靴のカビは水洗いをすれば取れるの?

靴箱から、お気に入りの靴を履こうと出したら、ホコリ?いや...靴にカビが生えているではありませんか。

一見、カビは汚れのように見えるため「水洗い」をしたら解決しそうな気がするのですが、靴のカビは本当に”水洗い”でとれるのでしょうか?

今日は靴のカビを落とすために、どのような手段をとればよいのか最善の方法をお伝えしたいと思います。

靴のカビは水洗いしたら落ちるもの?

先に、結論から申し上げますと「靴にカビが生えた場合に水洗いで対策するのはNG」です。

長靴など、水洗いすることを想定して作られた靴は別ですが、一般的な”靴”は水洗いしただけではカビを落とすことができません。

表面だけ綺麗に洗い流したように見えても、カビは繊維の奥まで繁殖している可能性があります。

しっかりとカビを殺菌し、洗浄した後に流水で洗い流すのはNGではないのですが、ただ水洗いをするだけでは靴に生えたカビは根本的に解決できません。

むしろ靴のカビに水洗いは逆効果

カビの好む環境は「水分」「湿度」「酸素」「栄養源」これら4つの条件が揃ったところなのですが、靴の繊維や革をカビは栄養源にしてしまうため、水洗いをしただけでは、かえってカビのさらに好む環境にしているのです。

そのまま、充分に乾燥しきれないまま靴箱に収納すると、カビが再発してしまいます。

簡単に言うと、カビは「日の当たらない場所」「汚い場所」「水気の多い場所」を好みます。

つまり、水洗いをした靴というのは靴箱内に保管され日の当たらない場所、靴の汚れが付着し汚い場所だけでなくさらに

”水気の多い場所”という条件とピッタリはまってしまうのです。

カビに栄養源や水分が必要な理由

カビの細胞は、核酸、タンパク質や脂質、糖質など高分子化合物からつくられています。このカビの細胞を増やすためにはこれら高分子化合物を増やしていく必要がありますが、人間と同じように栄養源はエネルギー源となり、また水分や酸素は合成するための酵素となります。

その為、カビを靴に生やさないようにするにはこれらカビの”栄養源”となるものや、代謝・合成を促すための水分を極力避ける必要がある=カビの生えた靴を水洗いすることは避けた方が良いのです。

では、靴にカビが生えてしまった場合、水洗い以外にどのような方法があるのでしょうか。

靴にカビが生えた場合の対処法

靴にカビが生えた場合、カビの種類やどれくらいカビが生えているのか、靴の素材にもよるのですが、まずすぐにできる方法としては”靴専用の除菌剤”を使用するという方法です。

靴の除菌剤を使用する場合

まず、靴のカビ取りをする際に準備するものは

  • 靴専用の除菌剤
  • 靴用ブラシ
  • 乾いたふきん(靴用だと尚よい)
  • ゴム手袋

(革靴にも使えるミストなどもあります)

靴のカビ取りをする際には、窓や玄関の戸を開けるなどして換気を十分に行いましょう。手順は以下の通りです。

コロンブス レザーキュア カビ用ミスト

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①靴用のブラシをかける

ブラシをかけることで表面の汚れを書きだします。

②靴専用の除菌剤を布にふきかける。

カビは、目に見えない部分で繁殖していることもあります。カビの生えている部分だけでなく全体的に除菌剤を吹きかけましょう。

③薬剤を染み込ませた布で靴のカビをふき取る

靴に傷が付かないように、優しく拭きとりましょう。

④しっかりと乾燥させる

風通しの良いところで、しっかりと乾燥させてください。日陰で陰干しすると良いでしょう

(直射日光を当てると変色する素材もあるため)型崩れしやすい靴はシューキーパーなどを入れてから乾燥させましょう。

シューキーパー シューツリー

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消毒用エタノールを使用する場合

70~80%濃度の消毒用エタノールを使って、靴のカビを取ることもできます。準備するものは以下の通りです。

  • 消毒用エタノール(70~80%)
  • 靴用ブラシ
  • 乾いた布巾
  • (ゴム手袋)

ドーバー パストリーゼ77

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手順は、靴専用の除菌剤を使う場合と同じです。

↓写真は直接、靴に消毒用エタノールを吹きかけていますが、素材によっては傷むこともありますので布に湿らせてから、消毒用エタノールを塗布するようにしましょう。

③スニーカーの汚れもカビも同時に落としたい場合

スニーカーなど、泥汚れが付きやすい靴の汚れもカビも落としたい場合には「酸素系漂白剤」を使ってカビ取りをするという方法もあります。

準備するものは以下の通りです。

  • 酸素系漂白剤(顆粒でも液体タイプでも〇)
  • スニーカー用ブラシ
  • ゴム手袋
  • バケツ
  • 靴専用クリーナー

グラフィコ オキシクリーン

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①バケツにお湯(50℃くらい)と酸素系漂白剤を入れて、スニーカーを浸す

