子供部屋のカビ対策

「北側に位置する子供部屋の窓、壁、天井にカビが生えてしまいました。ぬいぐるみや絵本にも一部カビが生えているので大変ショックです。子供部屋のカビを放置することで起きる影響と、カビ対策方法を教えてください」

まだ小さなお子様の部屋にカビが生えてしまったらお子様へどんな影響があるか心配になりますよね。そこで今回は子供部屋のカビの影響とカビ対策方法についてお伝えしていきます。

1. 子供部屋のカビの影響

子供部屋のカビを放置するとどんな影響があるのでしょうか。カビを放置することで起きる悪影響には次のようなことがあります。

1-1. カビの被害がさらに拡大

カビを放置すると当然ながら、すでに生えているカビはより深く根を張り頑固になります。さらにカビの生育範囲もこれまで以上に広がるでしょう。放置すればするほどカビ被害は深刻化し後々の対処も大変になります。

1-2. カビ取り・リフォーム費用がかかる

子供部屋のカビを長期間放置すると、カビの状態はひどくなります。カビ汚染が軽度なうちであれば自力で対処できたり業者に依頼しても比較的安く済むでしょう。

しかしカビ汚染が進むと自力でのカビ取りに限界があったり、業者に依頼してもその深刻さから費用がかかってしまうこともあります。除去だけで済めばいいですが最悪の場合リフォームせざるを得ないということにもなりかねません。子供部屋のカビを放置するとカビ汚染が拡大するだけでなく、いざ対処しようと思ったときに余計な労力と費用がかかってしまいます。

1-3. 健康被害

子供部屋にカビが生えたら、部屋のカビ被害ももちろん気になりますが一番気がかりなのはお子様の身体への影響ではないでしょうか。もちろんカビを放置していても良い影響はありません。では具体的にどんな身体への影響が生じるのでしょうか。

① カビアレルギー

アレルギーといえば食べ物や花粉で起こるものをイメージされるかもしれませんが、カビによってもアレルギー症状を引き起こすことがあります。具体的には、気管支喘息やアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、過敏性肺炎、シックハウス症候群などがあります。特に気密性の高い鉄筋コンクリート造の住宅に住む子供のアレルギー症状は治りにくいとも言われています。

② 感染症

カビが感染症につながることもあります。日本医真菌学会の疫学調査によると、カビが原因の感染症のトップ3が白癬、次いでカンジタ症、マラセチア感染症となっています。その中でも圧倒的に多いのが白癬いわゆる水虫です。水虫は不衛生で蒸れた足にできるイメージがありますが実はカビが原因菌なのです。

水虫によりできた傷から別の細菌が感染し、悪化してしまうこともあるため、カビによる感染症を侮ってはいけません。

2. 子供部屋にカビが生える原因

そもそもなぜ子供部屋にカビが生えてしまうのでしょうか。

2-1. 部屋のある位置が関係している

実はカビが生えやすい部屋の位置というものがあります。今回の相談者様のご自宅にある子供部屋は北側に位置しているとのことですが、実は戸建て、マンションにかかわらず北側の部屋は他の部屋に比べてカビが発生しやすいという特徴があります。理由は日当たりの悪さです。

日光には殺菌作用がありますが日の当たらない北側の部屋ではその効果がほとんど得られません。さらに言えば、1階の部屋は2階やそれ以上の部屋と比べてカビが生えやすいです。

一階は地面に近く湿気やすいためです。1階のカビ数は2階の10倍以上とも言われています。カビが生える要因には様々なことがありますが、今ある子供部屋が一階の北側にある場合はそれがカビ発生の最大の原因と考えていいでしょう。

2-2. おもちゃに付着した皮脂や汗、食べ物や外からの汚れがカビの栄養源に 

ぬいぐるみやおもちゃでよく遊ぶお子様ですとおもちゃには汗や皮脂が多量に付着しています。また、外で遊ぶ機会が多いと知らず知らずのうちに塵や埃、砂などが室内に持ち込まれています。お菓子や飲み物の食べ・飲みこぼしもカビの原因になってしまいます。

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皮脂や汗、ホコリや食べカスなどのあらゆる汚れはカビの格好の栄養源です。子供部屋には子供特有の汚れが、大人の想像を超えるものや場所に付着しているのです。

