洗濯機のゴミ取りネットはこまめに掃除しないとカビの原因に!?掃除方法や頻度は?

「洗濯機を購入してしばらく経つけど、ゴミ取りネットを掃除したことがない。掃除しないといけないものなの?」
「久しぶりにゴミ取りネットを掃除したらびっしりカビが生えていた」

ゴミ取りネットは、使うたびに小さな繊維やゴミを捕まえてくれるため、服にゴミなどが付着するのを防いでくれます。
しかし、キャッチしたゴミが放置されると、それがカビの原因になることがあります。

洗濯機の中は湿度が高く、微細なゴミが溜まっている状態になるため、カビが繁殖しやすい環境ができあがります。
カビは見えない場所でじわじわと増え、いずれは健康や洗濯物に悪影響を及ぼすこともあるため、早急に対処しなければいけません。

この記事では、洗濯機のゴミ取りネットの適切な管理と掃除方法について詳しく解説します。
毎日の洗濯がより衛生的で快適になるように、ぜひ参考にしてみてください。

この記事でわかること
・ゴミ取りネットの掃除方法
・ゴミ取りネットの掃除の頻度
・ゴミ取りネットのカビを防ぐ方法

1.ゴミ取りネットの掃除をしないとどうなる?

洗濯機のゴミ取りネットは糸くずフィルターとも呼ばれ、洗濯中に衣類から出る糸くずやゴミ、ホコリなどをキャッチしてくれます。
このフィルターのおかげで、髪の毛や糸くず、衣類のゴミなどが除去され、洗濯物がきれいに仕上がります。

参考:Panasonic「糸くずフィルターについて」

洗濯回数が多いご家庭や、ニットなど繊維が多い素材を洗濯した際は、特にゴミが溜まりやすいでしょう。
ゴミ取りネットは、大体洗濯槽の内部に設置されており、簡単に取り外せる設計になっています。

そして、このゴミ取りネットの掃除をしばらく行っていないと、いくつかの問題が起きる可能性があります。

1-1.カビの発生

ゴミ取りネットの中にゴミが蓄積したまま長期間放置していると、ゴミに溜まった水分が雑菌の温床になり、黒カビやヌメリの発生源となりえます。

カビは湿度60%以上、温度20~30℃で、栄養源がある環境を好みます。
ゴミ取りネットに溜まった髪の毛や繊維質はカビの栄養源となりますし、洗濯槽の中は高湿度の環境なので非常にカビが繁殖しやすい場所です。

洗濯機内に広がるカビは、洗濯物にカビ臭さを残すだけでなく、健康に害を及ぼす原因となります。
カビは目に見えにくい場所で静かに増殖するため、気づいたときにはかなりの量になっていることもあるのです。

1-2.悪臭の発生

ゴミ取りネットがゴミで満たされた状態で放置されると、濡れた繊維や汚れが腐敗し、洗濯機内に不快な臭いを発生させます。
この悪臭が衣類に移り、洗濯物を臭くしてしまう原因となり得ます。

また、臭いの原因となるバクテリアも健康上の問題を引き起こす可能性があります。

1-3.洗濯機の性能低下

ゴミ取りネットが汚れで詰まると、洗濯機の排水効率が悪くなり、結果として洗濯機全体の性能低下を招きます。
排水がうまく行かないことで洗浄力が低下し、洗濯物が十分にきれいにならないことがあります。

最悪の場合、洗濯機の故障につながる恐れもあり、修理費用がかかることになりかねないのです。

1-4.洗濯物の汚れや傷み

掃除されていないゴミ取りネットに溜まったゴミや繊維は、洗濯中に洗濯物に再付着することがあります。
これにより、洗濯物が十分にきれいにならず、臭いや汚れの原因となります。

また、ゴミ取りネットに詰まった異物が洗濯物を傷つける可能性もあり、衣類の寿命を短くすることにもつながります。

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2.ゴミ取りネットの掃除頻度は?

