日当たりの悪い北向きの部屋がカビ臭い?!カビ対策方法をプロが解説

家の中でも特に北向きの部屋は日当たりが悪くジメジメとしています。そのため、気を付けていても、ある日「壁にびっしりとカビが生えていた!!」というケースも。

例えば、新築物件であっても住んで1年未満で北向きの部屋にカビが生えたという例も多くあります。

今回はそんな北向きの部屋にカビが発生してしまった場合のカビ対策方法をご紹介していきたいと思います。

この記事を読むことで

  • どうして北向きの部屋にカビが生えやすいのか
  • 日当りの悪い部屋のカビ対策方法
  • 日ごろからできるカビ予防方法

について、理解を深めることができます。

1.北向きの部屋にカビが生えやすい理由

皆さんは「カビの生えやすい部屋」はどのようなところのイメージでしょうか。きっと

  • ジメジメしている
  • 暗い
  • ゴミや汚れが溜まっている

そんな部屋をイメージするのではないでしょうか。

そのイメージの通り、北向きの部屋は朝日が入りにくいため特に午前中の日当たりが悪くなります。日当たりが悪いと、室内の湿気が乾燥せずたまってしまう為、カビの発生条件である

  • 湿度(60%以上)
  • 酸素
  • 温度(20~30度)
  • 栄養源

の条件と重なり、カビが発生しやすくなります。また日光には、紫外線による殺菌効果もありますが日当たりの悪い北側の部屋は、これらの殺菌効果も得にくいため、よりカビが発生しやすいと考えられます。

1-1.カビ臭い時点でカビはかなり増殖している

また、カビと言えば何となく「黒いカビ」や「青いカビ」など目に見えるポツポツと生えたカビをイメージする方も多いかと思います。

しかし実は、カビが目で確認できるという時点でかなり増殖しています。

カビの胞子は空気中を浮遊し、良い生息条件を常に探しているのですが、カビ臭いということはカビ毒が産生されていたり、目視はできないまでもかなり増えている可能性はあります。

ですので

「北向きの部屋がなんとなくカビ臭いかも?」

「北向きの部屋のクローゼットに入れていた衣類がカビ臭い」

といった程度でも、カビが広がっている可能性があるため、早めにカビ対策しましょう。

1-2.日当たりの悪い部屋のカビを放置した結果...

もしも、北向きの部屋に発生したカビを放置していると、どんなことが起こるのでしょうか。

カビの性質として、生息しやすい好条件な場所を発見すると、発芽し菌糸を作ります。その菌糸が枝分かれしさらに胞子を飛ばして増殖していきます。

つまり、カビがどんどん増殖して部屋中、家中にカビが広がる恐れがあります。

またカビの中にはカビ毒を産生するものもあり、カビ毒によるアレルギーや呼吸器症状の原因となることもあります。そのため、カビは放置せずにすぐに取り除き再発しないよう対策を行いましょう。

では、次の章で実際に北向きの部屋にカビが生えてしまった場合、もしくはカビ臭い場合のカビ対策方法をご紹介します。

2.北向きの部屋のカビ対策方法

北向きの部屋は方角的にカビが発生しやすいことは変えようがありません。しかし、ちょっとしたひと手間で環境を変えてカビを生えにくくすることは可能です。そこで、以下では北向きの部屋にカビが発生してしまった場合に取るべき対策方法をまとめております。

できる範囲で試してみてください。

2-1.除カビをする4つの方法

まずは、北向きの部屋にカビが発生してしまった場合、カビ自体を殺菌し取り除きましょう。除カビしないと、いくらカビ対策を行ってもまた発生してしまいます。そこで4つのカビ取り方法をご紹介します。

日当りの悪い部屋にカビが生えた場合の自力での対策方法は大きく分けて4つあります。

  1. 消毒用エタノールで除カビ→軽度のカビや予防★
  2. 逆性石けんで除カビ→軽度のカビや予防★
  3. ハイター(塩素系カビ取り剤)で除カビ→色素のあるカビ★★
  4. 業務用の液剤で除カビ→厄介なカビ★★★