また、窓際にぬいぐるみやおもちゃ、衣類など布製品をたくさん置いていると、窓際に発生した結露の水滴が溜まりカビが発生することがあります。そのため換気と除湿で結露を防ぐこともカビ対策になります。

2-3. 天然素材・自然由来のものをお手入れしない

カビはあらゆる有機物を栄養源にしますが、プラスチックのような人工的な素材のものよりも天然・自然由来の素材の方が栄養源にしやすく発育スピードが比較的早い傾向にあります。

子供にはできるだけ肌に優しいものを、という親心から綿や麻などの自然素材の衣類や羽毛の布団を使っている方もいらっしゃるかと思いますが、寝汗や湿気の蓄積を放置するとカビやすくなってしまいます。

また、畳の部屋の場合も要注意です。畳は吸湿性に優れていると同時にい草自体がカビの栄養分になります。特に新しい畳は新鮮で湿気をよく吸収するため、カビが生えやすくなります。上に家具を置いたり寝具やカーペットを敷きっぱなしにするとより湿気や汚れが溜まりやすくなるため、除湿機を置いたり、大きな家具を置かないようにするなどして、日ごろからカビを生やさないよう意識しましょう。

2-4. 掃除・換気が不十分

掃除・換気不足もカビの大きな原因の一つと言えるでしょう。もちろん毎日掃除をされている方もいらっしゃるかと思いますが、仕事と家事と子育てに追われてなかなか細かいところまで掃除が行き届かないこともあるのではないでしょうか。

ましてやおもちゃや本など物が多いと大変です。物が多いとホコリが溜まりやすくなります。また、窓やドアを開けて換気をする日が少ない、換気の頻度が少ないことも部屋の通気性を悪くしカビを増殖させてしまいます。

3. 子供部屋のカビ対策

では、子供部屋にカビが生えてしまったら、もしくは今後生えないようにする方法はないのでしょうか。ここからは子供部屋のカビ対策についてお伝えしていきます。

3-1. 子供部屋にカビが生えたら?

子供部屋にカビをみつけたら、次のようなアイテムである程度自力でのカビ取りが可能です。

① 消毒用エタノール

② 無水エタノール

③ 酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)

④ 塩素系漂白剤

これらの中から適切なものを選んでカビを除去しましょう。床や壁、衣類に生えた比較的軽度なカビであれば消毒用エタノールを噴射し拭き取るだけでカビの除去が可能です。

ただし、消毒用エタノールはカビの色素を落とすことはできませんので黒や青などのカビの色素を落としたい場合は酸素系または塩素系の漂白剤を使用します。色柄物の衣類やぬいぐるみ、布団やカーテンその他脱色の心配があるものには酸素系漂白剤を使います。

塩素系漂白剤は黒カビの色素除去に向いていますが、成分の1つである水酸化ナトリウムをしっかりと除去する必要があるため、何度も雑巾などで拭きとりましょう。また、塩素ガスが発生しますので、使用中は必ず換気をしてください。

それぞれ規定量に希釈し、拭き取りまたは浸け置きをしてカビを除去しましょう。必要に応じてブラシ(歯ブラシ)や綿棒などもあるといいです。最後に、天日干しできるものは天日干しをして完了です。

書籍や紙類には無水エタノールを使うという方法も

無水エタノールは本のように濡れると困るものに使えます。揮発性が高く水分が残らないため本に吹きかけても紙が波打つ心配がありません。消毒用エタノールの方が殺菌効果は高いですが水分も含まれているため紙のカビ取りに無水エタノールを使います。本のカビは物理的にやすりがけで取り除くという方法もありますが、いずれにしてもカビ取り時には窓を開けて換気をしながら行うようにしましょう。

カビが広がっている場合は業者に相談を

  • カビが広範囲に広がっている
  • 天井のカビまで届かない
  • 自分でやってみたがカビが残ってしまった

という場合はカビ取り業者に依頼するというのも一つの方法です。プロに依頼すれば部屋中のカビをきれいに除去してくれるだけでなく、カビが生えてしまった原因を見つけ、再発を防いでくれます。

また、カビ取り業者に依頼するとそれだけ費用がかかってしまうため、なるべく費用を押さえつつ、自力でプロレベルのカビ取りを行いたいという方には「カビ取りマイスターキット」を使って、除カビする方法もあります。

