室内の植木にカビが生える原因と対処法!水やり・土・日当たりの正しい管理方法とは?
室内で育てているお気に入りの観葉植物。
ふと見ると、土や鉢の表面に白っぽいカビが生えていた…という経験はありませんか?
実はこのカビの原因は、主に「水のやりすぎ」や「風通しの悪さ」など、ちょっとした日常管理のミスにあります。
土の表面が乾く前に水を与え続けると、ジメジメした状態が続き、カビにとって最高の環境になってしまいます。
また、土だけでなく植物自体にも、うどんこ病や灰色かび病など、茎や葉にカビが発生するケースも珍しくありません。これらは湿度の高さや通気性の悪さ、栄養バランスの乱れなどが原因で、放置すると植物の成長を妨げたり、害虫を寄せ付けたりするリスクがあります。
ただ、こうしたカビは適切な水やりの頻度や通気性を確保するだけで、大幅に予防できます。さらに、培養土の上にパーライトや鹿沼土を敷くなど、少しの工夫で環境はぐっと改善されます。
この記事では、観葉植物にカビが生える原因を正しく理解し、植物を健康に育てるための具体的な対処法と予防策を詳しくご紹介します。
室内の観葉植物を美しく保つためにも、ぜひ最後までお読みください。
この記事で分かること |
・室内の植木にカビが生える原因 ・植木にカビが生えた場合のリスク ・植木のカビを除去する方法 ・植木のカビ予防策 |
目次
室内の植木にカビが発生する原因

健康的で見た目にも美しい観葉植物ですが、育て方や環境によってはカビが発生することも。室内にカビが繁殖する前に、カビの原因について知っておいてくださいね。
①水のやりすぎ

室内の植木や観葉植物自体にはカビはできません。カビが発生するのは鉢の中の土なんです。カビは湿気を好みますから、水をやりすぎると土が常に湿った状態になり、カビができやすい環境になってしまいます。特に梅雨時は空気がジメッとしているので要注意です。
また冬でも暖房によって室内が暖まると、土の水分が飛び湿気が生まれます。植木鉢に水をやる時にはやりすぎないように気をつけてください。
水をやる頻度は、植物によりますが基本的には上の土がカラカラに乾いてからで大丈夫です。土の湿気が多いと虫も発生しやすくなりますので、注意しましょう。
水のやりすぎは、土のカビだけでなく植物の発育にも影響をきたしますので、土が乾いてからやるようにしましょう。水をついやりすぎてしまう方は、たい肥を使わないパーライトなどの培養土を一番上に乗せるという方法もおすすめです。
②植木鉢の土

観葉植物を育てる鉢土には養分(有機物)や微生物が豊富に含まれているため、そこに過度な水分が加わるとカビにとって理想的な繁殖環境が生まれますが、微生物や菌類は土の有機物を分解して植物に栄養を与えるなど、植物が健康に育つために欠かせない役割も果たしているため、すべてのカビや菌が悪いわけではありません。
そのため、通気性や排水性の良い赤玉土・鹿沼土・パーライトなどを混ぜた土を活用し、土の表面にカビが生えた場合には、まず土の白い粉状のものが本当にカビなのか、肥料成分(塩類)や硬水由来のミネラルの結晶ではないかをしっかり確認した上で、カビであれば表層を数cmほど取り除いて新しい清潔な土を足し、場合によっては植え替えを検討するなどの対処が有効です。
③風通し