ゴミ取りネットのお手入れは、「洗濯のたびに行う」のが理想的です。
洗濯後すぐにゴミ取りネットを掃除する時間がない場合でも、次に洗濯をする前にゴミを取り除くことで、効率的に清潔を保つことができます。
この習慣を身につけることで、カビの発生を効果的に防ぐことが可能になります。

もし忙しくて毎回は難しい場合でも、「1週間に1回程度」は簡単な掃除をするようにしましょう。
また、洗濯物から出るペットの毛や長い髪の毛、繊維が多い衣類は特にゴミ取りネットに溜まりやすく、これらが溜まるとゴミ取りネットの清掃頻度を増やす必要があります。

そして「1ヶ月に1回程度」はしっかりと掃除するようにしましょう。
1ヶ月経っていなくても、ゴミ取りネットの汚れがひどい場合や異臭が気になる時は行ってください。
このとき、熱湯や中性洗剤を使用し、場合によっては消毒のために薄めた漂白剤で洗うのが効果的です。

3.洗濯機のゴミ取りネットの掃除手順

ゴミ取りネットの掃除を定期的に行うことで、洗濯機内を清潔に保ち、洗濯物の品質を維持することができます。
ここではゴミ取りネットの掃除のやり方を詳しく紹介します。

3-1.毎日できる!簡単な掃除方法

まずは簡単な掃除方法から紹介します。
できれば毎日行うことをおススメします。

用意するもの

  • キッチンペーパー

掃除の手順

①ゴミ取りネットの中のゴミを捨てる
②流水でネット内部をすすぐ
③ゴミ取りネットを元に戻す

①ゴミ取りネットの中のゴミを捨てる
洗濯機からゴミ取りネットを取り外してください。
それから広げたキッチンペーパーの上にゴミ取りネット内のゴミを出しましょう。
キッチンペーパーはまるめてゴミ箱に捨ててください。

②流水でネット内部をすすぐ
流水でネット内部をすすいで、残ったゴミを洗い流してください。

③ゴミ取りネットを元に戻す
ゴミ取りネットを元に戻して終了です。

3-2.週1回おススメ!簡単な掃除方法

続いて、週1回程度行うのがおススメの簡単な掃除方法を紹介します。

用意するもの

  • 歯ブラシ
  • キッチンペーパー
  • 中性洗剤(必要であれば)

掃除の手順

①ゴミ取りネットの中のゴミを捨てる
②歯ブラシで残った汚れを落とす
③流水ですすいでから乾燥させる
④ゴミ取りネットを元に戻す

①ゴミ取りネットの中のゴミを捨てる
洗濯機からゴミ取りネットを取り外してください。
それから広げたキッチンペーパーの上にゴミ取りネット内のゴミを出しましょう。
キッチンペーパーはまるめてゴミ箱に捨ててください。

②歯ブラシで残った汚れを落とす
流水でネット内部をすすぎ、歯ブラシで擦って残った汚れを落としましょう。
この時にフィルターを破らないように優しく擦ってください。
また、必要に応じて中性洗剤を使用してください。

③流水ですすいでから乾燥させる
再度流水でよくすすいでください。
そのあとゴミ取りネットをしっかり乾燥させましょう。

④ゴミ取りネットを元に戻す
ゴミ取りネットを元に戻して終了です。

3-3.月1回おススメ!徹底的に掃除する方法

月1回程度徹底的に掃除しましょう。
また、すでにカビやヌメリが発生してしまっている場合も掃除をおススメします。

用意するもの

  • スプレータイプの酸素系漂白剤
  • キッチンペーパー
  • ゴム手袋

花王 ワイドハイターPRO ラク泡スプレー

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出典: Amazon

掃除の手順

①ゴミ取りネットの中のゴミを捨てる
②歯ブラシで残った汚れを落とす
③酸素系漂白剤を吹きかける
④流水ですすいでから乾燥させる
⑤ゴミ取りネットを元に戻す

①ゴミ取りネットの中のゴミを捨てる
洗濯機からゴミ取りネットを取り外してください。
それから広げたキッチンペーパーの上にゴミ取りネット内のゴミを出しましょう。
キッチンペーパーはまるめてゴミ箱に捨ててください。