カビの生え方や広がり方、色素の有無で判断して使い分けると良いでしょう。

A:消毒用エタノールで除カビする方法

  • 白カビが表面に生えている程度
  • 軽度のカビ
  • カビ臭さが何となくする程度
  • カビ予防のためのお掃除

この場合は消毒用エタノールを使って除カビできます。

消毒用エタノールで除カビする場合は、ハイターを使用する場合と比較して効果は落ちますが、比較的安全にそして簡単に除カビすることができます。

方法は、スプレータイプの消毒用エタノールを用意し、北側の部屋の壁や天井、押入れやカーテンなど全体的に吹きかけるという方法です。

出典:Amazon

毒用アルコール以外にも、次亜塩素酸水や重曹水(水100ccに重曹を5g薄める)などで代用することも可能です。ただし、どれもカビの色素を漂白する効果はありません。

出典:Amazon

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B:逆性石けんで除カビする方法

ドラッグストアなどで手に入れることのできる「逆性石けん」を使って、カビを殺菌することも可能です。

※ただし、逆性石けんは漂白効果がないので、白カビや表面に生えたカビの除カビに有効です。

  • 白カビが表面に生えている程度
  • 軽度のカビ
  • カビ臭さが何となくする程度
  • カビ予防のためのお掃除

消毒用エタノールと同様、このような場合のカビ除去に適しています。

逆性石けんを、水で希釈し、溶液を雑巾に浸しカビ部分に塗布してカビ除去していきます。その後、固く絞った雑巾で塗布した液剤を拭き上げ、最後に乾拭きをしてしっかりと乾燥させます。

逆性石けんを扱う際には、ゴム手袋を着用し、必ず水でうすめてから使用するようにしましょう。

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C:ハイターで除カビする方法

手の届く範囲のごく一部のカビであれば塩素系漂白剤のハイター(キッチンハイター)で除カビすることができます。

  • 色素のあるカビ
  • AやBの方法ではカビが落とせなかった場合

などにお試しください。

※ただし、色や柄付きの壁紙・塗装壁、木製素材では変色の恐れがあるため、注意してください。

キッチンハイターはドラッグストアやスーパーなどで簡単に手に入れることができますが、塩素ガスが発生しますのでマスクやゴーグル、ゴム手袋を着用して皮膚をガードしてから使用しましょう。

また必ず換気を行った状態で除カビ作業を行うように注意してください。

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天井や手の届かない部分のカビは?

目や皮膚に付着しケガをする恐れを考慮し、天井や壁の高い位置のカビ取りはおすすめしません。

手の届かない範囲のカビはカビ取りの専門業者へ依頼されることをおすすめします。

用意するもの
  • キッチンハイター
  • バケツ
  • 刷毛(もしくは雑巾)
  • ゴム手袋
  • マスク(防毒マスクがおススメ)
  • ゴーグル(水泳のゴーグルでもOK)
  • 長袖長ズボン

手順は以下の通りです。

  1. ハイターをバケツに入れ水で薄める(濃度はラベルを参照)
  2. 刷毛(もしくは雑巾)で壁や窓際、床など全体的に塗布していく
  3. 30分ほど放置して、固く絞った雑巾で拭き上げる
  4. よく乾燥させる

放置している間は、別の部屋に移動するなどしてなるべく塩素ガスを吸い込まないようにしましょう。また、ハイターを原液で塗るのはキケンです。必ず水で薄めて使用してください。

柄のある壁や着色のある布製品は脱色してしまう恐れがあります。目立たない端の部分で一度試してから使用するようにしましょう。

ハイターを薄める手間を省きたい場合は、壁用の市販のカビ取りスプレーなどを使用するのもおススメです。この際もゴーグルやマスクは着用しましょう。

D:カビ取り業者と同レベルの液剤で除カビする方法

カビ取りマイスターキットは、ハーツクリーンが安全性とカビ除去力を追求し、独自開発したカビ取り剤です。

「市販のカビ取り剤を使ったが、カビが再発してしまった」という方は、プロ仕様の液剤で除カビされることをおすすめします。

カビ取りマイスターキットの使い方は、壁や床などのカビに、刷毛で塗布し、時間を置いた後拭きあげます。また、カビ取りマイスターキットは、カビ取り剤だけでなく、カビの再発を防ぐための防カビコーティング剤もセットになっているため

