集中豪雨の影響で室内にカビが!まず何をするべき?
近年、線状降水帯をはじめとした集中豪雨による、水害が発生しています。
その結果、床下浸水や床上水害、土砂崩れ、がけ崩れなどが起こり、大きな被害を招きます。
雨が続くため、水害の被害からは免れたとしても、室内の湿度が高くなり、気が付けば色んなところにカビが生えているということも。
雨が長く続くと、洗濯物を外で干せないため、室内干しを繰り返し、さらに室内の湿度を上げてしまいます。また、この湿度が高い状態が続くことで、カビがあっという間に増殖し、カビによる健康被害の原因になります。
そのため、カビに気が付いたら早めに対処しなければなりません。
例えば、壁に結露が発生していて、タンスや衣類、小物類が近くにある場合には、まずカビの生えている場所から物を移動させます。
物がそのまま置いていると、風通しが悪くなり、さらにカビが広がる恐れがあります。
また、周囲の物にカビが広がるのを防ぎます。
長雨の影響で、押入れ内が湿気てカビが生えてしまっている場合、収納していた物は風を当てたり、干すなどして乾燥させましょう。
ただし、すでに室内全体にカビが広がっている場合には、カビの胞子が周囲の物にも付着している場合があるため、別の部屋に移動されるとかえってカビを広げる恐れがあります。この場合は、その部屋の中で干したり乾燥させたりしましょう。
目次
1-1.消毒用エタノールを使う
大雨の後、壁や床、天井などにカビが生えてしまったら、まずは応急処置として、消毒用エタノールを使ってカビを取ります。
ただし、素材によっては消毒用エタノールを吹きかけると、色が変色するものもありますので、目立たない場所で試してから使用するようにしてください。
使用する消毒用エタノールは、殺菌効果の高い70~80%濃度のものを使います。
ドラッグストアなどで手に入れることができますので、ラベルの濃度を確認してから購入しましょう。
カビ取り方法は、スプレータイプの消毒用エタノールをカビ部分に吹きかけ、数分後に乾いた布巾で拭き上げていきます。
表面に生えた軽度の白カビでしたら、これで取り除くことができます。
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出典:Amazon
カビ発生時にやってはいけないこと
最もやってはいけないNGの方法が「カビを水拭きすること」です。ホコリ汚れのように、水拭きで落としても、かえってカビのエサを与えていることになりますので、消毒用エタノールなど薬剤を塗布して殺菌させる必要があります。
また「掃除機でかける」こともNGです。排気部分からカビ胞子が舞ってしまいます。
風呂タイルや風呂の壁、キッチン、トイレ、など水回りの場合には、塩素系のカビ取り剤を使ってカビ取りしていきます。
ただし、大雨の後に風呂の天井から床、壁全てにカビが広がってしまった場合、自分で塩素系カビ取り剤を使ってカビ取りをすると、皮膚に付着したり、塩素ガスを吸い込んで体調を崩してしまうリスクの方が高くなります。
この場合、カビ取り業者に依頼するのが安全ではありますが、賃貸の場合にはまず管理会社に相談してみましょう。
また、持ち家の場合には、カビ取り業者に依頼して来てもらうまでの間、消毒用エタノールを使っての消毒や、50℃以上のシャワーを当てて、熱湯消毒、また、希釈した次亜塩素酸ナトリウム液を雑巾で塗布することで、応急処置になります。
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カビ取り業者のハーツクリーンが開発したカビ取り剤のカビ取りマイスターキットは、実際に業者が使用している液剤を誰でも使えるように改良した商品です。
そのため自宅でプロレベルのカビ取りができますし、危険な成分は含まれていないため壁や床、家具などのカビ取りにも使用できます。
1-2.サーキュレーターで湿気を乾燥させる
