カビのお悩み解決コラム

洗濯機ホースと排水口のカビ完全ガイド|原因・落とし方・予防のコツをプロが解説

#カビ#ホース#洗濯機
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監修者穂苅 英樹

編集長(ハーツリッチ株式会社 代表取締役)

洗濯機のイヤなにおいは、洗濯槽ではなくホースや排水口に生えたカビが原因であることが多くあります。
放置すると黒カビが増えて排水トラブルにつながるため、適切なカビ取りと予防が欠かせません。

とくに排水ホースは構造上カビが発生しやすく、におい・つまり・水漏れの発端になりやすいため、日頃から状態を確認して早めの対処を心がけましょう。

そこで本記事では、ホースや排水口に生えたカビを落とす方法と、再発を防ぐために日常でできる予防策をわかりやすく解説します。
はじめての方でも実践しやすい手順をまとめていますので、今日から洗濯機まわりをすっきり清潔に保ちましょう。

この記事でわかること
・洗濯機のホースや排水口にカビが生える原因
・洗濯機のホースと排水口のカビ取り方法
・カビを再発させないための予防ポイント
・自力で難しい場合の対処法

1. 洗濯機ホース・排水口にカビが生える原因

洗濯機のホースや排水口は、普段はあまり目にしない場所ですが、実はカビが発生しやすい場所です。
「洗濯機の中はきれいにしているのに、なんだか臭う…」という場合、原因はホースや排水口の内部にあることが少なくありません。

ここでは、カビが生えてしまう主な3つの理由を見ていきましょう。

1-1. 通気性が悪く湿気がこもる

ホースの内部は水が通る構造のため、通気性がほとんどなく、湿気が抜けにくい場所です。
洗濯後にフタを閉めたまま放置したり、洗濯物を入れっぱなしにしたりすると、ホース内は常に湿った状態になります。

さらに、乾燥機能付きの洗濯機を使用している場合は、内部に温かい湿気が残りやすく、カビの繁殖を一層促してしまいます。

1-2. 洗剤カスや汚れがカビの栄養になる

カビは湿気だけでなく、洗剤カスや柔軟剤の残り、衣類の汚れを栄養にして増殖します。
特に、洗剤を多く入れすぎたり、衣類を詰め込みすぎたりすると、水流が弱くなって汚れがホース内に残りやすくなります。

こうした汚れがたまることで、カビが繁殖しやすい環境が整ってしまいます。

■関連記事■洗濯槽が汚れない洗剤の選び方|洗剤の使いすぎがカビを招く理由とタイプ別の注意点【ジェルボール・液体・粉末】

1-3. 排水口まわりの温度・湿度条件

防水パンや排水口のまわりは風通しが悪く、湿気がこもりやすい環境です。

排水口の内部には常に水分が残っており、カビや雑菌がホース内へ逆流してしまうこともあります。
特に梅雨や夏場は湿度が高くなるため、こまめに換気を行い、洗濯機まわりをしっかり乾かすことが大切です。

2. 洗濯機ホース・排水口のカビを落とす方法

実際に、掃除をしないまま使い続けるとホースや排水口には想像以上に汚れが蓄積していきます。

今回ご協力いただいたご家庭では、しばらく洗濯機のホースや排水口の掃除を行っていなかったため、このように汚れが溜まっていました。

ここでは、この汚れをどのように落とし、ホースと排水口をきれいにしていくのかを解説します。

2-1. ホースを外せない場合のカビ取り方法

ホースがしっかり固定されていて取り外せない場合は、塩素系カビ取り剤を内部に直接吹きかける方法が最も手早く、強い黒カビにも効果的です。

ただし、塩素系はゴムや樹脂を傷める可能性があるため、においや劣化が気になる場合は、酸素系漂白剤を使う方が安心です。
その場合は、これから紹介する手順のカビ取り剤を使う工程だけを酸素系漂白剤の溶液に置き換えて、同じ流れで進めてください。

用意するもの

  • スプレータイプの塩素系カビ取り剤
  • ラップ
  • 輪ゴム
  • バケツ(またはカップ)
  • マスク
  • ゴム手袋
  • ゴーグル

出典:Amazon

カビ取りマイスター 除カビ剤

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注意点

  • 塩素系洗剤は必ず単独で使用し、ほかの洗剤と併用しない
  • 換気をしながら作業する
  • 金属部に薬剤が付いた場合は、すぐに水で洗い流す
  • 塩素系はホースを傷める可能性があるため、頻繁な使用は避ける