②少し時間を置き(30分ほど)水でしっかりとすすぐ

③汚れがまだ残っているようであれば、靴専用クリーナーを付けて汚れを落とす

④風通しの良い場所でしっかりと乾燥させる

スニーカー用のハンガーなどもあります。スニーカーは、手洗い可能なものも多いので洗濯表示を確認した上で洗いましょう。また、スニーカーの素材によっては、スエードのものなど洗えないのものもあります。その場合は、靴専用のクリーニング業者に依頼するのも良いでしょう。酸素系漂白剤は、つけ過ぎると素材を傷めてしまうものもあるので裏面のラベルを確認して、浸水時間を守りましょう。

ここでは靴のカビを取るために3つの方法をご紹介して参りましたが、いずれも”ただ靴を水洗いするだけ”よりもカビを落とす効果があります。

ただし、靴の繊維の奥までカビが繁殖してしまっている場合は、今回ご紹介した方法では落とし切れないこともあります。その場合は、専門の靴のクリーニング業者に依頼して、綺麗に落としてもらいましょう。

■関連記事■靴のカビを除去する方法

靴のカビを取る際の注意点

靴のカビを取る際に、気を付けるべきポイントは

  1. しっかりと乾燥させること
  2. 塩素系漂白剤を使わないこと
  3. 換気を行い手袋を着用すること

です。まず1の「しっかりと乾燥させること」は、カビの発生原因となる水分を残さないために重要です。

もしも梅雨時期などで室内の湿気が多く、なかなか靴が乾きにくい場合には、靴専用の乾燥機もあります。よく靴を洗う方や雨に濡れた靴をすぐに乾かしたい方にはとてもおススメです。

ふとん乾燥機で、靴を乾燥させるという方法もありますが、衛生面を考えると「靴専用の乾燥機」の方がおススメです。

■関連記事■ふとん乾燥機でカビ対策は可能?!

アイリスオーヤマ 靴乾燥機 シューズドライヤー カラリエ ダブルノズル

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また、手間はややかかりますがヘアドライヤーで靴を乾かすと、完璧ではないですが少し乾かす時間を短縮することができます。

また、カビキラーやカビハイターなど塩素系漂白剤も「カビ」自体には有効なのですが靴には使用しないでください。

靴の色が変色してしまう恐れがあります。カビの色素が気になる際には”酸素系の漂白剤”を使うようにしましょう。

また、靴のカビ取りをする際には、必ず窓やドアを開けて風通しを良くしてください。カビ取り中にはカビの胞子を吸い込む恐れがあります。カビによっては、身体に影響を及ぼすものもありますので、マスクやゴーグルをして、保護しましょう。

靴のカビを防ぐために

靴にカビが生えたらとてもショックですよね。

「もう、処分するしか方法はないのかも...」

「お気に入りだったのに...私の保管方法が悪かったのね...」

自分を責めてしまうこともありますよね。しかし、カビの性質を知ることで次からは靴にカビを発生させないように対策ができます。最初に述べたようにカビの好む条件は「水分」「酸素」「栄養源」「湿気」でした。

つまり、靴そのものや靴を保管する靴箱を清潔に保つことでカビ対策することができます。

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  • 靴の汚れはそのままにせずこまめに取り除く
  • 雨に濡れた靴はしっかりと乾燥させてから靴箱に収納する
  • 靴箱はときどき扉を開けて換気する
  • 靴箱の掃除をおこなう
  • 靴箱内に除湿剤を置いて湿気を取り除く
  • 靴の中にも除湿剤を置く
  • 靴を靴箱に詰め込み過ぎない(靴を減らす)

特に、靴箱の湿気と通気性の悪さが原因で靴にカビが生えてしまうケースが多いのです。

その為、靴箱を清潔にし、こまめに湿気を追い出すような仕組みを作りましょう。

エステー 備長炭ドライペット

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まとめ

今回は「靴のカビを取るために水洗いは有効か?」について説明して参りました。

しかし、結論としては水洗いすることでかえってカビが発生しやすくなるので逆効果ということでした。

カビが生えていたら、ただ水洗いをするだけでなく、靴専用の除菌剤を使って丁寧にカビ取りをし必ず乾燥させましょう。

また、靴にカビが生えた場合は靴箱など収納している場所に湿気やゴミが溜まっている可能性もあります。こまめに掃除・換気をしてカビの再発を防ぎましょう!