リフォーム前必見!!「カビにくい壁紙素材」はあるのかカビ取りのプロが解説

近々、自宅のリフォーム工事を考えています。所どころ老朽化しており、カビが生えている場所もあるため、壁紙や床材の張替えも検討しているのですが、カビにくい素材など選べばあるのでしょうか。

お家って新しいうちは快適ですが、長い間住んでいくと必ず経年劣化はしてくものです。人生の長い時間を過ごすおうちだからこそ、快適に過ごしたいですよね。そんな時「そろそろリフォームを」と思う方もいるかも知れません。

実は...リフォームをする前だからこそできる「カビ対策」というのがあります。

例えば壁紙の選び方1つでカビが発生しやすくなったり、逆に生えにくくすることも可能なのです。そこで

  • これからお部屋や家のリフォーム工事を行う予定がある方
  • アレルギーがあり、カビとは距離を置きたい方
  • カビにくい素材の壁紙でリフォームをして、快適なお家ライフを過ごしたい!という方のために

カビ取りのプロが解説していきたいと思います。

カビにくい壁紙の素材

カビにくい素材の壁紙はあります。洋服をイメージしてもらうと分かりやすいですね。夏場や梅雨時期などは、通気性の良い、乾きやすい生地の洋服を選ぶことが多いと思います。

カビの発生する条件は、「湿度・温度・栄養」と言われていますが、湿度を軽減するだけでも、効果は絶大です。つまり、壁紙の機能として、「調湿性・通気性」がキーワードとなります。カビにくい壁紙素材は例えば以下です

  • 吸放湿壁紙:吸水性ポリマーが使われている。夏は湿気を吸い、冬は発散しやすい性質です
  • 通気性壁紙:壁紙自体が透湿性の高い構造。壁を通して湿気を排出、結露やカビの発生を抑える効果があります。躯体に直接貼るより、石膏ボードとの組み合わせが正解です。

吸放湿壁紙・通気性壁紙(参考)https://www.kabe.xyz/shop/sangetu-tu.html

使用場所によっては裏目に出る場合も...

しかし、調湿性の高い壁紙は湿度を吸収する働きもあるので、地下や北側の部屋など日当たりが悪く湿気が溜まりやすい場所ではかえってカビの原因となる場合もあります。

例えば、吸収性の高い「珪藻土」の壁などは、室内の湿気を吸収してくれますがあまりにも湿度の高い場所や通気性の悪い場所に塗装すると、一般的な壁紙よりもカビがあっという間に繁殖してしまう可能性がありますので注意が必要です。

吸湿性より防カビ性を重視

その為、おすすめは防カビ仕様のビニールクロスか塗装です。カビにくく、これらはカビが生えたとしてもその後のメンテナンスがしやすいです。

(リフォーム代理店で色んな壁紙素材のサンプルが有りますので参考まで)

ポイント
何を選べばよいか迷った場合は「防カビ加工」のものを選ぶようにすると良い

カビやすい壁紙の素材

最近は、吸放湿壁紙や、通気性壁紙など素材開発が進んでいますので、

「カビやすい」壁紙はあまり散見されなくなってきました。

しかし敢えて、答えるとすると、下記の条件が揃うとカビの発生を促してしまいます。

  • 北側の部屋で、窓が設置されていない
  • コンクリート躯体に、直接クロスを貼り、仕上げている
  • リフォーム工事でクロスを重ね貼りしている(工事費用が安価に抑えられる為)

ですので、壁紙をどのように貼るのか=貼り方や、部屋の構造も関係するということです。

また先ほどの章でもお伝えしたように、珪藻土のように吸湿性のある壁紙でも通気性の悪い部屋ではかえってカビの温床になることもあります。つまり「貼る場所」も重要です。

ポイント
それだけで「カビやすい」壁紙というものはほぼないが
・貼り方
・貼る部屋の構造や位置
も考慮して、壁紙の素材を選ぶこと

壁紙シールは〇〇を避ける

手軽にに施工できる”壁紙シール”もリフォーム業界では最近人気ですが、この壁紙シールも特に「これがカビやすいからダメ」というものはございません。しかし調湿性・通気性が低いものは、カビ発生リスクを高めます。

例えば、シール性の壁紙(DIYでよく利用されていますね)などが該当します。ネットやホームセンターなどで手軽に手に入れることが出来て自分で貼ることが出来るので人気ですよね。

しかし、これらシール性の壁紙はキッチンやトイレ、浴室などの「水回り」には貼らないことをおススメします。理由は、壁紙の上からシールを貼っているため湿気が逃げにくく、溜まることでカビが生えやすくなるからです。

