ブーツのカビは洗うと落ちる?ブーツに生えたカビを取る方法

「寒くなってきたし今日はブーツを履こう!」そう思って久しぶりにブーツを取り出してみると表面に白いカビが生えている・・・!

そんな経験はありませんか?去年買ったばかりなのに、お気に入りだったのに、高かったのに・・・などなど大事にしていたブーツにカビが生えるとショックですよね。そこで今回はブーツとヒールに生えたカビのカビ取り方法についてご紹介していきます。

どうしてブーツにカビが生えたの?

そもそもなぜブーツにカビが生えるのでしょうか。ブーツにカビが生える原因にはブーツの保管状態とブーツ自体の素材が関係しています。カビは一定の湿度と温度、そして栄養分があると発生しますがブーツにカビが生える因としては具体的に以下のようなことがあります。

原因その1 通気性の悪い場所・状態で保管している

 ブーツをどのような状態で保管しているでしょうか?

「オフシーズンだし、しばらく履かないから...」

と、シューズボックスの奥に購入時の箱に入れてあったり室内のクローゼットや押し入れ、物置などに入れて眠らせていたりしていませんか?

定期的に掃除や換気をしていれば大丈夫ですが、ブーツの季節が終わり、春~梅雨~夏と過ぎ再びブーツを履く季節がやってくるまで触れることがないとなるとその間にカビが繁殖してしまいます。カビは湿度の高いじめじめした場所を好むため、通気性の悪い場所に保管しているとカビが生えてしまうのです。空気の通らないビニール袋に入れているような場合もカビが生える原因となります。

原因その2 ブーツが十分に乾かないまま再び履く、保管する

 雨の日にブーツを履いた後、乾きが不十分なまま後日再び履いたり通気性の悪い場所に保管したりといったことを繰り返すこともブーツにカビが生える原因となります。

一般的にカビは水気のある場所を好みますが、水分を含んだまま履き続けると目に見えないカビの胞子が増えていき、やがて目に見える白や黒色のカビとなって現れるのです。

原因その3 ブーツの素材がカビの栄養源になっている

 ブーツの素材もブーツにカビが生える原因になります。ブーツには主に革が使われています。革製といっても本革や合皮などがありますが、そのどちらもカビの栄養源になります。革にはたんぱく質や加工の過程で使用される油分などが含まれており、それらはカビの格好のエサになります。

合皮でできたブーツよりも本革のブーツの方がたんぱく質や油分が多いため本革のブーツの方がカビは生えやすいという特徴もあります。スエード素材のブーツも、もとは子羊や山羊の皮を使用しているためそれらの成分をエサにカビが生えます。

 また、ブーツに付着した皮脂や汗もカビの栄養源になります。ブーツは保温性に優れている一方で通気性が悪いです。そのため一度染み込んだ汗はなかなか乾きにくいです。蓄積された汗や皮脂はカビの栄養分となりブーツの内側にカビが生える原因となります。

 このようにブーツはその素材自体がカビの栄養源になるだけでなく、保管状態によってカビの繁殖に拍車をかけてしまうのです。

ブーツのカビは水洗いして良いの?!

では、ブーツにカビが生えてしまったらどうしたらいいのでしょうか。スニーカーのようにじゃぶじゃぶと洗っていいのでしょうか。結論からお伝えすると、“ブーツは洗ってはいけない”です。

洗うことで表面に生えた白カビであれば落とすことは可能ですが、ブーツの素材は革であり、革の最大の弱点は水です。たくさん水をふくむとその分ブーツが傷んでしまう上に、その後の乾燥が不十分だと再びカビが生えてしまいます。そうなると洗うことでブーツを劣化させ、ただカビを増やしただけになってしまいます。スエードのブーツは特に水に弱いので水洗いはNGです。

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また、表面の白カビは落とせますが、繊維の内側にいる目に見えないカビの胞子や頑固な黒カビは落とすことができません。ですので、ブーツの水洗いはやめましょう。

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ブーツに生えたカビを取る方法

では実際にブーツやブーツのヒールにカビが生えてしまったらどのようにして落としたらいいのでしょうか。ここからはブーツに生えたカビのカビ取り方法をお伝えしていきます。ブーツのカビ取りに必要なものは以下の通りです。

