自転車のヘルメットにカビが…!正しいカビ取りとカビ対策を解説
「ヘルメットを物置に保管していたら、いつの間にかカビだらけになっていた」
「ヘルメットがカビ臭いけど使い続けていいの…?」
2023年4月1日から自転車に乗る時のヘルメット着用が努力義務化されました。
そのため、最近になってヘルメットを着用するようになったという方も増えたでしょう。
しかしヘルメットは汗などで濡れやすく、更に通気性も悪いため、カビの発生が懸念されます。
もしカビが生えたヘルメットを使い続けると、健康被害など様々な弊害をもたらす可能性があるため、早急にカビ取りすることが重要です。
そこで今回、ヘルメットにカビが生えた時の対処方法やカビを予防するための対策を詳しく解説します。
自転車に限らず、工事用や登山用、バイクなどのヘルメットをお使いの方の参考にもなるので、是非最後までお読みください。
この記事でわかること |
・ヘルメットのカビ取り方法 ・ヘルメットのカビ対策 ・ヘルメットにカビが生える原因 ・ヘルメットのカビを放置してはいけない理由 |
1.ヘルメットのカビを放置したらどうなる?
ヘルメットにカビが発生した時、水拭きして表面のカビを取り除いただけで大丈夫だと思っている方がいらっしゃいます。
しかし、水で濡らしたり、水拭きしただけではカビは死滅しません。
むしろカビは水分を好むため、更に繁殖しやすい環境を与えていることになります。
これではカビを放置しているのと同じです。
では、ヘルメットのカビ取りをせずに使い続けているとどのような弊害が発生する恐れがあるのか詳しく解説します。
1-1.健康に悪影響を及ぼす
カビはただの汚れではないため、カビを吸い込んだりすることで健康に悪影響を及ぼす恐れがあります。
特にお子様や高齢者の方、病気を患っていて免疫力が低下している方は、カビの影響を受けやすいといわれています。
カビによる症状としては以下のものが考えられます。
アレルギー反応や呼吸器系の問題
カビは微小な胞子を放出し、これらの胞子を吸引することでアレルギー反応を引き起こします。
アレルギー症状としては、鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみ、喉の痛みなどが考えられます。
一部の人はカビに対する過敏症を持っており、重篤なアレルギー反応が起こる可能性があるのでとても危険です。
呼吸器疾患のリスク
カビの胞子が呼吸器に侵入すると、呼吸器疾患のリスクが高まります。
特に肺や気管支に疾患を持つ人にとって、カビの胞子は健康上の重要なリスク要因となります。
感染症の可能性
カビは微生物であり、一部のカビは感染症を引き起こす可能性があります。
皮膚や粘膜からの感染や、症状が重篤化することもあります。
放置されたカビが増殖すると、感染症のリスクが高まるので注意が必要です。
お子様は自分でヘルメットのカビに気付かないことが多いため、親御さんが定期的にカビが生えていないか確認してください。
そして万が一生えていたら、早急にカビ取りをしましょう。
そうすることが、お子様の健康を守ることに繋がります。
1-2.頭皮にカビが付着する
カビが生えているヘルメットをかぶると、髪や頭皮にカビが付着することになります。
カビは濡れている場所を好むため、汗で湿っている頭皮は繁殖するための環境が整っています。
そのため頭皮にカビが付着すると、そこから広がる恐れがあります。
頭皮のカビが原因で起こる皮膚病としては、脂漏性皮膚炎があります。
脂漏性皮膚炎は、頭皮や顔、体の他の部分に赤くてかゆみを伴う発疹やぶつぶつが現れる炎症性の皮膚病です。
これは、カビや酵母などの微生物の過剰な成長や、皮脂の過剰分泌などが原因となると考えられています。
またこの病気を発症すると頭皮環境が悪化し、抜け毛や薄毛に繋がる恐れもあるため、注意しましょう。
1-3.ヘルメットの劣化
ヘルメットは汗や皮脂、紫外線などで、徐々に劣化していくものです。
ヘルメットの内部には衝撃を吸収するためのライナーという部分があります。
これが劣化すると、衝撃が吸収されず、頭を守り切ることができません。
これでは、万が一の時に重大な事故に繋がることがあります。
カビが生えることで、更にヘルメットの劣化に拍車をかけてしまうので、しっかりとカビ対策することが重要なのです。
1-4.不快な臭いや見た目の悪化
ヘルメットにカビが繁殖していると、それに伴う特有の不快な臭いがする状態になります。
カビの臭いは特徴的で、酵素や代謝物質によるものです。
これらの物質が放出されることで、特有の臭いが発生します。
カビの臭いは通常、腐敗や湿気のような匂いと表現され、不快で嫌悪感を抱く方がほとんどでしょう。
また、カビが生えているヘルメットは不衛生な印象を与えます。
周りの人から不衛生な人だと悪い印象を抱かれる可能性もあるので、カビが生えたら早めに対処しましょう。
2.ヘルメットのカビ取り方法
2-1.事前準備・注意事項
用意するもの
- 消毒用エタノール
