【Q&A】祖母に貰った着物がカビ臭いときの対策方法は?

【Q&A】祖母にもらった大切な着物。丁寧にタンスに入れて保管していたのに、ふと整理をしているときに開けてみると...何だかカビ臭くなってしまいました。よく見ると袖の方には少し、白っぽいカビが生えているようです。大切な着物なのに、処分せずにカビ臭さやカビを取り除く方法はないでしょうか?

家族から受け継いだ大切な着物にカビが生えていたり、カビ臭さが気になるとショックですよね。

ちゃんと和服用クリーニングに出して、大切に保管していたはずだったのに、久しぶりに着物を出したらカビ臭さが気になる...何とかして、元通りにしたいと思いますよね。

そこで、今回は

「大切な着物にカビが生えてしまった・カビ臭くなってしまったときの対策方法」について解説していきたいと思います。

着物にどうしてカビが生えたのか

まず、着物のカビ取りをする前には「なぜカビが生えたのか」「カビ臭くなってしまったのか」理由を知る必要があります。様々な要因が考えられますが、例えば

  1. 汗ジミがカビの栄養源に
  2. タンスの湿気が溜まって
  3. 着物の繊維自体がカビの栄養源に

などの理由が考えられます。カビは「湿気」「酸素」「栄養素」がある場所を好みます。そのため、汚れや湿気がそのまま放置されてある環境はカビによって好条件なのです。

①着物に皮脂が付いたまま保管していた

着物を着用した後、長期間保管する際にはクリーニングに出すなどして、一度キレイにしてから保管する必要があります。皮脂や食べかすなどはカビの栄養源となり、そのまま放置するとカビが繁殖してしまいます。

②タンス内の除湿が不十分だった

梅雨時期などジメジメしやすい季節や、窓際の結露、日当たりの悪い部屋に置いているタンス内には湿気が溜まりやすくなります。

その湿気が原因で、着物にカビが生えてしまったというケースも多いです。また、タンスに直接収納してしまったり、段ボールやプラスチック製の収納箱に入れてしまうと、気密性が上がり湿気が残ってしまうため、よりカビが発生しやすくなります。

③タンスや他の衣類のカビがうつった

タンス内にカビが既に生えている場合、長期間保管している着物にもカビが発生したということも考えられます。

その場合には、着物のカビ取りだけではなくタンスのカビ取り、殺菌を施すことでカビの再発を防ぐ必要があります。

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タンスのカビ取りの際には、消毒用エタノールや酸素系漂白剤を使用し、除カビしていきます。

カビ臭さの正体とは?

着物がカビ臭い場合、カビの胞子そのものが臭うわけではありません。住宅に存在する黒カビやコウジカビ、青カビなどが成長する過程で、二硫化ジメチルなどの揮発性有機化合物(VOC)を発生させることが最近の研究で分かってきました。

その中で発生した複数の物質が混ざり合うことで、このカビ臭さを感じると考えられています。

その為、カビ臭さを感じたときにはカビそのものを除菌すること、そして換気を行うことで空気の入れ替えを行いましょう。タンス全体がカビ臭いときには、全ての衣類を取り出して、干します。

そして、消毒用アルコールを吹きかけて除カビします。その後、引き出しを全て開けてしっかりと乾燥させます。

祖母からもらった着物にカビが生えていたらどうすべき?

では、冒頭の質問「祖母の着物にカビが生えていたらどうすべきか」についての回答ですが、結論から言いますと

原則、和服用のカビ取りクリーニングへ出しましょう

着物は絹で作られたものなど、普段着る洋服よりも繊細な素材で作られています。自宅の家で洗濯や市販のカビ取り剤を使用すると脱色や素材の縮み、痛みなどの恐れがありますので 専門のクリーニング(カビ取り)に出して除カビしてもらいます。

カビによるシミが発生している場合には、染み抜きオプションも追加してください。カビが表面に発生しているだけの場合と青カビや黒カビの色素が沈着している場合には対処方法が違います。

