家具のカビ被害とは?素材別のカビ取り方法&カビ対策も解説
「久しぶりにタンスを動かしたら、裏側にカビが生えていた」
「木製の家具のカビ取りってどうやればいいの?」
カビは水回りに発生するイメージを持っている人が多いと思いますが、実は家具に発生することも少なくありません。
原因としては、じめじめした空気やちょっとしたお手入れの怠りなどが考えられます。
また家具のカビは、見栄えが悪いという問題だけではなく、健康被害を引き起こしたり、カビが部屋中に拡散して被害を拡大させる恐れがあります。
そのため、カビを見つけたら早急に対処するように心がけましょう。
今回この記事では、家具にカビが発生した場合の被害や、素材別の対処方法について詳しく解説します。
家具のカビ対策についても紹介するので、是非最後までお読みください。
この記事でわかること |
・家具にカビが発生した場合の被害 ・素材別のカビ取り方法 ・家具のカビを防ぐための対策 |
目次
1.家具にカビが発生した場合どのような被害があるの?
一括りに家具と言っても、テレビ台、タンス、食器棚、テーブル、椅子、ソファーなどさまざまな種類があります。
そして素材も以下のように様々です。
- 木材
- 合皮・本革
- 布
- プラスチック など
カビは木材や本革など天然素材のものに発生しやすいものですが、高湿度など環境によってはどの素材でも発生する恐れがあります。
要するにどんな素材の製品であっても、条件さえ整ってしまえばどこでもカビが発生するということです。
では、カビが発生した場合どのような被害が考えられるのでしょうか。
1-1.見栄えが悪くなる
カビは家具に黒、緑、または白の斑点や変色を引き起こします。
特に布製や木製家具ではカビの斑点が非常に目立ちやすく、美観を著しく損ないます。
これにより、インテリアの価値を下げ、部屋の快適さも低下してしまうでしょう。
また、カビが生えた家具は清潔感がないため、訪問者に不衛生な印象を与えてしまう恐れもあるのです。
1-2.強度の低下
木材でできた家具にカビが発生すると、木材の繊維が弱まり、家具の耐久性が低下することがあります。
カビは木材の内部に浸透し、時間とともにその強度を徐々に損なっていきます。
結果として、家具が壊れやすくなり、修復や買い替えに費用が発生することになるでしょう。
1-3.悪臭の発生
カビは特有の不快な臭いを放ち、家具だけでなく部屋全体に広がってしまいます。
この悪臭は居住環境の快適さを大幅に低下させ、特に密閉された空間ではその影響が顕著です。
1-4.健康被害
カビは家具や部屋だけでなく、人間の健康にも悪影響を与えます。
カビが放出する胞子や毒素は、呼吸器系の刺激やアレルギー反応、さらには長期的な健康問題を引き起こすことがあります。
特にアレルギー体質の人や喘息患者にとって深刻な問題を引き起こすかもしれません。
また、小さな子供や高齢者、免疫力が低下している人はカビの影響を受けやすいため、注意が必要です。
1-5.カビが部屋中に拡散
家具に生えたカビは、家全体に影響を及ぼす可能性があります。
カビは胞子を放出し、これらの胞子は空気中を漂い、家の他の部分に拡散することがあります。
これにより、家具だけでなく、壁、カーペット、カーテンなどの他の物品にもカビが生える可能性があります。
また、エアコンや換気システムを介して家全体に広がることもあり、その結果、家全体の衛生状態が損なわれ、カビの除去がより複雑で手間のかかる作業となります。
カビの拡散を防ぐためには、発生した初期段階で迅速に対処することが重要です。
2.家具の材質によるカビ取り方法
1.家具にカビが発生した場合どのような被害があるの?でお伝えしたように、家具にカビが発生すると様々な被害を引き起こす恐れがある為、カビを見つけたら早急に対処しましょう。
とはいえ、一括りに家具と言っても素材によってカビを除去するやり方は異なります。
そのためここでは、素材ごとのカビ取り方法をご紹介します。
2-1.木材のカビ取り方法
木製家具にカビが発生した場合の除去方法を紹介します。
特に注意すべきなのは、強力なアルコールや濃度の高い漂白剤(例えばハイター)を使用すると、ニスが白濁したり剥がれたりすることです。
木製家具に塗料(特に水性塗料)が塗られている場合、目立たない箇所で薄めた漂白剤を試してから全体に適用すると良いでしょう。
木材や合板の自然な木肌が感じられる素材の場合、薄めた漂白剤を含ませた雑巾で拭くと効果的です。
または霧吹きを使用して均等に漂白剤を吹きかけると、目に見えないカビにも効果があります。
ここで重要なのは、処理後にしっかりと漂白剤の成分を拭き取り、完全に乾燥させることです。
漂白剤の成分が残ると素材を傷めることになりますし、水分が残っているとカビが再発しやすくなります。
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2-2.合皮・本革へのカビ対策
本革や合皮の家具も、使用条件が悪いとカビが発生することがあります。
合皮は基本的にポリウレタン製であり、本体自体はカビの栄養源になることはありませんが、表面に付着した汚れが原因でカビが生えることがあります。
そのため、カビを防ぐためには適切な掃除と湿度管理を心掛けることが重要です。
万が一、カビが生えてしまった場合の対処方法は以下の通りです。
合皮の場合、ひび割れなどがなければ、消毒浴エタノールで拭き取るか、薄めた漂白剤で拭いてみてください。
用意するもの
- 消毒用エタノール
- ゴム手袋
- マスク
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カビ取り手順
- カビが発生している部分に消毒用エタノールをスプレーする
- 15~30分ほど放置する
- 乾いたタオルなどで拭き取る
- 完全に乾燥させる
↑革に傷がつかないように優しく拭き上げましょう
※注意点※
革製品によっては、消毒用アルコールによって変色する可能性があります。
