重曹でバッグのカビを取る方法
「バッグを使おうとしたら、カビが生えていた・・・」
「カビの生えたバッグなんて、もう持ち歩けない」
こんな経験はありませんか?
お気に入りのもの、高価なもの、思い出のバッグだったりすると使い続けたいですよね。
バッグは白カビや青カビが発生しやすく、この2つのカビは増殖しやすいという特性を持っています。カビの生えたバッグから他のバッグや服にカビ菌が付着してしまい、収納しているクローゼットやタンスなどの家具に広がり、最終的には家全体に広がってしまい、最悪の場合、膨大な補修費用がかかってしまうことも・・・
想像しただけでも恐ろしいですよね。
そこで今回は、バッグに生えてしまったカビを重曹で取る方法をご紹介します。
ご家庭で簡単にできる方法なので、「捨てちゃおうかな・・・」と諦めてしまう前にぜひご覧ください。
どうしてバッグにカビが生えるの?
当てはまると危険!3つの発生条件
カビの発生には3つの条件があります。
①20℃以上の温度
②60%以上の湿度
③ほこりや手垢や皮脂などの栄養素
一般的にカビは、湿度が高く汚れやほこりなどカビにとっての栄養源のある環境を好みます。そのため、バッグがこのような環境に長時間晒されることで、カビが発生しやすくなってしまいます。
バッグにカビが生えた原因は?
①バッグが汚れていた
バッグの持ち手に付いた手垢、背中部分や肩ベルトに付いた汗、雨水などが栄養分となり、それらを放置したまま保管していることが原因でカビが発生する恐れがあります。
②収納場所の換気・清掃が行き届いていなかった
実は収納していた場所が、バッグをカビさせた犯人だった!なんて場合もあります。
クローゼットやタンス、押し入れに収納されている方が多いのではないでしょうか?閉め切っていることが多いので、湿度が高くなってしまう。空気がこもってしまい、ほこりが溜まってしまいがちな場所でもあるので、カビにとっての好条件が揃ってしまっています。
③収納場所にカビが生えていた
②のことが原因で、収納場所自体にカビが発生してしまうことがあります。カビは菌糸(カビの体を作る糸状のもの)を伸ばして物に取り付き増殖していきますので、収納場所に生えていたカビがバッグに取り付き、バッグにカビが生えてしまうことも。
では、実際にバッグにカビが生えていたらどのようにカビを取ればいいのでしょうか。今回はナチュラルクリーニングとしても、よく活用されている“重曹”を使ったカビ取り方法を素材別にご紹介します。
バッグのカビを取る方法
本革バッグに生えたカビの場合
用意するもの
- 重曹 5g
- 水 100ml
- スプレーボトル
- 雑巾
- 養生(新聞紙やビニール袋など、下敷きにできるものであれば大丈夫です)
シャボン玉石けん 重曹
出典:Amazon
カビ取りの手順
①スプレーボトルに重曹5gと水100mlを入れます。
②バッグを置く場所に新聞紙やビニール袋で養生をする。カビが生えたバッグを置くので、直置きしてしまうとカビ菌が付き、増殖に繋がる恐れがあります。
③カビの生えている部分に重曹スプレーを吹きかけます。
④雑巾で優しく拭き取ります。
⑤よく乾燥させてください。できれば日光にあてて乾燥させてください。紫外線はカビを除去する効果がありますので、より除菌の効果がアップしますよ。
合皮のバッグに生えたカビの場合
合皮はポリ塩化ビニル樹脂、もしくはポリウレタン樹脂という素材から出来ています。
本革に比べると水をはじきやすく汚れにも強いという特徴がありますが、直射日光には弱く、紫外線が合皮に当たってしまうと樹脂が変質し、劣化に繋がってしまいます。そのため、①~④までは、本革と同様の方法でカビ取りをすることが出来ますが、乾燥させる際は、通気性の良く日の当たらない場所で行うようにしてください。
布製バッグに生えたカビの場合
<色物→注意>
色物だと、素材によっては、脱色してしまうこともあります。
目立たないところに一度重曹スプレーをし、色落ちしなければ本革、合皮と同様の手順でカビ取りが出来ます。もし色落ちしてしまう場合は消毒用エタノールを使うようにしましょう。
用意するもの
- 消毒用エタノールスプレー
- 雑巾
- 養生(新聞紙やビニール袋など、下敷きにできるものであれば大丈夫です)
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出典:Amazon
カビ取りの手順
①バッグを置く場所に新聞紙やビニール袋で養生をする。カビが生えたバッグを置くので、直置きしてしまうとカビ菌が付き、増殖に繋がる恐れがあります。
②スプレーをカビが生えている部分に吹きかける。
③吹きかけた場所を雑巾で優しく拭き取ります。
④通気性が良い日向で乾燥させてください。
※陽に当てても大丈夫かは、お使いのバッグの表示をご確認ください。
<天然素材→NG>
天然素材のバッグには重曹を使わないようにしましょう。天然素材に使用してしまうと、脱色を引き起こすこともあります。ですので、天然素材のバッグのカビを取る際は、消毒用エタノールを使うようにしましょう。手順は色物バッグと同様です。
<染物→NG>
染物のバッグのカビに重曹を使うのは要注意です。染物は、染色をする途中で金属の成分を含む薬品を使うこともあります。金属の成分に重曹が合わさると、黒ずみなど引き起こしてしまうこともあるので、染物バッグのカビを取る場合には、消毒用エタノールを使うようにしましょう。手順は色物バッグ、天然素材と同様です。
竹製バッグにカビが生えた場合
竹素材のバッグには重曹は使わないようにしましょう。重曹は研磨作用が強いので、竹のような天然素材に使用してしまうと素材を痛めてしまったり変色させてしまう可能性があります。そのため、竹製バッグのカビを取る場合には、エタノールの使うようにしましょう。手順は色物バッグ、天然素材、染物バッグにカビが生えた場合と同様です。
籐(ラタン)バッグにカビが生えた場合
籐素材のバッグにも重曹は使わないようにしましょう。研磨作用があるのでバッグを痛めてしまったり、変色させてしまったりする可能性があります。
籐素材のバッグのカビを取るには消毒用エタノールを使うようにしましょう。手順は色物バッグ、天然素材、染物、竹製バッグと同様です。
本当に重曹でバッグのカビが落ちているの?!
