてしまった場合、やはりエタノールで殺菌しながらの除去が必要です。

本にカビが生えているということは、本棚や床、その後ろの壁にもカビが移っているかもしれません。広範囲にカビが及んでしまった場合、自力できちんと除去するのはかなり大変です。

もしひどいカビを見つけたら、カビ専門のカビ取り業者に依頼してみては?

カビの特性を知り尽くしたプロが、適切な処置で、カビの除去から再発防止まで努めます。ぜひご検討くださいね!

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