- 洗濯用の中性洗剤
- 酸素系漂白剤(必要であれば)
- 桶
- タオル
- マスク
- ゴム手袋
カビの胞子を吸い込んだり、手が荒れたりするのを防ぐために、マスクとゴム手袋を身に付けて作業するようにしましょう。
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注意事項
- 作業中は換気をする
- 火気の近くで使用しない
- 目立たない場所で試してから作業する
カビ取り作業中はカビの胞子が飛散しやすいので、外で行うか、もしくは換気しながら行ってください。
エタノールは引火する恐れがあるため火の近くでは使用しないでください。
カビ取りする前に目立たない場所で試して、問題がなければ作業を行うようにしましょう。
2-2.カビ取り手順
①外せるパーツは事前に外しておく
②消毒用エタノールを吹きかける
③中性洗剤でカビの汚れを除去する
④しっかりと乾かす
①外せるパーツは事前に外しておく
ヘルメットで外せるパーツがある場合は、カビ取り前に外してください。
②消毒用エタノールを吹きかける
ヘルメットにたっぷりと消毒用エタノールを吹きかけてください。
外したパーツがある場合は、そちらにも消毒用エタノールを吹きかけましょう。
それからカビが死滅するまで、15分ほど放置します。
③中性洗剤でカビの汚れを除去する
桶にぬるま湯と洗濯用の中性洗剤を入れて軽くかき混ぜてください。
そこにヘルメットを入れて、押すように洗います。
中性洗剤で落ちないなら、酸素系漂白剤を使用しましょう。
ただし酸素系漂白剤は色落ちする恐れがあるため、目立たないところで試してから作業してください。
汚れが落ちたら水でしっかりと洗い流してください。
④しっかりと乾かす
乾いたタオルで拭き取ったあと、風通しの良い場所で乾燥させます。
水分が残っているとそれがカビの原因になってしまうので、完全に乾かすようにしましょう。
■関連記事■カビ除去にエタノール消毒剤は有効?!種類や選ぶときのコツとは?!
3.カビ取りができないなら買い替えも検討する
カビの状態が酷いとカビを除去しきれないことがあります。
カビは少しでも残っていると再発しやすいため、カビ取りが出来ない時は新しいヘルメットの購入も検討してみてください。
またカビが除去できたとしても、ヘルメットの買い替えが必要なことがあります。
それはヘルメットが寿命だった場合です。
例えば産業用ヘルメットの耐用年数は熱可塑性樹脂製保護帽は使用開始より3年以内、熱硬化性樹脂製保護帽は使用開始より5年以内と言われています。
これは外観に異常がなくても交換を推奨されています。
そのため、自転車用のヘルメットも、3~5年を目安に交換する必要があります。
カビが生えても生えなくても、寿命を迎えたヘルメットは新しいものと交換するようにしてください。
4.ヘルメットにカビが生える原因は水分と栄養源
そもそも何故ヘルメットにカビが生えてしまうのでしょうか。
まずカビが発生する場所には以下の条件が揃っているものです。
- 水分(汗や雨で濡れている、高湿度の環境)
- 温度(20~30℃の適度に暖かい環境)
- 栄養源(埃や皮脂、フケなどの汚れ)
- 酸素
では、どのようにしてこの4つの条件がヘルメットに揃ってしまうのか原因を見ていきましょう。
4-1.通気性が悪くて湿気がこもりやすい
ヘルメットの種類によっては通気性の悪いものも多く、湿気がこもりやすくなっています。
特にヘルメットをかぶっている時は、頭皮の汗で蒸れたりして、内側が湿った状態になります。
他にも雨や雪に濡れてしまうこともあるでしょう。
しっかりと乾かさずに放置していたりすると、ヘルメットの内部に湿気がこもった状態になります。
こうしてカビが好む高湿度の環境が整ってしまい、カビの発生リスクが高まるのです。
4-2.使用後に汗や皮脂が付着している
カビが繁殖するには、栄養源が必要です。
しかもカビは少量の栄養でも十分に生育することができます。
そしてヘルメットは直接頭に被るため、皮脂やフケ、髪の毛などが付着します。
これらはカビの栄養源になります。
更にヘルメットが汗を吸収していると、水分も揃っていることになります。
あとは暖かい場所に置くだけで、カビの4つの条件が全て揃ってしまうのです。
4-3.保管場所が高湿度の環境
ヘルメットにカビが生えるのは、ヘルメットの水分や汚れだけでなく、保管場所が原因の可能性もあります。
例えば物置やガレージの中などの密閉空間は、高湿度になりやすく、更に掃除を怠っていると埃などで汚れている状態になります。
そのような場所はカビが生えやすいと言われています。
また自転車にヘルメットを置きっぱなしにしている方も多いと思いますが、雨ざらしになっているとヘルメットが濡れてしまい、カビの繁殖条件が揃ってしまいます。
■関連記事■地下ガレージがカビだらけになった時のカビ対策方法
5.ヘルメットのカビ対策
4.ヘルメットにカビが生える原因は水分と栄養源でお伝えした通り、カビが発生する場所には「水分」「温度」「栄養源」「酸素」が揃っている必要があります。
