フローリングに生えたカビの除去方法と再発防止対策
【お悩み】
敷きっぱなしのカーペットを掃除しようと、久しぶりに移動したら、カーペットの下のフローリングにカビが生えていました。カビが生えていると、身体にも影響があると聞いたことがあり、不安です。
フローリングのカビを落とす方法と再発を防ぐ方法を教えてください。
フローリングの表面にポツポツと生えるカビや、目地の隙間に入り込んだカビで困っているご家庭は少なくないでしょう。
フローリングのカビは衛生面に対する心配のほか、賃貸住宅では退去時の現状回復の問題もあります。
カビは見た目を損ねるだけでなく、健康被害の原因にもなるため、見つけたら早急に対処しなければなりません。
この記事では、フローリングに発生したカビを効果的に除去し、再発防止に役立つ対策を詳しく解説します。
カビ問題を根本から解消し、清潔かつ健康的な居住空間を維持するためのポイントをご紹介するので、カビに悩んでいる方は是非この記事を最後までお読みください。
この記事でわかること |
・間違ったフローリングのカビ取り方法 ・正しいフローリングのカビ取り方法 ・フローリングのカビ対策 ・フローリングにカビが発生する原因 |
目次
1.この方法はNG!やってしまいがちなフローリングのカビ取り
フローリングにカビが生えると、ただちにその除去と再発防止を図りたいと考えると思いますが、間違った掃除方法を試してしまうと、状況を悪化させる可能性があります。
これから紹介する3つの方法は、フローリングのカビの除去においては避けるべきです。
これらの誤った対応をしないようにしてください。
1-1.掃除機の使用
埃を掃除機で吸い込んだりするのと同じ考えで、フローリングに発生したカビを掃除機で吸い取ろうとする方がいます。
しかしこの方法は間違ったやり方です。
掃除機を使用すると、表面上のカビを物理的に取り除くことはできますが、カビの胞子を内部に取り込んでしまい、掃除機から排出された空気とともに室内に再拡散させる危険があります。
これにより、元々カビがあった場所だけでなく、家中にカビの胞子を撒き散らすことになりかねません。
カビの胞子は非常に小さいため、通常の掃除機のフィルターではすり抜けてしまう多いため、カビの問題をさらに悪化させることになるのです。
1-2.キッチン用・浴室用などのカビ取り剤の使用
キッチンや浴室用のカビ取り剤をフローリングのカビ除去に使用するのは避けた方がいいでしょう。
これらのカビ取り剤は、タイルやセラミックなど、水に強い素材を対象としており、フローリングのような木材製の表面には適していない場合が多いです。
使用すると、フローリングの表面を傷つけたり、変色させたりする可能性があります。
特に、フローリングの仕上げ材によっては、化学反応を起こしてしまう恐れもあり、最悪の場合、表面が剥がれるなどの深刻なダメージを与えてしまうこともあり得ます。
1-3.酢・重曹の使用
自然派の掃除方法として重曹や酢を用いることがありますが、これらをフローリングのカビ取りに使用することはお勧めできません。
重曹は研磨剤としての性質を持つため、フローリングの表面を傷つける可能性があります。
また、酢を使った方法も、べたつきが残ってしまったり、酢を栄養分に新たなカビが発生したりとさまざまなリスクがあるため、おすすめできません。
2.フローリングに生えたカビの正しい除去方法
カビは時間と共に範囲を広げていってしまうため、カビを見つけたら早急にカビ取りをしましょう。
ここでは正しいフローリングのカビ取り方法を紹介するので、カビにお困りの方は是非試してみてください。
2-1.消毒用エタノールでカビを除去する
フローリングのカビ除去には、まず拭き掃除が基本となります。
一般的に推奨されるのは、消毒用エタノールを使用する方法です。
ただし、フローリングの種類によってはエタノールが色落ちを引き起こすことがあります。
そのため、処理を始める前に目立たない箇所で試し塗りをして、2~3日間色の変化を観察してください。
もしエタノールが原因で色落ちする場合は、2-2.色落ちが心配なら薄めた逆性石鹸で行うで紹介するやり方で行ってください。
用意するもの
- 消毒用エタノール
- 清潔な布
- 歯ブラシ
健栄製薬 消毒用エタノールIP
出典:Amazon
カビ取り手順
- 布を使ってフローリングの表面を拭き、表面の汚れを除去します。
- 次に、消毒用エタノールをカビが生えている箇所に直接スプレーします。エタノールはカビの殺菌効果があります。
- エタノールをスプレーした後、もう一度布で拭き取ります。このとき、カビの胞子を広げないように注意してください。
- 目地や隅のカビは、歯ブラシを使用して掻き出し、再度布で拭き取ってください。
2-2.色落ちが心配なら薄めた逆性石鹸で行う
逆性石鹸は、通常の石鹸と異なり洗浄力はそれほど高くないものの、優れた殺菌力を持っています。
衛生管理が重要視される病院の食堂や医療現場などで活用されており、カビの除去にも適しています。
用意するもの
- 逆性石鹸(薄めた溶液)
- 清潔な布
アリナミン製薬 オスバンS
出典:Amazon
カビ取り手順
- 逆性石鹸を指定の比率で水で薄めます。通常は製品ラベルに薄め方が記載されています。
- 薄めた逆性石鹸溶液をカビが生えているフローリングの表面に塗布します。このとき、布を使用し、優しく拭き取るようにします。
- 逆性石鹸の場合、殺菌効果がありながらもフローリングの材質を傷めにくいため、色落ちが心配な場合に適しています。
- 処理後、もう一度清潔な水で湿らせた布で拭き上げると、べたつきを防ぐことができます。
■関連記事■無垢材の床にカビ取り剤を使用して良いの?