カビ取りマイスターキットは、安全性を追求し独自開発されたカビ取り液剤で、カビ取り剤だけでなく防カビ剤もセットですので、しっかりとカビ取りしつつ再発を防ぎたい方におすすめです。

3-2. カビを防ぐ方法

カビがきれいさっぱりなくなったら今後は再発防止に努めたいところです。子供部屋のカビを防ぐ方法としてできそうなものはぜひ取り入れてみてください。

① 掃除と換気

カビ対策の基本ではありますが掃除と換気は毎日行いましょう。掃除をしてカビの栄養源を極力減らすことが大切になります。また同時に換気もします。部屋の大きさにもよりますが換気時間は1時間に5~10分程度が効果的です。

また、物が多すぎる場合には不要なものを処分し、なるべく床にモノを直置きしないようにしましょう。特にタンスや収納ケースを畳みの上に置いている場合などは、こまめに移動させて掃除しましょう。

② 除湿器や空気清浄機、サーキュレーターを使用する

空気清浄機を使って部屋の空気をきれいにしたり、サーキュレーターを使って部屋の空気が滞らないようにすることもカビ対策には有効です。特に湿度が高くなりやすい部屋には除湿機能付きの空気清浄機を使ってもいいでしょう。

② 消毒用エタノールでカビ予防

消毒用エタノールは手軽にカビを殺菌できるアイテムとしておすすめです。床や畳の拭き掃除時に消毒用アルコールを布巾に染み込ませて、塗布したり、フローリングワイパーに染み込ませて天井や壁に塗布してカビを防ぎましょう。床材によっては消毒用アルコールを使うと変色するものもあるため、目立たない場所で試してから変色が無いかを確認して使うようにしましょう。

③ 汚れやすいものはこまめに洗濯

ぬいぐるみやクッション、布団など皮脂や汗、手垢など汚れがつきやすいものはこまめに洗濯をしましょう。目に見えなくても意外と汚れがついていますので、汚れていないからとそのままにするのではなく曜日を決めるなどして定期的に洗濯しましょう。

⑥ クローゼットは閉め切らない・除湿剤を使用する

クローゼットの中や衣類にカビが生えるのを防ぐために、クローゼットは開けたままにしておく方がいいです。またクローゼット内には除湿剤を入れておきましょう。

また、雨などで濡れた衣類や生乾きの衣類をクローゼットに入れないように注意しましょう。室内干ししてしっかり乾燥させてから収納してください。

① 子供部屋を2階または北側以外の部屋に移す

現在子供部屋が北側にあり、余っている部屋がある場合には別の部屋に移すというのも1つの方法です。戸建てであればできるだけ1階ではなく2階の方がいいでしょう。

北側の部屋は物置にするなどして居住空間としては使わない方がいいです。ただし北側の部屋にカビが生えやすいことに変わりはありませんので物置にする場合でもこまめな掃除と換気は継続しましょう。

4. まとめ

今回は子供部屋にカビが生えたときの影響とその対策についてお伝えしてきましたがまとめると、

● 子供部屋のカビを放置すると、カビの被害が拡大しカビ取りにかかる費用も大きくなる。

● 子供部屋のカビを放置することでアレルギー症状や感染症などを引き起こすことがある。

● 地面の湿気の影響と日当たりの悪さから一階北側の部屋にはカビが生えやすくなる。

● 子供の皮脂や汗、食べカスや砂・埃などがカビの栄養源になっている。天然素材のものが多いことがカビ発生の原因となることも。

● 子供部屋にカビが生えたら、消毒用エタノール・無水エタノール・酸素系漂白剤・塩素系漂白剤でカビ取りをする。自力で手に負えない場合はプロのカビ取り業者に依頼する。

● 子供部屋のカビ対策として、一階北側の部屋は避ける、こまめな掃除と換気をする、空気清浄機やサーキュレーターを取り入れる。

となります。

カビ対策をして、子供たちには快適な空間で健やかに過ごしてほしいですね。

<参考>

・日本医真菌学会 疫学調査委員会 『2011年次皮膚真菌症疫学調査報告』 2015

・古澤晋 飯倉洋治 他 『住宅におけるカビアレルギーとその予防に関する研究』 1992 住宅総合研究財団研究年報

DAIKIN

・高鳥 浩介 他 『カビのはなし ミクロな隣人のサイエンス』 2013 朝倉書店