花瓶や観葉植物にカビが生える原因と対策
おうちのインテリアとして花瓶や植木鉢に植物を飾っているというご家庭も多いですよね。
特に最近では家にいる時間が長くなった分、おうち時間の癒しやリラックスに植物は欠かせない存在です。
そんな植物ですが、毎日手入れをしているはずなのにすぐにカビが発生したり、花瓶や植木鉢にぬめりや汚れが発生して困っていないですか?
カビやぬめりを予防することは植物を長持ちさせるコツでもあります。
今回は花瓶や植木鉢や植物にカビが生える原因や対策をご紹介していきます。
目次
1.植物にカビが生える原因
①花瓶が汚れている。
花瓶は定期的に洗って清潔にしていますか?
花瓶には室内のホコリやゴミ、汚れが付着しています。
いくら毎日花瓶の水を交換していても、花瓶が汚れていては雑菌が繁殖しカビやぬめりが発生してしまいます。
特に夏場は雑菌が繁殖しやすく、すぐに水が濁ったりぬめりが発生します。
②水やりのしすぎによるもの。
植木鉢などで土に植える観葉植物の場合には、水やりのしすぎによって常に土が湿っている状態になるとカビが発生することがあります。
③肥料によるもの。
観葉植物を育てるための肥料がカビの原因となることがあります。
例えば、有機肥料などは動物のフンや魚の骨の粉などの天然の成分でできた肥料なので、植物が吸収できる適切な量を超えてしまうとカビにとっての栄養源となってしまうのです。
④植物の病気によるもの。
葉や茎に白いカビのようなものが付着している場合にはうどんこ病になっている可能性が高いです。
うどんこ病とは、植物がかかる病気です。
うどんこ病を放置すると枯れてしまうことがあります。
さらに、胞子が飛ぶと周囲の植物も感染してしまうので厄介です。
うどんこ病にかかってしまった葉や茎は治りませんので、切り取りましょう。
切り取るときに使用したはさみは消毒するようにしてください。
2.花を長持ちさせる方法
花を活けたあとのお手入れ
切り花栄養剤等を使用しない場合は、1日1回は水を換えるようにしましょう。
また、花を活ける際には水の中で茎をつぶさないように斜めに切るようにしましょう。
茎を斜めに切ることで、水をしっかり吸収させることができます。
切り口を新しくすると花が元気になります。
切り花栄養剤を使用する場合には、切り花栄養剤を希釈した水を足していきます。
活ける花の種類(球根の花などは吸水する量が多いので)によっては水を多めに入れるか、こまめに追加しましょう。
深水をする。
水切りをしても元気のない花は、新聞紙で花を包みます。
茎を新聞紙から5~6センチほど出し、中をきれいに洗った牛乳パックや上を切ったペットボトル
にたっぷりの水を入れて花を1時間くらいつけておきましょう。
深水をすることで勢いよく切り口に水が入っていきます。
3.花瓶のカビを予防する方法
花瓶のカビを予防することは、花を長持ちさせることにもつながります。
花瓶は花を飾ったままにせず毎日洗って乾燥させ、水をきれいなものに交換するようにしましょう。
花瓶の水の中に栄養剤以外にも以下のものを入れると雑菌の繁殖を防ぐことができます。
おうちにあるものでできるものを探してから試してみてください。
10円玉
お墓やお店の花瓶の中に10円玉が入っているのを見たことはありませんか?
10円玉は銅でできています。
この10円玉を水に入れると、銅イオンが水の中に少し溶け出します。
銅イオンには殺菌効果があるため、花瓶に10円玉を入れることで水を汚れにくくすることができます。
しかし、10円玉を入れてもホコリや汚れなどが入れば花瓶の水はだんだん汚れていきます。
そのため、10円玉を入れておくことで少しは水が汚れにくくなるかもしれませんが、毎日のお手入れが大切です。
ハイターまたは中性洗剤
漂白剤やハイターまたは中性洗剤を水1リットルに対し5~6滴垂らします。
このときにハイターを入れすぎてしまうと植物を傷めてしまいますので注意してください。
家に漂白剤やハイターまたは中性洗剤なら置いてあるというご家庭が多いと思いますので試してみてください。
花王 キッチンハイター
出典:Amazon
重曹粉または栄養剤
花瓶の水に重曹粉を加えるとバクテリアの繁殖がおさえられます。
そのため、水を替える回数を減らし、花も傷みにくく長持ちさせることができます。
分量は、水1カップに対し、重曹粉小さじ1/2を混ぜて花瓶に入れるだけです。
または、お花屋さん等で販売されている切り花栄養剤を購入して使用する方法もあります。
切り花栄養剤には、水をきれいに保つ殺菌効果があり、花の栄養分も含まれています。
そのため、水換えをこまめにしなくても水をきれいに保つことができます。
シャボン玉石けん 重曹
出典:Amazon
花瓶の水のカビを防ぐには?