大切な着物ですから、キレイに残すためにもこまめにお手入れをしてカビや虫から守りましょう。

しかし、中には「忙しくて、すぐにはクリーニングに持っていけない」という場合や

「カビ臭さだけをとにかく応急処置で解決したい」

という場合もあるかもしれません。そこで、着物のカビ臭さを応急処置で行う方法を解説していきたいと思います

着物のカビ臭さを取り除く方法

着物のカビ臭さが気になる際には、まず風通しの良い場所で陰干ししましょう。

着物を、着物ハンガーにかけて直射日光の当足らない通気性の良い場所で干します。着物の湿気を乾燥させるとともに、カビ臭さを軽減していきます。

カビ臭さが取れてきたら、キレイにたたんで「たとう紙」に入れて収納します。

この干す作業は1年間に2~3回行うようにしましょう。虫干しとも言って着物の虫も予防します。

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風通しが悪い場合

通気性があまり良くない室内の場合、にはサーキュレーターや扇風機を回しながら干しましょう。

ドライヤーの冷風で風を当てるという方法もあります。

着物のお手入れでやってはいけないこと

また、着物をお手入れする際に控えて頂きたいことがあります。

①水洗い

水洗いしてしまうと、大切な着物が縮んでしまう恐れがあります。また濡らすことでまたカビが再発する可能性もあります。

②アイロン

アイロンの熱で、着物が変色・繊維が傷む恐れがあります。加熱はカビの殺菌に繋がりますがおススメしません。もしも着物のシワを取り除きたい場合には、当て布をして着物に直接当てないようにしましょう。

③直射日光

普段着るお洋服は日光でも問題ないのですが、着物は直射日光を避けて陰干しするようにしましょう。紫外線によって着物が変色する恐れがあります。大切に保管したいからこそ、以上のことを守って着物を傷めないように注意しましょう。

■関連記事■着物に生えたカビは自力で除去できるの?

着物のカビを防ぐ保管方法

最後に、着物のカビを再発させないための保管方法をご紹介します。

乾燥剤を入れよう

着物をタンスに収納する際には、乾燥剤を入れて湿気を吸収させましょう。

また、着物は「たとう紙」に包んで湿気から守りましょう。

着物を収納するタンスは「桐ダンス」が最もおススメです。通気性がよくカビの発生を防ぎます。逆にプラスチック製の収納庫は湿気が溜まりやすくおススメしません。

和服の友

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着物用たとう紙

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年に数回干そう

着物は、カビ臭くならなくても年に3~4回はタンスから取り出し、陰干ししましょう。通気性の良いところで湿気を乾燥させることで、カビの発生を防ぎ定期的な虫食いチェックもできます。

使用しなくても時々クリーニングに出して、清潔にしておくと尚良いでしょう。

また、陰干しする際には着物の「裾」「袖」「裏地」など目立たない部分にもシミやカビがないかチェックします。シミがある場合には専門の染み抜きクリーニングに出してお手入れしてください。

汚れ付着した際には柔らかい布等で、軽く拭きとりましょう。その際に繊維が傷つかないように注意します。

帯や小物類も定期的にお手入れを

着物だけでなく、帯や小物類も放置しているとカビが発生してしまうことがあります。定期的に陰干しをしたり、タンスから出して湿気を乾燥させましょう。タンス自体もこまめに整理整頓し、カビの再発を防ぎましょう。

ガス滅菌技術で着物のカビ取りを

ハーツクリーンでは、ガス滅菌技術を用いて衣類や小物類のカビ取りサービスを行っています。1箱単位~で注文できますので、大切な着物や小物類のカビが気になる際にはお試しください。

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まとめ

祖母からもらった大切な着物は、ずっと残したいからこそカビが生えないようにこまめに陰干しをすることで、生地を乾燥させましょう。また、もしもカビが生えてしまったら、専用の和服クリーニングに出して早急にカビ取りすることをおススメします。

もしも着物にカビが生えた際には、タンス内の荷物も全て出して除カビすることをおススメします。

年に数回のお手入れを行うことで、大切な着物を綺麗に保管しましょう。