トコジラミとはどんな害虫?

私たちの生活を脅かす”住まいの害虫”トコジラミ。

ゴキブリやダニと比べるとあまり聞きなれない虫ですが、発生すると私たちにも害を及ぼすのです。では一体トコジラミとはどんな害虫なのでしょうか。今日はトコジラミの生態や害、駆除方法についてまとめてみました。

■関連記事 「カビと関連性の深い害虫とは」

トコジラミとはどんな虫?

トコジラミは「シラミ」と名前がついていますが、シラミの仲間ではなくカメムシの仲間で吸血性の寄生昆虫です。

別名を南京虫(なんきんむし)、床虫(とこむし)と言い、平たい体で頭は小さく、色は茶褐色で、体長は約4.5~8mmほどなので肉眼でも確認できる大きさです。

トコジラミのエサは?!

トコジラミのエサとなるのは、なんと血液です。昼間は家の中の隙間に隠れて、夜間に這い出てきて人間を吸血します。

刺されやすいのは足、腕、首などの服から露出した部分です。刺されると腫れたり赤くなって痛みと激しいかゆみを伴い、発熱を引き起こす場合もあります。人間以外にもウサギやネズミや小鳥などからも吸血します。

トコジラミの成虫は1日に3~6個の卵を毎日産卵し、生涯産卵数は200~500個に及びます。産卵数が多く、繁殖力が非常に強いので一度棲み付かれてしまうと一気に増加する厄介な害虫です。

どんな場所に生息している?!

トコジラミは明るい場所が苦手なため主に夜間に活動し、昼間は以下のような場所に隠れていることが多いです。

  • 床の隙間
  • 畳の隙間
  • 家具の隙間
  • 壁の隙間
  • エアコンと壁の隙間
  • 家電製品の内部
  • カーテンの折り目
  • クローゼットやタンス、引き出しの中
  • ベットの裏
  • カーペットの裏
  • ほこりの中

このような人間が長時間過ごす場所の近くで、人間の目につきにくい狭くて暗くて温かい場所に隠れています。

25℃程度の比較的暖かい場所を好みますが、0℃でも生存することができるため、寒さにも強く、日本の室内では一年中生息することができます。

湿度は60%~85%程度を好みます。

トコジラミは洋室よりも和室の方が隠れられる場所が多く存在するため、和室を好みます。

トコジラミの害とは?!

人間から吸血した血液を糞として排出するため、天井や壁や柱やカーテンなどに2mm程度の黒褐色の汚れが残ります。

トコジラミは夜行性のため、人間が睡眠中に刺されることが多いです。その結果、無意識のうちに刺された箇所を掻いて出血してしまったり、睡眠中にトコジラミを殺してしまったりして血液の染みが布団などにもできてしまうことがあります。

また、トコジラミはカメムシの仲間なので住処とされた場所は独特の臭いが発生してしまいます。

トコジラミが発生すると経済的にも被害が?!

トコジラミによる経済的な被害も深刻になっています。トコジラミの被害が出た家具などを廃棄処分しなければならないこともあります。

ホテルや旅館などの施設では、宿泊者がトコジラミの被害を受けたことで訴訟になったり、営業停止になるケースもあります。

トコジラミを駆除する方法

現代のトコジラミは市販の殺虫剤に対する抵抗性をもっており、市販の薬剤ではトコジラミの駆除には効果が期待できません。

また、トコジラミは毎日産卵するので、早期駆除が必要になります。そのため、害虫駆除業者に依頼するのが望ましいです。

くらしのマーケット

自分でできる駆除方法

駆除業者が来るまでの応急処置として自分でできる駆除方法は、以下のことがあげられます。

  1. 掃除機を使用して吸い込んで捕殺
  2. ゴキブリホイホイなど粘着タイプのものを使用して捕殺
  3. 凍殺ジェットを使用し凍結させて捕殺

しかし、これはあくまで応急処置としてなので、完全に駆除するためにも害虫駆除業者に依頼するのが確実な対処法になります。

こまめに洗濯しよう

トコジラミの発生を防ぐためにも服や布団、シーツなどをこまめに洗濯することは大事です。

トコジラミが発生していないかを日ごろからこまめに掃除するなどして点検し、発生していた場合に早期発見できる環境作りが大切です。また、日当たりの悪い部屋、換気や掃除が行き届いていない部屋は湿気がたまりトコジラミの好む環境となります。

普段から掃除や洗濯、換気をしっかりと行いましょう。

トコジラミとカビの共通点とは?!

これまで、トコジラミの生態についてお話してきましたが実は「カビ」と「トコジラミ」は共通点があるのです。つまり、カビの発生しやすい場所はトコジラミも発生しやすい場所ということ。そこで、トコジラミとカビの好む場所についてまとめてみました。

カビとトコジラミの好む環境

カビが好む環境は、湿気があり、日当たりの悪い場所です。カビが繁殖するのに適切な温度は25℃程度です。

部屋を不衛生にしないようにすることが大事ですが、清潔にしておけばトコジラミ対策は大丈夫というわけではないため、確実な予防策はないということになります。

カビもトコジラミも人間が生活する場所の近くで普段あまり目につくことがない場所で被害が拡大してから発生していることに気づくことが多いです。

 カビトコジラミ
好む温度25℃程度25℃程度
好む湿度80%程度60~85%程度

対策方法

換気扇を回したり、窓を開けるなどして湿度を低く保つようにしましょう。

冬や梅雨に時期などで窓を開けるのが難しい時には、サーキュレーターで部屋の空気を循環させて、湿気を同じ場所に滞留させないようにするのも効果的です。

カビとトコジラミに共通する「弱点」

カビもトコジラミの弱点は熱で、50℃以上のお湯で駆除、殺菌することができます。

衣類やシーツなどを洗濯するときはお湯で洗うのがおすすめです。また、衣類などはコインランドリーの乾燥機能で乾燥させるという方法もおすすめです。温度が選べる場合には”中温””以上を選択するようにしましょう。業務用の乾燥機は高温で乾燥することができる為、30分以上かけることにより、カビやトコジラミを駆除・殺菌することができます。

■関連記事 「シロアリの発生しやすい家と対策」

まとめ

トコジラミ予防もカビ予防もこまめな掃除と換気がとても大切です。

カビもトコジラミも湿度が高い場所を好むため、部屋を換気して湿気が滞留しないように除湿しましょう。

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<参考文献>

・黒田隆暁『学研の図鑑LIVEポケット⑤危険・有毒生物』2017年、学研プラス

・アンドリュー・ソールウェイ『ミクロの世界~体のまわりの生き物③ベッドルーム』2007年、文溪堂