「除カビ」+「防カビ」といった、プロの工程を自分で行うことができます。北側の部屋にカビが生えてしまったが、カビ取り業者を呼ぶよりも低予算で除カビしたいという方に人気です。

3.カビが生えたら即すべきこと

北側の部屋は湿気が多く日当たりが悪いため、カビが発生するとあっという間に広がってしまう可能性があります。特に湿気の多い梅雨時期や、窓の結露が生じやすい冬場など要注意です。

そのため、カビを発見してしまったら早急に対策し、これ以上カビによる被害が大きくならないよう

  1. 不用品の処分をする
  2. 換気をする
  3. 除湿をする
  4. ホコリや汚れを除去する
  5. ダニ対策
  6. 家具や小物類のカビ対策

など、出来ることから対策しましょう。

3-1.不用品を処分する

「北側の部屋を物置にしている」という方も多くいらっしゃいます。

しかし、所狭しと家具や衣類、使わなくなったおもちゃや書類などをたくさん置いていると、部屋全体の通気性が悪くなるためカビが生えやすくなります。

不用品は、処分し床に直置きをせずに吊るして湿気を溜めないよう工夫をしたり、大きな家具は壁から離して設置し、通気性を良くしましょう。

3-2.換気をする

北側の部屋の除カビをしてからは、こまめに換気をするようにしましょう。晴れた日は窓を開けて部屋中の空気を流します。北側の部屋の窓だけを開けても意味がありません。全ての窓を開けて、換気します。

家にいないことが多い人は、朝起きてからと帰宅してからの1日に2回を目安に換気を行うようにしましょう。換気を行ってもカビが発生してしまう場合には、北向きの部屋に空気清浄機を設置しましょう。

3-3.除湿をする

換気と同時に、除湿も行います。北向きの部屋は日当たりが悪く、湿度がたまりやすいので機械の力を借りて除湿します。

部屋にエアコンがある場合には、ドライ機能を活用しますが無い場合には除湿機を置いてこまめに湿気を取り除きます。

基本的に洗濯物を部屋干ししないようにして、もし部屋干しする場合は除湿機を活用しましょう。

シャープ 衣類乾燥機除湿機 プラズマクラスター

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出典: Amazon

3-4.ホコリを取り除く

北側の部屋のお掃除はこまめにしていますか?

ホコリや汚れ、髪の毛などのゴミがたまっているとカビの栄養源となります。こまめに掃除をして、カビの栄養源を取り除きましょう。掃除機をかけたり、窓枠のホコリを取り除く。床は拭き掃除するなどして、汚れを残さないようにしましょう。

忙しい場合は、ロボット掃除機などを活用しても良いでしょう。

また空気清浄機で空気中の埃やカビの胞子を吸い込むことも予防に繋がります。

3-5.ダニ対策をする

北向きの部屋を寝室にしている方も多いかもしれません。ベッドや布団などの寝具を置いている場合には、ダニが発生しやすくなります。ダニの死骸はハウスダストの原因になるため、寝室はより清潔に保ちたいですよね。

ダニはカビをエサとして増え、またダニの死骸はカビの栄養源となるので、カビ対策とダニ対策を同時に行うことも大事です。

ダニ対策のためのポイントは以下の通りです。

  1. 布団カバーやシーツをこまめに洗濯する
  2. 布団を日光で干す
  3. 布団をダニ専用掃除機で掃除する
  4. ベッドのマットレスに消毒用エタノールを吹きかけて殺菌する
  5. ベッドフレームの位置を壁から離す

