タイル目地の黒カビを除去!お風呂・キッチンで効果的なカビ取りと予防策をプロが解説

湿気がこもりやすく、カビが発生しやすいお風呂。
その中でも特に厄介なのが、タイル目地に生える黒カビではないでしょうか。

「何度掃除しても黒ずみが取れない」「専用の洗剤を使っても落ちない」
そんな悩みの声は、少なくありません。

タイルは表面に凹凸があり、水分も残りやすいため、カビが根を張りやすい構造です。
さらに壁面の場合は薬剤が垂れやすく、カビの根にまで成分が届きにくいという難点もあります。

また、重曹・消毒用エタノール・塩素系漂白剤など、使える洗剤はいくつかありますが、「どれが本当に効果的なのか分からない」という声もよく聞かれます。

そこでこの記事では、プロが比較・検証した3種類の洗剤の効果や、液だれを防ぐカビ取り方法、再発を防ぐための習慣をわかりやすく解説します。

「タイルのしつこい黒カビを本気でなんとかしたい」とお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。

この記事でわかること
・消毒用エタノール・重曹・塩素系漂白剤のカビ取り効果比較
・液だれを防いでカビ取り効果を高めるテクニック
・タイルのカビ取りにおすすめのカビ取り剤
・再発を防ぐための日常のカビ対策

1. 「エタノール」「重曹」「塩素系」タイルのカビ取りに最適なのは?

タイル目地に発生した黒カビは、一度根を張ると非常に落としにくくなります。
表面だけを掃除しても、目地の奥に残った菌糸が再び繁殖し、カビが何度も繰り返し発生してしまうこともあります。

こうした再発を防ぐには、カビを根からしっかり除去することが大切です。
そして、効果的にカビを落とすには、洗剤選びも非常に重要です。

まずは、家庭でもよく使われている消毒用エタノール・重曹・塩素系漂白剤の3種類を実際に使用し、その効果を比較検証しました。

1-1. 消毒用エタノールで色素は落とせない

最初に試したのは、比較的安全性が高く、日常的な除菌にも使われるエタノールです。
今回は一般的な濃度である70〜80%の消毒用エタノールを使用しました。

  • 使用直後↓
  • 10分後↓

カビの菌に対しては殺菌効果が期待できるものの、黒カビ特有の黒い色素はほとんど残ったままでした。
エタノールは日々の予防措置としては有効ですが、根深い黒カビを白く戻すような漂白効果は期待できないようです。

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1-2. 重曹は軽度の汚れなら効果あり

続いて試したのは、ナチュラルクリーニングの代表格として知られる重曹です。
今回は水でペースト状にし、黒カビの発生している目地部分に塗布しました。

  • 使用直後↓
  • 10分後

場所によっては目地がわずかに白くなったようにも見受けられましたが、黒ずみ全体が大きく改善された様子はなく、目に見える効果は限定的でした。
重曹でこすったことで多少のクレンジング効果はありましたが、黒カビの色素に対してはほとんど影響を与えていない印象です。

重曹は皮脂や石けんカスなどの日常的な汚れには強く、軽い汚れ落としやカビの予防には適していますが、すでに根を張った黒カビに対しては十分な効果を得ることは難しいでしょう。

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1-3. 塩素系漂白剤は菌と色素の両方に効果あり

最後に使用したのは、塩素系漂白剤(塩素系カビ取り剤)です。

代表的な製品として市販されているカビキラーやカビハイターなどがあり、主成分である次亜塩素酸ナトリウムは強アルカリ性を示します。
塩素系漂白剤は、カビの菌糸を分解するとともに、黒ずみの原因となる色素も漂白する効果があることで知られています。

  • 使用直後↓
  • 10分後

目地の黒ずみが明らかに薄くなり、白さが戻っていることが確認できました。
カビ自体の除去はもちろん、黒い色素に対しても高い漂白効果があり、3種類の中で最も効果が得られました。

出典:Amazon

出典:Amazon

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1-4. タイル目地の黒カビには塩素系漂白剤が効果的

今回の比較実験を通じて、タイル目地に根を張った黒カビには、塩素系漂白剤が最も高い除去効果を発揮することが明らかになりました。

消毒用エタノールや重曹は、安全性が高く、日常的に使いやすいという利点はありますが、黒カビの色素までは取り除けないため、根の深いカビにはやや力不足です。

一方で塩素系漂白剤は、カビの菌そのものを根本から分解・除去できるうえ、目に見える黒ずみを白く漂白する効果にも優れ、即効性がある点も特長です。

ただし、塩素系漂白剤は成分が強力なため、使用時には十分な注意が必要です。
安全性を重視しつつ、しっかりとした殺菌・漂白効果を求める方には、カビ取り業者が実際に使用・販売している専用のカビ取り剤を活用するのがおすすめです。