カビ取り手順

① 排水口側のホースを外す

電源を切ってコンセントを抜いたあと、蛇口を閉めてから排水口側のホースだけを外し、作業しやすい位置に出します。

② ホース内部に塩素系カビ取り剤を吹きかける

スプレーノズルをホースの開口部に近づけ、内部に向けて直接吹き込みます。
その後、ホースを持ち上げたり左右に傾けたりして、カビ取り剤が内部全体に広がるように動かします。

③ ラップと輪ゴムで口を軽くふさぎ、しばらく放置する

ラップをふわりとかぶせ、密閉しすぎない程度に輪ゴムで軽く固定します。
そのまま10~20分程度放置してください。

放置中に排水口の掃除も並行して行うと効率的です。
排水口のカビ取り方法は「2-3. 排水口のカビ取り方法」で詳しく解説しています。

④ ホース内部を水ですすぐ

バケツやカップで水を注いで内部のカビ取り剤を流し、成分が残らないよう数回すすぎます。
外側も軽く拭いておきましょう。

⑤ ホースを元に戻す

内部がきれいにすすげたら排水口にしっかり差し込み、接続部分が確実に固定されているか確認します。

2-2. ホースを取り外して丸洗いする方法

ホースが取り外せる場合は、酸素系漂白剤による浸け置き洗いが最も安全で確実です。
ぬめり・生乾き臭・軽度のカビであれば、この方法でほとんど落とすことができます。

用意するもの

  • 粉末タイプの酸素系漂白剤
  • 40〜50℃のお湯
  • 歯ブラシまたは細いブラシ
  • 洗面器またはバケツ
  • マスク
  • ゴム手袋

出典:Amazon

出典: Amazon

注意点

  • お湯は40〜50℃を使用し、熱湯は避ける
  • 作業中は換気を行う
  • ゴム製ホースは熱に弱いため、長時間の浸け置きは避ける

カビ取り手順

① ホースを外し、内部を軽くすすぐ

電源を切ってコンセントを抜き、蛇口を閉めてからホースを外し、内部を水でさっとすすいで汚れを落とします。

② 酸素系漂白剤を溶かしたお湯に浸け置く

40〜50℃のお湯に酸素系漂白剤を溶かし、ホースを10〜15分浸け置きします。
口金が金属の場合は変色するおそれがあるため、金属部分を浸けないか、浸け置き時間を短めにしてください。

放置中に排水口の掃除も並行して行うと効率的です。
排水口のカビ取り方法は「2-3. 排水口のカビ取り方法」で詳しく解説しています。

③ 軽くこすってすすぎ、完全に乾かす

浸け置き後、ブラシで内側を軽くこすり、水ですすぎます。
漂白剤の成分が残らないようによく流し、タオルで水分を拭き取ってから風通しの良い場所で完全に乾かします。

④ 完全に乾いたらホースを元に戻す

しっかり乾いたら、洗濯機と排水口にホースを差し込み、確実に固定されているかを確認します。

2-3. 排水口のカビ取り方法

ホース内部のカビ取りを行う際は、排水口のカビ取りも同時に行うのが理想的です。

用意するもの

  • スプレータイプの塩素系カビ取り剤
  • 塩素系漂白剤
  • バケツ
  • 歯ブラシ
  • マスク
  • ゴム手袋
  • ゴーグル
  • キッチンペーパー

