浴室のモルタル壁のカビ取り方法

「浴室内のモルタルの壁や天井にカビが生えてしまいました。浴室内にはカビキラーなどが使えると聞いたのですが喉を傷めたくないので、その他でおすすめのカビ取り方法はありますか?また、カビ取り業者に依頼した方が良いケースも教えてください。」

1. 浴室のカビ取りに使えるカビ取り剤

カビキラーを含め、一般的に浴室のカビ取り剤として使われるものの多くが塩素系の漂白剤です。そしてその主成分は次亜塩素酸ナトリウム(次亜塩素酸ソーダ)です。

次亜塩素酸ナトリウムが使われた塩素系漂白剤には強い殺菌・漂白力がある一方で、質問者様が心配されているように塩素の臭いにより喉などの粘膜を傷めてしまったり、頭痛や吐き気を引き起こしたり、直接触れると皮膚が荒れてしまったりなど身体に悪影響を与えることがあります。

塩素系漂白剤よりも比較的安全で、浴室のモルタル壁のカビ取りに使える身近なカビ取り剤として、

  • 酸素系漂白剤
  • 消毒用エタノール
  • 逆性石鹸

などがあります。軽度なカビであればお風呂用の中性洗剤で除去することも可能です。重曹の研磨効果を利用してカビを落とす方法もありますが、いずれにしてもカビを殺菌しているわけではないので再発してしまう恐れはあります。

そのため、塩素系漂白剤の使用が難しいようであれば上記で挙げたような酸素系漂白剤、消毒用エタノール、逆性石けんなどを使用すると良いでしょう。

それぞれの特徴は次の通りです。

1-1. 酸素系漂白剤

衣類や色柄物にも使える漂白剤で、名前の通り上記4つのカビ取り剤の中で唯一漂白効果があります。漂白作用は塩素系漂白剤には劣りますが、軽度の黒カビであれば酸素系漂白剤を使ってある程度除去することができます。塩素系の漂白剤と違い塩素臭はありませんので、体調を崩す心配もありません。

ただし、肌に直接触れると肌荒れすることがあるため使用にあたっては必ずゴム手袋を着けましょう。カビ取り方法は、

① 空のスプレーボトルを用意し、そこに50℃程度のお湯に溶かした漂白の溶液を入れる。

② キッチンペーパーの上からカビの生えている部分に塗布する。

③ そのまま10分程度放置する。

④ 時間が経ったら、ブラシを使ってカビを擦り落とす。

⑤ 漂白剤が残らないよう水で十分に洗い流す。

1-2. 消毒用エタノール

アルコールがカビに効くということはご存じの方も多いのではないでしょうか。消毒用エタノールは吹きかけるだけでカビを殺菌することができる優れものです。

手指消毒にも使えるほどの安全性の高さも備えています。消毒用エタノールを使えば簡単に除カビすることができますが、残念ながら漂白効果はありません。

ですので、モルタル壁についたカビの黒い色素は残ってしまいます。いくら、吹きかけるだけで除カビできる、とは言ってもカビの黒い色素が残ったままだとカビが除去できた実感がないところがデメリットと言えるでしょう。また、塩素臭はありませんがアルコール特有ツンとした臭いを発します。

(臭いは揮発とともにすぐに消えます)消毒用エタノールを使って除カビする場合は次の手順で行います。

① 浴室のモルタル壁が乾いていることを確認し、カビ部分とそれよりも少し広めに消毒用エタノールをたっぷりと吹きかけます。(壁が濡れていると消毒用エタノールの効果が弱まります)

② 歯ブラシやブラシを使ってカビを擦り落とします。(生えたてのカビであれば黒カビでも落ちることがあります)

③ 水で洗い流します。

④ 水気が残らないよう乾いたタオルで吹き上げます。

消毒用エタノールは、本来はカビ部分に吹きかけるだけで殺菌でき、拭き取りや洗い流しは不要です。ですが今回のように浴室のモルタル壁に生えたカビということもあり頑固なカビであることが予想されるためブラシ等を使ったり洗い流したりすることをおすすめします。

1-3. 逆性石鹸

逆性石鹸とは、塩化ベンザルコニウムの水溶液のことで陽イオン界面活性剤の一種です。陰イオンであるカビに作用してカビやその他の細菌を消毒・殺菌することができます。

■関連記事■逆性石けんはカビ取りに使用できる?!

