カビを防ぐためのスーツケースお手入れ術

旅行に便利なスーツケースですが、お手入れの仕方や収納方法によってはカビが生えてしまうことがあります。今回は、カビを防ぐためのスーツケースのお手入れ方法についてご紹介していきます。

1. スーツケースのお手入れ方法

スーツケース(キャリーケース)を使用後、スーツケースを収納する前にお手入れする必要があります。特に行楽シーズンを終え、当分スーツケースの出番がないときは必ずおこないます。お手入れの内容は、

  • 汚れの除去
  • 乾燥

が主になります。

1-1. お手入れ手順

~スーツケースの表面~

スーツケースの使用後は、次の手順で手入れを行ってから収納します。

① 水で濡らし、硬く絞った雑巾(またはタオル)でスーツケースの表面や持ち手部分、キャスターを拭きます。

② 汚れが取れない場合は、雑巾や柔らかいスポンジを、中性洗剤を溶かした水に浸し、汚れを除去します。汚れが除去できたら、最後に水拭きして洗剤を拭き取ります。

~スーツケースの内側~

① 水で濡らし硬く絞ったタオルで汚れを拭き取ります。

② 臭いが気になる場合は、水ではなく消毒用エタノールで拭き取りをします。

③ 汚れが取れたら、消臭・殺菌効果を兼ねて消毒用エタノールをスーツケースの内側全体に吹きかけます。 

最後に、スーツケースを開いたまま、直射日光の当たらない風通しの良い場所で2,3日乾燥させてから収納します。

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1-2. 革製のスーツケースは要注意

スーツケースの素材は樹脂や布が一般的ですが、一部革製のスーツケースもあります。お手持ちのスーツケースが皮革である場合は、手入れに少し注意が必要です。

革は水に弱く、また消毒用エタノールを大量にかけると変色することがあります。革製のスーツケースを手入れする際は、皮革専用の除菌スプレーや拭き取りシートを使って汚れを除去しましょう。

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2. スーツケースにカビが生える原因

そもそもなぜスーツケースにカビが生えるのでしょうか。スーツケースにカビが生える原因は、

  • 付着した汚れがカビの栄養源になっている
  • スーツケース内は湿度が高くなりやすい

ということが要因となっています。スーツケースに付着したあらゆる汚れはカビの栄養源になります。埃、お菓子のくずや、砂、こぼれたシャンプー、化粧品類、髪の毛や糸くずなどこれら全てカビは栄養源にしてしまいます。

加えて、カビは湿気のある場所を好みます。旅行に行く際、スーツケースの容量ぴったり、または容量オーバーでも無理やり詰め込んでしまうという方は多いと思います。隙間がない状態のスーツケース内は湿度が高くなりやすいです。

さらに帰路になると皮脂や汗で汚れた衣類を詰め込むことになり、湿気を含んだものを長時間入れておかざるをえません。そうなるとスーツケース内の温度・湿度はさらに上昇しカビが生えやすい環境ができてしまうのです。

3. スーツケースのお手入れを怠ると?

カビ発生の原因からもわかるように、スーツケースは使用後のお手入れが非常に重要になります。スーツケースの汚れをそのままにしていたり、中を乾燥させずに収納してしまうと、保管中にスーツケースにカビが生えてしまうことがあります。

スーツケースの中だけでなく、表面に付いた傷や貼られたシールにもカビが生えてしまいます。他にも、石などが挟まったままのキャスターを使い続けることでキャスター部分を傷めたり、金属部分が錆びるなどスーツケース自体の劣化を早めてしまいます。

4. スーツケースにカビが生えてしまったら?

4-1. カビの除去方法

既にスーツケースにカビが生えてしまっている場合は、次の方法でカビを除去します。

~用意するもの~

  • 清潔なタオル
  • 消毒用エタノール
  • 歯ブラシやブラシ(必要に応じて)

~手順~

① カビが生えている部分に消毒用エタノールを吹きかけます。

② 乾いたタオルでカビを拭き取ります。(濡れたタオルはエタノールの効果を弱めてしまいます)

③ カビが取れない場合は、歯ブラシなどを使って軽くこすり落とします。

④ カビが取れたら、スーツケース全体に消毒用エタノールを満遍なく吹きかけ、風通しの良い日陰で乾かします。

4-2. 革製のスーツケースの場合は?