防臭ならエコカラット

また、防臭効果が高い素材の代表格としてエコカラットがおすすめです。

玄関や洗面・トイレに使用されることが多いですが、エコカラットとは、調湿効果、消臭効果に優れるタイル型の壁仕上げ材のことで吸放湿壁紙の上位互換というイメージです。よってコストもUPします。

デザイン性も上がっていることから、リビングなどの居室の仕上げ材に利用されることも増えてきました。ペットを飼っているお家の方も愛用者が多いですね。

壁紙の色にも注意

また「壁紙の色」にも注意が必要です。例えば...ホワイト、ベージュなどの薄い色味の壁紙だとカビが目立ちます。特に黒カビの場合は白い壁に少しでも生えると目立ちます。

グレーや、ネイビーなどのアクセントクロスを選ぶと黒カビは目立ちにくくはなりますが、白カビなどは目立ちます。生えるカビの種類や環境にもよりますが、個人的にはすぐにカビが発見できて、除去しやすいホワイト系の壁の方がおススメです。

リフォームをする際に気を付けるべきカビ対策法

①断熱材

断熱材が、「まだ使えるか」「そもそも入っているか」の確認が必要です。

※外気に接する面には入っていることが望ましい(最上階の部屋の天井や、角部屋の壁など)

壁紙―石膏ボード―断熱材(+木軸orGLボンド)の順で施工されているので、確認する方法としては、

  • コンセント口解体して断熱材の有無の確認。
  • 一部取り出して断熱材の状態を確認

コストはかかるが、断熱・石膏ボード・壁紙を一式新設するのが最も安心。

②インプラス

既存窓を2重にする施工。結露や湿気対策だけでなく、エアコン効率、防音対策にもなります。築年数が古いマンションなどのおススメです。一か所6~20万程しますが、カビの原因である”結露対策”になるので、予算に余裕がある場合は是非追加してください。

注意点「カビがすでにある状態での二重窓は×」

ただしカビがある状態で工事をすると、気密性が上がり、一気にカビが酷くなるケースがあります。 特にマンションの大規模修繕工事の際窓を2重サッシに変えたあと急にカビが発生して相談を受けることが多いので、注意が必要です。また、インプラスを施工する前にしっかりとカビ除去することもポイントです。

③カビの根を絶ってからリフォームをすること

さて、ここが最も大事なことなのですが、よく「リフォームをすればカビが消える」と勘違いされている方が多いです。

しかし、リフォームをすれば見た目はきれいになりますが、カビの根本を絶たないと再発します。

例えば

  • 壁紙は張り替えるが、石膏ボードのカビは気にしない
  • 安価で済ませたいから、壁紙を上から貼ってしまう

その結果、リフォーム後すぐにカビが発生してしまったというケースも少なくありません。

せっかく、お金を払ってリフォームをするのですから一旦家の汚れもカビの根もリセットしてから、オシャレに使い勝手の良いリフォームをしましょう。

リフォーム後も気を付けること

リフォームをして、内装がキレイになったからといって必ずしもカビが生えないわけではありません。

  • 換気や除湿を行う
  • 掃除をこまめにする
  • モノを増やしすぎない
  • 結露対策の除湿器や通風機を設置する
  • カビやすい部分は定期的に除菌・殺菌をする

など、日ごろからカビ予防を意識した生活様式が大切です。

シャープ 加湿空気清浄機 プラズマクラスター

出典: amazon

パナソニック 加湿空気清浄機 ナノイーX

出典: amazon

万が一カビが生えてしまった時は早急に対処しましょう

カビ取り業者のハーツクリーンが開発したカビ取り剤のカビ取りマイスターキットは、実際に業者が使用している液剤を誰でも使えるように改良した商品です。

危険な成分は含まれていないので、部屋の壁のような市販のカビ取り剤が使えない場所でも使用できます。

カビ取りのプロより

カビが一度生えてしまった家をリフォームする場合、ただリフォーム工事をしただけではカビの原因を除ききれていないため、再発する恐れも。特に壁紙の裏にカビが生えている場合には、工事前の除カビが有効です。

まとめ

リフォームの機会は、そう多くはないかと思います。だからこそリフォームをする前に

  • カビをしっかりと除去しておく
  • 不向きな場所で不向きな壁紙素材を使用しない

ことは非常に大事です。また、素材の選び方だけでなく構造面でも

  • 通気性の悪い部屋に換気扇や内窓を付ける
  • 水漏れや雨漏りしている箇所は配管を整備しておく

など内部面のメンテナンスもしておきましょう。

また、もしもリフォーム業者が”カビ取り”オプションが付いていない場合はできるだけ専門的なカビの知識を有するカビ取り業者へリフォーム前にカビ取り依頼をされることをおススメします。再発を防ぐためのカビ予防のコーティングサービスもありますので、是非ご相談ください。

リフォーム前にカビのお悩みを解決しましょう!