意外な落とし穴?!家具裏にカビが発生したときのカビ対策を解説
久しぶりに家具の裏を掃除しようと家具を動かしてみると家具の裏側にカビが・・・!今回は家具裏にカビが生えたときの対処法とカビ対策についてご紹介します。
目次
1. どうして家具の裏にカビが生えるの?

なぜ家具の裏にカビが生えるのでしょうか。家具裏にカビが生えてしまう原因には次のようなことが考えられます。
1-1. 埃や汚れの蓄積

室内塵(埃や髪の毛、ペットの毛や繊維くずなど)はカビにとっての格好の栄養源であり、室内塵1gには1万~1千万個近いカビの胞子が付着していると言われています。大きな家具は動かすのが大変な上に裏側は手が届きにくいです。そのため普段の掃除においてもついないがしろになりがちです。放置された埃などの汚れが蓄積すると同時に、カビも増えてしまいます。
1-2. 結露

結露と言えば窓ガラスに発生するイメージがあり、家具裏に結露ができるの?と思われたかもしれません。ですが、家具の裏側にも結露が発生するのです。
家具裏の結露は比較的気温の低い日に発生しやすく、外気温の低下により外壁が冷えて家具裏の温度が下がることで結露が生じます。水気のある場所はカビの最適な生育場所であり、さらにカビは埃や家具自体の素材を栄養源にしてしまうため、結露の生じた家具裏というのは非常にカビが生えやすい場所と言えるのです。梅雨時期や冬場は要注意です。
1-3. 家具裏の通気性が悪い

家具と壁や床の距離が近く、通気性が悪い状態ですと家具裏にカビが生えやすくなります。家具裏は湿気が溜まりやすいだけでなく結露の影響も受けやすいため家具裏の通気性が保たれていないとカビが生えてしまいます。壁と家具の距離が近いとカビが一カ所にとどまらず家具裏から壁、天井や床に広がりやすくなります。
2. 素材によってもカビの生えやすさが違う?!

家具を同じように置いていても一方の家具にはカビが生えているけれどもう一方には生えていない、といったこともあるかもしれません。実は家具の素材によっても湿気の吸いやすさの違いによりカビが生えやすい・生えにくいといったことがあります。
合板の家具や化学塗料が厚く塗られた家具は湿気を吸いにくくカビが生えにくいです。一方で
木製や、天然素材の塗料を使用した家具は吸湿しやすくカビも生えやすくなります。
とはいえ、家具の素材は要素に過ぎず、家具を置いている環境次第でカビの程度が大きく変わることは言うまでもありません。
3. 家具裏にカビが生えたときの対処法
では実際に家具裏にカビが生えてしまったらどうしたらよいのでしょうか。家具裏にカビが生えてしまったら次の方法でカビを除去します。
3-1. 消毒用エタノールでカビを除去する

家具の裏に生えたカビは、生え始めの軽いカビやふわふわとした白カビであれば消毒用エタノールで除去することができます。用意するものと手順は次の通りです。
~用意するもの~
- マスク
- ゴーグル
- ゴム手袋
- 消毒用エタノール
- 清潔な雑巾またはタオル
- 歯ブラシやブラシ(必要に応じて)
~手順~
① マスク、ゴム手袋、ゴーグルを身に着けて身体を保護します。
② カビが生えている部分より広めに消毒用エタノールをたっぷりと吹きかけます。
③ 上からタオルや雑巾を押し当て、エタノールをしみこませます。
④ ある程度エタノールが浸み込んだら拭き取ります。
⑤ カビが残ってしまったら再度エタノールをかけ、歯ブラシなどで軽く擦ります。
3-2. 専用のカビ取り剤を使用する