■関連記事■床材のカビを除去する方法
2-3.プロレベルのカビ取り剤を使うのもおススメ
カビ問題に対処するために、自宅でプロレベルのカビ取りを目指したい場合、カビ取りマイスターキットのような専門のカビ取りキットが非常に有効です。
この製品は、カビ取りの専門業者が現場で使用しているものと同レベルの液剤で、効果が高く、安全性にも配慮されています。
キットには、カビを根本から除去する強力な液剤が含まれているだけでなく、防カビコーティング剤もセットになっている場合が多いです。
このコーティング剤を使用することで、除去した後にカビの再発を防ぐことが可能になります。
自分で手軽に、かつ効果的にカビを取り除きたいと考えている方や、カビの再発を防ぎたいという方に特におすすめの方法です。
プロと同じレベルのカビ取り処理を自宅で実現することで、より清潔で快適な生活空間を維持することができます。
3.フローリングにカビが生える原因は?
カビと言えば水回りに発生するイメージなので、フローリングのような乾燥した場所で何故カビが発生するのか不思議に思う方もいるでしょう。
カビの成長には特定の環境条件が必要で、「水分・湿度」「温度」「栄養源」「酸素」の4つが主な要因です。
そして、これらの条件が揃うことで、フローリングでもカビが繁殖してしまいます。
3-1.水分・湿度
フローリングにカビが生える主な原因の一つは、過剰な水分や湿度です。
カビは湿度が60%以上ある環境を好み、特に床と敷物の間など、密閉されがちな場所では湿度が高く保たれやすくなります。
水回りからの水漏れ、日常の掃除で使用する水分、または湿気の多い日の室内の空気などが、フローリングにカビが生える湿度を高める原因となります。
3-2.温度
カビの成長に適した温度は22~25℃程度とされており、これは1年を通して多くの家庭内で保たれがちな温度帯です。
特に夏季に室内温度が上昇すると、カビの繁殖速度も加速します。
また、冬季でも暖房を使用することで室内が暖かくなるため、1年中気を抜けないのです。
3-3.栄養源
カビは人やペットからの皮膚細胞、皮脂、ホコリといった有機物を栄養源とします。
フローリングの上には日常生活からこれらの汚れが蓄積しやすく、カビの絶好の養分となりえます。
そのため、掃除をしていない部屋はフローリングにカビが発生しやすいのです。
3-4.酸素
カビの成長には酸素も重要な要素です。
カビは酸素を必要とする好気性の微生物であり、十分な酸素供給がある環境下で活発に成長します。
とはいえ、人間が生活できる場所には必ず酸素はあるので、この要因を排除することは不可能でしょう。
4.フローリングにカビが生えやすいシチュエーションは?
フローリングにカビが生える状況は、日常生活の中でよく見られるシチュエーションに起因することが多いです。
以下に、フローリングにカビが生じやすい典型的な状況を挙げ、それぞれについて解説します。
4-1.布団を敷きっぱなし
人は睡眠中に汗をかくため、布団は湿気を帯びがちです。
布団をフローリングに直接敷きっぱなしにしていると、布団と床の間に湿気が溜まりやすくなり、カビの繁殖に適した環境を提供してしまいます。
また、布団を敷きっぱなしにすることでホコリや皮膚の細片も蓄積し、カビの栄養源になります。
■関連記事■敷布団にカビが生える原因と対策方法
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4-2.カーペットの使用
カーペット下の環境は、湿気や汚れが溜まりやすく、カビが繁殖する条件を作り出します。
特に水分がこぼれた後に十分に乾燥させないと、カビのリスクが高まります。
防カビ処理されたカーペットや、高温の電気カーペットを使っていても、湿気によるカビ発生を完全に防ぐことはできません。
4-3.室内に観葉植物
室内で植物を育てる際、鉢からの水漏れや、植物に水を与える際の霧吹きでフローリングに水分が付着することがあります。
これがカビの成長に直接影響することがあります。
特に、鉢の周囲は湿度が高まりやすく、カビが生えやすい環境になりがちです。
4-4.水拭き掃除
フローリングの掃除で水拭きをする際、雑巾の絞りが不十分だと余分な水分が床に残り、カビの成長を促す原因となります。
掃除後は速やかに乾燥させることが重要です。
4-5.結露の発生
冬場や雨の日など、窓ガラスに結露が発生することがあります。
結露は気温差によって発生するため、外が寒くて、室内が暖かいと発生しやすくなります。
この結露が床に滴り、水分がフローリングに浸透してカビの原因となることがあるのです。
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5.フローリングのカビを防ぐための方法
フローリングのカビ予防は、日常のちょっとした心掛けで大きく改善できます。
カビが生じる主な要因は湿度、温度、栄養源であり、これらを管理することが重要です。
