カビを塗装で隠すと被害額が3倍に跳ね上がることも!?塗装面にカビが生えたときの正しい対処方法

壁のカビが気になり、何度市販のカビ取り剤で除カビしても再発してしまった...

さらに梅雨時期を迎え、手に負えないほど広がってしまってどうして良いのか分からない

...そうなってしまった場合、早めに業者へ連絡しカビをしっかりと殺菌・除去することが近道なのですが

「少しくらい大丈夫かも?!」

とペンキを塗り重ねてしまったという方もいるのではないでしょうか。

一時的には壁も綺麗になったように見えるのですが、塗装の下にカビが生き残っているため、塗装の上から何度カビ取り剤を塗布しても、中まで液剤が浸透せず、最悪の場合、塗装を全て剥がして大掛かりなリフォーム工事が必要となってしまう場合があります。

また、自分で知らないうちに、過去の住人がカビの上から塗装をしていて、カビがいつの間にか塗装の下から大量発生!というケースも多くあります。

  • カビの上からペンキを塗り重ねても良いの?
  • リフォーム業者から”塗装して隠しておきますね”と言われたから安心していた
  • ペンキを塗ればカビが死滅するんじゃないの?

このように壁のカビに関して、色んな疑問を抱いている方は多くいます。

そこで今回は壁に生えたカビを正しく除去する方法やカビの上にペンキを塗るとどうなるか、そして正しい除去方法と、カビが再発しない工夫についてご説明します。この記事では

  • 「壁に生えたカビの上からペンキを塗り重ねるとどうなるか」
  • 「カビ取りのプロが教える正しい壁のカビ対策方法」
  • 「カビを再発させないための工夫」

について解説していきます。

1.壁のカビの上からペンキを塗り重ねるとどうなる?!

1-1.塗装の下からカビが発生し液剤でも除去できない

カビは殺菌剤でしっかりと殺菌しないと、ペンキを塗っただけでは残っています。そのため、塗装を塗り重ねると塗装の下でカビが増殖し、カビ取り剤を上から塗布しても浸透しないため、どんどんカビ被害が広がってしまいます。

1-2.ペンキの下のカビを取る方法→剥がさないと難しい

ペンキの下のカビは上から液剤をかけても除去することができないため、塗装をすべて剥がさなければいけません。

ひどい場合には、カビ→塗装→カビ→塗装→カビ

とカビの上から塗装を繰り返してミルフィーユ状になっていたというケースもありました。

この場合、塗装を一度剥がしますので、カビ取り作業後に塗装または壁紙を張る等のリフォーム工事が必要となります。

★カビ取り業者の経験★

以前、団地のカビ取りを行った際

何回もカビが再発したため、繰り返しカビ取り施工をしたところ、実はカビの上から塗装を重ねていたことが判明し、塗装をすべて剥がしてカビ取り作業を行った。

というケースがありました。

そこでは、大変ひどいカビが生えていたのですが、弊社がカビを取り、防カビをし、新しくペンキを塗りなおしたような綺麗な仕上がりになり大変満足頂きました。

除カビ後半年で再発

しかし、カビ取り後6カ月後に再発したとのことで、再度確認したところ、既にカビの発生がみられました。カビ取り後の保証も付けていることもあり、もう一度除菌し、防カビが合わなかったと考え、生えているカビに特化した防カビを行いました。

さらに半年後にまたカビが発生

なんと、また半年後に再発したと連絡があったので、確認したところ、前回同様にカビの発生がありました。

これまで半年以内に再発した事例はほぼない為、不思議に思いお客様の許可をいただいた上で、一部塗装を剥がしたところ、下からカビがビッシリ発生していました。

その為、一度塗装面を剥離して、再度除菌・防カビを行い、塗装仕上げを行ったところ、3年たっても再発は見られませんでした。

塗装の下のカビがカビ再発の原因に

塗装の下にあることで、再発率は格段に高くなりますし、しっかりとやり直そうとすると面倒な剥離が必要になります。

何度も業者に依頼すると、費用が3倍以上かかってしまうことも。

例えば、カビ取りのみであれば10万円で済むところが、カビを隠すように塗装を上から重ねてしまうと塗装費用10万円、さらにカビが再発してカビ取りと工事が必要になると塗装の剥離とカビ取りで15万円、上から塗装のやり直しで10万円

