かなり昔に購入したカビ取り剤って使えるの?

家の掃除をしていたら数年前に購入した古いカビ取り剤を発見したことはありませんか?

せっかく見つけたからできればカビ取りに使いたいけど、そのまま使って大丈夫なの?未開封ならカビへの効果はどうなっているの?など疑問に思ったことはありませんか?

今回はそんな疑問にお答えし、カビ取り剤の使用期限や古いカビ取り剤の効果や処分方法や処分する際の注意点等をご紹介していきます。

1.古いカビ取り剤は使える?

キッチンハイターのメーカーである花王に問い合わせてみたところ、

「キッチンハイターなどのカビ取り剤には、特に使用期限というものはありません」と回答がありました。

未開封の状態で高温多湿や温度変化の激しい場所を避け、直射日光が当たらない場所で適切に保存すれば、3年間は品質が保たれるように設計されているそうです。

3年を過ぎてもすぐに使用できなくなるというわけではありませんが、購入後はなるべく早めに使用することを推奨されていました。

また、保管状態が悪かった場合などは、念のため異常がないことを確認してから使用するようにしてください。

カビ取り剤の主成分である次亜塩素酸ナトリウムは熱、光、雑菌などで分解されていき、塩素の濃度が下がっていきます。

中身の状態やにおいがおかしいと感じた場合には、保管年数にかかわらず、使用するのは控えてください。

黄色っぽいカビ取り剤は、透明になっていた場合にはほとんど効果がなくなっています。

開封済みの商品は、保存条件によっては品質が劣化することがあるため、こちらもなるべく早めに長くても1年以内を目安に使い切るようにしましょう。

出典:Amazon

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2.古いカビ取り剤の効果は変化するのか?

長期間保管することでカビ取り剤の有効成分(漂白成分)が徐々に減少し、効果が低下する場合があります。

そのため、購入後は開封、未開封に関わらずなるべく早めに使い切るようにしましょう。

長期間保管したカビ取り剤は使用することはできますが、漂白成分が低下しカビが落とせないということもあります。

カビ取り剤や漂白剤以外の洗剤は比較的ある程度の期間は保管できますが、いずれも長期保管は避け、開封後はなるべく早めに、長くても2~3か月を目安に使い切るようにしましょう。

カビ取り剤を含め洗剤は鮮度が命ですので、新しいものの方が汚れを落とす効果を発揮してくれます。

あまりたくさんまとめ買いをせず、半年程度で使い切れる量を購入するようにしましょう。また、直射日光の当たる場所での保管は避け、冷暗所で保管するようにしましょう。

3.カビ取り剤の処分方法

カビ取り剤を処分するときには、布や紙に染み込ませて可燃ゴミとして捨てるか、換気をしながら排水口に水と一緒に流して処分しましょう。

カビ取り剤を原液のまま流してしまうと、シンクや配管が劣化してしまうことがあります。

必ず水と一緒に流すか薄めてから流すようにしてください。

布や紙に染み込ませて可燃ゴミとして処分する際には、他のゴミにレモンやお酢などの酸が含まれているものと一緒にするとガスが発生することがあります。

生ゴミなどとは袋を別にして捨てるのが安心です。

廃棄するカビ取り剤の量が多いときには数回に分けて水と一緒に流すようにしましょう。

塩素系のカビ取り剤は、酸素系の洗剤と混ざると有毒なガスが発生して危険です。

地域によってゴミの分別や処理方法が異なりますので、お住まいの地域や自治体のルールに沿った方法で処分するようにしましょう。

4.カビ取り剤を扱う際の注意点

①ゴム手袋、ゴーグル、マスクを着用する。

カビ取り剤はアルカリ度が高いため、直接触れると肌が弱い方は手荒れを引き起こす恐れがあります。

そのため、使用する際にはゴム手袋をしっかり着用しましょう。

皮膚についた場合にはすぐに水で洗い流しましょう。

高い場所の作業では、カビ取り剤が目に入る心配がありますのでゴーグルがあると安全です。

万が一カビ取り剤が目に入った場合には、こすらずにすぐに流水で洗い流し、眼科医を受診するようにしましょう。

さらに、カビ取り剤を吸い込んでしまうと、のどがいがいがすることがあります。

このような症状を防ぐためにも、作業をする際にはマスクを着用するようにしましょう。

カビ取り剤を飲み込んでしまった場合には、口をすすぎ、水を飲む等の処置をしてから異常がある場合には医師に相談するようにしましょう。

受診時にはカビ取り剤の商品を持参すると安心です。

②汚れても良い衣類に着替える。

カビ取り剤は衣類に付着すると色落ちしてしまいます。

カビ取り剤を使用する際には汚れても良い服装に着替えて作業するのが良いでしょう。

③必ず換気をしましょう。

カビ取り剤を使用する際には必ず窓を開けたり、換気扇を回すなどして換気をしながら作業をするようにしましょう。

カビ取り剤は刺激臭がありますので、吸い込んでしまうと気分が悪くなったりすることがあります。

広範囲にわたってカビ取り剤を使用する際には一度に行わずに数回に分けて作業するのもおすすめです。

④酸性洗剤と混ぜない。

カビ取り剤を酸性の洗剤と混ぜると、有毒なガスが発生します。

酸性洗剤と混ざると危険な塩素系洗剤には、まぜるな危険と表記されています。

また、塩素系の洗剤を使用した後に水で洗い流さないまま酸性洗剤を使用したり、逆に酸性洗剤を使用した後に水で洗い流さないまま塩素系洗剤を使用するのも厳禁です。

必ずどちらかを単独で使用し、洗剤を使用した後はしっかりと水で洗い流しましょう。

⑤作業場所と物の養生をしましょう。

カビ取り剤は金属に付着すると、サビの原因になることがあります。

他にも、色落ちしやすい素材のものは作業する際にビニールやラップなどで養生してカバーするか移動させておきましょう。

カビ取り剤を使用する際に見落としがちなのが、靴下にカビ取り剤が付着して色落ちしてしまうことや、靴下にカビ取り剤が付着したままフローリングや畳の上を歩いてしまい色落ちしてしまうということもあります。

カビ取り剤を使用する際にはこれらのことに十分に注意して作業するようにしてください。

■関連記事■次亜塩素酸ナトリウムをカビ取りで使う際の注意点

5.まとめ

・古いカビ取り剤は効果がなくなってしまっていることもあります。

・開封済みの場合には1年程度、未開封の場合には3年程度は使用できます。

・カビ取り剤を処分する際は水と一緒に流すか布や紙に染み込ませて捨てましょう。

・カビ取り剤を使用する際には、換気をしっかりと行い安全を考慮しましょう。

<参考文献>

・茂木和哉『茂木和哉落ちない汚れをラクに落とす掃除術』2017年、主婦と生活社