溜まった埃がカビの原因に?!カビ対策方法をカビ取りのプロがご紹介
1.埃の正体とは?
そもそも埃が何なのかその正体をご存じでしょうか。埃は主に、
- 繊維くず
- 毛髪やフケ
- 食品
- ペットの毛
- 花粉、土砂ぼこり
が集まって、私たちが目にする形となっています。この中でも埃を構成する約50~70%が繊維くずと言われています。繊維くずは、布団やカーペット、クッションやソファ、衣類といった布製品から発生した繊維の欠片のことです。人が動いたり、布団を畳んだりした際に細かな繊維が空中を舞い、蓄積していくことで徐々に大きな塊となっていきます。
2. 埃を放置するとどうなる?
掃除をせず埃を放置するとどんな悪影響があるのでしょうか。
2-1. アレルギーやぜんそくの原因に
掃除をせず埃を放置すると、埃が目、鼻などに入り込み、痒みやくしゃみといったアレルギー症状を引き起こしたり、器官入ることで喘息の症状が出てしまうこともあります。特に、免疫力が十分でない小さなお子様やご高齢の方が一緒にお住いの場合は発症リスクが高まるため注意が必要です。
2-2. カビの発生につながる
埃はカビの大好物です。先ほど、埃は繊維くずや毛髪やフケなどからできているとお伝えしましたが、それらは全てカビの栄養源です。つまり、埃はカビによっての栄養が凝縮されたものと言えます。室内の埃1g中には、およそ一万~一千万のカビがいると言われています。乾燥している埃には好乾性のカビが多く付着してしまいます。埃を放置することでダスト中に存在するカビの胞子が室内の各所に付着し、やがてそこからカビが発生していくのです。また、埃の中には生きているカビだけでなく死んだカビも存在しますが、死んだカビもアレルギーの原因となります。
2-3. 機械類の故障
よくあることではありませんが、換気扇やエアコンのフィルターなどに付着した埃を長期間放置することでそれらの機械が故障したり、コンセント部分に埃が溜まっていると最悪の場合発火する恐れもあります。
また、故障まではいかなくても空気中を舞っている埃を吸い込むことで、エアコンのフィルターに埃が溜まったりするでしょう。
3. 埃がたまりやすい場所は?
埃は主に繊維くずでできているため、布製品の多い場所に溜まりやすくなります。具体的には次の場所に埃がたまりやすいです。
3-1. 寝室
寝室には布団や枕があるため、繊維くずが落ちやすく家の中でも埃が溜まりやすい場所です。また、寝汗や呼気により寝室内は湿度が高くなりがちなため誇りに加え、カビ発生のリスクも高い場所になります。
3-2. 脱衣所
脱衣所も埃が非常に溜まりやすい場所です。実は寝室やリビング以上に埃が発生しやすい場所でもあります。脱衣所に布製品は置いていないのになぜ?と思われるかもしれません。脱衣所に埃が溜まる理由としては、衣類を着脱する際に繊維くずが舞うからです。寝室やリビングに比べて狭く通気性も良好とは言えないと思います。そのため行き場をなくした埃が脱衣所内に蓄積されていくのです。また、髪を乾かす場所でもあるため髪の毛が落ちやすい場所であることも埃が発生しやすい理由です。
3-3. リビング
カーペットやソファ、クッションなどの布製品が多いリビングには埃が発生しやすいです。人の出入りも多いため常に小さな埃が空気中を舞っており、掃除をしても埃が残ってしまいます。
4. 埃を上手に掃除する方法
ふわふわと宙を舞う埃をきれいに掃除するのはなかなか難しいですよね。そこで掃除をする際に、できる限り室内にある埃を取りきる方法をご紹介します。
4-1. ホコリ除去中の換気に注意
掃除は換気をしながらやりたくなるやもしれませんが、窓を開けていると埃が舞ってしまい掃除が十分にできなくなります。
掃除の前と最中は窓は閉めたままにしておき、換気は掃除が終わったらおこないましょう。そして、掃除中はマスクやゴーグルを着用するなどして埃を吸い込まないようにします。
4-2. 上から下に向かって掃除する
掃除は、天井に近いところから順に下に向かって掃除していきます。上から下に埃を集めていくように掃除をします。
4-3. 朝一番または帰宅後すぐにやる
掃除は朝一番、もしくは帰宅後におこなうのがおすすめです。人がよく活動する時間帯に掃除をしてしまうと埃が空気中に舞い上がってしまい十分に掃除をすることができません。
4-4. 掃除は①乾拭き、②掃除機、③水拭きの順でおこなう