=回り道をすることで、結果的に合計35万円

...ということにもなり、結果として3倍以上費用がかかってしまう可能性もあります。

塗装面にカビが生えた際に、カビ取りだけで塗装面の美観が回復して不要になることも多いですので、カビがある際はまずはカビ取り、その後美観が気になるようでしたら塗装をするともっとも安く、綺麗に、確実に仕上がります。

2.壁に生えたカビを除去する方法

では、壁のカビを発見した際に、おうちで出来るカビ対策方法を説明していきます。

①「すでにペンキを塗り重ねてしまった場合」

基本的には、塗装の下に生えたカビを自力で除去するのは難しいです。

塗装を物理的に剥がして下に生えたカビを殺菌しなければ、カビが再発してしまうため、塗装の下からカビが生えている場合には

  1. ペンキを全て剥がす
  2. カビ取り作業
  3. ペンキを塗り直す
  4. 乾燥させる

といった手順が必要になります。

そのため、カビの上からペンキを塗り重ねてしまいカビが再発している場合には、カビ取り業者へ相談しましょう。

②「まだ塗装する前であれば自力で除去できる場合も」

ペンキをカビの上から塗り重ねる前であれば、自力でカビを殺菌することで除去することもできます。ただし、範囲が広すぎる場合にはカビ取り業者へ早めに依頼した方が結果的に安くつくこともあります。「広範囲」の基準は1㎡以上です。

ただし1㎡以下であっても天井や壁の高い部分に広がっている場合、床などにも点在している場合、何度カビ取りをしても再発する場合には業者へ相談することをおすすめします。

カビ取り剤を使う場合と使わない場合

ペンキで塗った壁のカビを除去する方法はカビ取り剤を使う場合と使わない場合に分けられます。

使わない場合もある一番の理由は、カビ取り剤には漂白効果があるからです。

白い壁であれば落ちる色がないため心配ありませんが、色付きの壁の場合は掃除した箇所が脱色し、見栄えが悪くなります。

そのため必然的に色付きの壁にはカビ取り剤を使わない方法を採用することになります。

壁の色でまずカビ取り剤を使うか判断

白くて模様のない壁であればカビ取り剤を使う方法が候補に入りますが、

壁の材質や塗料の種類によってはカビ取り剤で壁を傷めてしまう可能性も否定できません。

念のためカビ取り剤を使用する前は目立たない場所で少しだけ試してみることをおすすめします。

①市販の塩素系カビ取り剤を使う場合

準備するもの

  • カビ取り剤
  • マスク
  • ゴーグル
  • ゴム手袋
  • 刷毛
  • カップ

カビ取り剤を使用する際はマスクやゴーグル、ゴム手袋を着用して身を守りましょう。

カビ取り剤は非常に強力な薬品です。目に入ると失明の恐れがあります。

カビ取り剤は直接壁に吹きかけるのではなく、カップに入れて刷毛で塗布します。

直接かける方が効くように感じるかもしれませんが、それは逆効果です。

カビ取り剤は空気中の成分と反応することで化学反応を起こすため、カビ取り剤の量が多すぎると効果が発揮されにくくなります。

カビを十分除去できたら、硬く絞ったタオルで何度か拭き、カビ取り剤を落としましょう。

カビを落とし終わって油断しているタイミングかもしれませんが、カビ取り剤をしっかり落とすのもカビを除去することと同じくらい大切なことです。

これはカビ取り剤が乾燥していても触れると肌を痛めるからです。

よってドアの付近など、人が触れる可能性が高い場所は特に注意して拭き取りましょう。

ジョンソン カビキラー

出典:amazon

花王 カビハイター

出典:花王株式会社

カビ取りマイスターキットを使う

ハーツクリーンでは、カビ取りのプロと同レベルの液剤をご家庭用にセット化したカビ取り液剤「カビ取りマイスターキット」を取り扱っております。

刷毛やカップも入っておりますので、すぐにカビ取りが可能です。またカビ再発を防ぐための防カビ剤もセットですので、しっかりとカビ取りしてコーティングした方におすすめです。