消毒用エタノールを使えばカビの殺菌は可能ですが表面の色素まで除去することはできません。
黒や青のカビの色素まで除去したい場合は、消毒用エタノールではなく、家具の素材に合わせた専用のカビ取り剤を使用します。
木製品、布製品など素材別で使えるカビ取り剤が市販されていますのでそういったものを使用します。ただし、いくら素材に合わせたカビ取り剤とはいえ、色素まで除去できるような漂白作用のあるカビ取り剤は家具表面を変色・脱色させてしまうことがあるため、使用の際は予め目立たない箇所で試してから使うようにしましょう。
3-3. カビ取り時の注意点

家具裏のカビには基本的には消毒用エタノールや専用のカビ取り剤を使用しますが、家具によってはいずれも使えない場合があります。それは、天然木や自然由来の塗料を使用している場合です。
これらを使用した家具に消毒用エタノールやカビ取り剤を使うと塗膜が剥がれ、素材が傷んでしまいます。
こういった家具にカビが生えてしまったら、硬く絞ったタオルでカビを拭き取り、風通しの良い場所で陰干しし、十分に乾燥させます。
また、思い入れのある家具であったり特注した家具で特殊な素材を使用しているなどの理由から自力でのカビ取りを不安に感じている場合は、まず購入した店舗に相談してみるといいでしょう。
4. 家具裏のカビを防ぐには?
家具の裏のカビを防ぐには次のようなことを心掛けましょう。
4-1. 壁や床との間に隙間を作る

家具を設置する際、家具と床・壁の間に隙間を作るようにします。できれば4cm以上の隙間があると結露の影響を受けにくく通気性も保たれます。床との接着面については安全性を最優先にして、可能であればキャスターをつけたり空間ができるような台にのせるなどするといいでしょう。
4-2. こまめに掃除をする

カビの栄養源となる埃はできるだけない状態を保ちます。家具裏の掃除は疎かになりがちですが埃がたまりやすい場所でもありますのでこまめに掃除をしましょう。
4-3. なるべく外壁に近い場所には置かない

家具のすぐ裏側が外壁になっている場所にはなるべく家具は置かないようにします。また、窓の近くも避けましょう結露の影響を受けやすくなります。特に、日当たりが悪い北側の壁に沿うように家具を置くことはやめた方がよいです。
5. 家具裏のカビが広がってしまったら?
気がつかないうちに家具裏だけでなく床や壁、天井にカビが広がってしまったらどうしたらよいのでしょうか。壁や床、天井にまで広がったカビを自力で除去するのはなかなか難しく、トライしたとしてもカビが残ってしまったり素材を傷めてしまったりと労力だけが奪われることになる可能性が高いです。それぞれの素材に合わせたカビ取り剤を選ぶのも大変です。
カビが広範囲に広がっているようであれば、まずはカビ取り業者に相談することをおすすめします。
賃貸物件であれば管理会社や大家さんに連絡しましょう。一度生えたカビは除去しない限り広がり続けますので、目を背けたくなるような状態でも放置せず速やかにカビ取り業者または管理会社に連絡してください。
6. まとめ
今回は家具裏にカビが生える原因とその対処法についてお伝えしてきましたが、まとめると
● 家具裏のカビの主な原因には、室内塵の蓄積、家具裏と壁の間の結露、通気性の悪さが関係している。
● 天然素材、自然由来の塗料を使用した家具はカビが生えやすい。
● 家具裏にカビが生えたら、消毒用エタノールまたは素材に合わせた専用のカビ取り剤を使用する。
● 自然由来の塗料が使用されている家具には、塗膜が剥がれることがあるため消毒用エタノール含むその他カビ取り剤は使わない。
● 家具裏のカビを防ぐには、家具と床・壁の間に隙間を作って結露しないようにし、同時に通気性を保つようにする。また、こまめな掃除を心掛け、家具の設置場所も外壁や窓近く、北側の部屋は避ける。
● 家具裏のカビが壁や床、天井に広がってしまったら放置せず速やかにカビ取り業者や管理会社(大家さん)に連絡する。
<参考>
- アンティーク家具専門店 Handle
- https://handle-marche.com/