掃除をするとなると真っ先に掃除機をかけているという方は多いのではないでしょうか。ですが、その方法はあまりおすすめではありません。いきなり掃除機をかけてしまうと掃除機の排気により周囲の埃が舞ってしまいます。大きな埃は取れるかもしれませんが空気中にこまかな埃が残ってしまいます。また、最初に水拭きをしてしまうと埃や汚れが跡になったり、汚れが伸び広がってしまいます。
時間が確保できるときはできるだけ、乾拭き→掃除機→水拭きの順でおこないましょう。掃除の手順は次の通りです。
~手順~
- 乾いたフロアワイパーやマイクロファイバークロスで棚の上など天井に近い場所から床に向かって拭き掃除をします。
- 乾拭きがおわったら、掃除機をかけます。
- 最後に、天井に近い個所から順に下に向かって水拭きをして終了です。
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5. 埃を防ぐコツ
掃除をしても気が付くとあっというまに溜まってしまう埃。そこで日頃できる埃を防ぐコツをご紹介していきます。
5-1. 布製品を置きすぎない
極論にはなりますが、埃の発生源である布製品を置かないことが埃を防ぐ手っ取り早い方法になります。しかし、部屋から布製品を撤去するのは現実的ではありません。必要以上に置くことは控え、ソファやクッション、カーペットや寝具など繊維くずの出やすいものは粘着ローラー(コロコロクリーナー)を使ってこまめに表面の繊維を取り除くようにしましょう。
5-2. 空気清浄機を使用する
空気清浄機を使うことでハウスダストを吸収し、室内に埃がたまりにくくなります。また、砂埃や花粉など外から持ち込まれた汚れも埃になってしまうので、花粉が気になるこれからの時期は特に活躍してくれるでしょう。
5-3. コーキングや窓サッシにはマスキングテープを
洗面所のコーキング部分やゴムパッキン、窓のサッシなど埃が溜まりやすくなおかつ掃除しにくい箇所はマスキングテープをはって掃除をしやすくします。埃がたまってきたり汚れが付いてきたら貼りかえるだけでOKです。防カビ成分が含まれたマスキングテープも販売されており、埃だけでなくそこからカビが生えてしまうのも防いでくれます。防カビマスキングテープは100円ショップで手に入れることができます。
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5-4. 布製品には専用スプレーを
布製品から発生する埃を抑えるスプレーがあるのをご存じでしょうか。寝具やソファなどの布製品にスプレーすることで、表面についた繊維くずがまとまり、浮遊を抑えてくれます。スプレー後は掃除機やコロコロクリーナー等でまとまった繊維くずを除去します。効率よく繊維くずを取り除くことができ、埃の発生を防いでくれます。
5-5. 家具・家電・床は柔軟剤入りの水で水拭き
家具や家電、フローリングなどの埃対策には実は柔軟剤が効果的です。柔軟剤には静電気を防ぐ成分が含まれているため、柔軟剤入りの水で水拭きすることで埃が付着しにくくなります。水1Lに対し、30~50ml程度の柔軟剤を混ぜ、固く絞ったタオルで埃を防ぎたい場所を水拭きします。やりすぎるとべたついたり、柔軟剤成分自体がカビの栄養源になってしまったりするので、埃のたまりやすさに応じて月に一回程度を目安におこなうようにしましょう。
5-6. 不要なものは処分する
物が多いとどうしても掃除が行き届きにくくなるため、不要なものは捨てて、整理整頓を心がけるようにしましょう。
6. まとめ
今回は、埃の原因と埃を防ぐコツについてお伝えしてきましたが、カビの原因にもなるホコリを蓄積させないよう、日ごろからこまめに除去しましょう。
- 埃の正体は、およそ50~70%が布製品からでる繊維くずからできている。それ以外にも、毛髪やフケ、花粉や食品、ペットの毛などが混ざり合っている。
- 埃を放置すると、アレルギーや喘息を引き起こすことがある。また、埃はカビにとって格好の栄養源であるため、埃を放置することでそこからカビが生えてしまうことがある。
- 家の中において、脱衣所、リビング、寝室には特に埃が溜まりやすい。
- 埃を掃除する際は、窓は閉めた状態で、天井に近いところから床に向かって掃除していく。掃除は、①乾拭き、②掃除機、③水拭きの順でおこなう。
- 埃の発生を防ぐには、空気清浄機の使用や、掃除しにくい部分にはマスキングテープをはる、繊維くずの浮遊を抑えるスプレーを使う、柔軟剤入りの水で水拭きすることで埃の付着を防ぐなどの方法がある。
<参考>