万年床でカビが発生!?フローリングの黒カビを自力で除去する方法や注意点を解説
「フローリングに布団を敷いて寝ているけど、忙しすぎて万年床にしていた。たまには布団でも干そうと布団を動かすと敷布団の裏側にカビが生えていて、フローリングにも黒カビが…。賃貸なので退去時の請求も怖いし、どう対処したら良いの…?」
フローリングの床は、その温かみと素足に心地よい感触で多くの人々に愛されています。
しかし、日常生活の中での小さな油断によってカビが発生し、フローリングの心地よさを損ねることがあります。
そして、以下のような状況の時は、特にフローリングにカビが発生しやすくなります。
- 掃除を怠る
- 結露の拭き取りをせずに放置する
- フローリングに布団を直接敷いたままの万年床にしている
賃貸住宅であれば、退去時の修繕費用の請求が心配事になりますし、持ち家でもリフォーム費用によって家計を苦しめるでしょう。
そのため、できるだけ自力で除去したいと考える方も多いと思います。
この記事では、フローリングにカビが生えてしまった場合の対処法や予防策について詳しく解説します。
フローリングのカビにお悩みの方や、フローリングのカビ対策を知りたいという方は是非この記事を参考にしてみてください。
この記事でわかること |
・フローリングに黒カビが発生する原因 ・フローリングのカビ取りで使用できないもの ・フローリングのカビ取り方法 ・フローリングのカビを防ぐための対策 |
目次
1.フローリングに黒カビが生える原因とは?
フローリングに生えるカビには青カビや白カビなど様々な種類がありますが、黒カビの発生は「水分」が主な原因とされます。
黒カビは、風呂場、トイレ、洗面所など、湿気が多く水分のある環境を好む特性があります。
例えば、以下のようなことが原因でフローリングに水分がある場合、黒カビが発生しやすいです。
- 結露
- 漏水
- 水滴や水気を放置
どのような状況かで結露や漏水などが発生するのか、詳しく見ていきましょう。
1-1.窓の結露
窓ガラスに結露によって生じた水滴が放置されると、その水分がフローリングへ滴り落ち、黒カビの発生原因となり得ます。
特に冬場は結露によるカビのリスクが高まります。
このように結露によってフローリングにカビが発生するのを防ぐには、こまめに窓の結露を拭き取ったり、結露防止グッズなどを活用する必要があります。
1-2.キッチンの水漏れ
キッチンの配管からの水漏れは、フローリング下に水分が溜まり、黒カビの発生を引き起こす一因です。
特に、配管の老朽化が原因で起こる水漏れは、見た目では判断しにくいことがあります。
水漏れが原因でカビが発生した場合、少し放置しただけでもあっという間に悪化してしまう恐れがあるため、気付いたら迅速に対処しましょう。
また、キッチンの水漏れには常に注意を払い、定期的な点検を行うことが大切です。
1-3.万年床
人は寝ている間にコップ1杯の汗をかくと言われています。
もし布団を直接床に置き続けると、布団とフローリングの間に湿気が溜まり、黒カビの発生源となります。
カビを防ぐためには、定期的に布団を干して湿気を取り除くことが大切です。
また、寝具の下にすのこを敷くことで空気の流れを良くし、湿気が溜まりにくくするのも効果的です。
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2.フローリングの黒カビは自力での除去が難しい!?対処方法は?
