長靴のカビ取り方法
みなさんは長靴をはく機会はありますか?雨の日だけでなく
- 畑仕事やガーデニング
- 清掃
- 工事現場
- 飲食店
などお仕事で長靴をはいている方も多いと思います。雨や泥などで汚れてしまう長靴ですが、カビが生えてしまうことがあります。
長靴の内側に黒い斑点がついているのを見かけたことはありませんか?それは長靴に黒カビが生えている証拠なのです。
そこで今回は長靴に生えたカビのカビ取り方法をご紹介していきます。
長靴にカビが生えた理由
そもそもなぜ長靴にカビが生えてしまうのでしょうか。長靴に限らずカビは
- 湿度
- 温度
- 栄養
- 酸素
があると発生します。特に長靴に生えるカビは湿度と栄養が大きく影響します。
まず湿度に関してですが、長靴をはくときの状況を思い浮かべてみてください。
- 天気が悪いとき
- 泥のぬかるみに入るとき
- 床掃除をするとき
など常に水気を伴います。水気のある環境下で使用しますから使用後、乾燥が不十分だとカビが生えてしまいます。ですがそれだけでなく、長靴の中は湿気がこもりやすいということも関係しています。
長靴は水を通さない仕様になっていますので通気性がなく、履いているうちに蒸れてきます。汗や皮脂によって長靴の中に湿気がたまり、外の使用環境と相まってよりカビが繁殖しやすくなります。水や泥などが入らないように長靴の上からカバーをかけているような場合はなおさらカビにとっては好環境といえるでしょう。
カビの好む環境
次に栄養という面からカビが生える要因をみていきます。カビはさまざまなものを栄養分にします。
- 長靴のゴム
- 汗や皮脂
- それによって発生した雑菌
などです。使用環境によっては土や泥、肥料、植物、食品成分などが付着していることも考えられます。カビはそういったものを栄養分として繁殖していきます。水場でしか使わないから汚れていない、と思っていても想像以上に汗や皮脂汚れは付着していますし、カビは長靴の素材自体も栄養源にしてしまいますので油断はできません。
長靴の”ムレ”もカビの原因に
他にも、人の体温で長靴の内側の温度が高くなることもカビが生える要因になります。カビは0~35℃の範囲で生育可能なため冷えすぎず、かつ人の体温以下の温度の長靴の中でもカビは発生します。そのため長靴の内側は表面よりもカビが生えやすいと言えます。
また、ほとんどの長靴はゴムまたはPVC(ポリ塩化ビニル)でできています。それらは素材が柔らかいためセメントや金属、プラスチックなどの硬いものに比べてカビは広く、奥深くまで根を張ることができます。長靴の素材自体もカビが繁殖する要素の一つになってしまうのです。
湿気も栄養分あり、適度な温度に保たれ、根も張りやすい素材の長靴はカビにとっては繁殖に適した場所なのです。
長靴のカビ取り方法
では実際に長靴にカビが生えてしまったらどうしたらよいのでしょうか。ここからは長靴のカビとり方法をお伝えしていきます。長靴は乾かし方も重要になりますので干し方と保管方法についてもご紹介していきます。
まず、長靴のカビ取りです。必要なものは次の通りです。
~用意するもの~
- ゴム手袋
- スポンジ
- 靴専用の洗剤
- 長靴が入る大きさのバケツ
- 酸素系漂白剤
- 歯ブラシ
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~手順~
①カビ取りをする前にゴム手袋をつけ、肌を保護します。
②スポンジと靴専用の洗剤を使って表面・内側についた汚れを洗い流します。このとき中敷きも取り出して中敷きについた汚れも落とします。
③汚れが取れたら漂白液に浸けていきます。
バケツに水と規定量の漂白剤を入れかき混ぜ、混ざったら長靴を入れます。長靴全体が浸かるように、漂白液が足りなければ追加してください。中敷きも一緒に浸けておきましょう。
④10~15分浸け置きます。カビがひどいようでしたら20~30分程度まで様子を見ます。
⑤時間が経ったらカビのチェックをします。カビが残っているようであれば歯ブラシを使ってこすり落とします。
足先の内側部分は見えないためカビが落ちているかどうかの確認ができません。手探りにはなりますが念のため足先の内側部分は全体的に歯ブラシで磨いておくといいでしょう。
⑥最後に水でしっかり漂白液を洗い流します。
注意点
以上が長靴のカビ取り方法です。ここで注意点があります。
まず、使用する漂白剤は塩素系漂白剤ではなく酸素系漂白剤を使用します。カビキラーなどの塩素系漂白剤に使われる次亜塩素酸は強い漂白力がある一方で長靴の素材を傷めてしまいます。
