プロが教える!布団に生えたカビを効果的に除去する方法と9つのカビ対策

「来客用の布団を久しぶりに取り出したらカビが生えていた…」
「万年床にしていたせいで敷布団にカビが生えてしまったけど、こういう時はどう対処すればいいの?」

梅雨の季節や湿気の多い日が続くと、布団にカビが生えやすくなります。
布団は直接肌に触れるため、カビの発生によって健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
放置すると、アレルギー反応や呼吸器系のトラブルを引き起こす恐れもあるため、布団にカビを見つけたら迅速に対応しなければいけません。

この記事では、布団に生えたカビを効果的に取り除く方法と、カビを防ぐための対策について詳しく解説します。
布団のカビでお困りの方や、絶対に布団にカビを生やしたくないと思っている方は、是非この記事を参考にしてみてください。

この記事でわかること
・布団のカビ取り方法
・布団のカビを防ぐ方法
・布団にカビが発生する原因
・布団のカビが生えるNG習慣

1.なぜ布団にカビが発生するのか

布団にカビが発生する原因を知ることは、カビ対策をする上でとても重要なので、まずはその原因ついて解説します。

カビは増殖するために以下の4つの条件が必要と言われています。

これらの条件が揃うことで、カビは増殖します。
特に、湿度が高く気温が高い場所はカビにとって最適な環境となります。

そして布団にその環境が整ってしまうことがあるのです。

1-1.布団にカビが発生する原因

実は布団は、カビの発生条件を満たしやすい場所です。

人の皮脂やフケ、ダニの死骸などが布団に溜まりやすく、これがカビの栄養源となります。
これらの有機物は、カビが成長するための重要なエネルギー源です。

また、布団は人肌の温かさが伝わるため、カビが好む20~30℃の温度帯が保たれます。
この温度範囲はカビの繁殖に最適であり、特に夜間に人が寝ている間に布団が温まることで、カビの成長が促進されます。

さらに、布団は湿気がこもりやすい環境です。
特に押し入れに収納されている布団や、人の汗が染み込んだ布団は湿度が高くなりがちです。

湿度が60%以上になるとカビの繁殖が始まり、湿度が高ければ高いほどリスクが高くなります。
湿気は布団の内部に留まりやすく、乾燥しにくいことが多いため、長期間湿った状態が続くとカビが発生しやすくなります。

これらの条件が重なることで、布団はカビが生えやすい場所となります。
特に汗をよくかく人の布団や、発汗の多い赤ちゃんの布団はカビが発生しやすいので注意が必要です。

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1-2.布団に発生するカビの種類

続いて、実際に布団に生えやすいカビの種類を3つご紹介します。

クロカビ(クロカワカビ)

学名は「クラドスポリウム」で、家のいたるところに発生しやすいカビです。
お風呂場や壁、キッチンなど湿気が多い場所に生えやすく、日本全国で発生しています。

布団に黒カビが少しでも生えていたら、見えない箇所にもカビが広がっている可能性が高く、すぐにカビ取りを行う必要があります。

コウジカビ

学名は「アスペルギルス」で、味噌や甘酒など食品にも使用されるカビです。
白や黄色、褐色などの色で生えます。
種類は150ほどあり、人にとって有用なものが多いですが、中にはアフラトキシンという強力な毒素を産生するものもあります。

参考:厚生労働省「カビ毒のリスク評価」

ススカビ

黒いススのように繁殖するカビで、軽いため空気中に漂いやすい性質があります。
胞子を吸い込むとハウスダストの原因となることもあり、一般的なカビと同様に高温多湿の場所で増えやすいです。

2.自宅でできる!布団に発生したカビの除去方法

布団にカビが発生すると、就寝中にカビを大量に吸い込んでしまう恐れがあります。
これにより喘息やアレルギーなどの健康被害が発生する危険があるので、カビを見つけたら早急に対処しましょう。

2-1. 消毒用エタノール&重曹水で除去する

自宅で簡単に丸洗いできない布団の場合、まず消毒用エタノール重曹水でカビ取りしてみましょう。

エタノールはカビの発生を抑える効果があり、人体にとっても害が少ないため、カビの範囲が小さい場合に有効な手段です。
また、重曹水は天然の洗浄剤であり、カビを中和しやすくする効果があります。

