クローゼットにカビが生えたら衣類にも移る!?カビ取りとカビ対策をプロが伝授
【質問】
家を建てて10年経ちます。最近、北側の部屋のクローゼットを開けたときにフワっとカビ臭さが漂う気がしてよく見てみると、クローゼットの壁面と床にポツポツとカビが生えていました。以前から、湿気対策のために除湿剤は置いていたのですが、若いころから大切にしている思い出のワンピースやブランドバッグをカビから守りたいので、クローゼットのカビを除去して再発を防ぐ方法を知りたいです。
クローゼット内にカビが発生した場合、そこから収納している衣類や小物にカビが広がってしまうことがあります。
もし衣類にカビが発生すると、カビ取りに手間がかかりますし、クリーニングに出した場合は大きな出費になるかもしれません。
また、カビはクローゼット内だけにとどまらず、天井や壁、そして最悪の場合は部屋全体にカビが広がる恐れもあります。
このような被害を防ぐためにも、初期段階での適切な対応が重要です。
この記事では、クローゼットにカビが生えた際の効果的なカビ取り方法や、衣類や小物をカビの被害から守るための具体的な対策を紹介します。
この記事を読めば、カビ対策の知識が深まり、クローゼットだけでなく、お部屋全体をカビから守ることができるでしょう。
この記事でわかること |
・クローゼットのカビ取り方法 ・クローゼットのカビ対策 ・クローゼットにカビが生える原因 |
1.クローゼットのカビを発見!まず行うべきことは?
カビはその胞子を通じて拡散し、新たな生息地で成長を始めます。
クローゼット内にカビが生えている場合、収納されている衣類や小物にも影響を及ぼす可能性があります。
クローゼットでカビを見つけた際は、以下の手順で迅速に行動して、衣類や小物を保護しましょう。
- 衣類や小物をクローゼットから取り出す
- 通気性の良い場所でこれらを干して乾燥させる
- 洗濯が可能なアイテムは洗濯し、乾燥機が使える場合は高温で乾燥させる
すでに衣類や小物にカビが発生している場合は、取り出す時にカビを拡散させる恐れがあるため、慎重に取り出し、ビニール袋などに入れて動かすようにしましょう。
また、カビが生えた衣類や小物は適切に処理することが重要です。
可能であれば洗濯したり、クリーニングに出したりして、これ以上の被害を食い止めましょう。
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2.クローゼットのカビを除去する方法
クローゼットに入っているものを全て取り出したら、クローゼットのカビ取り作業に入ります。
対処方法はカビの範囲や状態によって異なります。
ここでは、カビの状態に応じたそれぞれの対処方法について詳しく解説していきます。
2-1.表面や隅に少しだけカビが生えている場合
表面や隅に少しだけカビが生えている場合は軽度のカビなので、自力で対処できる可能性が高いです。
方法としては以下の3つです。
- 消毒用エタノール
- 酸素系漂白剤
- 次亜塩素酸ナトリウム
消毒用エタノールでのカビ取り方法
白カビなど表面に発生していて、色素沈着などがない場合は、消毒用エタノールでカビ取りしましょう。
用意するもの
- 消毒用エタノール
- 雑巾
- マスク
- ゴム手袋
ドーバー パストリーゼ77
出典:Amazon
カビ取り手順
ステップ1:準備
- 良好な換気を確保し、マスクとゴム手袋を身に付けます。
ステップ2:カビ除去
- クローゼット内のカビが生えている箇所を中心に、消毒用エタノールを染み込ませた雑巾を使用して丁寧に塗布します。カビの生えた部分にしっかりとエタノールを行き渡らせることで、カビの除去を行います。
- エタノールを塗布した後、約5分間そのままにしておき、カビに対して消毒用エタノールが効果を発揮するのを待ちます。
- 指定の時間が経過した後、別の乾いた雑巾を使用して、塗布したエタノールを拭き取ります。この際、カビの胞子を拡散させないように注意しながら拭き取りを行ってください。
ステップ3:乾燥と再配置
- エタノールの拭き取りが完了したら、クローゼットを自然に乾燥させます。クローゼットの扉を開けた状態で、良好な通気性を確保し、乾燥を促進させてください。
- クローゼットが十分に乾燥したことを確認した後、衣類や小物を元の位置に戻します。この時、再びカビが生えないように、衣類はしっかり乾燥させてから戻すようにしてください。
■関連記事■カビ除去にエタノール消毒剤は有効?!種類や選ぶときのコツとは?!