出典:Amazon

注意点

  • 塩素系洗剤は必ず単独で使用し、ほかの洗剤と併用しない
  • 放置時間は10〜20分、長くても30分以内にする
  • 換気をしっかり行う

カビ取り手順

① ホースを外して排水口を露出させる

電源を切ってコンセントを抜き、蛇口を閉めてからホースを外します。
フタ・トラップなど取り外せるパーツは、この段階で外しておきましょう。

② 排水口内部に塩素系カビ取り剤を吹きかける

黒カビやぬめりがある部分に向けて、スプレータイプの塩素系カビ取り剤をまんべんなく噴射します。
そのまま10〜20分程度放置してください。

③ 外したパーツは薄めた塩素系漂白剤につけ置きする

フタ・トラップなどのパーツは、別のバケツに入れ、薄めた塩素系漂白剤に10〜20分つけ置きします。

④ パーツと排水口をこすり、しっかりすすぐ

放置後、排水口の内側を歯ブラシでこすってカビやぬめりを落とします。
つけ置きしたパーツも同様にブラシで軽くこすり、最後にすべてを水で十分にすすぎます。

⑤ パーツを戻し、周辺を乾拭きする

水気が残らないよう周囲をキッチンペーパーで軽く拭き取り、外していたパーツを元通りに戻して作業完了です。

3. 自力で掃除できないケースと交換の目安

洗濯機ホースや排水口の掃除は、基本的には家庭でも行えますが、カビが奥まで入り込んでいたり、ホースが劣化している場合は、自力で取り除くのが難しいことがあります。
次のような症状が見られるときは、掃除よりも交換を検討しましょう。

  • ホースの内側が真っ黒に変色している
  • ゴムがベタつく、またはひび割れている
  • 何度掃除してもにおいがすぐ戻る
  • 排水中に水漏れや泡の逆流がある
  • 使用期間が4〜5年以上経過している

これらの状態では、ホースや排水口の内部まで汚れやカビが染み込み、表面を掃除しても完全に取り除くことができません。
特に接続部は見えない部分で劣化が進みやすく、無理に取り外そうとすると破損するおそれがあります。
無理に掃除を続けると、かえってホースの破損や水漏れを招くこともあります。

こうしたケースでは、ホースの交換や内部点検が必要になるため、無理をせず専門の水回り業者やメーカーの修理サービスに依頼することも検討しましょう。

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4. 洗濯機置き場や壁にもカビが生えている場合は?

ホースや排水口だけでなく、洗濯機の裏側の壁や防水パン(置き場)にカビが発生しているケースも少なくありません。
軽度のカビであれば、消毒用エタノール壁紙に使えるカビ取り剤を使用することで表面のカビを拭き取ることができます。

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カビ取りマイスター 除カビ剤

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しかし、次のような場合は自力での対処が難しいサインです。

  • カビが広範囲に広がっている
  • 壁紙の裏側や下地にまでカビが進行している可能性がある
  • 防水パン奥や床が黒ずんで湿っている
  • 洗濯機が重く動かせず、状態を十分に確認できない

見えている部分だけカビ取りしても完全に除去できず、再発することも多くあります。
また、無理に掃除を続けると壁紙や床材を傷めてしまうこともあります。

そのため、状態が重いと感じる場合や少しでも不安がある場合は、カビ専門業者に早めに相談しましょう。
早めの対処が、被害の拡大を防ぎ、洗濯機まわりを安全に保つためのポイントです。

■関連記事■洗濯機置き場にカビが生える原因と対処法|壁の黒カビ掃除から予防まで徹底解説

5. 洗濯機のカビを予防するための対策

カビは「湿気」「温度」「栄養(汚れ)」がそろうことで繁殖します。
普段のちょっとした心がけで、ホースや排水口へのカビの再発を防ぐことができます。

ここでは、家庭で簡単にできる6つの予防対策を紹介します。

5-1. 洗濯後はフタを開けて湿気を逃がす

洗濯が終わったあと、すぐにフタを閉めてしまうと内部に湿気がこもり、カビが発生しやすくなります。

洗濯後はフタを開けたまま2〜3時間ほど風を通し、内部をしっかり乾かしましょう。
ドラム式などフタを開けたままにしにくい場合は、メーカーが推奨する「槽乾燥モード」を使うと安心です。

5-2. 洗剤や柔軟剤を入れすぎない

洗剤や柔軟剤を多く入れすぎると、溶け残りが発生し、ホース内に汚れがたまりやすくなります。
残った洗剤カスはカビの栄養源になるため、製品の規定量を守って使用することが大切です。

