見えない敵を退治!水泳ゴーグルのカビ取りテクニック&予防方法

「夏になって久しぶりにゴーグルを使用しようとしたらカビが生えていた」
「水泳ゴーグルにカビが生えているけど、このまま使ってもいいの?」

水泳は心と体にとって有益なスポーツであり、定期的にプールで泳いでいる方も多いでしょう。
また、習い事として子供をスイミングスクールに通わせているご家庭も少なくないと思います。

しかし、水中を楽しむために欠かせない水泳ゴーグルには、見えない敵が潜んでいます。
それは「カビ」です。

カビは目に見えないところで静かに繁殖し、ゴーグル全体に広がってしまうことがあります。
カビはゴーグルの視界を損なうだけでなく、健康に悪影響を及ぼす恐れがあるため、しっかりとカビ対策をして、万が一発生した場合には早急に対処しなければいけません。

この記事では、水泳ゴーグルにカビが発生するメカニズムを解説し、効果的なカビ取りテクニックと予防方法を紹介します。
これらを実践することで、水泳をより安全で快適に楽しむことができるようになるでしょう。

この記事でわかること
・水泳ゴーグルのカビ取り方法
・水泳ゴーグルのカビ対策
・カビが生えた水泳ゴーグルの危険性
・水泳ゴーグルのカビが生える原因

1.水泳ゴーグルに潜むカビの危険性

水泳ゴーグルは夏の期間だけ使用する方も多いため、久しぶりに取り出したらカビが繁殖していた…というケースも少なくありません。
また、頻繁に使用していても、いつの間にか隙間にカビが生えていたということもあり得ます。

そして水泳ゴーグルにカビが生えた場合、使用者の健康に多大なる影響を及ぼす可能性があります。
ここでは、水泳ゴーグルに潜むカビの危険性について詳しく解説します。

1-1.感染症のリスク

水泳ゴーグルに発生したカビは、目に直接触れることで、結膜炎や角膜炎などの眼の感染症を引き起こす可能性があります。
特に水泳ゴーグルの内部に発生したカビは、水中での活動中に目に直接接触しやすいため、感染のリスクを高めます。
もしカビの胞子が目に入ってしまうと、目の粘膜が刺激され、炎症を起こしてしまうかもしれません。

さらに、カビは多種多様であり、中には人体に有害な種類も存在します。
これらが原因で、一時的な不快感だけでなく、視力に長期的な影響を与える可能性も考えられるのです。

1-2.アレルギー反応

カビの胞子は強力なアレルゲンとしても知られており、アレルギー反応を引き起こすことがあります。

水泳ゴーグル内のカビによって放出される胞子が目に入ると、アレルギー性結膜炎などを引き起こすかもしれません。
場合によってはアレルギー性鼻炎など、他のアレルギー症状を誘発する可能性もあります。

アレルギー体質の人は、カビによる刺激に敏感に反応しやすいため、特に注意が必要です。

1-3.不快感と視界の妨げ

カビがゴーグルのレンズ部分に生えると、視界が妨げられることになります。
水中での視界が悪くなると、安全に泳ぐことが困難になり、水泳の楽しさが減少します。

また、カビの存在は目に不快感を与えることもあり、水泳中に集中することを難しくします。

1-4.カビの拡散

ゴーグル内のカビは、使用するプールや他の水泳用品にも拡散する可能性があります。

また、カビの胞子は非常に小さく、空気中に漂うことができるため、ゴーグルからプールの水へ、さらにはロッカールームなどの湿度の高い環境へと広がることがあります。

そして、しばらくゴーグルを使わないからとクローゼットの中などに保管していると、そこからカビが繁殖して、収納場所がカビだらけになってしまうということも考えられるのです。

2.水泳ゴーグルのカビ取りテクニック

ゴーグルにカビが発生すると、使用感を損ねるだけでなく、目の健康にも悪影響を及ぼすため、早急に取り除く必要があります。

ここでは、水泳ゴーグルのカビ取りに効果的な2つのテクニックを紹介します。

2-1.塩素系漂白剤でカビ取り

塩素系漂白剤は強力な殺菌・漂白作用があるため、ゴーグルのカビ取りにも効果的です。
しかし、ゴーグルの素材を傷める可能性があるため、薄めて使用するようにしてください。

用意するもの

  • 塩素系漂白剤(キッチンハイターなど)
  • 柔らかい布
  • マスク
  • ゴム手袋
  • ゴーグル
  • 長袖の服(色落ちしても問題ないもの)

