リフォームやリノベーションがカビ対策になる理由
カビは私たち人間が普通に生活していても常に近くにいる存在です。
日本は高温多湿の気候なので、諸外国に比べると、カビが発生しやすい環境です。
カビの発生条件となるのは、下記の4つです。
温度:20℃~30℃
湿度:70%以上
栄養:ほこりやタバコのヤニ、石鹸に含まれる界面活性剤など多々
酸素:これは遮断できないですが
また、雨が続いたり湿気が溜まってしまうことで、さらにカビが発生しやすくなります。
目次
1.中古物件でカビ対策
特に湿度や栄養になるものは、新しい物件より、ある程度経年劣化をしてきた中古物件になるのではないでしょうか。
経年劣化した中古物件を購入した場合、お部屋の中のどこかしらのリフォームやリノベーションが必要になることがほとんどです。といっても下記にように色々な種類があります。
では、これらの中でカビ対策になるのはどの工事でしょうか?
- 部屋の壁・天井がカビだらけになっているので、壁紙を新しくした
- 畳がボロボロになっているので、フローリングに変更した
- お風呂やトイレが劣化していているので新品の設備に交換した
- 間取りが自分の好きなものではないから、作り変えたい
- 購入した物件が築40年なので、給水配管が劣化している為、新しくしたい。
実はこれらすべてにカビ対策効果があります。
順番に見ていきましょう。
1-1.部屋の壁・天井がカビだらけになっているので、壁紙を新しくした
先ほども出てきたように、カビの発生要因は、「温度」「湿度」「栄養」「酸素」です。
ここでいう栄養は、ほこりやゴミ、タバコのヤニなんかもそれに含まれます。
中古物件は、最近まで人が住んでいた場合や、しばらく空室になっている場合など様々です。
いずれにしてもカビの発生要因に当てはまっている為、中古物件に住み始める場合には、目視でキレイに見えてもニオイが気になる場合もあるため、カビ取りや防カビ加工をするのがいいでしょう。
カビの状況があまりにひどい場合は、壁紙だけ新しくしても、その下地である石膏ボードにカビの真菌が残留していることがありますのでは、新しいものに交換する必要があります。工事内容としてはそこまで高い費用にはなりませんし、時間もそこまでかかりません。パパっと業者にお願いしてみてもいいかと思います。
1-2.畳がボロボロになっているので、フローリングに変更した
和室はそれはそれで、井草の良い香りがしますので、畳はあたらしくしてそのまま和室として使いたいという方もいいことでしょう。
床材は人が歩くところなので、場所によっては剥離していたり、へこみが生じていたりします。中古物件の売買のタイミングでは新しいものに交換されるケースが多いです。この際にフローリングに変更してみてはいかがでしょうか?
畳はお手入れ不足でカビの原因に
畳は井草に隙間がたくさんあり、掃除をこまめにしないとほこりが溜まりやすく一度カビが発生してしまうと汚損範囲が広がりやすいです。
また、畳の上に何かしらの家具を置いているご家庭が多いと思いますので、その家具に下にカビが発生していることが多々あります。そういった理由で、特に和室にこだわりがなければフローリングに変更してみると良いでしょう。
1-3.お風呂やトイレ、洗面所が劣化していているので新品の設備、内装にした
お風呂とトイレは特にカビが発生しやすいです。
例えばお風呂は、外気の真菌数と比較すると約17.5倍程です。
原因としては、湿気、そして栄養です。栄養となるのは皮脂汚れや石鹸に含まれる界面活性剤です。
湿気にさらされる空間ということで、壁や床にもカビが発生していることがあります。
例えば洗面化粧台の裏側や、トイレのタンクの裏側などです。一見キレイになっていても、
壁紙を貼りなおしただけという場合は、下地の石膏ボードにカビの真菌がいることがあります。業者によってはカビの真菌の数値を計測してどこまでリフォームをすべきかをアドバイスしてくれるので、判断がつなかい場合は頼ってみましょう。
1-4.間取りが自分の好きなものではないから、作り変えたい
間取りの変更もカビ対策には効果があります。
部屋の方位や、広さ等によってカビが発生しやすいかどうかに関わります。
例えば北側の部屋は日光が当たりにくくカビやすいです。カビは紫外線で殺菌されますので、日光があたる部屋の方がカビにくいからです。
例えば、北側で窓も小さく狭い部屋を物置にしているとしましょう。
普段あまり人も入らず、空気が循環しないし、他の部屋よりも気温が低くなります。
そうなると、部屋の見えない箇所で結露が生じてしまいそこからカビてしまうなんてことがあります。
(コロナ渦で、テレワークをする人が増え、物置にデスクを置いて仕事をしようと思ったら、カビが発生していたというご依頼はとても多いです。)
そして間取りを変更するのはリフォームではなくリノベーションにあたります。
前述したようにカビ対策の間取りをつくるには以下のポイントがあります。
①気温が下がりやすい部屋位置を個室にしない
②建具を必要最低限にする
③空気が入る箇所、出る箇所を作り、風が抜けるようにする
①は、下の写真はどちらも玄関横にあった個室を無くして、土間スペースにしています。
机を置いてワークスペースに、そのまま収納にすることもできます。
北側の場所にあり、リノベーション前はカーペット敷きの部屋でしたが、窓付近の壁が黒ずんていました。
玄関は人が必ず通る場所ですので、土間スペースにすることによって、空気の循環をすることもできます。
②と③については、空気の循環の為に必要です。
目的は、お家の中の温度をなるべく均一のすることです。
空気と湿度はどちらも高いほうから低い方に循環します。
建具が多いということは、締め切った空間ができてしまいます。そうなると温度の低い部屋ができ、結露が起こるのです。
室内窓で通気性を上げる
また、部屋によっては窓が小さい場合はあるので、それではうまく空気の循環ができません。その場合はリノベーションで「室内窓」をつくり、風が通るようにプランニングをするのがいいでしょう。
また、個室を作っても建具を無くすことで自然と空気の循環をさせることができます。
1-5.購入した物件が築40年なので、給水配管が劣化している為、新しくしたい
給水配管は築20年以上の場合、鉄製の管が使用されているケースが多くあります。
この場合、すぐでは無いにしても将来的に漏水してカビが発生する可能性があります。
(↑実際に、配水管の老朽化により漏水が起こりカビが生えてしまった例です)
漏水して修繕したとしても床下に水分がはいり湿気が発生すると、しばらしてからカビが見えないところで繁殖しいずれ表の壁に出てきてしまいます。そうなると時すでに遅しということになりかねません。
もし購入する物件の築年数が古めで気になる場合は、リノベーション前提で予算の確保をしておいたほうが良いかと思います。
最近では、物件価格とリノベーション費用をまとめて、ローンを組むことができる「一体型ローン」が主流になっています。リフォームローンは単独で組むと金利が高くなりますが、物件価格と一緒に借入をすると、住宅ローンの金利が適用されるのでとても負担がかるくなります。
まとめ
中古物件は、購入する前に、どこまで工事をすべきかを確認しましょう。
中古物件は、現状のまま引き渡しをされますので、どこかしらが傷んでいることが当たり前です。物件によっては内装すべてボロボロでかなりに費用をかけて直さないといけない場合もあることでしょう。
物件の状況に合わせて、リフォームもしくはリノベーションを考えないといけませんし、
物件の日当たり状況が窓の位置を加味してカビの生えにくいプランニングをする必要があります。これから物件探しをスタートされる方は、リフォーム、リノベーション、カビ対策について何を優先すべきかを整理してから探し始めるようにしましょう。