カビが生えた土鍋のせいで健康被害!?土鍋の正しいカビ取りと6つのカビ対策

「食べ残しを放置していたせいで土鍋がカビてしまった…」

「久しぶりにお鍋をやろうと土鍋を出したらカビが生えていた。土鍋のカビ取りってどうやればいいんだろう?」

寒い時期は家族でお鍋を囲んだり、友人と鍋パーティーをしたりするため、土鍋が活躍する場面も多いでしょう。

しかし暑い時期はお鍋をやることが少なく、数か月間土鍋を使わずに放置しているという方も少なくありません。

もし適切な保管をしていなかった場合、久しぶりに土鍋を使おうと思ったらカビが生えていた…なんていう事態も考えられます。

もししっかりカビ取りせずに土鍋を使用すると、お腹を壊すなど、体に悪影響を及ぼす恐れがあります。

そこで今回、土鍋にカビが発生した場合の正しい対処方法について解説いたします。

土鍋のカビを防ぐための対策についても紹介するので、是非最後までお読みください。

この記事でわかること
・やってしまいがちな土鍋の間違ったカビ取り方法
・土鍋の正しいカビ取り方法
・土鍋にカビが生える原因
・土鍋のカビ対策

1.土鍋のカビから健康被害が発生する危険がある

カビが発生した土鍋をしっかり洗わずに使用した場合、健康被害が発生する恐れがあります。

カビは微生物であり、その中には人体に有害な菌や毒素を生成するものも存在します。

土鍋のカビが食材と接触した場合、その微生物や毒素が食材に移り、食中毒や健康問題を引き起こす可能性があります。

症状としては、嘔吐、下痢、腹痛などが考えられます。

酷い場合だと入院が必要になることもあるので、土鍋にカビが生えた場合は徹底的にカビを除去するようにしてください。

2.やってしまいがちな土鍋の間違ったカビ取り方法

カビが発生した土鍋を再び使用したい場合は、カビを死滅させて徹底的に除去する必要があります。

しかし土鍋は性質上、取り扱いが難しい部分があります。

そのため間違ったカビ取り方法を行うと、カビが残ってしまったり、土鍋が傷んでしまったりする恐れがあります。

ここではやってしまいがちな間違ったカビ取りを紹介するので、このやり方は行わないようにしてください。

2-1.中性洗剤で洗うだけ

土鍋は表面に無数の穴や凹凸があります。

これは土鍋の特徴であり、食材をより美味しく調理してくれるのですが、その反面小さな穴や凸凹している部分にカビや汚れが付着しやすくなります。

表面がつるつるしている食器なら軽く擦って落ちる汚れでも、土鍋だと細かい隙間に入り込んでしまい、除去が難しくなるでしょう。

また、カビの菌は非常に頑固なので、中性洗剤だけでは完全に死滅しないことがあります。

土鍋にカビが生えてしまった場合は、中性洗剤で洗うだけではなく、後ほど紹介するカビ取り方法を行って、根本からカビを死滅させるようにしてください。

2-2.漂白剤を使用する

食器にカビが生えた時や茶渋などの汚れが取れない時、キッチンハイターなどの漂白剤を使用している方は多いと思います。

いわゆる塩素系漂白剤は、カビの除去に効果があります。

そのため、食器などと同じように漂白剤に漬けたくなると思いますが、このやり方は土鍋には向いていません。

土でできている土鍋は、小さく無数の穴が開いているため、吸水性が高くなっています。

そのためつけ置きすると、土鍋の内部に漂白剤が浸透していってしまうことがあります。

そうなると土鍋の内部に漂白剤の成分が残留してしまい、次に使おうとした時に鍋の汁に漂白剤が混ざったり、ツンとした臭いがするかもしれません。

これではいくらカビを除去できたとしても意味がないでしょう。

そうならないようにするためにも、土鍋のカビ取りをする時は、漂白剤を使用しないように注意してください。

2-3.ゴシゴシと強く洗う

汚れが落ちない時、硬いたわしで強く擦りたくなると思いますが、土鍋の場合はそれは避けるようにしてください。

土鍋の表面は、釉薬や特殊なコーティングによって保護されているため、ゴシゴシと強く擦って洗うと、土鍋の表面が傷つき、細かい隙間が生まれます。

そのような隙間にはカビや汚れが付着しやすくなりますし、土鍋自体の劣化や破損の原因にもなるかもしれません。

カビ取りの時だけでなく、普段土鍋を洗う時も、柔らかいスポンジを使うようにして、スチールたわしなど硬いものは使用しないようにしてください。

3.土鍋の正しいカビ取り方法

続いて、土鍋のカビ取り方法を紹介します。

2.土鍋の間違ったカビ取り方法でお伝えした通り、土鍋のカビ取りには漂白剤などを使うことができません。

そこでおススメしたいのが、煮沸消毒です。

カビは通常菌糸と胞子の状態で存在していて、更に胞子は分生子と子嚢胞子があります。

菌糸は胞子よりも耐熱性が低く、50℃でほとんどの菌糸が死滅します。

最も耐熱性が高いのは子嚢胞子ですが、それでも80℃において30分程度加熱処理をすることでほとんどのカビは死滅します。

そのため、土鍋にお湯を入れて煮沸消毒することは有効なのです。

参考:文部科学省カビ対策マニュアル[基礎編]

