氷嚢に生えたカビの取り方

運動後や熱が出たときなど身体を冷やすことを目的に使われる氷嚢(アイスバッグ)ですが、使っていくうちに氷嚢(ひょうのう)の内側や外側にカビが生えてしまうことがあります。そこで今回は氷嚢に生えたカビの取り方についてご紹介していきます。

氷嚢になぜカビが生えたのか

そもそもなぜ氷嚢にカビが生えてしまうのでしょうか。カビは一定の湿度と温度、栄養源と酸素があると発生しますが、氷嚢にカビが生える原因には次のようなことが考えられます。

原因1 結露

氷嚢は中に氷水を入れて使用します。そのため気温が高いと内側と外側の温度差により氷嚢の表面に結露が生じます。また、運動後や発熱時、熱中症対策など氷嚢は体が火照った状態のときに使うことが多いです。患部が熱をもっているとさらに温度差ができるため結露ができやすくなります。

できた結露をすぐに拭き取らずそのまま自然乾燥させる、ということを繰り返していると氷嚢が湿気を含み、やがてカビが生えてしまうのです。

原因2 氷嚢に付着した汗や皮脂がカビの栄養分になっている

 氷嚢は直接人の身体に当てて使用します。そのため、氷嚢には汗や皮脂などの汚れが付着してしまいます。外での運動やレジャーではさらに砂や埃といった汚れもついてしまいます。汗や皮脂、砂や埃これらは全てカビの栄養源となります。

原因3 使用後の洗浄・乾燥が不十分

氷嚢にはカビの栄養分がたくさん付着しているとお伝えしましたが、使用後毎回きちんと洗って乾燥させていれば問題ありません。使った後は中の水を出して乾かすだけ、洗ってはいるけれど複数回に1回だけ、軽く水洗いだけ、そもそも洗ったことがない、洗っているけれど直置きで乾かしているなどなど・・・このように洗浄と乾燥が不十分だとカビの栄養分が蓄積されていきカビが生えてしまいます。

以上が氷嚢にカビが生える主な原因になります。カビは水気と栄養分がある場所に繁殖するため氷嚢はカビが生えやすいものであると言えます。

氷嚢にカビが生えてしまったら?

では実際に氷嚢にカビが生えてしまったらどうしたらよいのでしょうか。ここからは氷嚢に生えたカビのカビ取り方法をお伝えしていきます。氷嚢のカビを除去するには酸素系漂白剤という方法があります。ただし、製品によっては酸素系漂白剤も使用不可な場合がありますので、メーカーの取扱説明書をよく確認するようにしましょう。破損の原因となります。

カビ取り使用する漂白剤には「塩素系」と「酸素系」のものがあります。カビキラーのようなメジャーなカビ取り剤は塩素系であり、高い殺菌・漂白効果があります。しかしながら氷嚢のカビに塩素系漂白剤を使うとカビは取り除けますが氷嚢を傷めてしまう可能性があります。

取扱説明書にも“塩素系漂白剤は使用しないでください”と書かれていることも多いです。亀裂や水漏れにつながることもありますので氷嚢のカビ取りには酸素系漂白剤を使いましょう。では、カビ取り方法に入っていきましょう。カビ取りには次のものを用意していください。

~用意するもの~

  • マスク
  • ゴム手袋
  • 長袖の衣類
  • 酸素系漂白剤(液体・粉末いずれでも可)
  • 氷嚢が入る大きさのバケツやたらい
  • 歯ブラシ

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~手順~

① カビや漂白液に直接触れないようにゴム手袋、長袖の衣類を着用し身体を保護します。

② バケツに氷嚢が浸かるくらいの水と規定量の酸素系漂白剤を入れて漂白液を作ります。

③ 氷嚢を入れて10~15分程度浸け置きます。このとき氷嚢の中にも液がはいるように蓋は開けた状態で浸け置きます。また、ピンポイントでカビがひどい部分がある場合は、浸け置く前に漂白剤を直塗りしてある程度浸み込ませてから浸け置くとより効果的です。

④ 時間が経ったらカビの状態を確認し、残っている箇所は歯ブラシを使って軽くこすり落とします。

⑤ 水で十分にすすぎ、風通しの良い日陰で内側までしっかりと乾燥させます。置いて乾かすのではなく吊るして干すと中まで乾かすことができます。

カビが生えた氷嚢となると氷嚢全体がかなり汚れている可能性があるためできれば浸け置き洗いをおすすめしますが、スプレータイプの方がいいという場合は最初に氷嚢全体を一度中性洗剤で洗ってからスプレーしてカビ取りをするようにしましょう。ま