酸素系漂白剤を使ってカビ取りする場合
色素沈着がある場合は、酸素系漂白剤をお湯に溶かした溶液でカビ取りをするのも1つの方法です。
ただし、素材によっては使用できない場合があります。
使用前には必ず目立たない部分で試し、素材への影響を確認してください。
用意するもの
- 酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム含む顆粒タイプ)
- 雑巾
- お湯(約40℃)
- 容器(4リットルのお湯が入るサイズ)
- マスク
- ゴム手袋
グラフィコ オキシクリーン
出典:Amazon
シャボン玉石けん 酸素系漂白剤
出典: Amazon
カビ取り手順
ステップ1:安全対策
- 良好な換気を確保し、マスクとゴム手袋を身に付けます。これは、漂白剤を使用する際の刺激から自身を保護するためです。
ステップ2:漂白剤の準備
- 酸素系漂白剤(オキシクリーンなどの顆粒タイプ)をキャップ1杯分、約40℃のお湯4リットルに溶かします。この希釈濃度はあくまでも目安ですので、使用する漂白剤のラベル表示を確認し、推奨されている使用量を参考にしてください。
ステップ3:カビ取り作業
- 酸素系漂白剤を薄めた液に雑巾を浸します。その後、雑巾を固く絞り、クローゼット内のカビが生えている部分に塗布していきます。この作業では、カビに直接漂白剤の溶液が行き渡るようにしっかりと塗布することが重要です。
ステップ4:仕上げ
- 漂白剤を塗布した後、約10分間放置します。その間、漂白剤がカビに作用し、色素沈着を解消します。
- 指定時間が経過したら、別の固く絞った雑巾で水拭きし、漂白剤をしっかりと拭き取ります。最後に、クローゼットを十分に乾燥させて作業は完了です。
次亜塩素酸ナトリウムを使う場合
クローゼット内に結露や漏水が原因で黒カビや青カビが生じた場合、漂白効果の高い次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系カビ取り剤の使用が効果的です。
しかし、クローゼットの素材によっては、塩素系カビ取り剤で変色する可能性があるため、使用前には製品のラベルや注意事項を丁寧に確認し、目立たない箇所で変色テストを行ってから使用してください。
また、木材の部分に使用すると、変色や劣化させる恐れがあるため、カビ取り剤の使用はおススメできません。
自分でのカビ取りが難しいと感じたら、無理をせずカビ取り業者に相談するようにしましょう。
プロの技術で安全かつ効果的にカビを除去してくれるので、再発防止にもつながります。
用意するもの
- 塩素系カビ取り剤(次亜塩素酸ナトリウム)
- 雑巾
- 水
- ゴム手袋
- マスク
- ゴーグル
ジョンソン カビキラー
出典:Amazon
カビ取り手順
ステップ1:安全対策
- 換気を確保するために窓を開け、ゴム手袋、マスク、ゴーグルを着用します。塩素系カビ取り剤を使用する際は塩素ガスが発生する可能性があるため、これらの保護具を装着し、十分な通気性を確保することが重要です。
ステップ2:カビ取り剤の塗布
- 雑巾に塩素系カビ取り剤を直接吹きかけ、カビが生えている気になる部分に塗布します。この際、均一にカビ取り剤が行き渡るように、しっかりと塗布してください。
ステップ3:拭き取りと乾燥
- カビ取り剤を塗布してから約10分間放置し、カビ取り剤がカビに十分に作用するのを待ちます。その後、水で湿らせて固く絞った別の雑巾で、カビ取り剤をしっかりと拭き取ります。最後に、拭き取った箇所が完全に乾燥するまで放置し、水気をよく乾かしてください。
2-2.クローゼットの内にカビが広がっている
2-1.表面や隅に少しだけカビが生えている場合で紹介した方法でカビが除去できなかったり、カビが再び発生したりした場合は、カビ取り専門業者への相談をお勧めします。