フローリングに黒カビが生じた場合、カビの色素が木材に染み込んでいると自分で取り除くことは困難です。
特に、漏水や水滴が原因であると、水がフローリングの床材の奥深くまで浸透し、カビも同様に奥に広がっている可能性が高いです。
このような状況では、表面にカビ取り剤を塗布しても、内部のカビを完全に除去することは難しく、フローリングの貼り替えが必要になることもあります。
一般的に、黒カビが発生した際には漏水や結露の対策、さらには床材の貼り替えなど、専門的な工事が必要になることが多いため、カビの専門業者への相談をおすすめします。
範囲が限定的であれば自力での対応も可能ですが、フローリングに使用できないカビ取り剤もあるため、商品選びには注意が必要です。
業者へ依頼するか迷ったときのチェック方法
自分でカビ除去を行うか業者に依頼するか判断に迷う時は、カビの広がりを目安にしましょう。
一般的に、カビが1㎡以上以上に広がっている場合は、自分での対処が困難となり、専門の業者に相談することを推奨します。
市販のカビ取り剤の効果にも限界があるため、広範囲にわたるカビ対策にはプロの力を借りるのが賢明です。
3.フローリングのカビ取りに使用できないもの
もし自力でカビ取りを行う場合は、使用する液剤に注意が必要です。
まず、フローリングのカビ取り作業において、カビキラーやキッチンハイターのような塩素系カビ取り剤(塩素系漂白剤)の使用は避けるべきです。
これらの製品はフローリングの脱色や変色を引き起こし、素材を損傷させる可能性があります。
また、天然素材である重曹もフローリングのカビ取りには不向きです。
重曹の研磨作用がフローリングの表面を傷つけ、ワックスが剥がれたり色が変わる原因となることがあります。
カビ取りに重曹を用いる場合は、極力優しく扱い、床を傷めないように注意しましょう。
そのまま使用するのではなく、重曹水として薄めて使用することが推奨されます。
4.フローリングのカビ取り方法
2.フローリングの黒カビは自力での除去が難しい!?対処方法は?でお伝えした通り、フローリングの奥まで黒カビが発生している場合や、範囲が広い場合は自力でのカビ取りは難しいです。
しかし、範囲が狭くて、カビの発生が表面に限られている場合は、自分で対処することも可能です。
下記にフローリングのカビ取り方法を紹介しますので、これを参考にカビ取りに挑戦してみてください。
4-1.事前準備・注意事項
カビ取り剤を使う前には、部屋の換気を行い、自身の保護のために以下のアイテムを着用することが重要です。
- マスク
- ゴム手袋
- ゴーグル
- 長袖の服
フローリングにワックスが塗られている状況で、ワックスの下にカビが発生してしまった場合、ワックスの層がカビ取り剤の浸透を妨げるため、直接カビにカビ取り剤が届かず、カビを除去することが困難です。
このような時は、まずワックス層を剥がしてからカビ取り作業を行う必要があります。
加えて、フローリングが時間の経過と共に水分や風化により黒ずんで見えることがあります。
これはカビによるものではないため、カビ取り剤を用いても改善されないので注意してください。
4-2.消毒用アルコールでカビ取りをする
市販されている消毒用エタノールを用いてフローリングのカビ取りを行う方法です。
エタノールは揮発性が高いため使用時は十分な換気を心がけ、火気には十分注意してください。
消毒用エタノールは、スプレーボトルに入れ、カビが発生している箇所へ直接スプレーします。
既にスプレーボトル入りの消毒用エタノールをお持ちの場合、そのまま使用することができますので、わざわざ入れ替える必要はありません。
スプレー後、カビが表面に浮き上がったら、清潔な布やぞうきんで優しく拭き取ってください。
消毒用エタノールにはカビの殺菌と消毒の効果がありますが、漂白作用はないため、カビによる黒ずみや着色を除去することはできません。
黒カビの着色を除去したい場合は、別途フローリング用のカビ取り剤の使用が必要となります。
健栄製薬 消毒用エタノール
出典:amazon
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出典:amazon
4-3.フローリング用のカビ取り剤を使用する
フローリング専用のカビ取り剤も販売されており、これらの製品は黒カビの殺菌、消毒、そして漂白が可能です。
カビによる着色や黒ずみを漂白し、フローリングを清潔に保つことができます。
しかし、使用されている木材の種類によっては、カビ取り剤がフローリングの変色や脱色を引き起こす可能性があるため、使用前に目立たない箇所で試してみることをおすすめします。
カビ取り剤の詳しい使用方法や注意点は、購入した製品に付属の取り扱い説明書に記載されています。
製品ごとに適切な使用方法や安全上の注意が異なるため、必ず説明書を読み、正しく使用してください。
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4-4.プロレベルのカビ取り剤を使用する
