逆性石鹸はカビ取りに使える?

「壁や床のカビに逆性石鹸が効くと聞いたことがありますが、本当に効果があるのでしょうか?」

逆性石鹸という言葉を初めて聞いたという方もいるのではないでしょうか。石鹸だから何かを洗うもの?と想像されたかもしれません。そこで今回は逆性石鹸とはどのようなものか、カビ取りは可能なのかについてご紹介していきます。

1. 逆性石鹸でカビは取れる?

結論からお伝えすると、逆性石鹸でカビ取りは可能です。その理由を逆性石鹸の性質などをふまえてお伝えしていきます。

1-1. 逆性石鹸とは?

そもそも逆性石鹸とはどのようなものかご存じでしょうか。石鹸と聞いて多くの方は固形の普通石鹸をイメージすると思います。普通石鹸も逆性石鹸も界面活性剤の一種ですが、普通石鹸は水と混ざりあうとマイナスの電気を帯びる陰イオン界面活性剤です。

性質としては弱アルカリ性で、皮脂や汗のような酸性の汚れの洗浄に効果を発揮します。一方で逆性石鹸は水と混ざりあうとプラスの電気を帯びる陽イオン界面活性剤です。

弱酸性の性質を持ち、細菌やカビに対する殺菌作用があります。普通石鹸と逆の性質を持つことから逆性石鹸と呼ばれています。普通石鹸は汚れの除去とある程度の除菌が可能ですが殺菌効果はありません。逆性石鹸は、汚れの除去効果はありませんが殺菌効果があります。そのため、普通石鹸は「洗浄」、逆性石鹼は「殺菌・消毒」と覚えておくといいでしょう。

普通石鹸は固形や液体、泡タイプなど様々な種類がありますが、逆性石鹸の多くは液体で希釈して使用します。原液は「塩化ベンザルコニウム」や「ベンザルコニウム塩化物液」として表示・販売されています。

これらを希釈した水溶液が逆性石鹸というわけです。塩化ベンザルコニウムという名前だけ聞くと「危なそう、大丈夫なの?」と思われる方もいるかもしれません。

原液が肌に触れると皮膚を傷めることもありますが、基本的には100~1000倍に希釈して使用します。希釈することで安全に使用することができます。

1-2. なぜ逆性石鹼がカビに効くのか

ではなぜ普通石鹸ではカビの殺菌ができず、逆性石鹸では殺菌ができるのでしょうか。先ほど、逆性石鹸は陽イオン界面活性剤であるとお伝えしましたが、それはつまり陰イオンの物質に反応するということです。

カビの菌糸内に含まれるたんぱく質やセルロースは陰性の電気を帯びています。そのため、マイナスの電荷をもつカビや細菌に対してプラスの電荷をもつ逆性石鹸が効果を発揮する、というわけです。

1-3. 用途は?

あまり知られていませんが逆性石鹸の原液である塩化ベンザルコニウムは私たちの身の回りの様々な場面で使用されています。例えば

  • 手指の消毒・殺菌
  • 創傷口の殺菌消毒
  • 食器や調理器具の消毒
  • 医療器具、病室などの消毒
  • 住宅、乗り物の消毒
  • 食品関連の工場施設の消毒

などです。カビに対してだけでなく食中毒菌や一般細菌に対し強い殺菌力があることから食品衛生に関わる分野で広く使われています。食品や医療現場で使用されていることから殺菌効果に優れ安全性も高いことがわかります。

2. 逆性石鹸を使ったカビ取り方法

逆性石鹸がカビ取りに有効であることが分かったところで、ここからは実際のカビ取り方法とその際の注意事項をお伝えしていきます。

2-1 用意するもの

・ ゴム手袋
・ マスク
・ 逆性石鹸(ベンザルコニウム塩化物液)
・ バケツまたはスプレーボトル(カビ取りしたいものに合わせて用意する)
・ 清潔なタオル1~3枚
・ 歯ブラシ

2-2 手順

① マスク、ゴム手袋を着けて身体を保護します。
② バケツまたはスプレーボトルに逆性石鹼を入れ、記載されている水量で希釈します。
③ カビが生えている部分に逆性石鹸をスプレーします。もしくは逆性石鹼を溶かしたバケツの中にタオルを浸しカビを拭き取ります。スプレーまたはタオルで拭き取った後は石鹸が残らないよう拭き取り(洗い流し)ます。食器や衣類など浸け置きできるものは浸け置きも可能です。浸け置き後は水で十分にすすぎます。
④ カビが残っていれば歯ブラシを使ってカビ部分を擦ります。
⑤ 天日干しまたは陰干ししてよく乾かします。

2-3 カビ取りの際の注意事項

逆性石鹸を使ってカビ取りをする際には以下のことに注意してください。

・ カビとりしたいものが汚れている状態で使用しない

逆性石鹸には洗浄効果はほとんどないことに加え、カビ以外の埃やその他の汚れが付着している状態で逆性石鹼を使用すると汚れが逆性石鹸の効果を邪魔してしまいます。逆性石鹸を使用する際は予め汚れを落としてから使うと効果がアップします。