詳しくは3-2. プロレベルのカビ取りをするならカビ取りマイスターキットで解説します。

2. 塩素系漂白剤でタイルの目地のカビを根こそぎ除去する方法

1. 「エタノール」「重曹」「塩素系」タイルのカビ取りに最適なのは?で、黒カビの除去には塩素系漂白剤(塩素系カビ取り剤)が効果的であると解説しました。

しかし、先ほどのカビ取りは床のタイルでしたが、壁のタイルのカビ取りの場合は液だれすることがあります。
しっかり浸透する前に液剤が流れ落ちてしまうと、カビが十分に落ちず、再発の原因になることもあります。

ここでは、塩素系漂白剤の効果をしっかり引き出すために、液だれを防ぎながら目地の奥まで成分を届ける方法を2つご紹介します。

2-1. 事前準備

塩素系漂白剤は強力な液剤です。
そのため皮膚に触れたり、目に入ったりすると、皮膚の炎症や失明の恐れなどがあります。

そうならないためにも、作業する時は必ず以下のものを身に付けてください。

またシャワーで流した塩素系漂白剤が足に触れないよう、バスブーツを履くようにしてください。

それから塩素系の液剤に酸性が混ざると有毒ガスを発生させる危険があります。
必ず換気しながら作業を行い、絶対に酸性の洗剤などを混ぜるようなことはしないでください。

2-2. 塩素系漂白剤の効果アップ ーパック編ー

しつこいタイル目地のカビを除去をするには液剤の効果をアップさせる必要があります。
そこでおススメしたいのがラップパックです。

用意するもの

  • 塩素系カビ取り剤(または塩素系漂白剤)
  • ラップ
  • タオル

手順

  • ①カビ取り剤を吹きかける

カビの発生箇所にカビ取り剤を吹きかけます。

  • ②ラップでパックしてしばらく放置する

その上にラップをして、しばらく放置します。
20~30分くらいを目安にしましょう。

  • ③シャワーで洗い流す

カビ取り剤の成分が残らないようにしっかりとシャワーで洗い流してください。
キッチン周りなどシャワーで洗い流せない場所の場合は、濡れタオルで何度も拭き取ってください。
最後に乾いたタオルで拭き取って、乾燥させて終了です。

※カビが根を張ってしつこい場合は、放置する時間を長めにとるか、間隔を十分にあけて換気をよくしてから同じ手順を繰り返しましょう。

2-3. 塩素系漂白剤の効果アップ ー片栗粉ペースト編ー

カビが集中して繁殖している箇所には、片栗粉ペーストを塗り付ける方法がおすすめです。

用意するもの

  • 塩素系漂白剤(または塩素系カビ取り剤)
  • 片栗粉
  • 歯ブラシ
  • プラスチック容器(プリンの容器など捨てられるものでOK)

手順

  • ①片栗粉ペーストを作る

プラスチックの容器に塩素系漂白剤と片栗粉を1:1の割合で入れて、歯ブラシで混ぜ合わせます。
片栗粉ペーストを作る時は、漂白剤と片栗粉を少しずつ加えてペースト状にしましょう。
水分が多すぎるとペースト状にならずに液だれするので、漂白剤やカビ取り剤は様子を見ながら少量ずつ加えることをおススメします。

  • ②片栗粉ペーストを塗布してしばらく放置する

歯ブラシを使ってカビが発生している部分に塗布します。
強く擦ると目地を傷めるので、擦るのではなく塗り付ける感じで行ってください。
それから20~30分くらいを目安に放置しましょう。
また、片栗粉ペーストを塗布した後に、更に2-2. 塩素系漂白剤の効果アップ ーパック編ーで紹介したラップパックを行うこともできるので、こちらも試してみてください。

  • ③シャワーで洗い流す

カビ取り剤の成分が残らないようにしっかりとシャワーで洗い流してください。
キッチン周りなどシャワーで洗い流せない場所の場合は、濡れタオルで何度も拭き取ってください。
最後に乾いたタオルで拭き取って、乾燥させて終了です。

■関連記事■お風呂の天井のカビは危険!10倍速く増殖する理由と最強のカビ取り方法

3. 専用のカビ取り剤で除去する方法

ここまではご自宅に常備していることが多い塩素系漂白剤を使った方法を紹介しました。

しかし最近ではゴムパッキンやタイル目地にピッタリのカビ取り剤なども販売しているので、そちらをご紹介します。

3-1. ジェルタイプのカビ取り剤

タイル目地に生えたカビは、なかなか落としにくいため、粘度のあるジェルタイプのカビ取り剤を使うのもおすすめです。

液だれしくいので、目地やパッキン部分のカビ取りに適しています。
カビ取り剤を塗布して放置した後、併せて歯ブラシで擦ることで細かいカビも落としやすくなります。
この時に強く擦ると目地に傷ができてカビが隙間に入りやすくなるため、力加減には注意してください。