クローゼットや衣類にカビが広がり、深く根を下ろしている状態では、自分だけでのカビ除去は困難です。
また、カビが悪化すると以下のような対応が必要になる可能性があります。
- 大がかりなリフォーム工事
- 衣類や小物を全て処分
被害を最低限に食い止めるためにも、専門業者に相談を検討してみてください。
もし予算の問題で業者に依頼するのが難しい場合、業者が使用しているカビ取り剤と同レベルの液剤を購入してカビ取りするという方法もあります。
カビ取りマイスターキットは、プロが使用しているカビ取り剤と防カビ剤を、家庭用に使いやすくしたセットです。
刷毛やカップなどの必要な道具もセットに含まれているため、すぐにカビ取りを行いたい方にピッタリです。
また、危険な成分は含まれていない為、クローゼットのように水で洗い流せない場所でも安心してご使用いただけます。
2-3.服などにもカビがうつりカビ臭さもひどい場合
クローゼットの中にカビが広がり、衣類にもカビが移りカビ臭さがひどい状態になった場合、自分だけで対応するには限界があります。
このような状況では、カビが付着した衣類をクリーニングに出したり、酷い場合は処分を検討することが必要です。
さらに、クローゼット内のカビ除去作業はカビ取り専門業者に依頼することを強く推奨します。
カビが深刻な状態にあると、カビの菌糸が素材の奥深くまで伸び、表面のカビ取りだけではカビを完全に取り除けず、再発のリスクが高くなります。
また、カビの被害が進んでいる場合はカビ取り施工だけでなく、リフォーム工事が必要になることもあります。
特にクロスの剥がれや浮きが見られる場合は、リフォームの検討が必要です。
広範囲にカビが広がっている場合には、プロフェッショナルの力を借りてしっかりとカビを除去し、再発を防ぐための対策を行うようにしましょう。
■関連記事■クローゼットのカビとニオイを取り除き、再発を防ぐ方法をカビ取りのプロが伝授!
3.クローゼットにカビが生える原因
カビは以下の4つの条件が揃っている場所に発生するものです。
- 湿度
- 温度
- 栄養素
- 酸素
一般的に人が快適に感じる温度はカビの成長にも適しています。
そしてクローゼットは、衣類に付着した埃、汗、皮脂などによって、カビの栄養源や湿気が溜まりやすいです。
これらの条件がすべて揃った場合、カビは短期間で急速に広がることがあります。
さらに、以下の要因もクローゼット内のカビ発生に寄与します。
- 天井や壁からの漏水
- 結露の発生
- カビが生えた衣類
- 雨漏り
- 不十分な換気
これらは主に湿気の増加や通気性の低下と関連があり、カビの発生を促進することがあります。
また、水害や漏水、雨漏りが発生した場合には、カビ取りだけでなく、問題の根源となる配管や水道管の修理をするようにしてください。
4.日頃からできるクローゼットのカビ対策
クローゼット内にカビ広がってしまうと、洋服や収納している小物類にまで被害が出てしまいます。
そのような事態になってからでは、膨大な時間や費用が掛かる恐れがあります。
そうならないようにするためにも、日頃からカビ対策を行いましょう。
- 除湿剤や小型の除湿機で除湿する
- 濡れた衣類を収納しない
- ビニールカバーを外してから収納する
- 定期的に扉を開けて換気する
- サーキュレーターの風を当てて通気性を上げる
- 不用品は処分しモノを詰め込み過ぎない
- ホコリや汚れなどをためないようにこまめに掃除をする
- 衣類を定期的に洗濯したりクリーニングする
4-1.除湿剤や小型の除湿機で除湿する
クローゼット内の湿度が高くなるとカビの発生リスクが上昇します。
湿度を適切にコントロールするために、除湿剤や小型の除湿機を使用することが有効です。
除湿剤は、湿気を吸収してクローゼット内の空気を乾燥させる役割を果たします。
また、小型の除湿機は、より積極的に空気中の水分を取り除き、湿度をコントロールしてくれます。
