ウールコートのカビ取り方法とカビを防ぐ保管方法
肌寒い季節になり、そろそろ羽織るものが必要だとクローゼットを開けて、探してみると
。。。なんだかカビ臭いウール製のコートが。
「このウールコート、数年前に買ったなかなか高価なものだったのだけど、そういえばクリーニングに出すのを忘れてしまっていたようだわ」
そう思い、取り出してみると、裾部分にポツポツとカビを発見。
もう処分するしかないのかしら?!高かったから、何とかして復活させたい。。。
湿気の多い日本に住んでいると、このような経験がある方は少なくないことでしょう。
今まで起こったことがなくても、梅雨が長かった年や大雨などの影響で
お気に入りのウールコートにカビが発生することも。
そこで、今回の記事では、ウールコートに生えたカビを自力で取り除く方法や、再発させないための暮らしの工夫について解説していきたいと思います。
目次
コートになぜカビが生えたのか
カビは私たちの暮らしと密接に関係していて、人が住むような環境を好みます。
カビの発生条件は「酸素」「水分」「栄養源」「気温」
酸素や気温は人間の暮らす環境と共通点が多いです。特に湿気があり、栄養源(タンパク質や炭水化物など)があるところを好みます。
栄養源と言っても、食べ物だけではありません。コートによく使われる革やウール、毛を筆頭に繊維質はカビにとってのエサとなるのです。
クローゼットの環境
ところで、皆さんのおうちのクローゼットは、どのような状態でしょうか?
- 服がぎゅうぎゅうに詰め込んでいる
- 模様替えはあまりしない
- そういえば、最近はクローゼット内の掃除をしていない
- 除湿剤などを置いていない(もしくは置いていても、すぐに満タンになりこまめにかえない)
- 皮脂や食べかすの付着したコートをそのまま保管している
このようなことはないでしょうか。
必ずしも、これが原因ではないかも知れませんが、コートに汚れが付着したままクローゼットに服を押し込み、掃除をしたり換気をしていない場合、クローゼット内に湿気や栄養源が残りやすく、カビにとっての楽園となることがあります。
カビは住処を見つけると、栄養源をエサに菌糸を伸ばして増殖し、胞子を飛ばしてさらに繁殖しようとします。そして、次のターゲットへとどんどん増殖を広げていくのです。
つまり、コートにカビが生えた原因は「カビにとっての栄養と水分」があった。と言うことなのです。
クリーニングに出していたから安心か?
中には「クリーニングに出していたコートにもカビが生えていた」と言うケースもあります。
コートは、自宅の洗濯機でこまめに洗うことは難しい衣類の1つです。ですので、季節の変わり目にクリーニングに出して、そのままクローゼットで保管という方も多いのではないでしょうか。
しかし、保管方法にも注意点があります。
「ビニール」をそのままかけた状態で収納していないでしょうか?
ホコリ汚れなどを防ぐには、クリーニングのビニール袋は役立ちますし清潔な印象ですが、そのまま収納してしまうと、ビニールの中に湿気が溜まり、それがカビの原因となることあがります。
クリーニングに出した後は、ビニールから取り出して保管するようにしましょう。
クローゼットの湿度管理
また、クローゼット内の湿気が原因でコートにカビが生えることがあります。
例えば、新築マンションの場合、コンクリートの中の水分が壁面の湿度を上げることもありますし、通気性の悪さが原因となる場合もあります。
また、窓際に近い場合、結露が生じ、その結露の湿気が原因でクローゼット内にも影響が出ることがあります。
その他、タンスにコートを収納している場合などは、タンスの木材にカビが生え、そこからコートにカビがうつるということもありますし
老朽化や災害などによる、漏水や雨漏りが原因というケースもあります。
いずれにしても衣類を収納する場所は、定期的に掃除をし換気を行い、清潔にしておく必要が有ります。
コートのカビ取り方法
クリーニングに出して、プロにカビ取りを依頼するというのも1つの方法ですが
自力で除去する方法もあります。
ウールコートのカビを取り除くのにおススメなのが消毒用アルコールです。消毒用アルコールは、色んな濃度のものがありますが、殺菌効果の高い70~80%濃度のものが良いでしょう。
コートに直接、消毒用アルコールを吹きかけるという方法もありますが、できれば傷むリスクを減らすために、布などに湿らせてポンポンと軽くたたくようにして間接的に付けましょう。
繊維を傷めないように、優しくするのがポイントです。
その後、乾燥させて様子を見てみましょう。
ただし、消毒用アルコールは黒カビの漂白をすることはできません。黒カビを除去するには酸素系漂白剤を使う方法があるのですが、ウールコートに使ってはいけない漂白剤もあるので商品を選ぶ際に注意しましょう。
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酸素系漂白剤は使えるの?
衣類のカビ取りには、一般的に酸素系漂白剤を使用する方法もあるのですが、顆粒タイプの酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)はウールは縮んだり素材を傷めることがあるので、使用できません。
オキシクリーンのラベルにも「ウールやシルク、革などの水洗いできない繊維製品には使用不可」と書かれてあります。大事なウールコートを守る為にも素材とカビ取り剤のラベルはしっかりとチェックしましょう。
液体タイプの酸素系漂白剤(過酸化水素)はウールでも使用ができますが、ふきんや布に染み込ませ目立たない場所で試しながら優しく塗布しましょう。
また、塩素系漂白剤は脱色の恐れがあるので使用できません。大切なコートが取り返しのつかないことにならないよう、しっかりとチェックしましょう。
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陰干しをしてブラッシングする
ウールコートに生えたカビが軽度の場合は、陰干しさせて乾燥させ、衣類用のブラシでブラッシングすることで表面のカビを落とすことができます。
ただし、素材を傷めないように優しくブラッシングしましょう。
ウールコートのカビを防ぐには?
ウールのコートにカビが生えた場合、もしくはカビが生えていなくてもカビ臭さが気になる場合は、日ごろの保管方法にも注意を払う必要があります。
①定期的にクローゼットから出して陰干しする
②クローゼット内に除湿剤をセットする
③水気や皮脂、食べかすの付いたまま保管しない
④クリーニングの袋から取り出して保管する
⑤クローゼット内を定期的に掃除して風通しを良くする
⑥衣類を詰め込み過ぎない
これらのことに注意し、カビを生やさない工夫が大切です。また、季節の変わり目にはクリーニングに出すなどしてお手入れをしましょう。
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まとめ
ウールコートにカビが生えた場合には、消毒用アルコールを使うことで軽度のカビ取りは可能です。
カビの色素が沈着している場合には、液体の酸素系漂白剤を使ってカビ取りしましょう。
しかし、ウールコートは縮みや傷みなど生じやすいデリケートな素材ですので、高価なコートや傷めたくないコートは、できればクリーニングに依頼されてプロによる処理をされることをおすすめします。
また、ガス滅菌を用いたカビ取りクリーニングという方法もありますので、コート以外にも衣類にカビが生えてまとめてカビ取りしたい際(着物などにもご活用いただけます)には、ご検討ください。