出典:Amazon

ジョンソン ゴムパッキン用カビキラー

ジョンソン ゴムパッキン用カビキラー

出典:Amazon

■関連記事■プロが本気で選んだおすすめのカビ取りジェルTOP7!選び方・使い方まで徹底解説

3-2. プロレベルのカビ取りをするならカビ取りマイスターキット

塩素系漂白剤やカビ取り剤は危険な成分が含まれているため、「あまり使いたくない…」と思っている方も多いでしょう。

またカビ取りだけでなく、カビの再発をしにくくするためにも防カビしたいと考える方もいるのではないでしょうか。

そこでおススメしたいのが、カビ取り業者のハーツクリーンが開発したカビ取りマイスターキットです。
こちらは実際に業者が使用している液剤を誰でも使えるように改良した商品なので、除菌力が高くなっています。

またセットの中にはジェルタイプのカビ取り剤や防カビ剤も含まれているため、目地のカビ取りにもピッタリです。

徹底的にカビ取りしたい場合は、是非こちらも検討してみてください。

4. カビが酷い場合はカビ取り業者に相談する

タイルが使われている場所は、お風呂やキッチンなどの水まわりが中心で、湿気がこもりやすくカビが繁殖しやすい環境です。

特に、すでに広範囲にカビが広がっている場合は、家庭での対処では完全に取りきれないこともあります。
カビは目に見えなくても根が残っていると、そこから再発を繰り返す可能性が高くなります。

そのため、「落ちにくい」「再発を繰り返す」と感じる場合は、無理に自力で対処しようとせず、カビ取りの専門業者に相談することをおすすめします。

専門業者は、高い殺菌力と安全性を兼ね備えた専用の薬剤を使い、根の奥までしっかりとカビを除去します。
広範囲にわたるカビの発生や、早急な解決が求められる場合は、プロに任せるのが最も確実な方法です。

カビにお困りの方は、まずは24時間対応の無料カウンセリングを利用してみると良いでしょう。

5. タイル目地のカビ除去後の再発予防法

カビ取りが終わったら、それで全て解決というわけではありません。

タイルが設置されている場所は大体湿気が多い環境なので、再発予防をしなければ、またすぐにカビが発生する恐れがあります。

カビのない環境を少しでも長く維持できるように、これから紹介することを是非実践してください。

5-1. すぐに水分と汚れを取り除く

せっかくカビを死滅させたとしても、カビの栄養源や水分があればすぐに繁殖してしまいます。
特に湿気がこもりやすい浴室は毎日対策することが大事です。

カビの栄養となる石鹸カス、シャンプーやボディソープの飛び散りなどは、普段からすぐに掃除するように心がけましょう。
また、お風呂上りには水切り用のスクイージーで水滴を除去したり、バスタオルでふき取るなどしてみてください。
湿度の低下、水気の除去はカビの繁殖を防ぎます。

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5-2. タイルにモノを置かない

風呂タイルに洗面器やシャンプーボトルなどを直接置いておくと、それらの下に水分が溜まり、カビの発生原因となることがあります。
洗面器やボトル類は、床に直接置かず、壁に掛けるなどして収納することで、床に水分が溜まりにくくなり、カビの発生を防ぐことができます。

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5-3. 50℃のシャワーをかける


カビは高温に弱い性質を持っています。
そのため、50℃以上の熱いシャワーを浴びせるというのは、カビを抑制する上で有効な手段の1つになります。
この方法には特別な道具や準備が必要なく、週に1回程度行うだけで、カビの再発を予防するのに役立つでしょう。

ただし、熱いシャワーを使う際は、やけどに十分注意してください。
また、使用後に水分をそのままにしておくと、カビの発生原因となるため、シャワーの後はしっかりと換気を行うか、水分を拭き取ることが重要です。
これにより、カビの繁殖を防ぎながらも、安全かつ効果的にカビ対策を行うことができます。

5-4. 消毒用エタノールで除菌する

1. 「エタノール」「重曹」「塩素系」タイルのカビ取りに最適なのは?で紹介したように、消毒用エタノールには黒カビの色素を落とすような漂白効果はありません。
しかし、カビが発生する前の予防としては非常に効果的です。

カビは目に見えるようになる前に、空気中の胞子が湿気や汚れに反応して広がっていきます。
そこで、濃度70〜80%程度の消毒用エタノールをタイル目地に定期的にスプレーすることで、カビ菌を除去し、繁殖を防ぐことができます。

黒ずみが出る前の段階からこまめに対策することで、根の深いカビの発生を減らす効果が期待できます。

■関連記事■お風呂に発生した酷い黒カビをキレイに除去し再発をグッと減らす方法をカビ取り業者が伝授!
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6. タイルのカビに関するよくある質問

カビが生えると、「本当にこのやり方でいいの?」「もっと効果的な方法は?」といった疑問が出てくるものです。

ここでは、実際に多く寄せられる質問を取り上げ、タイルのカビ取りのポイントを詳しく解説します。

6-1. お風呂以外のタイルにも使える?