また、一気に大量の洗濯をすると、水流が弱まり汚れが落ちにくくなるため、洗濯槽の7〜8割程度を目安にしましょう。

5-3. 定期的に排水口まわりを軽く掃除する

排水口のフタやまわりにはホコリや洗剤カスがたまりやすく、放っておくとカビが発生します。

週1回の軽い掃除が理想ですが、最低でも月1回は排水口まわりを掃除しましょう。
フタや周辺を布やキッチンペーパーで拭き取るだけでも十分効果があります。

5-4. 月に1回はホースの点検・洗浄を行う

ホースの外側や接続部にもホコリやカビが付着します。
月に1回はホースを外して、軽く中性洗剤や酸素系漂白剤で掃除すると衛生的です。

また、ゴムのひび割れや変色がないかをチェックし、劣化している場合は早めに交換を検討しましょう。

5-5. 室内の湿気をためない

洗濯機まわりの湿度が高いと、ホースや排水口にもカビが発生しやすくなります。

換気扇を回したり、除湿機を使ったりして湿度を60%以下に保つようにしましょう。
とくに梅雨や夏場は、窓を開けて風を通すだけでも効果があります。

5-6. 洗濯槽クリーナーで定期的に槽内を洗浄する

洗濯槽の裏側からカビが広がることもあるため、槽内の定期洗浄が重要です。

1〜2ヶ月に1回を目安にメーカー指定の洗濯槽クリーナーを使用し、自動おそうじ機能付きの場合でも3〜4ヶ月に1回程度は行いましょう。
槽内のカビを減らすことで、ホースや排水口の再発も防げます。

■関連記事■洗濯機のカビ対策完全ガイド|蓋閉めたままはNG?洗濯槽の黒カビ除去と予防グッズ・送風乾燥を解説
■関連記事■ドラム式・縦型洗濯機のゴムパッキンに生えた黒カビを落とす完全ガイド

6. 洗濯機ホースや排水口のよくある質問

洗濯機ホースや排水口のカビについて、よく寄せられる質問をまとめました。
「これってやって大丈夫?」「もう交換した方がいい?」と迷ったときの参考にしてください。

6-1. カビ取り剤は塩素系と酸素系どっちを使えばいい?

目的によって使い分けるのがおすすめです。

  • 塩素系:強力で黒カビ向け。ただしゴムを傷める可能性があります。
  • 酸素系:におい・ぬめり・軽度のカビ向けで、素材にやさしいタイプです。

迷ったときは、まず酸素系を使い、落ちなければ部分的に塩素系を使う方法が安心です。
ただし、酸素系のあとに塩素系を使う場合は、必ずしっかりすすいでからにしてください。
塩素系・酸素系・酸性洗剤はいずれも混ぜないのが原則です。

6-2. ホースが真っ黒でも掃除で取れる?

表面のカビなら酸素系漂白剤で落とせますが、全体が黒く変色している・ベタつく・ひび割れている場合は内部まで汚れが入り込んでおり、掃除では取れません。
この状態は再発もしやすいため、使用期間が3〜5年を超える場合や汚れがひどいときは交換が安全です。

古い機種や排水口の形状によっては、業者に依頼する方が確実です。

6-3. 給水ホースにもカビは生える?

はい、給水ホースは外側・内部のどちらにもカビが生えることがあります。
外側は結露やホコリが原因で、内部は湿気や逆流した汚れでカビが発生します。

外側のカビは次の手順で落とせます。

  1. 酸素系漂白剤をぬるま湯に溶かす
  2. 布で軽く拭く
  3. 水拭きして乾かす

給水ホースは劣化がわかりにくいため、3〜5年を目安に交換がおすすめです。
また、におい・変色・水量低下がある場合も交換を検討しましょう。

6-4. 排水エラーや悪臭が直らない場合は?

掃除しても改善しない場合は、内部にカビや詰まりが残っている可能性があります。
とくに以下の症状があるときは要注意です。

  • 排水エラーが出る
  • 洗濯機の下から水漏れする
  • すぐににおいが戻る

このような場合は自力での対処が難しいため、水回り業者やメーカー修理サービスへ相談しましょう。

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7. まとめ

洗濯機のホースや排水口は湿気や汚れがたまりやすく、カビが発生しやすい場所です。
放置するとにおいや排水トラブルにつながるため、カビが発生した際は早めの対処が重要です。

ホースのカビ取りを自力で行う場合は、以下の手順を参考にしてください。

また、ホースの掃除とあわせて排水口のカビ取りも行うと、より効果的です。

掃除しても改善しない場合やホースの劣化が見られる場合は、内部でカビや破損が進んでいる可能性があります。
無理に使い続けると水漏れなどのトラブルにつながるため専門業者やメーカー修理サービスへ早めに相談することをおすすめします。

また、再発を防ぐには次のような日常的な対策を取り入れることが大切です。

毎日のちょっとした心がけが、カビの発生を抑え、洗濯機を快適に保つ近道になります。
暮らしを守るためにも、できることから習慣にしていきましょう。

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