①水の交換や水やりを適切に行いましょう。
花瓶の水の交換は毎日するようにしましょう。
その際に、花瓶もスポンジに中性洗剤をつけて洗って清潔にするとカビやぬめりを予防することができます。
植木鉢などで土に植わっている観葉植物の場合には、土が常に湿っている状態でもカビが発生しやすくなります。
そのため、土の表面が乾いたのを確認してから鉢底から水が出てくるまでたっぷりと次の水やりをするようにしましょう。
鉢底から水が出てくるということは、鉢の中の植物に水がしっかり回ったサインです。
受け皿にたまった水はそのままにせず必ず捨てるようにしましょう。
そのままにしていると、鉢内の酸素が不足して根腐れしてしまいます。
また、乾燥を好む植物もいます。
そのような植物は、月に1回程度の水やりで良いこともあります。
植物に合った水やりを心がけましょう。
②植物は風通しの良い場所に置く。
室内に植物を置くには風通しが必要です。
風通しの良い屋外に置くか、室内に置く場合にはこまめに換気する必要があります。
風通しが悪いとカビや病害虫が発生したり、根腐れを起こしやすくなります。
③よく観察することが大切です。
毎日のお手入れのときに植物をよく観察する習慣をつけましょう。
水や風通しや光などの状況は家や場所によってさまざまです。
また、購入してきたときの植物の状態もいろいろですので、よく観察してそれに合った対応をすることが大切です。
4.植物の置き場所
観葉植物にカビが発生する原因のひとつとして考えられるのが花瓶の置き場所です。
エアコンの風があたる場所、風通しが悪い場所はできるだけ避けることが大切です。
エアコンの風や加湿器などはわたしたち人間にとっては快適でも、エアコンの風があたると弱ってしまう花や室温が高くなると日持ちが悪くなる花もあり、植物には不適切な環境になることもあるため気を付ける必要があります。
風通しが悪い部屋などに花瓶を置くと、花瓶の中に湿気がたまります。
そうすると、カビが発生しやすい状態になってしまいます。
カビは日光による紫外線に弱いです。
しかし、観葉植物の中には、直射日光を好まないものもあります。
そうなると、室内や日陰に置くことになり、どうしてもカビが発生してしまう環境になってしまいます。
花瓶を飾る場所や飾る花を考えて置き場所を考えるようにしましょう。
5.お手入れ不要のハーバリウム
ハーバリウムとは、ボトルの中にオイルとドライフラワーやプリザーブドフラワーを一緒に入れてインテリアとして楽しむものです。
オイルに浸けているので、日当たりを気にしたり水を換える手間もなく、1年~半永久的に美しい花を保つことができます。
リビングやキッチン、寝室、オフィスなどどんな場所でも癒しの空間を作ることができます。
小さなボトルを使用すれば狭い空間でも、大きなボトルで存在感のあるものも良いですね。
ハーバリウムに使用する花は、水分が抜けて乾燥していることが重要です。
水分を多く含む生花を使うと、オイルの濁りやカビの原因になります。
ドライフラワーに加工してから使用するか、プリザーブドフラワーという生花に保存液と着色料を含ませて乾燥させたものがおすすめです。
プリザーブドフラワーは、販売されているドライフラワーより高価ですが長持ちします。
また、道具があれば自分で作ることもできます。ハーバリウムにカビが生えた場合には、こちらの記事を参考にしてください。
6.ハイドロカルチャーで育ててみる
ハイドロカルチャーとは、土の代わりに発砲煉石(ハイドロボール)やセラミスなどの植え込み材を使用し、そこに水を入れて植物を育てる水耕栽培のことです。
室内に植物を置きたいけれど、土を使うことで虫が発生するのが心配という方におすすめです。
植物を購入した際に土を洗い落とし、容器の底に根腐れ防止剤を必ず入れてください。
容器はガラス容器を使用すると内部の水の量が確認しやすくなります。
最初に入れた水を完全に吸い上げてから再び同じ量の水を足すだけなので水の管理が簡単です。
植え込み材は年に1度は交換すると清潔に保つことができます。
■関連記事■カビ取り業者に聞いた!天井のカビを取る際の注意点
7.まとめ
・植物にカビが生える原因は4つ考えられます。
・植物のカビを予防する方法は雑菌の繁殖を防ぐことです。
・植物のカビを予防することが長持ちさせるコツです。
・植物を置く場所の適切な環境を保つようにしましょう。
・お手入れが簡単なハーバリウムやハイドロカルチャーも検討してみてはいかがでしょうか?
<参考文献>
・永野由加里『重曹&クエン酸で家中ラクラクお掃除術』2013年、ぶんか社
・小川雄一『お手入れ不要、長く飾って楽しめる花の雑貨ハーバリウム』2018年、誠文堂新光社
・永塚慎一『いけばなとフラワーアレンジメントのプロから愛される花屋に学ぶ3ステップ上達法はじめての花の活け方』2017年、誠文堂新光社
・谷野光昭『はじめてのいけばな』2011年、日本華道社
・橋田真琴『家にもっとグリーンを 植物と暮らすアイデア』2021年、朝日新聞出版