基本的には同じ方法でカビを除去できます。
重曹やエタノール、塩素系漂白剤といった洗剤の選び方や使い方は共通しており、ラップパックや片栗粉ペーストを使った液だれ防止策も同様に応用可能です。

ただし、キッチンなど食べ物を扱う場所では塩素系洗剤の使用に特に注意が必要です。
においや成分が気になるため、十分な換気を行い、安全を確保したうえで使用しましょう。

6-2. 酸素系漂白剤やクエン酸は使える?

酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウムなど)も一部カビ取り効果が期待できますが、黒カビの色素を強力に漂白する点では、やはり塩素系に劣る場合が多いです。

クエン酸は酸性なので、カビの繁殖を抑える場面や水垢除去に役立ちますが、黒カビを根こそぎ落とすにはあまり向いていません。
根の深い黒カビが気になる場合は、やはり塩素系漂白剤やカビ取り剤を使用するほうが効果的です。

出典:Amazon

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6-3. 塩素系のにおいが苦手な場合は?

塩素系漂白剤は刺激臭があるため、使用時はマスクやゴム手袋を着用し、換気を徹底しましょう。

泡タイプやジェルタイプのカビ取り剤なら飛散が少なく、においも広がりにくくなります。
短時間で済ませるために、ラップパックなどを活用するのもおすすめです。

さらに、カビ取り業者のハーツクリーンが開発・販売しているカビ取りマイスターなら、市販品と比べてにおいが抑えられているため、塩素臭が苦手な方でも使いやすいでしょう。

6-4. 酸性洗剤と混ぜると危険って本当?

塩素系漂白剤(強アルカリ性)と酸性洗剤やクエン酸などを混ぜると、有害な塩素ガスが発生する恐れがあります。
吸い込むと呼吸器官や目、喉に強い刺激を受け、最悪の場合は体調不良や重篤な事故につながることもあります。

必ず洗剤のラベルや注意書きを確認し、酸性洗剤と塩素系洗剤は同時に使わないようにしましょう。

6-5. カビを取ってもすぐ再発するのはなぜ?

カビ取り剤で黒ずみが見えなくなっても、目地の奥に菌糸や胞子が残っている可能性があります。

また、お風呂やキッチンなど水回りは湿度が高く、石けんカスや油汚れが溜まりやすいため、カビが再び繁殖しやすい環境です。
こまめな掃除や換気・水気の除去・除菌などを習慣化することで再発リスクを下げられます。

6-6. どうしても落ちない黒カビはどうすればいい?

塩素系漂白剤やラップパックなどの方法を試しても落としきれない場合は、目地やパッキンが劣化しているケースも考えられます。
カビが根を深く張りすぎていたり、シリコンパッキン自体が変質している場合は自力で完璧に取るのは難しいかもしれません。

カビ取り専門業者に相談し、必要に応じて目地の再施工やパッキンの打ち直しを検討すると良いでしょう。

7. まとめ

今回は、タイル目地に発生した黒カビを効果的に除去する方法と、再発を防ぐための対策について詳しく解説しました。

重曹や消毒用エタノール、塩素系漂白剤など、家庭でも使える洗剤にはそれぞれ特徴があり、目的に応じた使い分けが必要です。
特に根の深い黒カビには、塩素系漂白剤が効果的であることが比較検証からもわかりました。

さらに、ラップパックや片栗粉ペースト、ジェルタイプのカビ取り剤を活用することで液だれを防ぎ、除去効果を最大限に発揮することができます。
それでもカビが落ちない場合は、無理せずにプロ仕様のカビ取り剤を使用したり、専門業者に依頼したりすることも検討してみてください。

そしてカビ取り後の再発を防ぐには、湿気対策・除菌・こまめな掃除が欠かせません。
以下のカビ対策を日々の生活に取り入れましょう。

今回ご紹介した方法は、浴室はもちろん、キッチンや洗面所などのタイルにも応用できます。
ぜひ今日から実践して、清潔で気持ちのよい空間づくりに役立ててください。