逆性石鹸として販売されているものもありますが、市販のコンクリート用カビ取り剤の主成分に逆性石鹼と同じ塩化ベンザルコニウムが含まれている物もあります。

殺菌力と安全性の高さを備えており、医療現場や食品関連施設の消毒にも使われています。コンクリート用カビ取り剤にも含まれている成分ですので、浴室のモルタルの壁にも適しています。

ですが、逆性石鹼にも漂白効果はなく、また汚れの洗浄効果もありません。使い方は、原液のままではなく水で薄めて使用します。消毒用エタノールと違い、揮発性がないため使用後は拭き取りや洗い流しが必要になります。逆性石鹸を使ってモルタルの壁のカビ取りをする場合は次の手順で行います。

① 浴室用洗剤を使って汚れを落とします。

② 逆性石鹼を記載通りに希釈し、空のスプレーボトルに入れます。

③ カビ部分にキッチンペーパーをあて、その上から逆性石鹼をスプレーし、しばらく(2~3時間ほど)放置します。

④ ブラシなどでカビを擦り、最後に洗い流します。

2. カビ取りをする際の注意点

浴室のモルタル壁のカビをご自身で除去する際には、必ずマスク、ゴム手袋、ゴーグルをつけ、肌を守れる衣類を着用した上でおこないます。

液が垂れ落ちてくることがありますのでゴーグルの着用も忘れずにしましょう。また、上記に挙げた3つのカビ取り剤は、あくまでもカビの範囲が小さい初期段階のときに限り使えるものになります。浴室のカビは強力ですので、見るからに素人では手に負えないと分かるカビの状態であり、カビキラーのような塩素系漂白剤もできれば使いたくないとなると、残念ですが自力でのカビ除去は難しいので、プロのカビ取り業者に相談しましょう。

カビ取り業者に相談するか迷ったらこちらの記事を参考にチェックしてみてください。

3. 結局どのカビ取り剤を使ったらいいの?

今回塩素系漂白剤以外で3つ浴室のモルタル壁に使えるカビ取り剤をご紹介しましたが、結局どれを使うのがいいのでしょうか。どれもカビへの殺菌力に優れ、身体への影響も少ないものですので、まずは3つの中でご家庭にあるものから試してみるといいでしょう。

迷ってしまったら、カビの殺菌効果に加えてある程度の漂白力が期待できる酸素系漂白剤をおすすめします。衣料用の漂白剤が使えるので、わざわざ買わなくてもほとんどのご家庭にもあるかと思います。他の2つは、吹きかけて拭き取りや洗い流しをすることでカビを除去することはできますが、いずれも見た目に変化はありません。強めにブラッシングすることで黒ずみが落ちることもありますが、カビの程度によっては色が残ることも覚悟した方がいいでしょう。

  • 「カビ取り業者に依頼したいけれど、ちょっと予算に合わない」
  • 「市販品ではなく、業者が使うような高機能のカビ取り剤で除カビしていみたい」

という方のためにカビ取り業者と同レベルの液剤『カビ取りマイスターキット』もご用意しております。

カビ取りマイスター使用後に”やはり業者にお願いしたい”という結果になった場合も、液剤の費用を施工費用から割引させていただくので、日ごろのお掃除用として準備しておくのもおすすめです。

4. こんなときはカビ取り業者に相談を!

浴室のモルタル壁が次のような状態であれば、カビ取り業者に相談することをおすすめします。

  • モルタル壁にヒビがはいっている
  • カビが広範囲に広がっている(生え始めてから日が経っている)                                                   
  • 自力でのカビ取りを試みたがカビが残ってしまった
  • モルタル壁の高い場所や天井にカビが生えている

このようなときはプロに任せた方がいいでしょう。モルタル壁にヒビがはいっているということは日々の割れ目にもカビが生えている可能性が高く、モルタルの状態もかなり劣化しているということです。そうなると自力では対処できませんので業者に依頼しましょう。

また、カビが広範囲に広がっている場合も業者に依頼した方がよいです。生え始めのカビであれば漂白剤で落とすことができますが、生え始めてから月日が経っており範囲も広いとなると家庭で用意できるカビ取り剤や一般の方の技術では対応できません。他にも、安全性の面から、カビが高い場所に生えている場合も業者に依頼することをおすすめします。無理にカビ取りしようとしてシャンプーなどのぬめりで転倒してしまうと危険です。

入浴時には湿度100%となる浴室は、家の中でもとくにカビが生えやすい場所です。加えて、モルタル壁は吸湿しやすいという特徴もあります。浴室のモルタル壁に生えたカビはかなり頑固ですので困ったときは潔くプロに任せる、ということも検討しましょう。

5. まとめ

今回は浴室のモルタル壁に生えたカビについて、自宅で用意できるカビ取り剤やそれを使ったカビ取り方法、業者に依頼した方がよいケースをお伝えしてきましたが、まとめると

● 塩素系漂白剤以外で、自宅で用意できるカビ取り剤には、酸素系漂白剤・消毒用エタノール・逆性石鹼・がある。

● これらのカビ取り剤はカビの範囲が小さい初期段階のときに限り対応できる。

● モルタル壁がひび割れていたり、自力でカビ取りしてもカビが残ってしまったりカビが広範囲に広がっている場合はカビ取り業者に依頼する。

<参考>

厚生労働省

●横関 正直 『消毒液散布後放置の除菌効果への影響についての基礎的検討』 2014畜産の研究 養賢堂

● 高鳥 浩介・久米田裕子 『かびのはなし~ミクロな隣人のサイエンス~』 2013 NPO法人カビ相談センター