3-1.事前準備

用意するもの

  • コンロ(土鍋を加熱できるならIHでもガスでも可)
  • スポンジ
  • 中性洗剤

3-2.カビ取り手順

①中性洗剤で洗う
カビ取りをする前に、スポンジと中性洗剤で土鍋を洗ってください。

②水と酢を入れて沸騰させる
土鍋に7~8合目まで水を入れて、そこに大さじ2~3杯の酢を入れましょう。
そして火をつけて沸騰させてください。

③弱火にして煮沸消毒する
弱火にしてから15分程度煮沸してください。

④冷めてからお湯を捨てて中性洗剤で洗う
土鍋の中のお湯が冷めたら捨ててください。
それからスポンジと中性洗剤で土鍋を洗いましょう。
土鍋は急激な温度変化に弱いため、熱い土鍋に水を掛けたりしないように気を付けてください。

⑤自然乾燥させる
風通しの良い場所でしっかりと乾かしてください。

4.土鍋にカビが生える原因

カビが生えると除去するのは手間になりますし、健康被害も心配です。

そのため土鍋にカビが生えないように対策することが重要になります。

そしてカビ対策をするためには、まず何故土鍋にカビが生えてしまうのか原因を知る必要があります。

まずカビは以下の4つが揃っている場所に発生します。

  • 水分(湿度)
  • 温度
  • 栄養源
  • 酸素

そして、土鍋の使用後の洗い方や保管方法によって、この4つの条件が揃いやすくなることがあります。

4-1.食材の残りカスや油汚れが残っている

カビの原因の1つとして、食材の残りカスや油汚れが土鍋に残っていることが考えられます。

食材を調理する際に、ご飯やスープ、煮物などが土鍋に付着します。

使用後にこれらの汚れをしっかりと取り除くことができればいいのですが、土鍋は細かい穴が開いていて凸凹しているため、隙間に汚れが入り込みやすくなっています。

特に土鍋を使用して、しばらく中身が残ったまま放置していると、スープや油汚れが奥の方まで入り込んで、更に除去しにくくなるでしょう。

そのせいで土鍋が十分に洗浄が出来ず、汚れが残ったままになってしまうことがあります。

そして汚れはカビの栄養源になってしまうので、カビにとって恰好の生育場所が土鍋の中に出来上がってしまうのです。

4-2.しっかり乾燥ができていない

土鍋を洗ったあとに完全に乾燥させていない状態で保管すると、土鍋の中の湿度が高くなります。

特に土鍋は吸水性が高いため、乾いたと思っても、乾燥が不十分だったということがよくあります。

カビは高湿度の環境を好むので、そのようなことにならないように気を付けなければいけません。

風通しの良い場所で、十分な時間をかけて乾燥させることが大切なのです。

4-3.保管場所や保管方法の問題

土鍋をしっかり乾かしてから保管していたとしても、保管場所に湿気がこもっているとカビが発生してしまうことがあります。

キッチンに収納するならガスコンロやシンク下、もしくは食器棚に入れるでしょう。

長期間使用しない場合はクローゼットや押入れの中に保管する方も多いと思います。

これらの場所は大体密閉された空間の為、湿気がこもりやすいです。

このような場所に長期間土鍋を置いていると、気付かないうちにどんどん繁殖していき、久しぶりに土鍋を出したらカビがビッシリ生えていた…という事態も考えられるのです。

5.土鍋をカビから守るための対策

カビは「水分(湿度)」「温度」「栄養源」「酸素」の4つが揃った場所に発生しやすいものです。

そのため、カビが発生する4つの条件が揃わないようにすることで、カビを予防することができます。

そこで、土鍋のカビを防ぐための対策を6つ紹介します。

すぐにできるものばかりなので、是非実践してみてください。

5-1.食べ残しをそのままにしない

土鍋は吸水性があるため、食べ残しを長時間放置することで細かい隙間に入り込んでしまって、汚れが落としにくくなってしまいます。

汚れが落ちずに残ってしまうと、それがカビが繁殖するための栄養源になります。

また、匂いも落ちにくくなるため、次に使う時に以前作った料理の匂いがこびりついているということもあります。

そうならないようにするためにも、食事が終わったらできるだけ早く土鍋を洗って、汚れを除去するようにしてください。

また、たくさん作りすぎて「明日食べよう」と残しておくこともあると思います。

その際も、別の容器に移すようにして、土鍋のまま放置しないようにしましょう。

5-2.土鍋を優しく洗う