た、スプレーを使う場合でも歯ブラシや布のように細かく擦れるものがあるとより確実にカビを取ることができます。

酸素系漂白剤を使用できない場合

アイスバッグの製品によっては塩素系漂白剤だけでなく酸素系漂白剤も使用できない場合があります。

そのような場合は、消毒用アルコールでカビを除去するか、中性洗剤でよく洗い乾燥させてカビを除去しましょう。ただし、消毒用アルコールも中性洗剤もカビの色素を漂白する効果はありません。

氷嚢は、内部のカビとは言え直接皮膚に触れるものですので、洗ってもカビの色素が沈着して落ちない場合には、新しいものと交換されることをおすすめします。

また、乾燥させるときは必ず陰干しをするようにしてください。氷嚢にはシリコンや天然ゴムが使われておりこれらの素材は熱や紫外線に弱いです。直射日光に当てると素材が傷み亀裂が入ってしまうこともあるので干すときには日陰で干すようにしましょう。

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日ごろのお手入れ方法

以上が氷嚢に生えたカビのカビ取り方法です。ここからは日ごろのカビ対策についてお伝えしていきます。できれば面倒なカビ取り作業は避けたいところですから普段からカビを生やさないよう工夫することが大切になります。氷嚢のカビ予防にはぜひ次のことを試してみてください。

対策1 使用後は毎回洗い、十分に乾燥させる

 氷嚢を使った後は使うたびに洗います。洗浄には中性洗剤とスポンジを使い、氷嚢の内側と外側の汚れを落とします。氷嚢の蓋の部分や蓋と氷嚢本体の境目はカビが生えやすいので入念に洗います。洗ったあとは風通しの良い日陰で十分に乾かしましょう。乾かすときも、地面や床に直置きして乾かすのではなく氷嚢の内側にも風が通るように蓋が下向きになるように吊るして乾かします。

対策2 消毒用エタノールで除菌する

 消毒用エタノールには殺菌効果があるため、洗って乾燥させたあとの仕上げに全体に吹きかけることでその後のカビの予防に役立ってくれます。また、氷嚢の使用頻度が少なく次に使うまでに日が開くような場合でも普段から消毒用エタノールを吹きかけておくだけで十分なカビ対策ができます。

対策3 結露防止効果のある氷嚢を使う

 最近では多くのメーカーから結露しないタイプに氷嚢も発売されています。結露しにくいとカビの発生率はぐんと下がります。結露防止効果のある氷嚢を使うことでカビの生えにくい土台ができるのでおすすめです。

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対策4 適切な方法で保管する

氷嚢は熱や紫外線に弱いため日の当たる場所や高温になる場所でも保管はやめましょう。また、氷嚢に使われるシリコンは時間の経過とともに湿気を含み、化学変化によってべたつきが生じます。

カビも生えやすくなります。しばらく使わない場合はベビーパウダーを表面にまぶしてから片付けるとべたつかずカビ予防もできるのでおすすめです。箱に入れて保管する際には、プラスチックケースに直接入れるとくっついてしまうことがあるのでタオルにくるんで除湿剤を一緒に入れるか、通気性のよい布の袋に入れて保管するようにしましょう。

結露防止タイプの氷嚢は表面が布製であることも多いためその場合はベビーパウダーは必要ありません。

まとめ

回は氷嚢のカビ取り方法についてご紹介してきましたがまとめると、

  • 氷嚢にできる結露によってカビが生えてしまう。
  • 氷嚢に付着した汗や皮脂、砂や埃を栄養源にカビが繁殖する。
  • 普段は中性洗剤と消毒用エタノールを使ってカビを予防する。
  • 氷嚢を保管する際には直射日光の当たる高温の場所は避ける。長期間保管する場合は表面にベビーパウダーをまぶすと氷嚢がべたつくのを防ぐことができる。

となります。使用環境も相まって氷嚢は汚れやすくカビも生えやすいです。こまめなお手入れを心掛けてカビを防いでいきましょう。

【参考】ザムスト「アイスバッグのお手入れ方法」