用意するもの

  • 消毒用エタノール(70~80%濃度)
  • 重曹
  • スプレーボトル
  • 使い捨てペーパー
  • ドーバー パストリーゼ77

出典:amazon

  • シャボン玉石けん 重曹

出典:amazon

カビ取り手順

  • ①重曹水を作る

まずは重曹水を作ります。
スプレーボトルに小さじ1の重曹と100CCの水を入れてよく混ぜてください。

  • ②カビ部分に重曹水を吹きかける

布団のカビが生えている部分に重曹水をたっぷり吹きかけましょう。

  • ③ペーパーで水気を拭き取る

使い捨てペーパーを使って、水気をしっかりと拭き取ってください。

  • ④エタノールを吹きかける

さらに消毒用エタノールを布団に吹きかけてカビを死滅させてください。

  • ⑤布団を干して日光消毒する

布団を風通しの良い場所で天日干しをして、しっかりと乾燥させましょう。
また、紫外線には殺菌効果があるため、天日干しにすることでさらに効果が期待できます。

2-2. 布団OKのカビ取り剤で除去する

布団や布にも使用できるカビ取り剤もあります。
これを使用することで、簡単にカビを取り除くことができます。

カビ取り剤の成分には「次亜塩素酸ナトリウム」が含まれており、漂白効果もあります。
独特のハイター消毒の臭いがありますが、時間が経過すると消えるため、安心して使用できます。

使用方法はそれぞれの製品の指示に従ってください。

  • ビーワンコーポレーション カビホワイト カビソフト除去スプレー

出典:amazon

3.自宅で布団のカビ取りが難しい場合の対処方法

自宅でのカビ取りでは除去できなかった時は、以下の方法でカビ取りすることをおススメします。

3-1.コインランドリーで丸洗い

布団のカビ取りが自宅で難しい場合、コインランドリーでの丸洗いが有効です。
大型の洗濯機と乾燥機を備えたコインランドリーでは、布団全体をしっかりと洗浄し、乾燥させることができます。

カビが深く染み込んでいる場合でも、洗剤と高温の水を使って効果的にカビを除去できます。
洗濯後は、乾燥機でしっかりと乾燥させることで、カビの再発を防ぎます。
また、カビは熱に弱いため、高温で乾燥することでカビを死滅させる効果も期待できます。

布団の種類によっては丸洗いできないものもあるので、事前にタグなどを確認しましょう。

3-2.クリーニング業者に依頼する

自力でのカビの除去が難しい場合は、クリーニング業者に依頼するのが良いでしょう。
クリーニング業者なら専門的な知識と技術で、汚れやカビを落としてくれます。

しかし、布団に発生したのが黒カビだった場合、通常のクリーニング業者では断られることもあります。
理由は黒カビは非常に厄介なカビで、プロでも除去が難しいからです。

もし通常のクリーニング店では断られるほどカビが酷い場合は、カビ取り専門のクリーニング業者に依頼するのがおススメです。
カビ取り業者の除菌技術と老舗クリーニング店の熟練した技術で、徹底的にカビを除去してくれるでししょう。
ただし、他のクリーニング業者より料金が高いため、高級な布団や替えがきかないものなどのカビ取りに利用することをおススメします。

カビ取り専門のクリーニングを依頼する

3-3.ガス滅菌を依頼する

ガス滅菌は、布団に付着したカビや細菌、ダニなどを完全に殺菌する方法です。

専門の業者に依頼することで、エチレンオキサイドガスなどの殺菌効果のあるガスを使って布団内部まで徹底的に殺菌してもらうことができます。
これにより、カビの再発を防ぐだけでなく、アレルギーや喘息の原因となるダニや細菌も除去できます。

ガス滅菌は高い殺菌効果が期待できるため、特に衛生面に敏感な方や、カビの根が深くまで広がっている場合に適しています。

ガス滅菌を依頼する

3-4.買い替える

布団の広範囲にカビが発生し、自宅での処理やクリーニングでも十分に取り除けない場合、思い切って布団を買い替えるのも一つの方法です。
特に長年使用している布団は、劣化が進んでいる可能性もあるため、買い替えを検討する良い機会となるでしょう。