②歯ブラシで残った汚れを落とす
流水でネット内部をすすぎ、歯ブラシで擦って残った汚れを落としましょう。
この時にフィルターを破らないように優しく擦ってください。

③酸素系漂白剤を吹きかける
それからゴミ取りネットに酸素系漂白剤を吹きかけます。
カビやヌメリが落ちるまで、10分から20分程度放置しましょう。

④流水ですすいでから乾燥させる
漂白剤が残らないように流水でよくすすいでください。
そのあとゴミ取りネットをしっかり乾燥させましょう。

⑤ゴミ取りネットを元に戻す
ゴミ取りネットを元に戻して終了です。

3-4. ゴミ取りネットのセット部分の掃除方法

ゴミ取りネットに溜まったゴミだけでなく、ゴミ取りネットのセット場所のゴミやヌメリも一緒に取り除きましょう。

用意するもの

  • 布巾
  • 酸素系漂白剤(必要に応じて)
  • ゴム手袋

掃除の手順

①ゴミ取りネットを設置する部分の周辺を布巾で拭き取る
②酸素系漂白剤を吹きかける
③水拭きしてから乾燥させる

①ゴミ取りネットを設置する部分の周辺を布巾で拭き取る
ゴミ取りネットを設置する部分の周辺を濡れた布巾で拭き取ってください。
軽度の汚れであればこれを行うだけで十分です。
カビやヌメリがある場合は②と③を行いましょう。

②酸素系漂白剤を吹きかける
カビやヌメリが発生している場合は、酸素系漂白剤を吹きかけてください。
それから10~20分ほど放置します。

③水拭きしてから乾燥させる
漂白剤が残らないようにしっかりと水拭きしてください。
その後、完全に乾燥させて終了です。

4.ゴミ取りネットの買い替えも検討する

ゴミ取りネットが破れた場合や汚れがひどい場合、掃除をしても完全に清潔な状態に戻らないことがあります。
そのような状況では、新しいゴミ取りネットに交換することが最善の対策です。

4-1.買い替えのタイミング

物理的な破損が見られている場合は、確実に買い替えのタイミングです。
もしネットに穴が開いていたり、破れが生じていたりする場合は、糸くずや小さなゴミが漏れ出し、洗濯機内部に問題を引き起こす恐れがあるため、すぐにでも買い替えましょう。

また、長期間使用しているとネット自体に汚れが蓄積し、普通の掃除では落ちない頑固な汚れやカビが発生することがあります。
これらの汚れは洗濯物に悪影響を与えるだけでなく、洗濯機の機能性や寿命にも影響を及ぼす可能性があります。

さらにネットから不快な臭いがしてくる場合も、内部にバクテリアやカビが繁殖している兆候であり、健康を守るためにも新しいものに交換するべきです。

4-2.買い替え時の注意点

ゴミ取りネットを新しくする際には、いくつかの注意点があります。

まず、自分の洗濯機モデルに合ったゴミ取りネットを選ぶことが重要です。
モデルによってはサイズや形状が異なるため、メーカーの指定する正確な型番の製品を選びましょう。

また、正しい取り付け方を理解し、取り扱い説明書に従って正確に設置することも忘れてはなりません。
適切に設置されていないと、最悪の場合、洗濯機の故障につながることもあります。

さらに、定期的な清掃やメンテナンスを怠らず、新しいゴミ取りネットでも継続して適切なケアを行うことが、洗濯機と衣類の長期的な清潔さを保つ鍵となります。

5.洗濯機のゴミ取りネットのカビを防ぐための対策

ゴミ取りネットは、洗濯の度に髪の毛やホコリ、繊維質のゴミを蓄積していきます。
そのため、カビを発生させないためにはこまめに掃除をして、しっかり乾燥させることが重要になってきます。

ここでは、ゴミ取りネットのカビ予防方法を詳しく解説します。

  • 洗濯のたびにゴミを捨てる
  • ゴミ取りネットを定期的に掃除する
  • 洗濯槽の定期的なクリーニングを行う
  • 汚れた衣類は洗濯前に事前処理をする
  • 洗濯機の中に洗濯物を放置しない
  • 洗濯後に扉を開けておく