壁の結露が生じている場合には、扇風機やサーキュレーターの風を当てて、湿気を乾燥させましょう。この方法は普段のカビ予防対策としても活用できますので、湿気の多い部屋や靴箱、クローゼット、部屋干しした衣類などにも風を当てることでカビ予防になります。
1-3.布製品を移動し乾燥させる
寝室やクローゼット内、窓際のカーテンなどもカビが生えやすくなるため、壁などにカビを発生したら、乾燥させて避難します。また、既にカビ臭さがある場合には、洗濯可能なものは洗濯し乾燥させます。洗濯の際には「酸素系漂白剤」を加えて殺菌します。
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ただし、ウールやシルクなど使えない素材がありますので、洗濯表示を確認してください。
カーテンやシーツ、カバー、タオルなどは、浴槽に50℃程度のお湯を溜めて、そこでカビを熱湯殺菌します。この際も、熱湯を使用できる素材か洗濯ラベルで確認してください。
雨が続くと、床や壁に湿気がたまり、お布団やベッドマッドにまでカビ被害が出ることがあります。天気が悪いと、なかなか外に干せず、湿気が溜まる一方ですので、雨が続く時期は、ふとん乾燥機を使って、寝具の除湿をしましょう。
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出典:Amazon
2.カビの発生範囲が広すぎる場合
2-1.カビ取り業者に依頼する
1では、自分でできるカビ対策方法や応急処置の方法をお伝えしてきましたが、カビの発生範囲があまりに広く、自分では難しい場合、天井や壁紙の裏など手の届かない場所にカビ被害が広がってしまった場合には、専門のカビ取り業者に依頼することをおすすめします。
ただし、集中豪雨の後は、カビ取り業者に依頼が殺到し、施工までに時間が必要な場合も多くあります。
1日連絡が遅れただけで、カビ取り施工で来るまでに1週間ほどの差が出る場合も実際にあります。そのため、大雨によりカビが発生した場合には、カビ取り業者へ早めに連絡されることをおすすめします。
2-2.カビ取りとリフォーム工事で再発を防ぐ
- 大雨の度にカビが生えて困っている
- 雨が降ると、天井から漏水が起こりそこからカビが生えてしまった
このような場合には、ただカビ取りをするだけでなく、配管や断熱材の工事をしてカビの再発を防ぐ必要があります。
また、クロス(壁紙)の内側がカビている場合、クロスを取り除いてカビ取り施工をしますので、新しく壁紙を貼り換える必要があります。
カビ被害により、家が汚れてしまっている場合には、カビ取りとリフォームを組み合わせることで、カビを根本から解決し、済みやすいキレイなおうちにしていきます。
2-3.お引越しを検討する
大雨の影響で、部屋中にカビが広がり、自分でカビ取りできる規模ではない場合、お引越しも検討してみましょう。
カビが生えたまま放置し生活していると、カビ毒やカビの胞子を吸い続けることで「シックハウス症候群」などカビによる健康被害を引き起こす可能性があります。特に賃貸物件にお住まいの方は、カビ取り業者に依頼してかかる費用を考えると、別の物件へお引越しした方が早く、そして安く済む場合も時々あります。部屋の広さ築年数、管理会社が関与する・関与しないによっても変わってきますが、トータルの費用やリスクを計算してみて最も負担の少ないものを調べてみましょう。
ペットや抵抗力の低い高齢者、赤ちゃんがいるご家庭では、カビの健康被害が出る前に、お引越しをするというのも選択肢の1つとして入れておきましょう。
まとめ
集中豪雨の後に、家の中にカビが発生してしまった場合、そのまま放置するとカビ毒による健康被害が出る可能性があります。
そのため、カビの範囲がまだ小さい場合には、消毒用エタノールなどを使って除カビし
カビが広がってしまった場合には、1日でも早くカビ取り業者に連絡しましょう。
また、漏水や結露が原因の場合には、再発を防ぐためにもリフォーム工事で根本から直すことも検討してみてください。
賃貸にお住まいで、集中豪雨の度にカビが生えてしまう場合には、お引越しも視野に入れましょう。