新しい布団を選ぶ際には、防ダニ・抗菌加工が施されているものや、通気性の良い素材を選ぶのがおススメです。

4.布団にカビを発生させるNG習慣

続いて、やってしまいがちな布団にカビを発生させるNG習慣を解説します。
心当たりがある場合は、今すぐに改善するようにしましょう。

4-1.万年床にしている

布団を敷きっぱなしにしていると、通気性が悪くなり、湿気がこもりやすくなります。
これにより、布団内部の湿度が高まり、カビが発生しやすい環境が整ってしまいます。

特に梅雨の季節や湿度の高い日には、布団が十分に乾燥せず、カビが繁殖するリスクが増します。
万年床の習慣は、布団の寿命を縮めるだけでなく、健康にも悪影響を及ぼす可能性があるので今すぐやめましょう。

4-2.結露する窓際に布団を敷く

結露している窓際に布団を敷くと、外気の湿気を布団が吸収しやすくなります。
特に冬場や湿度の高い時期には、窓際の結露が布団に移り、湿気がこもりやすくなります。
この環境では、布団が常に湿った状態になり、カビの温床となってしまうでしょう。

4-3.部屋の掃除や換気を行わない

部屋の掃除や換気を怠ると、部屋全体の湿度が高くなり、カビが発生しやすい環境が整います。
特に湿度の高い季節や、雨が続く時期には、部屋の空気がこもりがちになります。

また、埃や汚れが溜まると、それがカビの栄養源となり、布団だけでなく部屋全体にカビが広がるリスクが高まるでしょう。

4-4.起床後すぐに押入れにしまう

起床後すぐに押入れにしまうと、布団に残った湿気がこもったままになります。
就寝中にかいた汗が布団に染み込み、そのまま収納されることで、湿気が逃げ場を失い、カビが発生しやすい環境が整います。

湿気がこもることで、布団の内部まで湿気が浸透し、カビの繁殖を促進してしまうでしょう。

4-5.汚れが付着したまま放置

布団に食べカスやゴミなどの汚れが付着したままにしておくと、それがカビの栄養源となります。
栄養源がある場所ではカビの繁殖が早くなるため、布団全体にカビが広がる恐れがあります。

また、食べ物の残渣が布団に残ることで、カビだけでなく、ダニの繁殖も助長され、不衛生な寝具環境が形成されてしまいます。

4-6.滅多にシーツを洗わない

シーツは、日常的に汗や皮脂、埃が付着しやすいため、清潔に保つにはこまめな洗濯が大事です。

もし定期的に洗わないとシーツが不衛生な状態になります。
この状態が続くとシーツだけでなく布団にも影響を及ぼすため、布団にもカビの栄養源が蓄積された状態になり、カビが繁殖しやすくなってしまうのです。

5.布団のカビを防ぐ!9つのカビ対策

最後に布団のカビが再発しないようにするためのカビ対策を紹介します。
今すぐにできるものから、アイテムが必要なものもあるので、できることから始めてみてください。

5-1.定期的に布団を干す

湿気が布団のカビの原因になるため、天気の良い日はこまめに布団を干すようにしましょう。
布団を両面しっかりと干すことで、湿気がたまりやすい部分も乾燥させることができます。

日光には殺菌効果もあるため、カビの発生を防ぐだけでなく、ダニの予防にも効果的です。

5-2.布団乾燥機を活用する

梅雨時期や花粉症のため布団を外に干せない場合は、布団乾燥機の使用がおすすめです。
布団乾燥機は一気に高温で布団を乾燥させることができるため、ダニやカビの原因を効果的に除去できます。

乾燥機を使用した後に、掃除機で布団の表面を吸い取ることで、さらに清潔な状態を保つことができます。
布団乾燥機は季節を問わず、手軽に布団のケアができる便利なアイテムです。