ダニを防ぐことでカビ対策にもつながります。日ごろからこまめにお掃除をしてダニを防ぎましょう。

3-6.衣類や収納庫のカビ取り

また、北側の部屋に収納している衣類や小物類にカビが生えている場合、カビ臭い場合にはカビ再発を防ぐために衣類・小物類自体のカビ取りを行いましょう。

忙しい場合には、ガス滅菌などまとめて衣類や小物類のカビ取りをするという方法もあります。

4.日当たりの悪い部屋のカビ予防方法

北向きの部屋のカビを取り除いたら、次はカビを発生させないように予防することも大事です。また、カビ取りの手順を全て行うのは大変ですよね。そのためにも「予防する」ことが最も大事です。

ここからはカビ予防の方法をご紹介します。

北向きの部屋のカビを防ぐために、私たちがまずできることは「除湿」と「換気」です。

晴れた日は換気を行い、湿気が蓄積しないよう、除湿機やエアコンのドライ機能を使って湿度管理をしましょう。また、窓が小さく換気が難しい場合には、サーキュレーターを回すことで、通気性をアップし、湿気を溜めないようにしましょう。

カビ予防方法をまとめると以下の通りになります。

  • 換気をこまめに行う
  • エアコンのドライ機能や除湿機を利用して湿度管理をする
  • サーキュレーターや扇風機を使って通気性を上げる
  • こまめに掃除してカビのエサを除去する

このようなことに気を付けて、カビのリスクを減らしましょう。

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5.北向きの部屋のカビが広がってしまったら

  • カビが自力では対処できないほど広がってしまった場合
  • 天井や壁の高い位置など手の届かない場所に生えてしまった場合
  • カビが壁の奥にまで浸透し、何度カビ取りをしても再発する場合
  • カビアレルギー症状が出て心配な場合

など、自分で除カビすることが難しいときには、カビ取りの専門業者に相談されることをおすすめします。

カビ取り業者の選び方は、地域や予算、スケジュールなどご自身の優先したいこととマッチする会社を選びましょう。

5-1.カビが酷く広がり自力での除去が難しい場合

  • 天井や壁の上のほうなど手の届かない部分にカビが広がっている
  • 壁紙の裏などにカビが広がり専門家による施工が必要
  • 自力でカビ取りしても再発した

このような場合には、早めにカビ取り業者へ相談しましょう。

ハーツクリーンは、5000件以上のカビ取り実績があるカビ取り会社です。カウンセリング無料ですので、カビにお悩みの方はお気軽にご相談ください。

カビ取りのプロより

弊社では、過去色んな部屋のカビ取りご相談を頂きましたが、室内の中での日当たりの悪い北向きのお部屋のカビ取り相談を頂くことはとても多いです。

北向きの部屋を、子供部屋や寝室などにしている場合には、カビが広がることでカビによるシックハウス症候群など健康被害が生じることもあります。物置にしている場合には、モノにまでカビが広がり、衣類のクリーニングや家具の除カビ等、損害が大きくなるケースも。

日当りの悪い部屋のカビを放置していることで、玄関や隣の部屋にカビが広がるリスクもあるため

カビを発見したら放置せず、早めに対策するようにしましょう。

まとめ

北向きの部屋は、日当たりの関係でどうしても湿気が溜まりやすくカビが生えやすい場所にあります。カビの好む環境であるため気を抜くとすぐにカビが生えてしまいますが

  1. 換気をする
  2. 除湿をする
  3. 掃除をしてカビの栄養源を除去する
  4. 不要なモノを処分しカビ被害を減らす
  5. 早めに除カビする

などカビの害が広がる前に対策しましょう。カビ取りの際は換気をしっかりと行い、皮膚の保護を忘れずに、安全な状態で行いましょう。

もしも、除カビを行ったとしても北向きの部屋にばかりカビが再発してしまう場合には、手の届かない場所にもカビが生えてしまっている可能性があります。

この場合は一度、天井や壁の裏などをカビ取りの専門業者でしっかりと念入りに除カビしましょう。手に負えないひどいカビにお困りの方は、一度ご相談ください。