カビの生えた米のリスク

「米の色がなんか変…これってもしかしてカビ?」

保管していた米が変色していたら、カビである可能性があります。しっかりと保管していたつもりでも、ある条件がそろってしまうことでカビは簡単に姿をあらわしてしまいます。

今回は、米にカビが生えてしまったら食べられるのか?というテーマを中心に、米にカビが生えてしまう原因やそれに対する正しいカビ対策を伝授していきます。

米にカビが生えてしまうのはナゼ?!

さっそくですが、カビが生えてしまう条件をご存知でしょうか?そのとは…

1、湿度:70%以上は要注意

2、栄養分:ホコリや汚れがカビのエサになる

3、温度:20~30℃、人間が快適に感じる温度帯と同じ

4、酸素:カビも生き物なので酸素は欠かせない

【参考】カビの発生要因4つ

この4つがカビの発生条件です

この中でも特に注目したいのが、湿度と栄養分の2つ

また、乾燥しているように見える米ですが、意外なことに米も若干ではありますが水分を含んでいるんです!

そして自身が水分を含んでいながら、さらには米自体に吸湿性があります。そのため、湿気を好み、栄養分を要して増殖するカビにとっては米びつの中格好の住処なのです。

カビが生えてしまった米は食べられる?

カビが生えてしまった米は食べることができるのでしょうか?例えば、米びつの中の一部にカビが生えていたとして、その部分を除けば他は食べられそうですよね。

しかしながら、結論からお伝えすると「カビが生えたお米は食べられない」「食べない方が良い」が正解です。なぜなら、カビ自体は熱調理によって死滅する種類がいるものの、ビが産生した毒素は熱で消滅させることができないからです。

一緒にカビ米と保管していたお米は?!

また、カビが生えてしまった米と一緒になっていた他の米も、食べるのは控えたほうがいいでしょう。目に見えているいわゆる”カビ”は実はカビの胞子の集合体で、実際のカビは非常に微細で目には見えません。なので、目には見えなくても他の米にカビが付着している可能性が高いのです。

さらには、カビが生えている、ということは保管状態が悪いことを示しています。つまり、カビでなくとも他の細菌が米びつ内で増殖していることも考えられます。衛生面を考慮すると、一度カビが生えたらやはり口にせず廃棄するのが得策だと言えるでしょう。もったいないと思うかもしれませんが、カビを見つけても無理に食べようとせず廃棄してくださいね。

米の正しい保管方法とカビ対策

米にカビが生えてしまう原因は最初に確認したので、ここでカビ対策につながる米の正しい保管方法をお教えします。どれもが基本のことではありますが、カビが生えてしまったということは必ずどこかに欠点があるはずです。今一度、ふだんの扱いを振り返りながらチェックしてみてください。

米の正しい保管方法

乾燥しているように見えいつまでも品質が持つようにも思えてしまう米ですが、食品なのでもちろん時が経つにつれて鮮度が落ちていきます。なるべく品質を保っておくためにも、以下で基本的な米の保管方法を確認しましょう。

①暗所で保管

劣化が進んでしまったり、米びつ内の温度が上昇してしまったりするため直射日光は避けましょう。

②温度に注意

特に夏場、気温が高くなると米びつ内の温度も高くなり、湿気がこもりやすくカビが増殖しやすい環境になってしまいます。夏は野菜室など冷所での保管がおすすめ。

③保管期間

冬→2ヶ月/春秋→1ヶ月/夏→2週間を目安に食べきるようにしましょう。

参考1:全農パールライス株式会社

参考2:食品のかび毒に関する情報

濡れた手で米を触らない

気を抜くとやりがちなのが、水で濡れたままの手で米の計量をしてしまう行為。炊飯器の釜を洗ったりした後にそのまま計量しようとしていませんか?ちょっとなら大丈夫、と思ってしまうかもしれませんが、油断大敵!