これらのアイテムを利用することで、カビが生える環境を事前に防ぐことができます。
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4-2.濡れた衣類を収納しない
濡れた衣類は、クローゼット内の湿度を上昇させ、カビの発生原因となります。
外から帰った際や洗濯後は、衣類が完全に乾燥していることを確認してからクローゼットに収納しましょう。
これは、クローゼットだけでなく、収納されている他の衣類にもカビが広がるのを防ぐために重要です。
濡れた衣類を放置することなく、すぐに乾燥させる習慣をつけましょう。
4-3.ビニールカバーを外してから収納する
クリーニングから戻ってきた衣類は、ビニールカバーがかかっていることが多いです。
このカバーは湿気を閉じ込め、カビの発生を促す可能性があるため、クローゼットに収納する前にカバーを外すことが望ましいです。
カバーを取り除くことで衣類が呼吸しやすくなり、湿気が溜まるのを防ぎます。
また、衣類に新鮮な空気が触れることで、カビ臭さの防止にもつながります。
4-4.定期的に扉を開けて換気する
クローゼットは閉じられた空間であるため、定期的に扉を開けて空気を入れ替えることが重要です。
扉を開けることで、湿気が外に逃げ、クローゼット内の空気が新鮮に保たれます。
これは、カビの発生を防ぐだけでなく、衣類にこもった不快な匂いを取り除くのにも役立ちます。
季節の変わり目や、湿度が高い日には特に意識して行いましょう。
4-5.サーキュレーターの風を当てて通気性を上げる
クローゼット内の通気性を向上させるために、サーキュレーターの風を当てることも有効な手段の一つです。
空気の循環を促すことで、湿気が溜まりにくくなり、カビの発生リスクを下げることができます。
特に、扉を開けて換気する際に同時に行うと、より効果的に空気を入れ替えることができます。
4-6.不用品は処分しモノを詰め込み過ぎない
クローゼット内が物で溢れていると、空気の流れが悪くなり、湿気が閉じ込められやすくなります。
定期的に不用品を処分し、必要なものだけを収納することで、空気の循環を良くし、カビの発生を防ぐことができます。
物を詰め込み過ぎずに、スペースを適切に管理しましょう。
4-7.ホコリや汚れなどをためないようにこまめに掃除をする
クローゼット内部のホコリや汚れは、カビの栄養源となり得ます。
定期的にクローゼットの中を掃除し、ホコリや汚れを取り除くことで、カビの発生を防ぎます。
清潔な環境を保つことは、カビ対策の基本であり、衣類を清潔に保つことにもつながります。
4-8.衣類を定期的に洗濯したりクリーニングする
人の体から分泌される汗や皮脂、外部から持ち込まれるホコリなどは、カビの成長に必要な栄養素を提供します。
これらが衣類に付着したまま放置されると、クローゼット内のカビ発生の原因となり得ます。
特に、夏場や運動後には汗を多く含んだ衣類が増えるため、着用後は早めに洗濯し、完全に乾燥させることがカビ防止につながります。
また、長期間着用していない衣類や季節の変わり目には、クリーニングに出してプロの手で丁寧に洗浄し、清潔な状態で保管することもおススメです。
5.まとめ
今回はクローゼットにカビが発生した場合の対処方法やカビ対策について詳しく解説しました。
カビは一度発生すると除去が難しく、衣類やクローゼットを損なうだけでなく、健康への悪影響も考えられます。
したがって、日頃から湿度管理に注意し、クローゼットの定期的なメンテナンスを心がけることが大切です。
カビの問題に直面した場合、早期の対処が再発防止の鍵となります。
そして、自力での対策が難しい場合は、カビ取り業者に相談することも一つの手段です。
自宅の快適さと健康を守るためにも、クローゼットのカビ対策には十分な注意を払い、清潔で快適な生活空間を維持しましょう。