フローリング専用ではありませんが、カビ取り業者のハーツクリーンが開発したカビ取りマイスターもおススメです。
実際に業者が使用している液剤を誰でも使えるように改良した商品なので、自宅でプロレベルのカビ取りができます。
また、危険な成分は含まれていないため、フローリングだけでなく、水回りや壁、家具など様々な場所のカビ取りにも使用できます。
5.フローリングの黒カビを予防する方法
フローリングの黒カビ防止には、水分対策が最も重要です。
雨漏りや配管の故障による漏水がある場合は、その原因を追究し、速やかに修理を行う必要があります。
フローリングに水分が残らないようにすることが、カビ発生の防止につながります。
他にも湿度管理や掃除などもカビ予防に繋がるので、ここではすぐに出来るカビ対策をご紹介します。
5-1.窓の結露を防ぐ
フローリングの黒カビの原因として、窓の結露は特によくあるケースです。
冬場は窓ガラスに結露が発生しやすいので、これを放置するとフローリングへの水分の落下が黒カビの原因となりえます。
そのため、結露はこまめに拭き取り、フローリングが濡れないようにしましょう。
結露が多い場合は、エアコンや除湿機を使用したり、サーキュレーターで空気を循環させたりしましょう。
また、結露防止シートを活用するのもおススメです。
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出典:amazon
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5-2.湿度管理をする
カビは20~30℃の温度と高湿度を好むため、快適な室温がカビの発生しやすい環境と一致します。
温度管理だけではカビの発生を完全に防ぐことは難しいので、湿度をコントロールすることが重要です。
カビは湿度が60%以上だと活発になるため、できるだけ湿度を60%以下に保つようにしましょう。
そのため湿度が高い時は、エアコンや除湿機を使用して除湿してください。
晴れた日には積極的に換気を行い、室内の湿気を外に逃がすのもおススメです。
5-3.こまめに掃除をする
フローリングに生じるカビは、人のフケや皮脂、髪の毛、食べ物のカスなど日常の汚れやゴミを栄養源として成長します。
これらを効率良く除去するには、定期的に掃除機で吸い取ることが重要です。
定期的な掃除でカビに栄養を与えず、発生を抑えることができます。
フローリングの溝や隅には、チリやホコリがたまりやすいため、これらの部分は特に注意して掃除する必要があります。
溝は爪楊枝や古い歯ブラシを使って掃除し、隅はハケを用いると効果的です。
また、掃除機はフローリングの継ぎ目に沿ってかけると、ゴミの侵入を防ぐことができます。
掃除機をかける時間がない場合は、乾いたタイプのフローリングワイパーが便利です。
掃除機と違って音がしないため、時間帯を問わず使用できます。
フローリングワイパーを使えば、カビの栄養となるホコリや髪の毛を手軽に除去できます。
さらに、掃除機をかける前にフローリングワイパーでホコリを取ることで、部屋のホコリ立ちも減らせます。
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出典: amazon
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5-4.フローリング水拭きに注意
多くの現代住宅で使用されるフローリング材質は、主に合板の上に薄い仕上げ材を貼り合わせたもので、その表面は水や汚れを防ぐために樹脂加工が施されています。
しかし、水拭きを繰り返すと、この加工に悪影響を及ぼし、フローリングを傷める原因になります。
日常の掃除では、掃除機でのゴミ除去後、乾燥したモップやワイパーでホコリを取り除く方法が推奨されます。
頑固な汚れには水拭きも必要ですが、その際は雑巾をしっかり絞ってから拭き、直後に乾いた雑巾で水気をしっかり拭き取ることが大切です。
この方法により、フローリングを長持ちさせることができます。
5-5.床に置いている物を減らす
床上に書類や箱などを直接置いていると、床の通気性が悪化し、カビのリスクが高まります。
床に物を置かないようにして、通気性を良くすることが重要です。
また、壁際など湿気が溜まりやすい箇所には特に注意するようにしましょう。
不要な物は積極的に処分し、可能であれば吊るすタイプの収納を活用したり、物を別の場所に移動させて床をスッキリさせてください。
そうすることで、通気性が改善されるだけでなく、掃除のしやすさも向上し、さらにカビが発生しにくい部屋にすることができます。
5-6.空気清浄機を活用する
目に見えないカビの胞子や花粉、ダニの死骸など空気中に漂っているチリやホコリなどは空気清浄機で吸い込んで除去するという方法もあります。
