
中古マンションの購入を検討しているけれど、「カビ」が生えないか気になる・・・そんな悩みを抱える方も多いのではないでしょうか?
築年数が経過している物件では、表面上はきれいでも壁の内側や配管まわりの湿気が原因で、入居後にカビが広がってしまうケースも少なくありません。
では、購入時にリフォームやリノベーションを行えば、カビの発生を防げるのかどうか気になりますよね。

実際には、どのようなリフォーム工事を行うかによってカビ対策の効果は大きく変わります。
表層だけを整えるリフォームでは十分な改善ができないケースも多く、カビを根本から防ぐには、断熱材や換気設備の見直しなど、構造部分を見直す必要が出てくることも。
この記事では、中古マンションを購入した際に行うべきリフォーム工事のポイントや、リフォームとリノベーションの違い、費用の目安、そして注意しておきたい失敗例について詳しく解説します。
中古マンションの購入を検討している方は、ぜひ最後までお読みください。
この記事で分かること |
・リノベーションとリフォームの違い ・表層リフォームをする際の注意点 ・リノベーション済み物件を選ぶ際の注意点 |
目次
中古マンションで行うべきリフォーム工事
リノベーションとリフォームの違い?!
まず、リフォームとリノベーションの違いについて解説していきます。
この二つは、名前は似ていますが、工事内容がかなり異なります。しかし、築年数や内装の状況によってはリフォームではなくリノベーションの工事をした方がよい場合もあります。
①リフォームとは?

リフォームは、例えば、お風呂やトイレ、キッチンを取り換える設備系の工事と、壁紙、床材などを張り替える仕上げ工事などがあります。簡単に言うと、内装などをきれいにする為の工事です。
②リノベーションとは?

一方、リノベーションは、床・壁・天井をすべて解体し、いわゆるスケルトン状態(空間をコンクリートのハコの状態)にして、間取りを一から作っていきます。もちろん、間取り変更や、水回りの移動も可能です。
リノベーションのことをリフォームということもありますが、広義ではリフォーム工事の中にリノベーションは含まれているイメージです。

リノベーションの費用はどれくらいかかるの?
リノベーションは、間取りも取り払って配管から全て新しく工事しますので、通常のリフォームと比べると工事金額は高く、目安でおおよそ50㎡~60㎡で約800万~1000万程かかります。
費用は高くかかりますが、その分、インフラを新しくすることで部屋内は新築同様となり、また間取りも自分好みに変更することができるため、風通しの良い家にすることも可能です。
リノベーション費用も考慮した予算で物件探しを
築20年以上の中古マンションを購入する際には、配管の損傷やカビ発生などのリスクも考慮して、このリノベーション費用も予算に含めて探されることをおすすめします。
もちろん、築20年未満の築浅の物件であれば、物件価格が比較的上がる分、配管の工事までせずに、壁紙やフローリングなどのリフォームで充分な場合もありますので、予算や理想の住まい、住環境などトータル的に考えて探しましょう。
(ちなみに、都心へのアクセス、駅近など利便性と予算を全て考慮すると、やはり築20年以上物件の方が条件に当てはまるものが多くなります。)
築20年未満の場合は、表層リフォーム
表層リフォームの例は以下のようなものです。
- お風呂の交換
- キッチンの交換
- トイレの交換
- 洗面所全体(壁、床、洗面化粧台)の交換
- 壁紙(クロス)の貼り換え
- フローリングの貼り換え
- 簡易的な間取り変更(和室を溶質にしたり、1つの部屋を2つに分けるなど)
- 収納スペースの新設
家中を全て解体して、工事をするというよりも、老朽化したキッチン周りを新しく取り換えたり、子供部屋だった場所を収納スペースに変更するなどといったような工事のことです。
ここまでの話を考慮すると「中古マンションを購入したとしても、部屋が特にキレイだったら、水回りだけの部分リフォームの方が、予算も安くつくから良いかも」と思う方もいるかも知れません。
もちろん、予算に応じて、可能な部分のリフォームをして快適な住環境を整えることが最も大事です。
しかし、表層リフォームをする際にはいくつか注意点があるので、しっかりと確認しておく必要があります。
■関連記事■キッチン購入前必見!カビにくいキッチンの材質とは?!
表層リフォームをする際の注意点
例えば、キッチン部分だけを工事しようと思った場合、簡単な間取り変更を行うと、つなぎめを自然にするために、床材や壁紙の貼り換えなども必要となってきます。
そうすると、一カ所の工事だけをするつもりでも、結局は複数箇所の工事を行うことになるため、予め工事範囲や工事にかかる費用をチェックしておかなくてはなりません。
また、配管の老朽化による漏水や結露が原因でカビが生えている場合、いくら表層の壁紙だけを貼り換えても根本的な水漏れの原因を修理しないことには解決せず、カビが再発する恐れもあります。
その点も踏まえて、物件購入時に、室内の結露が気になる部分やカビ臭い部分はないか、入念にチェックしましょう。衛生面でも親身になって一緒に探す不動産屋に依頼するのもおすすめの方法です。
リノベーション済みの物件を選ぶ際の注意点
最近はリノベーション工事が既に済んでいる中古物件も増えてきました。
すぐに住むことができる点、また新築マンションよりも低予算で住めるという点では理想的なのですが
実際一緒に一から作っているわけではないので、自分の理想通りの間取りというわけではなく
配管、電線等インフラまで新しく交換されていない場合もあるため、住み始めてから不具合が出る場合もあるので、住む前にしっかりと確認する必要があります。
また、場合によっては「リノベーション済物件」と表現していても、実際は表層リフォームだけというケースもあり、配管の老朽化はそのままで住み始めてすぐにカビが生えてしまった
ということもあるようです。