その水滴が米びつのなかのカビへ潤いを与えてしまい、結果としてカビの増殖につながってしまいかねません。

そのらため、計量する前にはかならず手に水気の残っていな状態で、また、水滴のついた計量カップをそのまま米びつのなかに放置しないよう気をつけてください。

米袋のまま保管しない

スーパーで米を買ってきて、封を開け、米袋そのままの状態で米を計量しながら使い切ってはいないでしょうか?

実は、米が入っている袋にはいろんな汚れがいっぱいです。スーパーに綺麗にならんでいたとしても、その前はどこでどんな汚れと接触しているかはわかりません。そのため、米を買ってきたらまず、米びつやライスストッカーに移し替えるのが基本です。

この米びつやライスストッカーも、米を使い切ったタイミングでこまめに洗うといいでしょう。また、袋のままだと完全には密閉できず、湿気が入り込んでしまうのも問題です。ライスストッカーに入りきらずに袋に残ってしまった場合でも、輪ゴムやストッパーなどでしっかり密閉し保管しておきましょう。この時、乾燥剤を入れておくと効果的です!

余談ですが、米の袋には通気口が開けられていることも多いのです。なので、外部のニオイなどを吸収しやすくなっています。カビ防止以外の観点からも、買ったお米を生活に保つためには必ず密閉できる米びつやライスストッカーに移し替えましょう。

米の保管アイテム3選!

米のカビを防ぐには、湿気と汚れを防止する必要があります。そこで最後に、米のカビ防止につながる保管アイテムを3つご紹介していきます。

米びつくん金の米粒

見た目にもファンシーなこの商品は、米びつの虫・菌・カビを防止してくれる効果があります。

抗菌作用を持つ天然のワサビ成分・カラシ成分が配合されており、米にも安心して使うことができる点がポイント!同じシリーズで、無洗米に使える銀色タイプもそろっているので用途に合わせて活用してみてください。

出典:Amazon

お手軽サイズのライスストッカー

米のカビを防ぐ方法のひとつに「米は袋のまま保管しない」ことが挙げられますが、こういったハンディサイズのストッカーがおすすめです。理由は、容量が少ないのでこまめに使い切ることができストッカーもその度に洗うことができます。

米自体の汚れももちろんゼロではないので、こまめに洗うことで古い米のカスを栄養分にカビが発生してしまうのを防ぎます。

パール金属 密閉ハンディライスストッカー

パール金属 密閉ハンディライスストッカー

出典:Amazon

珪藻土の除湿アイテム

米びつを密閉することは基本のキ、ですが、湿気を完全に防げるというわけではありません。手に水のついた状態で計量するなど、水分が米びつ内に侵入してしまうタイミングはいくらでもあります。

また、特に湿気のひどい梅雨の時期は防ぎようがありません。そこで、吸湿性が非常に優れている珪藻土の除湿剤がおすすめ。これひとつ、米びつにポンと入れておくだけで除湿・脱臭・抗菌の効果を発揮するため、湿気によるカビ防止にもしっかり貢献してくれます。

出典:Amazon

まとめ

本記事では、カビが生えてしまったお米は食べられるのかどうかを解説してきました。また、今後は米にカビを生やさないようここでご紹介した保管方法や米のカビ対策をぜひ実践してみてください。

万が一、紙や麻のまま保管してたお米にカビが生え、その周囲の壁や床までカビが広がってしまった場合、すべてを完璧に除去するのは大変です。そういった時にはカビ取りの専門業者に相談してみるのがおすすめ!

カビ取りには時間も手間もかかりますし、除去が甘ければ簡単に再発してしまいます。カビの発生に繰り返し頭を悩ませないためにも、プロの技で広がったカビを一掃してもらいましょう。

ライター:こいずみきょん

東京で猫と暮らすWebライター本と映画をこよなく愛し、酒場に生きる。趣味はカフェ巡りと、京都ひとり旅。https://twitter.com/___kkk0518