空気清浄機を利用することで、カビの胞子やアレルゲンとなる花粉、ダニの死骸といった空気中の微粒子を効率良く取り除くことが可能です。
空気清浄機の使用は、フローリングの黒カビ予防に直接的な効果をもたらすわけではありませんが、カビの胞子が空気中を浮遊し、新たなカビの発生源となるのを防ぐために役立ちます。
5-7.万年床にしない
フローリングの黒カビの原因として、布団やマットレスを敷きっぱなしにしているというケースも多くあります。
これは、就寝中に発生した汗が寝具に吸収され、その湿気が床に蓄積されてカビの発生を促すからです。
そのため、寝具は使用後に畳んで、風通しの良い場所で干すか、通気性を向上させるためにすのこを使用しましょう。
晴天の日には、布団やマットレスを外に干して十分に乾燥させるのもおススメです。
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5-8.ワックスでフローリングを保護する
フローリングの表面を保護し、カビや汚れの付着を防ぐためには、ワックスが有効です。
ワックスには油性、水性、固形などの種類がありますが、固形ワックスは床を滑りやすくするため、小さな子供がいる家庭ではあまりお勧めできません。
油性ワックスは水や汚れを効果的にはじくものの、水性に比べて滑りやすくなりがちです。
そのため、使用場所に応じて油性と水性のワックスを適切に選ぶと良いでしょう。
例えば、キッチンのような水はねが頻繁にある場所では油性ワックスを、リビングなどでは滑りにくい水性ワックスを選択するという方法です。
ワックスを使用する際の注意点として、ワックス塗布前にはフローリングのカビや汚れを徹底的に除去することが重要です。
フローリングにカビが存在する状態でワックスを塗ると、カビ取り剤が効かなくなり、カビを根本的に解決できなくなってしまいます。
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6.困ったときはカビ取り業者に依頼する
フローリングに広がった黒カビがひどくなったり、自分で対応するのが難しい、または忙しくて掃除の時間が確保できない時は、カビ取り業者の利用を考えてみてはどうでしょうか?
自分でカビを除去しようとしてフローリングを傷めてしまうリスクを避けるためにも、経験豊富なプロフェッショナルに相談することが推奨されます。
カビ専門家のコメント
フローリングのカビは扱いが難しく、時には原因が明確でない場合もあります。
また、フローリングが黒く変色しているのが必ずしもカビであるとは限らず、時には灰汁であることもあるケースも少なくありません。
フローリングのカビの原因は、大きく3つに分類されます。
- 水分にさらされている:万年床や観葉植物の水やけ、雑巾などが原因でカビが発生。
- 床暖房の漏水:循環式の床暖房からの漏水が木部に水分を与え、カビの原因となる場合があります。
- 原因不明:原因が不明なケースも2割ほどあります。
過去に、突然カビが発生して、部屋全体のフローリングが真っ黒になっていたという現場もありました。
これだけカビが広がっているにも関わらず、表面上は菌数検査しても菌が検出されず、床下をみても漏水している個所も見当たりませんでした。
このような場合は、フローリングや下地材を交換して様子を見る必要があります。
フローリングのカビの原因を正確に診断し、適切な対応を行うためにも、カビ取り業者に相談することが重要です。
専門家の知識と技術を活用して、カビ問題の解決を目指しましょう。
7.まとめ
今回は、フローリングに黒カビが発生した場合の対処方法や予防策について詳しく解説しました。
カビは見た目の問題だけでなく、健康へのリスクも伴うため、早期の発見と適切な対応が求められます。
フローリングのカビ対策するためには、以下の点に注意しましょう。
- 定期的な掃除と換気を心がけ、カビが発生しにくい環境にする
- 布団やカーペットは敷きっぱなしにせず、通気性を保つ
- 結露や飲み物をこぼした際は、直ちに水分を拭き取る
- 乾燥したフローリングワイパーを使用して、カビの栄養源となるホコリや汚れをこまめに除去する
- カビが発生したら、消毒用エタノールやフローリング用のカビ取り剤で除去する
万が一、フローリングの黒カビが手に負えないほど酷くなった場合や、自力での対処が難しいと感じたら、カビがさらに広がる前に専門のカビ取り業者に相談することをお勧めします。
カビ対策は日々の小さな心がけから始まります。
今日からでも室内環境を見直し、カビのない清潔な空間作りに努めてみてください。
<参考文献>
・横山泰子『上手なおそうじ 住まいの補修と手入れ』2008年、暮しの手帖社
・富永靖弘『イチバン親切な掃除と洗濯の教科書』2008年、新星出版
・一級建築士事務所Office Yuu『リフォームを頼む前に読む本』2004年、日本実業出版
・暮らしの便利研究会『暮らしに役立つ!メンテナンス便利帳』2014年、成美堂出版