そのため、消毒用アルコールを使う前には、目立たない部分で試してからカビ除去を行うことが重要です。
これにより、アルコールが革の質感や色に悪影響を及ぼさないことを確認できます。
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2-3.布製家具のカビ対策
布製の椅子やソファーは、汚れが付着して放置されることでカビが生えることがあります。
発生しているのが青カビや白カビで、規模が小さければ、革製品と同様に消毒用エタノールで対処可能です。
↑上記の写真のように、布製の家具には「シミのようなカビ」が発生することがあります。
この場合、市販の70~80%濃度の消毒用エタノールをカビ部分に噴射することで、カビを殺菌することができます。
用意するもの
- 消毒用エタノール
- ゴム手袋
- マスク
カビ取り手順
- カビの部分に消毒用エタノールを吹きかける
- 15~30分放置する
- 乾いた布で軽くたたいて水気を拭き取る
- 乾燥させる(日光の近くで陰干しも可)
白カビや青カビ、そして軽度のカビ臭の場合、この方法で対策できます。
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2-4.黒カビが布製の家具に発生した場合
布製家具に黒カビが発生した場合、消毒用エタノールを使用してもカビの色素を除去するのは難しいです。
エタノールはカビを殺菌する効果はありますが、色素を取り除くことはできません。
このような場合、衣類用の酸素系漂白剤を使用してカビの色素を除去することをお勧めします。
使用方法は消毒用エタノールと同様ですが、酸素系漂白剤は揮発しにくく繊維に残りやすいため、布巾で優しくたたきながら漂白剤を拭き取る必要があります。
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ただし、布製品のカビの除去は非常に難しいものです。
カビを根本から除去していないと再発する恐れがあります。
自力でのカビ取りが難しい、または再発してしまったという場合は、専門業者に依頼することをお勧めします。
3.家具類のカビをまとめて除去したいなら”ガス滅菌”
湿気が多い部屋や日当たりが悪い部屋だと、家具に一気にカビが発生してしまうことがあります。
またタンスなどにカビが発生すると、収納している衣類やバッグなどにもカビが移ってしまうこともあります。
カビが酷い場合や、大量すぎて自力でのカビ取りが困難な場合は、カビ取り専門業者が提供する「ガス滅菌」を検討してみてください。
ガス滅菌は、高い安全性・高度な技術を使用してガス滅菌機に入れてカビを完全に死滅させます。
- 家具
- 革製品
- 布製品
- 衣類
- バッグ
自力でカビ取りが難しい、大切なものだから専門業者に任せたいと言う時は、是非活用してみてください。
4.家具のカビを再発させないための予防方法
せっかくカビ取りしてもカビが発生しやすい環境に置いたままだとまた再発してしまうかもしれません。
二度とカビを発生させないためにも、しっかりとカビ対策を行ってください。
4-1.家具と壁の間に隙間をあける
家具を配置する際、通気性を確保することはカビ予防にとって大切です。
家具を壁に密着させて設置すると、背面に空気が滞留し湿気がたまりやすくなります。
この状況はカビの成長に最適な環境を提供してしまいます。
対策としては、家具と壁の間に数センチの隙間を設けることが効果的です。
特に窓際など結露が起こりやすい場所では、この対策はさらに重要になります。
湿気が逃げることなく家具に吸収されると、カビの主な原因となりうるからです。
適切な空間を確保し、家具の背後に新鮮な空気を循環させ、カビの発生リスクを下げましょう。
4-2.定期的な清掃とメンテナンス
カビは埃や皮脂などを栄養にして繁殖するため、綺麗に保つことはカビ予防に繋がります。
家具の表面を定期的に拭き掃除することで、ほこりや汚れを取り除き、カビが生育しにくい環境にすることができます。
そして家具だけでなく部屋もこまめに掃除するようにしましょう。
また、空気清浄機を置いて部屋の空気を清潔に保つこともカビ予防になります。
それから、掃除だけでなく家具のメンテナンスも重要です。
木製家具の場合は、ニスやワックスを定期的に塗り直すことで、木材の保護を強化し、湿気によるダメージを防ぐことができます。
4-3.湿気対策
カビは湿度が高い場所に発生しやすいため、除湿機やエアコンを使用して、適切な湿度を維持してください。
カビが生育しにくくするために、できるだけ部屋の湿度を60%以下に保ってください。
タンスやクローゼットなど密閉された空間は、除湿剤を置くのがおススメです。
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また湿度管理には換気も重要です。
こまめに窓をあけたり、浴室やキッチンなどの湿気が多くなりがちなエリアでは、換気扇を利用すると良いでしょう。
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5.まとめ
この記事では家具にカビが発生した際の被害と、カビを除去する方法について詳しく紹介しました。
家具がカビに侵されると、見た目が悪くなるだけでなく、不快な臭いや健康への影響、そして部屋全体へのカビの拡散など、多くの問題が発生することがあります。
そのため、家具を適切に配置し、定期的な清掃や湿度の管理を行うことが、これらの問題を予防するためには重要です。
万一カビが発生してしまった場合、初期段階であれば自力で対処できる可能性もあります。
しかし、カビが広範囲に及んでいたり、扱いが難しい素材にカビが発生した場合は、カビ取りの専門業者に相談することをお勧めします。
カビが発生しにくい環境作りと、発生した際の迅速な対応を心掛けて、カビに悩まない生活を目指してください。