出典:Amazon

注意事項

  • 酸性タイプの製品と混ぜない
  • 必ず換気して行う
  • 体を保護しながら作業する

塩素系漂白剤と酸性タイプの製品が混ざると、危険な塩素ガスが発生する恐れがあります。
最悪な場合、死に至ることのある危険なガスなので、絶対に混ぜたりしないでください。

そして必ず換気しながら作業をするようにしましょう。
漂白剤に触れると皮膚を溶かしたり、目に入ると失明する恐れもあるので、体を保護して作業してください。

カビ取り手順

①桶に水と漂白剤を入れて薄める
②柔らかい布でカビを拭き取ってしばらく放置する
③しっかりと水で洗い流す
④完全に乾燥させる

①桶に水と漂白剤を入れて薄める
桶に水と漂白剤を入れてください。
水と漂白剤を10:1の割合で薄めて、溶液を作ります。

②柔らかい布でカビを拭き取って数分間放置する
漂白剤を薄めた溶液に柔らかい布を浸し、その布を使ってゴーグルのカビを拭き取ります。
直接溶液をゴーグルにかけるのではなく、布を使用してください。
そして数分間放置してください。

③しっかりと水で洗い流す
清潔な水でゴーグルをよく洗い流しましょう。
漂白剤の残留がないように、丁寧にすすぎを行ってください。

④完全に乾燥させる
ゴーグルを完全に乾燥させます。
風通しの良い場所で陰干しし、直射日光は避けてください。

2-2.重曹でカビ取り

重曹は自然で安全なカビ取り方法としても知られています。
特に敏感肌の方や、化学物質を避けたい方におすすめの方法です。

用意するもの

  • 重曹
  • 柔らかい布(もしくは歯ブラシ)
  • マスク
  • ゴム手袋

カビの胞子の吸い込みや手荒れを防ぐために、マスクとゴム手袋を身に付けてください。

出典:Amazon

カビ取り手順

①重曹ペーストを作る
②柔らかい布で優しく擦り数分間放置する
③しっかりと水で洗い流す
④完全に乾燥させる

①重曹ペーストを作る
重曹と水を混ぜてペースト状にします。
重曹大さじ1に対して水数滴を加え、ペーストを作ります。

②柔らかい布で優しく擦り数分間放置する
軟らかい布や歯ブラシに重曹ペーストを取り、ゴーグルのカビ部分を優しくこすります。
ゴーグルの素材を傷つく恐れがあるため、力を入れすぎないように注意してください。

③しっかりと水で洗い流す
清潔な水でゴーグルをよく洗い流しましょう。
重曹が残らないように、しっかりとすすぎを行います。

④完全に乾燥させる
ゴーグルを完全に乾燥させます。
風通しの良い場所で陰干しし、直射日光は避けてください。

■関連記事■カビ取りだけじゃない!重曹を使ったキッチンのお掃除術

3.自宅でのカビ取りが難しい場合の対処方法

カビの状態が酷いと、2.水泳ゴーグルのカビ取りテクニックで紹介したカビ取り方法では除去できないケースもあります。
その場合はプロに任せるか、買い替えるかのどちらかになるでしょう。

3-1.プロのクリーニングサービスを利用する

カビ取りが自力で困難な場合は、プロのクリーニングサービスに依頼するという方法があります。

ただしプロに任せるということはそれだけ費用が発生するので、安価なゴーグルの場合は買い替えるよりも高くついてしまうことがあります。
そのため、高価な競技用ゴーグルや、特殊な素材でできているゴーグルなど、簡単に買い替えることができないゴーグルの場合のみにしましょう。

プロのクリーニングサービスでは、カビの根本原因を特定し、素材を傷めることなくカビを除去してくれるでしょう。

また、水泳ゴーグル以外にも小物でカビが発生して困っている場合は、ガス滅菌のサービスがおススメです。
段ボールに小物を入れて送るだけで、それらを全て滅菌してくれます。

1つ1つカビを除去するのは非常に手間が掛かるため、まとめて滅菌したい時は是非検討してみてください。

3-2.新しいゴーグルの購入を検討する

使用しているゴーグルが安価で買い替えた方が安い場合や、カビが深刻でクリーニングしても取り除けない場合、すでにゴーグルが劣化している場合などは、新しいゴーグルの購入を検討してみてください。

そして新しいゴーグルを選ぶ際には、カビに強い素材や、清掃しやすいデザインのものを選ぶことをおススメします。
そうすることで、新しいゴーグルでカビの発生を抑制することができるでしょう。