ですので、塩素系のものより漂白力は劣りますが素材に与える影響が少ない酸素系漂白剤を使用しましょう。また、浸け置き時間は30分までにとどめるようにしてください。浸け置き時間が長くなることで長靴の劣化を早めてしまいますので注意してください。
ちなみにですが、カビ取りではなく洗浄を目的とした場合は漂白剤ではなく重曹を使います。
重曹は弱アルカリ性なので皮脂や汗などの酸性の汚れを分解すると同時に、消臭もしてくれます。重曹水を作ったら30分程度浸け置きし、最後に洗い流します。たまにはしっかり洗おうかな、というときには重曹を使ってみてください。
長靴のカビ取りが完了したら長靴を乾燥させます。長靴は熱に弱いため乾かし方にも気をつかわなければなりません。長靴の弱点は日光(熱)と湿気です。そのため乾かす際には以下のことに気をつけましょう。
長靴を乾燥させる際の注意点
- 直射日光の当たらない風通しの良い日陰で干す
- ヒーターの近くで乾かさない
- ドライヤー、乾燥機を使わない
- 立てて置かず、まっすぐ逆さまにして乾かす
直射日光やヒーター、ドライヤーなどによって長靴が変形してしまうため熱を与える乾かし方はやめましょう。ヒーターの前に置いておくことやドライヤーを直接あてて乾かすのも長靴の劣化を早めてしまいますのでやめましょう。
また、長靴が折れた状態だと折れた部分からひび割れをおこすことがあるため干すときにはまっすぐ逆さまにして乾かしましょう。長靴専用のハンガーも出ていますので長靴を頻繁に掃くという方は持っておいてもいいかもしれませんね。
乾いたら、そのまま保管に移ってもいいのですが、仕上げとして消臭・抗菌加工ができるスプレーを長靴の内側にかけておくと当面はカビの心配なく過ごせるのでおすすめです。
長靴の保管方法
最後に保管方法です。保管方法としては
- 長靴の中に新聞紙を詰め、立てた状態で保管する
- 直射日光の当たらない、湿気の少ない場所で保管する
の二点に気をつけます。
新聞紙には長靴の変形を防ぐ役割と湿気取りの効果があります。保管場所は他の靴と同じように玄関に置く形で大丈夫ですができれば扉があるシューズボックスの中は避けた方がいいです。シューズボックスに入れる場合は除湿剤をシューズボックスや長靴の中に入れると長靴の中にカビが生えるのを防いでくれます。
しばらく使う予定がないからクローゼットなどに片付けてしまいたいといった場合も立てて、または寝かせて伸ばした状態で除湿剤と一緒に箱に入れて保管してください。
このとき新聞紙は詰めても詰めなくても構いませんが、詰める場合はこまめに新聞紙の交換をおこなってください。湿気を吸収した新聞紙をそのままにしておくとかえってカビが生える原因になってしまいますので気をつけましょう。
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長靴のカビ予防方法
また日ごろのカビ対策として、長靴をはいた後はできるだけ早く汚れと水気を拭き取るようにします。中が濡れたわけでもないし同じように乾燥させるのだからそのまま自然乾燥でいいんじゃないか、と思うかもしれません。
ですが水気をそのまま放置してしまうと乾くのに時間がかかり、その間に長靴についたこまかい傷や靴底のゴムなどの隙間に水が入り込み長靴の劣化を早めてしまいます。さらに、ついた汚れがカビの栄養分になりかねないことや長靴に傷をつける原因になってしまいます。
特に天然ゴム製の長靴は合成ゴムやビニール素材のものに比べて傷つきやすいので注意が必要です。少し手間にはなりますが乾かす前に一度目立つ水気や汚れを拭き取る習慣をつけることで長靴のカビを防いで長持ちさせることができます。
まとめ
今回は長靴に生えたカビ取り方法と乾燥・保管方法についてお伝えしてきましたがまとめますと、
- 長靴のカビの原因は通気性がなく湿気が溜まりやすいこと、皮脂や汗などの栄養分が付着していることがある
- 長靴のカビ取りには酸素系漂白剤を使用する
- 長靴の洗浄後は直射日光の当たらない風通しのよい場所でまっすぐ逆さまにして乾燥させる
- 長靴の使用後は水気や汚れを拭き取ってから乾燥させる
丈夫そうにみえる長靴も普段のお手入れや保管状態によってはすぐに劣化しカビが生えてしまいます。汚れるものだから、濡れるものだからと雑に扱わず、逆に汚れる・濡れるものだからこそ日ごろから取り扱いには気を配りたいものですね。
参考