いくら水やりを調整していても、室内が常に閉め切られた状態で風通しが悪ければ湿気がこもりやすくカビが発生しやすくなるため、定期的に窓を開けて空気を入れ替えたり、植木鉢を壁や家具に密着させすぎないように置き、必要に応じてサーキュレーターや扇風機を活用して風の流れを作るなど、風通しを良くすることで土や鉢の表面を乾きやすくし、カビや害虫を予防することが大切です。
④日照不足
観葉植物は日光に当ててはいけないと思い込んでいる人もいますが、それは直射日光のことなんです。いつも同じ場所に置いておくよりも、窓際の日当たりの良い場所に移してやると、鉢の中の湿気を取り除くことができます。室内の奥まった暗がりに鉢植えや観葉植物を置かないようにするのも、カビを防ぐためには効果があります。
例えば、玄関先に置いている観葉植物など、ほとんど日の当たらない場所に置いていて、土にカビが生えてしまう...ということもあるようです。
日照不足ですと、植物が枯れて葉が黄色くなることもありますので、適度に日光が入る場所に置いてあげましょう。室内に置いてガラス越しに当てたり、レースカーテン越しに光を当てるなどして工夫しましょう。
⑤受け皿の水気を放置
お水をたっぷり与えた後、受け皿にたっぷりと残る水気をそのまま放置することもカビの原因となります。溢れ出そうな受け皿の水は、捨てましょう。また、植木鉢の下もジメジメしやすくカビが生えやすい場所ですので、定期的に動かして、水気を拭きとりましょう。冬場は乾燥しているのでまだいいのですが、春・夏場は室内の湿度を上げる要因になるので、注意が必要です。
植木のカビが引き起こす被害
室内の鉢植えや観葉植物の土にカビが発生すると、家の中で暮らす人間にも色々なカビ被害が及ぶことも。
カビ臭さで眠れなくなったり、カビの影響で体調にまで影響が及ぶ方もいます。
厚生労働省の「生活環境におけるシックハウス症候群」によりますと、ダニやカビなどが増殖することで過敏に反応する方もいるとのこと。なるべくリスクになるような環境からは遠ざけたいですよね。
健康への影響(実際の事例)
観葉植物や園芸用の土壌に発生したカビが原因で、世界では重篤な健康被害が報告されています。以下に、具体的な事例を紹介します。
- インド(2023年)
- 植物病原菌「銀葉病菌(Chondrostereum purpureum)」が61歳男性に感染した世界初の事例。喉の膿瘍が原因で気道が狭まり、外科手術と抗真菌薬で治療が必要になりました。
- オーストラリア(2021年)
- 72歳の園芸愛好家男性が観葉植物の培養土中に存在するムコール菌を吸入し、ムコール症(ブラックファンガス)を発症。上顎骨が侵されて外科的に摘出する重篤な状態となりました。
- ドイツ(2014年)
- 園芸作業中に堆肥中のアスペルギルス属のカビを吸入した54歳女性が、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を発症し、多臓器不全に至るも集中治療により命を取り留めました。
植物が育たなくなる
植木のカビをそのまま放置すると、植物にもカビが生えてしまい枯れることがあります。また、室内にカビ臭さが広がることもありますので、早めに対処しましょう。
害虫が発生しやすくなる
植木のカビをそのまま放置しているということは、土がジメジメとして栄養がある状態とも言えます。コバエやダニ、チャタテムシなど湿気を好む害虫が発生するリスクもあります。
室内に害虫が発生するとショックですよね。そのためにも、植木のカビに気づいたら早めに除去しましょう。
鉢植えを置くメリット

鉢植えの土にカビが発生するデメリットばかりを紹介してしまいましたが、観葉植物や植木にはリラックス効果や癒やし効果があるということも忘れないでください。
植木のカビを除去する方法
鉢植えや観葉植物の土には湿気が含まれています。これを承知の上でカビを除去する方法を心得ておく必要があります。そうすれば快適な住環境を保つことができるでしょう。
①日当たりの良い場所へ移す
すでに述べましたが、鉢植えや観葉植物は定期的に日当たりの良い場所へ移しましょう。それによって湿気が鉢の中にこもらなくなり、カビの発生を抑えることができます。同時に窓を開け放したりベランダへ移してやると風通しが良くなり、さらにカビが抑制されます。
②防カビ剤を使う

日当たりや風通しだけでカビが除去できない場合は、市販されている防カビ剤を散布します。薬品を使いたくない場合は、消毒用アルコールを吹き付けるのもアリです。ただし量を多く散布すると植物にダメージを与えるので、その点には気を付けましょう。

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出典:Amazon
③土を入れ替える

カビの発生した土を取り除いて新しい土を補充するのも効果があります。最近はカビが発生しにくい土が売られているので、それを利用するのも良い方法でしょう。
④水のやり方を工夫する
水をやらないと植物は枯れてしまいます。ただ、水をやりすぎるとカビの原因になります。そこで水をやる時には少し少なめにしてください。また、少量を数多くやるのではなく、間隔を開けて受け皿に水が流れ出る程度やるとよいでしょう。
まとめ
何気なく室内に置いてある鉢植えや観葉植物ですが、これがカビの原因にもなること、おわかりいただけたでしょうか。しかし、カビはしっかりと管理すれば防ぐことは可能です。
基本的に鉢植えや観葉植物の土にはカビが付きものと考えて、風通しの良い場所に置くなど、対策をしっかり行いながら、植物の持つ癒やし効果を享受してくださいね。
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