4.水泳ゴーグルにカビが発生する原因

水泳ゴーグルにカビが生えるとカビ取りに手間がかかりますし、買い替えるには費用が発生します。
そのため、そもそもカビが生えないように対策することが重要です。

しかし、カビの本質を理解していないと正しく対策を講じることができません。
そこで、水泳ゴーグルにカビが発生する主な原因を詳しく解説します。

まずカビは以下の4つの条件が揃っている場所に発生します。

  • 水分(湿度)
  • 温度
  • 栄養源
  • 酸素

そして水泳ゴーグルはこの4つの条件が全て揃ってしまうことがよくあります。

4-1.湿度が高い環境

カビは湿度が高い環境で繁殖することがほとんどです。
水泳後のゴーグルは、水分を含んでおり、そのまま放置すると、カビの成長に理想的な環境を提供してしまいます。

湿度が高い環境は、カビの胞子が空中に浮遊しやすくなるため、ゴーグルだけでなく周囲の物もカビの被害に遭いやすくなってしまいます。

4-2.不十分な乾燥

使用後にゴーグルをしっかりと乾燥させていないと、それがカビ繁殖の直接的な原因になります。

ゴーグルに水分が残っていると、カビの繁殖に最適な状態を作り出してしまいます。
ゴーグルのレンズの内側や、ストラップの接続部分など、細かい部分に水分が残りがちなので、これらの部分もしっかり乾燥させるようにしましょう。

4-3.通気性の悪い保管方法

ゴーグルを湿った状態で密閉されたケースや袋に入れて保管すると、通気性が悪くなり、湿度が高い状態が維持されます。
このような環境は、カビの成長にとって理想的です。

また、ゴーグルが湿っていなかったとしても、密閉された空間は通気性が悪く、湿度が高くなりやすい傾向にあります。
できるだけ風通しが良くて、湿度が低い環境での保管が望ましいでしょう。

4-4.塩素などの化学物質

プールの水に含まれる塩素などの化学物質は、ゴーグルの素材を徐々に劣化させます。
素材が劣化すると、表面が微細な傷やひび割れを生じ、その隙間にカビが付着しやすくなります。

使用後はしっかりと洗い流して、化学物質の付着を防がなければいけないのです。

4-5.経年劣化

化学物質をしっかり洗い流していても、どうしても時間の経過と共に、ゴーグルの素材は劣化していきます。
そして微細なひび割れや傷が生じるでしょう。

ひび割れや傷の内部には水分や汚れが溜まりやすいため、カビにとって最適な生育場所を提供してしまいます。
ゴーグルが劣化しても使い続けるということは、カビのリスクを高めることになります。

4-6.体からの有機物質

人の肌や髪から落ちる微細な有機物質も、カビの栄養源となります。
特にゴーグルの内部は、これらの有機物質が溜まりやすい場所です。

そのため使用後に洗浄や乾燥を怠っていると、カビの栄養源がたっぷりある状態になり、カビが発生することがあるのです。

5.水泳ゴーグルのカビを生やさない!予防テクニック

4.水泳ゴーグルにカビが発生する原因でお伝えした通り、カビは「水分(湿度)」「温度」「栄養源」「酸素」の4つが揃っている場所に発生しやすいです。
そのためカビを予防するには、この4つのうちどれか1つでも欠けさせるということが大事になってきます。

これから紹介する対策を行えば、カビの発生リスクを大幅に減らすことができるので、是非試してみてください。

  • 使用後はすぐに洗浄する
  • 十分に乾燥させる
  • 通気性の良いケースを使用する
  • 適切な保管場所を選ぶ
  • ゴーグルの素材を考慮する
  • 定期的な交換を心がける

5-1.使用後はすぐに洗浄する

水泳後、ゴーグルは塩素やその他化学物質、体から分泌される皮脂や汗など、カビの栄養となる多くの物質が付着しています。
これらを放置することは、カビの繁殖に最適な環境を作り出してしまいます。
それを防ぐためにも、ゴーグルを使用した直後にしっかりと洗浄しましょう。

ただ洗い流すだけでも効果はありますが、できれば温かい水と中性洗剤を用いて丁寧に洗浄することをおススメします。
特にレンズ部分やストラップの隙間など、水分や汚れが溜まりやすい箇所は念入りに洗いましょう。

