障子のカビ取り方法

障子に使用されている紙のほとんどが和紙です。

和紙は採光性に優れており、和紙に光が差し込むと落ち着いたやさしい温もりがあります。

和紙の障子は風情があり、日本では昔から使われてきた素敵なインテリアのひとつです。

また、和紙は通気性が良く、外から室内に入る空気を清浄化する役目もあり、水分を吸収しやすい性質があり、ダニやカビが発生してしまうことが多い畳との相性が良いので和室に障子が使用されることが多いです。

和紙で作られた障子は湿度を調節してくれるというすばらしい役目もあるのですが、換気がされていない部屋などでは障子に含まれた湿気が逃げ場を失い、ホコリや砂、皮脂などの汚れから栄養分を得て、カビの原因となることがあります。

障子にカビが生える原因とは?!

カビは温度、湿度、栄養分の三つの要素がそろうことで発生します。

障子紙と障子の木枠はどちらも水分を吸収しやすい性質をもっています。

冬の期間は外気温と室内の温度差で特に窓の結露が発生しやすく、結露の湿気を障子や木枠が吸収してカビが生えやすくなります。

また、障子がある部屋であたたかい鍋や焼き肉のような湿度が上がってしまう調理をすると障子にカビが生えてしまう原因となることがあります。

障子がある部屋で鍋や焼き肉をした場合には、換気扇を回したり、すぐに換気をするようにして部屋に湿気がこもらないようにしましょう。

また、カビは発生するとそこから胞子を飛散させて次々と新たな場所に増えていきます。

例えば、障子にカビが生えることで木枠にもカビが生え

  • 和室の壁
  • ふすま
  • 天井
  • 押し入れ

など、どんどん増えていき、やがて部屋全体がカビに汚染されてしまうことにもつながります。

エアコンがカビを飛散させているかも?!

室内の乾燥に役立つエアコンですが、送風ファンなどエアコンの内部にホコリや汚れが付着していたり、エアコンをつけるとカビ臭がしていませんか?

エアコンの送風ファンについたホコリのように見えるものはカビであることがあります。

そのような状態でエアコンを使用すると室内にカビを飛散させてしまいます。エアコンは冷房によって内部が結露し、暖房にすると乾燥します。

障子の近くにエアコンがある場合には、エアコン周りが冷えて結露し、障子にカビが発生するということもあります。

結露は冬だけでなく、夏でも発生することがあり、結露が発生するとカビの発生にもつながります。

そのためエアコンの周りやエアコン内部のフィルターやファンの掃除も心がけましょう。

エアコンを洗浄する洗剤やエアコンのクリーニング業者もあります。

さらに、エアコンの内部を掃除する機能がついたエアコンもあります。

エアコンを有効に活用することで室内を乾燥させ、カビを抑制していきましょう。

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くらしのマーケット

障子にカビが生えてしまったら?!

障子にカビが生えてしまった場合、障子はデリケートな素材のため、漂白剤や消毒用エタノールを使用すると障子紙が破れてしまったり、木枠を変色させてしまうこともあり、そうなってしまうと最終的には張り替えをすることになります。

また、一度カビが発生すると、しっかりカビを除去しないと時間が経って再発をくり返すこともあります。

カビは私たちが目で確認できる状態になっているときにはかなり汚染が進行している状態です。

そのため、カビが発生してからの治療よりカビが発生しないようにしっかりと予防していくことが大切です。

自分でできるカビ対処法

障子紙のカビ取り

カビの程度が比較的軽度の場合には、漂白剤を使用した対処が可能です。

使用するものは

  • 綿棒
  • 漂白剤またはカビ取り剤
  • コップなどの容器
  • ぞうきん

です。

(↑お掃除用綿棒)

【手順】

①まずコップなどの容器に漂白剤等を少量入れます。

②綿棒の先に漂白剤等を少量含ませてやさしく障子のカビが生えている箇所に軽くあてるようにします。

③乾くのを待って完了です。

強い力で擦るようにしたり、綿棒に含ませる量が多い、化している障子紙などは破れてしまうおそれがありますので注意してください。

また、日焼けして黄ばんでしまっている障子紙や木枠の部分に漂白剤等がついてしまうと変色の原因となることがありますので気を付けてください。

自分でするのが不安な方や自信がないという方は専門の業者に依頼するのが確実です。

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木枠のカビ取り

①カビが生えている木部を水で濡らして湿らせます。

②その後漂白剤を塗り、5分程度放置します。

(使用する漂白剤は弱アルカリ性の酸素系漂白剤がおすすめです)

これに対し、塩素系漂白剤はアルカリ性です。

アルカリ性が高くなればなるほど、洗浄力は強くなりますが、素材へのダメージも強くなります。

そのため、木枠は塩素系漂白剤を使用すると傷んでしまうことがあります。

酸素系の漂白剤は塩素系の漂白剤に比べて洗浄力は弱いのですが、木枠へのダメージも少なく済みます。

漂白剤は原液で使用すると作用が強い場合があるので、水で10倍に希釈し、カビの状況によって少しづつ濃度を上げて様子を見るのが良いでしょう。

木枠の木目にカビが入り込んでいることがあるので、歯ブラシなどを使用して塗るのがおすすめです。

その後、濡れぞうきんで漂白剤を拭き取り、扇風機やドライヤーでしっかり乾かして完了です。

併せて消毒用エタノールを吹き付けておくと殺菌効果があるのでさらにカビ予防になります。

木枠にカビが発生したまま放置しておくと最悪の場合腐ってしまうこともありますので気をつけたいですね。

出典:Amazon

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しっかりとカビ取りするなら、カビ取り業者のハーツクリーンが開発したカビ取りマイスターをおススメします。