土鍋を洗う時は、柔らかいスポンジで優しく洗うようにしてください。

土鍋は表面がデリケートなものが多いです。

もし硬いスポンジやたわしで強く擦ると、土鍋の表面が傷ついたり、釉薬が剥がれたりする可能性があります。

また焦げがこびりついていると、クレンザーなどを使いたくなるかもしれませんが、これも土鍋を傷めることになるのでお勧めできません。

中性洗剤だけでは焦げが落ちないようなら、重曹を活用してみてください。

土鍋に水と重曹を入れて火にかけて沸騰させて一晩おいておくと、翌日には焦げが落ちやすくなっているでしょう。

出典:Amazon

5-3.しっかりと乾燥させる

土鍋は水分を吸収しやすい特性があるため、乾いたように見えても内部や表面に湿気がこもっているということがあります。

湿気がこもっている場所にはカビが繁殖しやすいため、その状態で棚などに保管するといつの間にかカビが発生してしまうことがあります。

そのような事態を防ぐためにも、土鍋を洗い終えた後は、しっかりと乾燥させるように心がけてください。

やり方としては、洗った後にすぐにキッチンペーパーや清潔な布で土鍋を拭き取り、風通しの良い場所でしっかりと陰干しするようにしましょう。

5-4.カビを早期発見できるようにする

秋から冬はお鍋の美味しい季節のため使用頻度が高いですが、春から夏は土鍋を全く使わず、棚に入れっぱなしという方も多いでしょう。

もし土鍋にカビが発生して、長期間それに気付けないでいると、手がつけられないほど悪化していたり、近くに保管している他の調理器具にまでカビが移る可能性があります。

そのため定期的に土鍋にカビが生えていないか確認する必要があります。

カビが生えていればすぐに対処が必要ですし、もしカビが生えていなくても湿っぽくなっているなら、一度取り出して乾燥させることも大事です。

また、汚れが付着しているようなら、拭き取ったり、洗ったりして、常に清潔に保つようにしてください。

5-5.目止めをする

土鍋のカビ対策として、目止めをするという方法もあります。

土鍋に限らず、陶器には目に見えない小さな凸凹がたくさんあり、その隙間に食材が入り込んでしまいます。

そこで目止めをすることで、表面がコーティングされて隙間に入り込みにくくなり、シミやひび割れの予防にもなります。

目止めにはいくつかやり方がありますが、おかゆを炊いたり、お米のとぎ汁を使って行うことができます。

新しく土鍋を購入した場合は、最初にこの目止めをすることで長く使うことができるようになるでしょう。

5-6.風通しが良い状態で保管する

土鍋を使い終わったら、風通しの良い状態で保管するようにしましょう。

まず埃がかぶらないようにビニール袋に入れる方がいますが、これは通気性が悪くなるためお勧めできません。

何かに包んでおきたいのであれば、新聞紙を使用することをおススメします。

新聞紙は湿気を吸収しやすく、土鍋を保護してくれます。

ただし、湿気が多い場所で保管していると、新聞紙が湿っぽくなってしまう可能性があります。

定期的に確認して、新聞紙が湿っているようなら新しい新聞紙と変えるようにしてください。

また保管場所の湿度が高いようなら除湿剤を置くというのもいいでしょう。

除湿剤は湿気を吸収してくれるため、土鍋の周囲の湿度を下げることができます。

除湿剤によって吸収できる水の量も変わるので、こちらも定期的に確認して、必要であれば新しい除湿剤と交換してください。

出典: Amazon

6.まとめ

今回は土鍋にカビが生えた時の対処方法について解説しました。

カビが生えた土鍋を使うことは体に良くないので、しっかりとカビを除去するようにしましょう。

ただし、土鍋は性質上お手入れにも気を遣わなければいけません。

しっかりカビを除去したいからといって、たわしで強く擦ったり、漂白剤を使用したりすることはやめましょう。

土鍋のカビ取りをするなら、煮沸消毒を行ってください。

土鍋のカビを除去できたら、今度はカビが生えないように対策を行ってください。

カビは水分と栄養源がある場所に発生する為、それらが溜まらないようにすることが大切です。

土鍋のカビは体に悪影響を及ぼすため、まずはしっかりと対策をしてカビを発生しないように防ぎましょう。

そしてそれでもカビが生えてしまった時は、早急に対処するように心がけてください。

この記事が、土鍋のカビにお困りの方の助けになることを願っております。