5-2.十分に乾燥させる

洗浄後のゴーグルは、しっかりと乾燥させることがカビの予防には必須です。
風通しの良い場所で、水分が完全に蒸発するまで十分に乾かしましょう。

また、ゴーグルを分解して各部品を別々に乾燥させることで、隠れた水分を効果的に除去できます。
ゴーグルを日陰で乾かすことで、素材の劣化を防ぎながら、カビの成長を抑制することができます。

5-3.通気性の良いケースを使用する

ゴーグルの保管には、通気性の良いケースの使用が推奨されます。
密閉されたケースや袋では、内部の湿度が高まり、カビの繁殖が促進される可能性があります。

通気性の良いケースを使用することで、ゴーグル内の湿度を適切に保ち、カビの成長を防ぐことができます。
また、ケース自体も定期的に清掃し、カビの発生を防止しましょう。

5-4.適切な保管場所を選ぶ

ゴーグルの保管場所は、湿度が低く、直射日光の当たらない、通気性の良い場所を選びましょう。

使わない期間はタンスやクローゼットの中に入れているということも多いと思いますが、それらの場所は密閉されていて、湿度が上がりやすい傾向にあります。

できれば通気性の良い場所が好ましいですが、そのような収納場所に入れる場合は、除湿剤などを活用してください。
引き出しやクローゼットの中の湿気を吸い取り、湿度を一定に保ってくれます。

また、保管場所の清掃もこまめに行って、清潔に保つようにしてください。

出典:Amazon

5-5.ゴーグルの素材を考慮する

市販されているゴーグルには、カビの発生を抑制する素材で作られたものもあります。

購入の際には、ゴーグルの素材がカビに強いかどうかをチェックし、カビ予防のための機能を持つゴーグルを選択することを検討しましょう。

5-6.定期的な交換を心がける

ゴーグルは消耗品です。
使用頻度や保管状況にもよりますが、素材の劣化や、小さな傷がカビの発生を促すことがあります。

できるだけ傷まないように適切な保管と洗浄を心がけ、劣化してきたら新しいゴーグルに買い替えるようにしてください。

6.部屋や収納場所にカビが発生したらすぐにカビ取りする

水泳ゴーグルを引き出しやクローゼットに入れて保管している場合、ゴーグルにカビが発生するとそれが保管場所にまで移ってしまうことがあります。
また、そこから更にカビが広がって、部屋中カビだらけになることも考えられます。

もし部屋や収納場所にカビが発生したら早急にカビ取りをしましょう。
初期段階のカビであれば、自力で除去することも可能です。
以下の記事を参考にしてカビ取りをしてください。

■関連記事■壁の黒カビを落とす方法
■関連記事■クローゼットのカビとニオイを取り除き、再発を防ぐ方法をカビ取りのプロが伝授!

すでにカビが広がっていて自力での対処が難しい場合は、カビ取り業者に相談しましょう。

プロのカビ取り業者は、効果的なカビ除去技術と専門的な知識を持っており、根本からカビの問題を解決してくれます。
また、カビの再発防止策についてもアドバイスを受けることができるため、長期的な解決に繋がります。

カビの被害が拡大する前に早めの対策を取ることが、健康と住環境の快適さを守る鍵です。

カビ取り業者に相談する

7.まとめ

カビは水泳ゴーグルの性能を低下させ、使用者の健康にも悪影響を与える可能性があるため、予防と適切な対応が重要です。

水泳ゴーグルにカビが生える主な原因は、高湿度、不十分な乾燥、通気性の悪い保管方法、化学物質の付着、素材の劣化、そして体からの有機物質が考えられます。
これらの原因を理解し、適切に対処することでカビの発生を大幅に減らすことができるでしょう。

予防と対策の要点
・使用後はすぐに洗浄することで、カビの栄養源を取り除きます。
・十分に乾燥させることで、カビの生育環境を排除します。
・通気性の良いケースを使用し、適切な保管場所を選ぶことで、湿度の低い環境を維持します。
・ゴーグルの素材を考慮し、カビに強い素材を選ぶことも一つの方法です。
・定期的な交換を心がけることで、素材の劣化によるカビの発生を防ぎます。

自宅でのカビ取りが難しい場合は、プロのクリーニングサービスの利用や新しいゴーグルの購入も検討しましょう。

しかし、日々のケアと予防策を適切に行うことで、このような事態を回避できる可能性が高まります。

水泳ゴーグルのカビ対策は一見面倒に感じるかもしれませんが、快適な環境と目の健康を守るために重要です。
今回紹介したテクニックを活用し、カビのない清潔なゴーグルで水泳を楽しみましょう。