  • アイリスオーヤマ 布団乾燥機

出典:amazon

5-3.布団の下にすのこを敷く

布団を床に直置きしていると、湿気がたまりやすくカビの原因になります。
通気性を良くするために、布団の下にすのこを敷くのもカビ予防に有効です。

すのこは空気の流れを確保し、湿気を逃がす役割を果たします。
ホームセンターなどで手軽に購入できるため、簡単に導入できる対策の一つです。

  • アイリスプラザ すのこマット

出典: amazon

5-4.布団の下に除湿シートを敷く

すのこよりもコンパクトなものを使用したい場合は、除湿シートを布団の下に敷く方法もあります。
除湿シートは布団の湿気を吸収してくれるため、カビの発生を抑える効果があります。

ただし、除湿シートを敷いているからといって完全に安心せず、定期的にシート自体のメンテナンスも行いましょう。

  • ドライペット ふとん快適シート

出典:amazon

5-5.除湿機を使用する

部屋全体が湿気を帯びる場合や、梅雨時で湿度が高い季節には、除湿機を活用することが効果的です。
除湿機は部屋の湿度を下げ、カビの発生を防ぎます。
空気清浄機とセットになったタイプもあり、自分の部屋の広さや予算に合ったものを選びましょう。

また、寝室に窓がなく換気が悪い場合には、サーキュレーターや扇風機を設置して空気の循環を促進するのも効果的です。

5-6.起床後にすぐに畳まない

カビ予防として簡単にできる方法の一つが、「布団から出てすぐに畳まない」ということです。

使用直後の布団は、睡眠中に出た汗などの水分を多く含んでいます。
このまま収納するとカビの原因となるため、起床後は20分ほど放置して水分を蒸発させてから収納するようにしましょう。
これにより、布団内部の湿気を飛ばし、カビの発生を防ぐことができます。

5-7.換気と掃除をこまめに行う

カビ予防の基本として大切なのが、換気と掃除をこまめに行うことです。

朝起きてから窓を開けて部屋全体の空気を入れ替えることで、湿気を排出し、新鮮な空気を取り入れることができます。
また、定期的に掃除をすることで、湿気やホコリが溜まるのを防ぎ、カビの発生リスクを下げます。

簡単なことですが、これを習慣化することがカビ予防には非常に重要です。

5-8.布団の位置を定期的に変える

布団の位置を定期的に変えることで、カビの発生を防ぐことができます。

万年床にしている場合や、布団の位置を固定していると、特定の部分に湿気が溜まりやすくなります。
定期的に布団の位置を変えることで、湿気が一箇所に集中するのを防ぎ、カビのリスクを分散させることができます。

5-9.押入れにカビが発生していないかチェックする

布団を収納する押入れ自体にカビが発生している場合、それが布団に移ってカビが再発する可能性があります。
定期的に押入れのカビをチェックし、万が一発生していた場合は、押入れのカビ取りを行ってください。

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また、押入れが湿気を帯びている場合は、中に除湿剤を置くと効果的です。
除湿剤は定期的に交換し、常に乾燥した状態を保つようにしましょう。

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6.まとめ

今回は布団に発生したカビ取り方法やカビ対策について解説しました。

布団のカビは健康被害を引き起こす恐れがあるため、早急に除去しましょう。
軽度のカビで自宅でカビ取りする場合は、消毒用エタノールと重曹水を使用する方法があります。

もしカビが酷い場合は、自力では完全に除去できない可能性が高いです。
その場合は、カビ取り専門のクリーニング業者ガス滅菌を検討してみてください。
プロに任せることで、徹底的にカビを取り除いてくれるでしょう。

また、カビ取りが終わったら今度は二度とカビが発生しないように以下のカビ対策を行ってください。

そして、布団にカビが発生しやすいということは、もしかしたら室内にカビが発生し、空気中に大量にカビの胞子が浮遊している可能性があります。
その場合は、部屋のカビ取りが必要になるため、一度カビ取り業者に相談することをおススメします。

カビ取り業者に相談する

カビは私たちの健康を脅かす恐れがある危険なものです。
布団だけでなく部屋全体のカビを防ぎ、清潔で快適な生活空間の維持を目指してください。

プロが教える!布団に生えたカビを効果的に除去する方法と9つのカビ対策