ドラム式洗濯機のカビ対策

ドラム式洗濯機からいやな臭いがしたり、洗濯後の洗濯物に黒や茶色のカスがついていたりという経験はありませんか?それはドラム式洗濯槽の裏側についたカビが原因なのです。

最近は洗濯と乾燥ができるドラム式洗濯機が主流になってきており、実際に使っている方も多いと思います。ですがそのドラム式洗濯機、構造が複雑かつ乾燥機能も備えていることから縦型式洗濯機よりもカビが発生しやすいとも言われています。

せっかく洗濯したのに洗濯後には汚れが落ちるどころかカビがついている・・・なんてことは避けたいですよね。そこで今回は、ご自宅でできるドラム式洗濯機のカビ対策についてご紹介していきます。

ドラム式洗濯機にカビが生える理由

 そもそもなぜドラム式洗濯機にカビが生えてしまうのでしょうか。洗濯機に生えるカビの多くは黒カビで、これがカビ臭さや洗濯後の洗濯物につく黒いカスの正体です。主に洗濯槽とゴムパッキン、排水口に発生します。

カビの発生条件

黒カビは

1)栄養分(洗剤・皮脂)

2)カビ胞子(胞子+菌糸)

3)適度な湿度と温度

3つの条件が揃うと繁殖します。洗剤の溶け残りや、衣類に付着しているたんぱく質汚れなどが結合して、ドラム式洗濯機の洗濯槽に栄養分として堆積します。そして、空気中や洗濯ものの泥汚れなどに存在するカビ胞子が付着し、堆積した栄養分をエサとして生育すると、黒カビが発生するのです。

 次に、多くの方がご自宅でやりがちなカビを発生させてしまうNG習慣をご紹介します。

洗濯槽カビ発生NG習慣

  1. 日ごろからドラム式洗濯機の蓋を閉めっぱなしにしている
  2. 洗濯機を洗濯カゴ代わりにしている
  3. 汚れがついたまま洗濯している
  4. 洗剤・柔軟剤の量が多すぎる(または少なすぎる)
  5. お風呂の残り湯をすすぎ洗いに使っている
  6. 乾燥フィルターの掃除が不十分

では、それぞれを詳しく見ていきましょう!

①日ごろからドラム式洗濯機のふたを閉めっぱなしにしている

 

縦型の洗濯機と違い、ドラム式洗濯機は蓋を開けておくとぶつかってしまって危ない、邪魔だと感じている方は多いのではないでしょうか。そのため洗濯機を使っていないときでも蓋を閉めたままにしているという方もいるかもしれません。ですが蓋を閉めたままにしておくと空気がこもりカビが発生しやすくなります。

②洗濯機を洗濯カゴ代わりにしている

洗濯物をそのまま洗濯機に入れてしまうと、湿気がこもりカビが発生しやすくなります。

また、衣類についた汚れもカビの栄養源となります。洗濯モノは別のカゴに入れて、洗濯機内に衣類を溜めておかないようにしましょう。

③汚れが付いたまま洗濯している

 どうせ洗濯するから・・・と衣類についた汚れ(泥汚れや食べかす、埃など)をそのまま洗濯にかけていませんか?衣類についた汚れはカビの栄養分となり、洗濯槽カビの原因になります。

ドラム式洗濯機の故障原因にもなりますので、あまりにも酷い泥汚れなどは、一度手洗いで落としてから洗濯機にかけるなどして洗濯槽に汚れを溜めないようにしましょう。

④洗剤・柔軟剤の量が多すぎる・または少なすぎる

 

洗剤は多めに入れた方が汚れもしっかり落ちる、と思っている方は多いのではないでしょうか。適量以上の洗剤を入れてしまうとすすぎきれず溶け残りが出てしまいます。

ドラム式洗濯機は縦型洗濯機よりも使用する水の量が少ないため縦型タイプのものと同じ感覚で洗剤を入れてしまうと多すぎになります。溶け残った洗剤は洗濯槽内に溜まり、カビや汚れの温床になってしまいます。逆に洗剤の量が少なすぎると洗濯物の汚れが落ちきらず衣類の汚れが洗濯機内に残ってしまいカビのエサになってしまいます。

⑤お風呂の残り湯をすすぎ洗いに使っている

 こちらはやっている方は少ないかもしれませんが、お風呂の残り湯を「すすぎ」に使うのもカビの原因となります。残り湯にはたくさんの細菌が繁殖しています。初めの「洗い」の段階のみ残り湯を使用することは節水という点でも問題ないのですが「すすぎ」に残り湯を使用してしまうとカビや悪臭の原因になります。

⑥乾燥フィルターの掃除が不十分

 ドラム式洗濯機の特徴として乾燥機能がついていることがありますが、乾燥機能を使用後フィルターの掃除をせずそのままにしてしまうと、機能が低下し生乾き・悪臭・カビの発生につながります。

ですので、洗濯物を汚れたままドラム式洗濯機に直接入れて洗濯をするときまで洗濯機の蓋は閉めっぱなし、洗濯時の洗剤の量も多く入れて、さらに乾燥後はフィルターもそのまま・・・といった場合には洗濯槽内はカビだらけになってしまうことも!