②塩素系のカビ取り剤を使わない場合

カビ取り剤を使わない場合はエタノールを使います。エタノールはアルコールの一種です。

アルコール除菌シートといった製品があるように、殺菌効果があることで知られています。

カビも菌の一種ですので、エタノールの殺菌力がカビ除去に効果があることは言うまでもありません。

カビ除去に使うエタノールは濃度が70%以上のものが適しています。これは薬局で購入可能です。

エタノールは直接吹きかけても、タオルに染み込ませてから使用しても構いません。

一方でエタノールには漂白効果がないため色が残ることもあります。

よって落としきれない場合は漂白効果のある液剤を使いましょう。変色などが怖い場合には、業者へご相談ください。

ペンキを上塗りする場合は事前にカビ取り専門の業者に相談することをおすすめします。

健栄製薬 消毒用エタノールIP

出典:amazon

ドーバー パストリーゼ77

出典:amazon

3.自力でのカビ取りが難しい場合

カビの上からすでにペンキを塗り重ねてしまっている場合、塗装を剥がさないとカビの除去が難しいため、業者へ依頼しましょう。

このケースは弊社でも非常に多くご相談をいただきますが、カビをしっかりと殺菌しないとまた再発を繰り返してしまいます。リフォーム工事は必要となりますが、トータルで見た場合、早めに業者へ相談した方が安くつくこともあります。

そのままカビを放置してしまうと、部屋全体にカビ被害が広がり、シックハウス症候群など健康被害を受けることも多くあります。身体の健康を守る為にも、早めにカビ取り業者へ相談しましょう。

3-1.リフォーム業者へ依頼する際の注意点

リフォーム業者によっては、カビを殺菌することなく再びペンキを塗り重ねるだけで終了という場合もあります。その結果、カビがしっかりと殺菌できていなかったので再び増殖し費用をかけたのに、また別の業者へ依頼しなければならないというケースもあります。

リフォーム業者に依頼する場合には、カビの知識が豊富な業者へ依頼するようにし、カビ取り施工+リフォーム工事と段階を踏んで行うようにしましょう。

3-2.信頼のできるカビ取り業者の選び方

「すでにカビの上から塗装を塗り重ねてしまいカビ取り業者を探したい」

「だけどどんな業者へ依頼して良いか分からない」

という方もいらっしゃるのではないでしょうか。確かに選ぶ業者を間違えてしまうとカビが再発してしまい最終的なコストが高くついてしまうということもあります。業者を選ぶ際にチェックするべきポイントは

  • カビに関する知識が豊富
  • カビ再発予防のための提案をする
  • 養生をしっかり行う
  • 明朗会計
  • 液剤に関して質問するとしっかり説明する

上記のように、カビに関する知識や対処法が一貫している業者を選びましょう。

4.カビの再発を防ぐ方法

カビの胞子はどこにでも飛んでいます。

一度除去しても何の対策もしていなければ、またすぐにカビが生えてしまうでしょう。

そこで以下にカビを予防する方法を紹介します。

4-1.家具と壁の間に隙間を作る

カビは湿気の多い場所に発生します。そして湿気は狭い場所にこもりやすいもの。

例えばあなたの家ではソファーを壁の近くに置いていませんか?これはカビを育てているようなものです。

家具と壁の間は最低でも10cm程度は隙間を持たせましょう。

4-2.換気と除湿を行う

カビを防ぐためには、通気性を上げること、そして湿気を溜めないことが大切です。

晴れた日は全ての窓を開けて換気を行い、サーキュレーターや扇風機を使って室内の空気を循環させましょう。湿気の多い日はエアコンや除湿機を使って湿気を取り除きましょう。

4-3.結露をこまめに拭きとる

壁に結露が発生している場合は、放置せずこまめに拭きとりましょう。また、サーキュレーターや除湿機を設置して湿気を溜めないようにしましょう。

4-4. モノを置きすぎない

モノをたくさん置くと、室内の通気性が悪くなりカビが生えやすくなります。家具は壁から少し離して設置し、不要なものは処分しましょう。

まとめ

「少しくらいのカビなら上から塗ってしまえばいいだろう」

「カビを隠せば、もう二度とカビは発生しないだろう」

と思ってカビを殺菌しないままペンキを塗り重ねたら、いつの間にか壁一面にカビが広がっていていくらカビ取り剤を塗布しても落ちない!ということにもなりかねません。

取り返しのつかないことになる前に、カビを発見したらまずはしっかりとカビを殺菌し除去することが大切です。ペンキを上塗りする場合はカビを完全に除去してからにしましょう。

何度もカビが再発する場合、一度カビの専門家へ相談してみてはいかがでしょうか。

ハーツクリーンでは、無料でカウンセリングを行っております。カビにお悩みの際はお気軽にご相談ください。

カビを塗装で隠すと被害額が3倍に跳ね上がることも!?塗装面にカビが生えたときの正しい対処方法