カビが本当にいなくなっているのか気になりすよね。カビ取り前とカビ取り後で、どれだけカビが落ちたかを見てみましょう。
左がカビ取り前で、右がカビ取り後の培地の写真です。カビ取り前の培地には、ぎっしりとカビが発生してしまっています。それに比べ、カビ取り後の培地には全くカビが発生していません。重曹の効果がしっかりと表れていま
どうして重曹がカビに効くの?
カビ取り剤ではないのに、どうして重曹でカビが取れるのでしょうか?
重曹の成分は炭酸水素ナトリウムです。重曹は水分と混ぜることで、弱アルカリ性の性質を持つようになります。この性質はタンパク質や脂肪を分解する力を持っています。
カビは、タンパク質や脂質などの成分でできていますので、重曹を使うことによってタンパク質を分解し、カビの動きを緩めることができます。
また、バッグに生える白カビ、青カビは広がりやすいという特性がありますが、根を深く生やすことはありません。そのため、カビ取り剤ではなく重曹でも充分な効果が得られるのです。
日頃のお手入れでカビを防ごう
カビの被害が進行してしまうと、自力でのカビ取りが難しく、手遅れとなってしまうことも・・・
そうなってしまう前に、カビを未然に防ぎ、バッグを長持ちさせましょう!
ここでは日ごろからすぐにできるバッグのカビ対策方法をご紹介していきます。
①バッグが汚れたらすぐに拭き取る
汚れはカビの栄養源です。汚れをエサとしてカビが成長してしまいます。
少しでも汚れを見つけたら水拭きをするようにしましょう。水拭きをした際には、きちんとバッグを乾燥させてから使うようにしましょう。バッグが水分を吸収し、カビの原因になってしまいます。
ここで注意していただきたいのが、革や合皮素材のバッグにはアルコールを使わないことです。これらの素材をアルコール入り除菌シートなどで拭いてしまうと、変色してしまうことがあります。使用する場合は、必ず素材を確認するようにしましょう。
②清掃をする
収納場所のほこり、見て見ぬフリをしていませんか?クローゼットやタンスはなかなか掃除する機会も少ない場所ですが、小さなほこりでもカビの栄養素になってしまいます。小まめに掃除をし、収納場所にほこりが溜まらないようにしましょう。
③換気をする
クローゼットやタンスは閉め切っていることの多い場所ですし、空気がこもりがちになってしまいます。定期的に扉や引き出しを開け放し、空気を入れ替えましょう。
また、クローゼットやタンスに収納するときは、物を詰め込みすぎないように気を付けましょう。物を詰め込みすぎると、空気の通り道が少なくなってしまい、充分な換気を行えなくなってしまいます。
④湿度・温度を下げる
湿度と温度もカビの大敵です。湿度計・温度計を置いて、小まめにチェックしましょう。
③のように換気をして湿度を下げるだけではなく、除湿剤を置いておくのも効果的ですよ。
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⑤脱酸素剤を使う
密閉保管できる物(チャック付きポリ袋、衣装ケースなど)がある場合は、脱酸素剤を使うのも効果があります。密閉保管できる物に、バッグと脱酸素剤を入れて封をしてください(空気はよく抜くこと)。
カビの成長には、水、栄養、酸素が必要になります。どれか1つでも欠けてしまうと、カビは成長することができないのです。
まとめ
バッグについた汚れが原因でカビが生えてしまうこともあります。
また収納場所の清掃や換気等が不十分でカビの発生に繋がることもあります。除湿剤や脱酸素剤を使いながら小まめにお手入れし、カビを生えさせない環境作りを作り、バッグを長持ちさせましょう。
カビ取りを行う際には、必ず換気を行い、マスクやゴム手袋を着用して皮膚を保護してください。もしもカビが取れなかった場合は、素材を痛めてしまう可能性もありますので、無理せず、カビ取りの専門業者へ依頼をするようにしましょう。
<参考書籍>
・佐々木正実 「今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしいカビの本」
・李憲俊 「おもしろサイエンス カビの化学」