また、一見キレイな塗装壁に見えても、実は前の住人のときにカビが発生していてちゃんとカビ殺菌をしないまま、上からペンキを塗り重ねるだけの応急処置リフォームをしていたため
中古物件を購入後、暮らしてからカビが何度も再発してしまう...といった恐ろしいケースも多々発生しています。
これは、壁にカビが生えた上からペンキを塗り重ね、またカビが生えてを繰り返すうちにカビとペンキのミルフィーユ状態になっていることから起こります。

「何度もカビ取りをしたのだけど、どうして生えるのかしら?」
と実際にカビ取りのご依頼をいただいたところ、このようにカビの上から適切な処置をしないまま塗装を重ねていたというケースは、大変多いです。
【参考】カビの再発を繰り返すのは塗装の上からペンキをしているから?!壁の正しいカビ対策方法
表面だけキレイにリフォームされているように見えても、断熱材が入っておらず結露が生じてしまったり、元の間取りが原因で通気性が悪く、一部の部屋にカビが生えてしまうというケースもあるため
中古物件を購入する際には、その点もじっくり考慮して選びましょう。
まとめ
中古マンションを購入する際に、リフォームやリノベーションを検討する方は多いかと思いますが
築年数によっては、フルリノベーションを取り入れて、インフラ部分を一新することで、漏水や結露によるカビを防ぐことができます。
フルリノベーションは費用が最もかかりますが、例えば最初にその部分の工事を省いて表層リフォームだけで済ませたところ、後になって配管工事や間取り工事が必要となったり
カビが全面に繁殖して、カビ取り業者への依頼やクロスの貼り換えなどを繰り返したりするリスクを考慮すると、リノベーションにも充分メリットはあります。
・築20年以上は、リノベーションをしてインフラをしっかり工事してカビや不具合を防ぐ
・築20年未満は、必要に応じて部分リノベないしは表層リフォーム、もしくはクリーニングのみにする
・リノベーション済物件を購入する際は、インフラ工事をしているかしっかりとチェックする
これらの点を意識して、賢く中古物件を探しましょう。
■関連記事■マンションの2階でもカビは要注意!間取りや周辺環境で決まるカビの発生原因と予防方法
■関連記事■【比較】マンションvs一戸建て、どちらがカビやすい?住む前に知っておくべきカビ対策
■関連記事■光触媒の防カビコーティングでカビが生えない住まいに!マンション・戸建ての最強カビ対策を解説


コメント