ここからはドラム式洗濯機のカビ対策について

①カビが生えてしまったときの対処法(洗濯槽・ゴムパッキン・排水口)

②カビ予防の方法

についてお伝えしていきます。一口にドラム式洗濯機といってもメーカーや機能、古い型から最新型までさまざまです。取扱説明書などがあれば記載されている方法でおこなっていただくのが一番ですが、応急処置として以下の方法をまとめてみました。

カビが生えてしまったときの対処法

洗濯槽、ゴムパッキン、排水口それぞれのカビ取り方法です。

①洗濯槽のカビ取り

用意するもの

洗濯槽クリーナー(メーカー推奨品があればそれを使用)

手順1) 洗濯機の電源を入れる

手順2) クリーナー本体に記載されている、規定量のクリーナーを洗濯槽に入れる

手順3) 洗濯機をまわす

槽洗浄コースがある場合はそのボタンを押すだけです。ない場合は「洗い」から「すすぎ」までおこないます。

※カビがひどい場合はクリーナーを入れて給水した後3時間程度つけおきしてから洗うと効果的です。

出典:Amazon

くらしのマーケット

②ゴムパッキンのカビ取り

用意するもの

  • 塩素系漂白剤
  • ゴム手袋
  • ティッシュまたはキッチンペーパー
  • たらいまたはバケツ
  • サランラップ

手順1) たらいまたはバケツに水と塩素系漂白剤を入れる。

手順2) ゴム手袋をして、キッチンペーパーやティッシュペーパーなどでゴムパッキンに生えたカビを拭き取る。

手順3) 水と漂白剤が入っているたらいやバケツの中にキッチンペーパーを浸して軽く絞り、ゴムパッキン部分を覆う。さらに、キッチンペーパーの上からサランラップで覆い30分程度放置する。

手順3) 時間がたったら、覆っている物をすべて剥がし、水で洗い流す。流してもガビが残る場合はしっかり水拭きをして、カビも漂白剤も残らないようにします。

他にもジェルタイプのカビ取り剤なら、ゴムパッキンにしっかりくっつくのでお勧めです。

出典:Amazon

③排水口のカビ

用意するもの

  • 塩素系クリーナー(洗濯槽と同じものでOK)
  • ゴム手袋
  • たらいまたはバケツ(排水口が分解できなければ不要です)
  • ビニール袋(ゴミ袋として使用)
  • コップ
  • 歯ブラシまたはスポンジ

手順1) 洗濯機の蛇口を閉めて電源を切る。

手順2) ゴム手袋をし、排水ホースと排水口のパーツを外す。パーツが分解できなければ排水ホースのみ取り外します。取り外したパーツは水とクリーナーが入ったバケツやたらいに浸け置きします。浸け置きは水1リットルに対しクリーナー約5mlで時間は30分程度が目安です。

手順3) 浸け置きしている間に排水口のほこり・髪の毛・ヘドロなど付着している汚れを取り除く。

手順4) 排水口にクリーナーを流し入れる。汚れがひどい場合は多めに流し入れます。

手順5) 30分程度放置した後、コップに水を入れ排水口に流し、クリーナーを洗い流す。汚れが落ちるまで繰り返します。

手順6) 浸け置きしておいたパーツを取り出し、水で洗い流す。歯ブラシやスポンジで磨くとよりきれいになります。

手順7) きれいになったパーツを取り付ける。

洗濯槽とゴムパッキンの掃除は月に一回、排水口は半年に一回を目安におこなうとカビが発生しにくいです。

ドラム式洗濯機のカビを防ぐには?

 洗濯機にカビが生えないようにするために週に一回程度洗濯槽内をしっかり乾燥させます。洗濯後、「槽乾燥」コースで洗濯槽内を乾かし、カビの発生を防ぎます。「槽乾燥コース」がない場合は「乾燥のみ」のコースでおこないます。

 また、最初にもお伝えしましたが毎日できるカビ対策として以下の点にも気をつけましょう。

  • 洗濯機の蓋は閉めたままにしない
  • 洗濯カゴを使い、洗濯機内に洗濯物を溜めない
  • 洗濯前には衣類についた汚れはできる限りとる
  • 洗剤・柔軟剤は適量を使用する
  • お風呂の残り湯をすすぎ洗いに使用しない
  • 洗濯機使用後は乾燥フィルターの掃除をする

カビが発生する前に「乾燥」「掃除」でカビの発生原因を断つことがポイントです。

まとめ

今回はドラム式洗濯機のカビ対策についてお伝えしてきましたが、まとめますと

  • 洗濯槽のカビ取りにはドラム式洗濯機専用の洗濯槽クリーナーを使う
  • カビ取りは、洗濯槽・ゴムパッキンは月一回、排水口は半年に一回を目安におこなう。カビ予防として週一回槽乾燥をする
  • 洗濯機の中にカビが好む湿気と栄養分が溜まらないようにする

となります。洗濯機のカビは定期的な掃除と毎日の工夫で最小限におさえることができるのです。ですが、ドラム式洗濯機の場合は他のタイプの洗濯機と比べて構造が複雑で乾燥機能も備えていることから、気をつけてメンテナンスをしていても手入れの行き届かない箇所がでてきます。その場合は、メーカーやクリーニング業者に依頼するなどして、分解しないと除去できない繊細な箇所のカビ除去を依頼するのも良いでしょう。

また洗濯機の機能だけでなく居住環境によってもカビが発生しやすい・しにくいなどさまざまです。ドラム式洗濯機の内部だけでなく、脱衣所やお風呂場自体にカビが発生し、落ちない場合やどんどんカビが広がっている場合

カビ対策はしているけれどきちんと取れているのか、やり方は合っているか心配、そもそも自分でやるがめんどうといった場合はプロの業者に頼むという手もあります。定期的に掃除をすることで衣類も洗濯機を長持ちさせることができます。カビ対策をして、毎日きもちよく洗濯できるようにしていきましょう。

【出典】

パナソニック 洗濯機の黒カビ予防と対策

https://panasonic.jp/wash/special/kabi.html

HITACHI 洗濯槽のお手入れ方法

https://kadenfan.hitachi.co.jp/support/wash/q_a/a45.html

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