逆を言うと、その4つの中でどれが1つでも欠けていれば、カビを抑制できます。
酸素は無くすことはできないですし、温度の調整も難しいため、カビ対策で重要なのは「水分」と「栄養源」です。
そこで以下の5つの対策を行うことをおススメします。
- 濡れたらしっかりと乾燥させる
- 風通しの良い場所で保管する
- 除湿剤や乾燥剤の活用
- 定期的にヘルメットを洗う
- 洗う時間がないなら日光消毒
5-1.濡れたらしっかりと乾燥させる
夏の時期にヘルメットをかぶると、汗でびしょびしょになってしまうことも少なくないでしょう。
また雨や雪によって、ヘルメットが濡れてしまうこともあります。
カビは水分が豊富にある場所に発生しやすいため、使用後はしっかりと乾かすことが重要です。
水分をかなり含んでいる時は乾いているタオルなどで拭いてから、風通しの良い場所で乾かしてください。
扇風機やサーキュレーターなどで風を送るのもおススメです。
5-2.風通しの良い場所で保管する
物置など密閉された空間は湿気がこもりやすいため、高湿度になりやすいです。
そのためできるだけ風通しが良くて、カラッとしている場所がいいでしょう。
とはいえ、風通しが良いからと、屋外に置いておくのはお勧めできません。
雨ざらしになっているとカビが繁殖しやすくなりますし、ヘルメットの劣化にも繋がります。
できるだけ屋内で除湿されている環境に置くようにしましょう。
5-3.除湿剤や乾燥剤の活用
5-2.風通しの良い場所で保管するで、屋内の除湿された空間での保管が望ましいとお伝えしましたが、屋外のものを室内に持っていきたくないという方もいらっしゃるでしょう。
もし物置など湿度が高くなりやすい場所に置く場合は、除湿剤や乾燥剤を活用してください。
除湿剤を置いて保管場所の湿気を取り除き、更にヘルメットの中に除湿剤を入れることで、湿気をこもりにくくすることができます。
ただし除湿剤は吸い取る湿気の量に限界があるため、効果がなくなったらすぐに新しい物と交換するようにしてください。
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5-4.定期的にヘルメットを洗う
ヘルメットは屋外で使用するので、どうしても塵や砂埃で汚れてしまいます。
また頭に被ることで、汗や皮脂、フケなども付着してしまうでしょう。
この汚れがそのままになっていると、カビの栄養源がたっぷりある状態になり、カビが繁殖しやすくなります。
それを防ぐためにも、連休などヘルメットを使わないタイミングで洗うようにしましょう。
ヘルメットの洗い方
用意するもの
- 洗濯用の中性洗剤
- 桶
- タオル
- 消毒用エタノール
①中性洗剤で汚れを落とす
②しっかりと乾かす
③カビ予防のために消毒用エタノールを吹きかける
①中性洗剤で汚れを落とす
桶にぬるま湯と洗濯用の中性洗剤を入れて軽くかき混ぜ、そこにタオルを浸してください。
タオルを絞ってから、ヘルメットを拭いて汚れを取り除きます。
その後、タオルを水でしっかりと洗った後に、洗剤が残らないようにヘルメットを水拭きしてください。
②しっかりと乾かす
風通しの良い場所でヘルメットを乾かしてください。
③カビ予防のために消毒用エタノールを吹きかける
最後にカビ予防で消毒用エタノールを吹きかけ、再度しっかりと乾かして終了です。
5-5.洗う時間がないなら日光消毒
ヘルメットを洗ってしまうと乾くまで使えないため、忙しい時にはできないでしょう。
そこでおススメしたいのが日光消毒です。
カビは熱や紫外線に弱いため、晴れた日に天日干しするだけでも、カビの胞子を死滅させることができます。
また天日干しすると、ヘルメット内部の湿気も飛ばすことができるので、一石二鳥です。
長時間行うとヘルメットが傷んでしまうので、1~2時間を目安に天日干しして、カビの菌を死滅させるようにしましょう。
6.まとめ
今回は、ヘルメットに生えたカビの除去方法やカビ対策について詳しく解説してきました。
ヘルメットのカビを放置すると健康に悪影響を及ぼす恐れもあるため、見つけたらすぐに除去しましょう。
カビ取りは以下の方法で行ってください。
ヘルメットのカビ取り方法
①外せるパーツは事前に外しておく
②消毒用エタノールを吹きかける
③中性洗剤でカビの汚れを除去する
④しっかりと乾かす
カビを除去できたら、今度は再発しないようにカビ対策をすることが大事です。
ヘルメットのカビ対策
・濡れたらしっかりと乾燥させる
・風通しの良い場所で保管する
・除湿剤や乾燥剤の活用
・定期的にヘルメットを洗う
・洗う時間がないなら日光消毒
ヘルメットの洗い方は以下の方法でできるので、連休の時などに洗うようにしてください。
ヘルメットの洗い方
①中性洗剤で汚れを落とす
②しっかりと乾かす
③カビ予防のために消毒用エタノールを吹きかける
この記事によって、ヘルメットのカビで悩んでいる方が少なくなることを願っています。