危険な成分は含まれていない為、木枠のカビ取りにも使用できます。

また、実際に業者が使用している液剤を誰でも使えるように改良した商品なので、自宅でプロレベルのカビ取りができます。

カビ取りをする際の注意点

漂白剤等を使用するため、必ず部屋の換気をしましょう。

変色や脱色の原因となってしまいますので、畳や床などに漂白剤が垂れないようにしましょう。

マスクやゴム手袋などを着用して安全な状態でおこなってください。

漂白剤を塗るときは最初に目立たないところで色落ちなどがないか確認してから全面に行うと安心です。

頑固なカビの場合には、一度で落ちないことがありますので何度かくり返し実施してみましょう。

障子のホコリや汚れがたまりやすいのはココ!

障子は桟の部分と敷居の部分に特にホコリが溜まりやすいです。

サッシ用のブラシ、歯ブラシなどを使用すると桟や敷居などの細かい部分のホコリを落としやすいです。

障子は乾いたハンディモップやはたきなどでホコリを落としましょう。

モップ部分が汚れたら洗ってくり返し使用できるハンディモップなども販売されており経済的です。

ホコリをはらうときには上から下に向かって掃除をしていくのがポイントです。

最後に下に落ちたホコリを掃除機でまとめて吸い取りましょう。

ホコリの原因となるのは主に衣類などの布製品の繊維のクズです。

部屋に布製品を極力減らすようにするとホコリの発生を防ぐことができます。

障子のカビ防止対策は?!

障子のカビを防ぐためには部屋の「換気」が重要です。

天気が良い日に窓を開けて室内の汚れた空気を外に出し、清潔な空気を入れましょう。

雨の日や、晴れていても前日が雨だった日は外の湿度が高いので窓を閉め、エアコンのドライ運転や除湿モード、除湿器等を使用しましょう。

また、空気清浄機を使用すると空気中のカビ除去効果も期待できるので有効に活用していきたいですね。

結露対策と消毒でカビを防ぎましょう

結露が発生している場合にはこまめに拭き取るようにして障子紙や木枠が湿気を吸収してしまわないようにしましょう。

結露防止シートなどの結露対策アイテムを使用すると、結露の拭き取りの負担が軽減されるのでおすすめです。

さらに月に一度程度、障子に消毒用エタノールを吹き付けておくとカビが発生するのを防ぐことができます。

消毒用エタノールは揮発性が高いため、吹き付けたあとは拭き取る必要がありません。

障子以外のカビ対策でも消毒用エタノールは活躍してくれますので、ドラッグストアなどで購入して用意しておくことをおすすめします。

プラスチック製の障子紙も

障子紙には和紙の他に、プラスチック製の障子紙というものがあります。

プラスチック製の障子紙は薄い塩化ビニール製のシートで和紙を挟んで作られています。

様々なメーカーから障子用ののりを使用して貼るタイプやアイロン、両面テープを使用して貼るものまで種類が豊富で、ホームセンターなどでも購入することができます。

和紙は破れたり、汚れやすいので、お子さんやペットがいるおうちでは交換する頻度が高くなってしまうこともあるかもしれません。

そこで、日焼けや破れや汚れに強い丈夫な障子紙としてプラスチック製の障子紙があります。

強度をアップすると通気性は悪くなってしまうため、明るさなどが素材によって異なります。

プラスチック製の障子は丈夫ですが、結露が発生した場合には拭き取るなど手入れをしないでいると木枠の部分などにカビが生えてしまうことがあります。

それぞれの障子紙のメリット・デメリット

 和紙プラスチック製
価格
通気性×
耐久性
貼り替え頻度
水拭き不可可能

まとめ

  • 晴れた日の日中に換気をして湿気が部屋にこもらないようにしましょう。
  • 結露が発生したら障子がその水分を吸収してしまうので、すぐに拭き取りましょう。
  • カビに栄養分を与えないようにホコリや汚れは掃除して取り除きましょう。
  • 和紙とプラスチック製の障子を比較して自分に良い方を取り入れていくとメンテナンスが楽になります。
  • カビは発生してからの治療よりも発生しないようにする予防を心がけましょう。

和室を彩る障子を綺麗に保つために、日ごろからこまめな掃除や換気をしましょう!

<参考文献>

・山田芳照『NHK住まい自分流DIY入門DIYの素材と道具図鑑』2007年、NHK出版

・蓮見清一『パパッとさんのおそうじと収納のコツと基本』2012年、宝島社

・朝倉邦造『カビのはなし‐ミクロな隣人のサイエンス‐』2013年、朝倉書店

・浜田信夫『人類とカビの歴史 闘いと共生と』2013年、朝日新聞出版