革製のスーツケースの場合は消毒用エタノールまたは皮革用の除菌スプレーを使用します。

消毒用エタノールには優れた殺菌作用があるため、革製とはいえカビが生えているような状態であれば気を付けながら使うことでカビを除去することができます。消毒用エタノールを使用する場合は直接スプレーせず、タオルにふくませ、少しずつ拭き取りましょう。

4-3. カビがとれないときは?

消毒用エタノールを使ってもカビが取れない、カビの状態がひどいといった場合は残念ですが新しいものへ買い替えた方がいいでしょう。

カビが生えたまま使い続けるとカビ汚染が広がるだけでなく、スーツケースに入れたものにまでカビ臭が付着したりカビが生えてしまうことがあります。

5. カビを防ぐ方法

スーツケースはきちんとお手入れし、正しく保管すれば非常に長持ちするものです。スーツケースのカビを防ぐための使用時の工夫や保管方法には次のことに気を付けてみてください。

5-1. 直射日光の当たらない風通しの良い場所に保管する

スーツケース使用後のお手入れをおこなった上で、スーツケースを収納する際は直射日光を避けた風通しの良い場所に保管します。高温になりやすい場所も避けましょう。

スーツケース内の温度・湿度が上がり、カビが生える原因になります。風通しの良い収納場所が見当たらない場合は、定期的に収納場所の換気をしたり、必要に応じてサーキュレーターや小型の除湿器を使うといいでしょう。

5-2. 中に乾燥剤(除湿剤)を入れる

保管中、スーツケース内にカビが生えるのを防ぐために、中に乾燥剤や除湿剤を入れておくのもおすすめです。内部に湿気が溜まるのを防いでくれます。

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5-3. 雨天時はスーツケースカバーを使用する

雨天時にスーツケースを持ち運ぶときには、撥水効果のあるスーツケースカバー(キャリーカバー)を使います。カバーがあれば濡れずに済むためカビが生えにくくなります。特に、乾きにくい布製のスーツケースを使っている方にはおすすめです。

5-4. 汚れたもの・濡れたものを長時間入れておかない

皮脂や汗で湿った衣類や濡れたタオル、濡れた折り畳み傘など水気のあるものを長時間スーツケースに入れておくことはやめましょう。

旅行中など洗濯できないこともあるかと思いますが、湿ったものはある程度乾かしてからスーツケース内に入れるようにします。たとえ洗濯できなくても湿ったまま入れておくよりは、臭いもカビ被害も抑えられます。

食べこぼしや泥汚れなど明らかな汚れがある場合は、拭き取ったり手洗い・乾燥するなどしてある程度汚れを落としてからスーツケースに入れます。

6. まとめ

今回はスーツケースのカビを防ぐお手入れ方法についてご紹介してきましたが、まとめると

● スーツケースのお手入れは、水または中性洗剤をつかって汚れを除去する。においが気になる場合は消臭・殺菌効果を兼ねて消毒用エタノールを使用する。

● 汚れが除去できたらスーツケースを開けた状態で2,3日乾燥させる。

● スーツケースのお手入れを怠ると、カビが生えやすくなるだけでなく、キャスターの傷みや金属部の錆などスーツケース自体の劣化につながる。

● スーツケースにカビが生えてしまったら、消毒用エタノールで除カビする。

● スーツケースのカビを防ぐには、使用毎にお手入れをおこなうことに加え、直射日光の当たらない風通しの良い場所に保管する。スーツケース内に乾燥剤や除湿剤を入れてもよい。

● カビを防ぐために、雨天時はスーツケースカバーを使用したり、汚れや湿りがあるものは一度乾かしたり汚れをある程度除去してからスーツケース内に収める。