以下に、フローリングのカビを防ぐための具体的な対策を紹介します。
- 布団やカーペットは敷きっぱなしにしない
- こまめに換気する
- こまめに掃除する
- 通気性の良い家具の配置にする
- 水漏れにも注意
5-1.布団やカーペットは敷きっぱなしにしない
布団やカーペットをフローリングに直接長時間敷きっぱなしにすることは、カビの発生に直結します。
人の体温や湿気で暖かくなり、湿度が高く保たれることで、カビの理想的な繁殖環境を提供してしまいます。
布団は毎日使用後に畳み、定期的に日光にさらして乾燥させることが重要です。
ふとん乾燥機などをつかって乾燥させるのもおすすめです。
また、フローリングに直置きせずに、すのこを活用するのも効果的です。
そしてカーペットも定期的に外で干したり、掃除機でホコリや汚れを除去し、湿気をためないようにしましょう。
■関連記事■フローリングに布団を直置きするとカビが生える?!対策方法は?!
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5-2.こまめに換気する
カビは湿度が高いと繁殖しやすくなります。
そのため、室内の湿度を適切に管理することがカビ予防の鍵となります。
1日に数回、窓を全開にして換気を行い、室内の湿度を下げることが重要です。
特に、浴室を使用後や洗濯物を室内で乾燥させる際は、湿気が室内に溜まりやすいため、積極的に換気を行いましょう。
換気扇やサーキュレーターの使用も、空気の循環を促し、湿度を下げる助けになります。
湿度対策のために除湿機を設置したり、空気清浄機で空気中の埃やカビの胞子を除去するのもおススメです。
5-3.こまめに掃除する
カビはホコリや汚れなど、微小な有機物を栄養源として成長します。
そのため、フローリングの表面や隙間のホコリを定期的に掃除することが、カビ予防に効果的です。
フローリングワイパーや掃除機を使用して、日常的にホコリやゴミを除去しましょう。
また、大型家具の下や隅の部分も定期的に移動させて掃除することで、カビの発生を防ぐことができます。
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5-4.通気性の良い家具の配置にする
大型家具をフローリングの上に設置する際は、通気性を考慮することが大切です。
家具と壁、または家具同士の間隔を適度に空けて配置し、空気が流れやすい環境を作り出しましょう。
これにより、湿気が家具の下や裏で溜まりにくくなり、カビの発生リスクを減らすことができます。
また脚付きのベッドやソファなど、下に空間があいているとフローリングのカビ予防になるのでお勧めです。
■関連記事■家具のカビ被害とは?素材別のカビ取り方法&カビ対策も解説
5-5.水漏れにも注意
家の中で水漏れが発生すると、フローリングに直接水分が浸透し、カビの発生原因となります。
定期的に配管の点検を行い、水漏れが見つかった場合は迅速に修理を行うことが重要です。
また、窓の結露にも注意し、発生した結露はすぐに拭き取り、室内の湿度をコントロールしましょう。
窓の結露防止するためのグッズなどの活用もおススメです。
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もしフローリング全体にカビが生え、カビ取りだけでは再発を繰り返す場合には、リフォームをした方が良い場合もあります。
ただし、カビ取りをせずにフローリングだけを交換してもカビの原因が断たれていない場合、再発することもあります。
カビが原因でリフォーム工事をされる場合には、先にしっかりとカビ除去を行ってから修理するか、カビに詳しい専門のリフォーム会社に依頼されることをおすすめします。
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6.まとめ
今回はフローリングのカビ取りやカビ対策について解説しました。
フローリングに生じるカビは、美観を損ねるだけでなく、健康へのリスクも伴います。
そのためカビが発生した時は早急にカビ取りしましょう。
自宅であるものでカビ取りするなら、消毒用エタノールや逆性石鹸を使用するのがおススメです。
また徹底的にカビ取りする場合は、カビ取りマイスターキットなどの専用キットがおススメです。
そしてカビ取りが終わったら、今度はカビが再発しないように対策しましょう。
- 布団やカーペットは敷きっぱなしにしない
- こまめに換気する
- こまめに掃除する
- 通気性の良い家具の配置にする
- 水漏れにも注意
この記事を通じて、カビに強いフローリングの環境を整え、健康的で快適な住空間を維持するための一助となれば幸いです。
カビ対策は日々の小さな積み重ねが大切ですので、今回紹介した対策を実践し、美しいフローリングと清潔な家の維持を目指してください。
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