・ 普通石鹸(陰イオン界面活性剤)と併用しない

洗浄とカビ取りを同時にしたいからと、普通石鹼と逆性石鹸を同時に使ってはいけません。二つが混ざることで中和され洗浄力も殺菌力もなくなってしまいます。普通石鹼で汚れを落とし、十分に洗い流してから逆性石鹸でカビ取りをしましょう。

・ 皮革製品のカビ取りには使用しない

逆性石鹸は皮革製品を変質させることがあるため革製品のカビ取りには使わないようにしましょう。

・ 原液のまま使用しない

逆性石鹼(ベンザルコニウム塩化物液)を原液のまま使用するとカビ取りしたいものが傷んでしまったり、手に触れると手荒れやかぶれ、発疹などを引き起こすことがあります。使用時は必ず希釈して使いましょう。

・ 浸漬時間は5分以上

逆性石鹼を使って浸け置きする場合の浸け置き時間に厳密な決まりがありわけではありませんが、少なくとも5分以上は浸け置くようにします。長時間浸け置きしているとカビ取りしているものの素材が傷んでしまうことがあります。まれに色柄物の衣類が退色してしまうこともあります。3時間~半日浸け置きしても何ともなかったという場合もあるようですが、カビやカビ臭が取れ次第取り出すようにしましょう。

3. 補足~カビの色素はとれる?~

逆性石鹸を使ってカビを除去することは可能ですが、残念ながら黒カビや青カビなどのカビの色素までは落とすことができません。除去したいカビが白カビの場合は逆性石鹼でキレイに落とすことができますが黒カビのように色素のあるカビを除去する場合は逆性石鹼ではなく酸素系または塩素系の漂白剤を使用しましょう。

4. カビ取りには逆性石鹼と消毒用エタノールどちらがいいの?

カビにはアルコールが効くことをご存じの方も多いかもしれませんが、カビへの殺菌効果に優れ、安全性も高い逆性石鹸はなぜ消毒用エタノールほどメジャーではないのでしょうか。逆性石鹸と消毒用エタノールの違いは

「カビ予防効果の有無」と「殺菌力」「揮発性」、そして「汎用性」です。

消毒用エタノールは噴霧することでカビを予防する効果がありますが、逆性石鹸はすでに生えたカビに作用するためカビを予防する効果はありません。また、どちらもカビへの殺菌効果はありますが、使いやすさという面では消毒用エタノールの方が若干上回っているかも知れません。

加えて、逆性石鹼は揮発性がなく使用後は拭き取りが必要になりますが消毒用エタノールは揮発するため拭き取りや洗い流しの必要がありません。消毒用エタノールの方が逆性石鹼よりも手軽に、より効果的にカビ取り&カビ予防ができるというわけです。

ですが逆性石鹼は濃度を自由に変えられるというメリットがあります。カビ除去に使用するとき、手指を消毒するとき、創傷口の消毒、調理器具の消毒をするときなど、濃度を変えることでカビ除去に限らずさまざまなモノや場所に対して幅広く使用できます。消毒用エタノールはアルコール濃度が既に70%程度に作られておりそれ以上薄めたり濃くしたりすると効果が弱まってしまいます。

濃度が決まっているので逆性石鹼のように希釈してカビ取りしたいものを浸け置きする、ということもできないのです。消毒用エタノールも比較的場所や物を選ばず使用できますが逆性石鹼はそれ以上の汎用性の高さがあると言えます。

他にも、逆性石鹼は消毒用エタノールよりも安価であるという利点もあります。塩化ベンザルコニウムの原液と消毒用エタノール同量の価格に大きな違いはありませんが塩化ベンザルコニウムは100倍以上に希釈して使いますのでコスパがいいのです。
利便性とカビ予防の観点からカビ取りには消毒用エタノールの方が重宝されていますが希釈や拭き取りの手間を気にしない、かつ、幅広い用途で使いたいという方は逆性石鹼を持っておくのもいいでしょう。

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5. まとめ

今回は、逆性石鹸はカビ取りに使えるのかということについてお伝えしてきましたがまとめると


● 逆性石鹸には細菌・カビの殺菌・消毒に用いられるもので、カビ取りに使うことができる。
● 逆性石鹼は陽イオン界面活性剤の一つで、陰イオンのカビたんぱく質を変化させることでカビを殺菌・消毒する。
● 逆性石鹸は食品関連施設や医療現場で広く使用されており殺菌効果と安全性に優れている。
● 逆性石鹸でカビ取りをする際は必ず原液を希釈して使用し、カビ取り後は洗い流すか拭き取る。
● 一般的なカビ取りに使用される消毒用エタノールと逆性石鹸では、消毒用エタノールはカビを予防する効果に加え利便性と殺菌力の高さが特徴。逆性石鹼は汎用性の高さとコストパフォーマンスのよさが特徴。

どちらを使用するかはライフスタイルに合わせて選ぶとよい。

となります。カビ取りには消毒用エタノールや漂白剤しか知らなかったという方もこれを機に逆性石鹸を試してみるのもいいかもしれません。

<参考>
厚生労働省

福岡県薬剤師会

健栄製薬

日本製薬株式会社

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