~用意するもの~

  • ゴム手袋
  • マスク
  • 革靴用ブラシ
  • 革靴用クリーナーまたは消毒用エタノール
  • 乾いた布

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~手順~

① カビに直接触れたり、カビを吸い込んだりしないようにマスク、ゴム手袋を着け身体を保護します。

② ブラシで表面の汚れやカビを落とします。合皮のブーツは傷つきやすいので特に優しく落とします。

③ 乾いた布にクリーナーまたは消毒用エタノールをふくませ、カビをふき取ります。カビが生えていない部分も含めて全体を拭いてもOKです。

④ カビが取れたら風通しの良い日陰でしっかり乾かします。

以上がブーツに生えたカビの除去方法です。

注意点として、消毒用エタノールは革の素材によっては色落ちする場合があるため、直接吹きかけるのではなく布などにふくませ、目立たないところで試してから全体に使用するようにしましょう。

また、カビをふき取った後乾かす際には天日干しではなく風通しの良い日陰で干します。ブーツを天日干しすると乾燥しすぎてしまいひび割れしてしまったり紫外線の影響でブーツが変色することがあります。

 まれにカビの度合がひどくブーツのヒールにもカビが生えてしまっていることもあるのでその場合も革鬱用クリーナーまたは消毒用エタノールで落とします。

どちらかをヒール部分に噴射し、カビをふき取ります。革靴用クリーナーには以下のようなものがありますので参考にしてみてください。

 以上がブーツに生えたカビのカビ取り方法になります。よりきれいに仕上げたいときはカビ取り後に

・皮革用ワックス・クリーム

・皮革用の防水スプレー

をするときれいに仕上がりますし長持ちします。使用する場合はカビ取り後にワックスを塗布し、その後防水スプレーを全体にかけ、十分に乾かします。カビ取りに必須のアイテムというわけではありませんが、カビが生えた状態のブーツということは傷みも進んでいると考えられるので、これ以上傷まないようにするためにも使用することをおすすめします。

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ブーツのカビを防ぐ方法

ここまでブーツのカビ取り方法についてお伝えしてきましたが、カビは生えないにこしたことはありません。ここからはブーツやブーツのヒールにカビが生えるのを防ぐために日頃できるブーツの保管・お手入れ方法についてご紹介していきます。

予防その1 履いた後は汚れを拭き、濡れている場合はしっかり乾かす

 繰り返しになりますが付着した水分や汚れ、皮脂・汗はカビの栄養源になるので脱いだ後は汚れをふき取り、乾かしましょう。ヒールがあるブーツであればヒール部分のふき取りも忘れないようにしましょう。

濡れたブーツを自然乾燥させると表面上は乾いていきますが、乾く過程でブーツの内側に水が染み込んでいきます。脱いだ後は自然乾燥に任せるのではなく意識的に水気・汚れをふき取り乾かすようにしましょう。

予防その2 除菌スプレーを使用する

ブーツの内側のカビを防ぐために脱いだ後は除菌スプレーを使用しましょう。十分に乾かしていても皮脂や汗はブーツに残ってしまうので靴用の除菌スプレーを使用し、カビのエサを残さないようにします。

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予防その3 シューズボックスの換気をする

 カビの予防として最も有効で簡単な方法です。こまめにシューズボックスの掃除・換気をおこないカビが生えない環境を作ります。そうすることでブーツだけでなく他の靴のカビ予防にもなります。

■関連記事■靴箱のカビ対策

ブーツの季節を終えて当分ブーツを履く予定がないような場合はブーツの中に除湿剤を入れておくのもいいでしょう。

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まとめ

 いかがだったでしょうか。今回はブーツやブーツのヒールに生えたカビの除去方法についてお伝えしてきましたがまとめると、

  • ブーツの素材はカビの栄養源になり、保管状態によってもカビが生えやすくなる
  • ブーツのカビを洗って落としてはいけない
  • ブーツやブーツのヒールに生えたカビは消毒用エタノールまたは皮革用クリーナーで除去する
  • ブーツのカビを防ぐにはシューズボックスの中を定期的に掃除・換気し、ブーツを衛生的な状態に保つ

となります。ブーツは正しく手入れし、正しく保管すれば長持ちしますので日ごろからこまめなケアを心掛けてみてくださいね。

【参考】東京都福祉保健局「食品衛生の窓」

【参考】文部科学省「カビとは