5-1. 洗濯のたびにゴミを捨てる

洗濯物から出る髪の毛や繊維質のゴミは、ゴミ取りネットに蓄積していきます。
これらのゴミが湿った状態で長時間放置されると、カビの温床となり得ます。
そのため、洗濯の度にゴミ取りネットを確認し、ゴミを捨てることがカビ予防の第一歩です。

この習慣は、ゴミ取りネットの機能を最適に保つだけでなく、洗濯機内の衛生状態を維持するのにも役立ちます。

5-2. ゴミ取りネットを定期的に掃除する

ゴミ取りネットのゴミを捨てたり、流水で洗い流すだけでは汚れが取り除けないので、定期的に掃除をしましょう。

週1回程度は歯ブラシなどを使って汚れを落とし、必要に応じて中性洗剤を使ってください。
そして月1回程度は酸素系漂白剤を使用して、徹底的に綺麗にしましょう。

この手順により、ゴミ取りネットに残った微細な汚れを除去し、カビの発生を予防できます。

5-3. 洗濯槽の定期的なクリーニングを行う

洗濯槽内の湿度はカビが繁殖するのに適した環境を提供します。
月に1回は、市販の洗濯機用クリーナーを使用して洗濯槽の掃除を行いましょう。

また、自然派の方法を好む場合は、酸素系漂白剤を用いて洗濯槽を洗浄することも効果的です。
洗濯槽を清潔に保つことで、ゴミ取りネットだけでなく洗濯機全体のカビ予防に繋がります。

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5-4. 汚れた衣類は洗濯前に事前処理をする

汚れが酷い衣類や、汗を多く吸収したスポーツウェアは、洗濯前に予洗いや漬け置きを行うことが重要です。
これにより、洗濯時に衣類から出る汚れの量を減らし、ゴミ取りネットへの負担を軽減できます。

事前処理は、カビの発生原因となる汚れや菌の洗濯機内への持ち込みを防ぐためにも役立ちます。

5-5. 洗濯機の中に洗濯物を放置しない

洗濯機の中に洗濯物を長時間放置しないことは、カビを防ぐために非常に重要です。
洗濯後はできるだけ早く洗濯物を取り出し、適切に干すことで、洗濯機内の湿度を低下させることができます。

また、洗濯機の内部を洗濯カゴのように利用し、汚れた衣類を溜め込む習慣は避けましょう。
汚れた洗濯物はカビの温床となり、特に湿気が多い洗濯槽内で放置すると、カビや雑菌の増殖を促してしまいます。

洗濯は定期的に行い、洗濯物を洗濯槽に放置しないよう心がけることで、洗濯機内を清潔に保ち、カビや悪臭の発生を予防できます。

5-6. 洗濯後に扉を開けておく

洗濯が終了した後は、洗濯機の扉や蓋を開けておくようにしましょう。
これにより洗濯機内の湿気を外に出して、乾燥させることができます。
常に開けているのが難しい場合は、洗濯直後だけ開けておく、来客時以外は開けておくなどするだけでも効果があります。

また、洗濯機のドラムやゴムパッキン周辺に水滴が残っている場合は、乾いた布で拭き取るとさらに効果的です。
この小さな努力が、洗濯機内のカビや悪臭の予防につながり、衣類を清潔に保つことができるでしょう。

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6.まとめ

今回は洗濯機のゴミ取りネットの掃除方法やカビ対策について解説しました。

ゴミ取りネットの掃除を怠っていると、カビの発生リスクが上がるのはもちろんですが、異臭の発生や健康被害などが起こる可能性もあります。
そのため、こまめにゴミ取りネットの掃除を行うようにしてください。

また、ゴミ取りネットを含む洗濯槽全体のカビ予防のためにも以下のことを意識的に行ってください。

  • 洗濯のたびにゴミを捨てる
  • ゴミ取りネットを定期的に掃除する
  • 洗濯槽の定期的なクリーニングを行う
  • 汚れた衣類は洗濯前に事前処理をする
  • 洗濯機の中に洗濯物を放置しない
  • 洗濯後に扉を開けておく

洗濯機は私たちの日常生活において欠かせない家電の一つで、長く使い続けるためには適切なケアが必要不可欠です。
今回紹介したゴミ取りネットの掃除方法やカビ対策を実践し、洗濯物を常に清潔に保ってください。