珪藻土のカビ取りはやすりで削ると良いの?!
吸湿性が高く、水気を吸い取ってくれるのでバスマットや水切り、コースターなど幅広く用いられている珪藻土。
本サイトでも、珪藻土バスマットのカビ取り方法や珪藻土水切りのカビ取り方法などをいくつかご紹介して参りました。
珪藻土は、吸湿性や消臭力の観点から小物類や壁の素材としても人気ですが、実際は自身が水分を吸収することから、通気性の悪い場所に置いているとカビが生えてしまうことがあります。
「リフォーム工事で、湿気を吸うからとおすすめされたので珪藻土の壁にしたがカビが生えてしまった!」
...というケースもあるようです。
そのようなカビ発生の対策方法や、吸湿力復活のお手入れとして行われる「やすりで削る」という手法について、果たしてその方法でカビを取ることができるのか、また人体への影響は大丈夫なのか、気になる方へ向けて今回は珪藻土のやすりがけは一体どうなのか、説明していきたいと思います。
目次
珪藻土とは?
まず、珪藻土とは一体どのような素材なのかについて説明していきたいと思います。
珪藻土は、植物性プランクトンなど藻類の化石を細かく砕いたもので二酸化ケイ素を主成分とします。珪藻土には表面に無数の穴があるため、湿気を吸収したり、乾燥しているときには湿気を放出するため調質性に優れています。また同様にニオイの原因も吸収することから、バスマットや水切りなど水回り製品として人気の素材です。
そんな珪藻土ですが、湿気の高い場所に長時間置くと、それ自体にカビが生えることがあります。
珪藻土にカビが生えたらどうすれば良いの?!
珪藻土にカビが生えたら、基本的には
①消毒用アルコールを吹きかけてカビ取り
②塩素系のカビ取り剤を使ってカビ取り
③それでもカビが取れない場合はやすりで削り取る
これらの方法をご紹介しました。
その中で③のやすりがけをするというのは、珪藻土製品のお手入れとして有効な方法と言われており、表面を再び綺麗にしたり、下がった吸湿性を戻すのによく使われる方法ですが、ちょっと注意が必要です。場合によっては、アスベスト(石綿)を吸い込んでしまうリスクがあるからです。
珪藻土バスマットにアスベスト含有の可能性
令和2年12月、ニトリやカインズなど一部メーカーの珪藻土バスマット、水切りなど珪藻土製品にアスベストが含有されている可能性が明らかになりました。
(参考:厚生労働省「アスベスト含有品の流通と販売者による回収について」より)
このため、該当する製品を使用している場合、使い方によってはアスベストを吸い込んでしまう可能性があります。
アスベスト(石綿)とは
繊維状けい酸塩鉱物のことで、保温断熱や防音効果があることから、以前はビルなどの建築工事などで使われていました。極めて細かい繊維状の物質なので、吸い込んでしまい肺がんなどの原因となる恐れのあるものです。
(参考:厚生労働省「アスベストQ&A」より)
アスベストがあること自体は、ただちに問題があるということではないようですが、飛び散ったり粉塵を吸い込んでしまうことで体に影響を及ぼす恐れがあります。
そのため、アスベスト含有の恐れのある珪藻土製品をお持ちの方は、やすりで削るなどの対処は粉塵を吸引するリスクがあります。そのままメーカーへ連絡をして、回収してもらいましょう。
該当しないメーカーの珪藻土バスマットなどは、特に問題ないかも知れませんが、今後アスベスト含有の可能性が明らかになる可能性もあります。万が一のことを考慮すると、できるだけ、やすりで削る以外の方法を用いた方が良いかも知れません。
削る以外のカビ取り方法
珪藻土のバスマットや水切りにカビが生えてしまった場合、軽度のカビであればまず洗剤で洗って、お日様に当てて乾燥させましょう。それでも落ちない場合は以下の方法があります。
①消毒用アルコールを吹きかける
軽度のカビでしたら、消毒用アルコールで殺菌することができます。全体的に吹きかけて、しっかりと乾燥させます。
ドーバー パストリーゼ77
出典:Amazon
②塩素系のカビ取り剤を使用する
カビの色素沈着がある場合には、カビキラーなど漂白効果のある塩素系のカビ取り剤を吹きかけてカビ取りをします。使い方は、カビ取り剤を吹きかけて15分ほど放置し、その後流水で洗い流してしっかりと乾燥させます。
注意点
いずれの場合でも、換気を必ず行い、マスクやゴム手袋を着用して皮膚を保護しましょう。
また、カビがあまりにも酷い場合には、処分も検討した方が良いかも知れません。
ジョンソン カビキラー
出典:Amazon
プロレベルのカビ取りをするならカビ取りマイスターキット
カビ取り業者のハーツクリーンが開発したカビ取り剤のカビ取りマイスターキットは、実際に業者が使用している液剤を誰でも使えるように改良した商品です。
そのため自宅でプロレベルのカビ取りができますし、危険な成分は含まれていないため珪藻土だけでなく、壁や家具、押入れなどのカビ取りにも使用できます。
珪藻土の壁がカビてしまった場合
珪藻土の壁に生えたカビは、ほんのごく一部分でしたら市販のカビ取り剤を使ってカビを取ることも可能ですが、吸収しやすい性質であるため、しっかりと塩素剤を除去しなければなりません。もしも、カビが広がってしまっている場合であれば、安全のためにもカビ取り業者に依頼することをおすすめします。
また、何度も珪藻土の壁のカビが発生する場合には、壁面のリフォーム工事を行うことで再発を防ぎます。壁面以外にも、断熱材の設置や換気扇の設置など、リフォーム工事には色んな種類がありますので、予算に応じて最も良さそうな方法を組み立ててみましょう。
カビが生える度にカビ取り業者に依頼していると、費用もかさみますので、あまりに繰り返す場合やカビによって健康被害が出ている場合には、根本的解決であるリフォーム工事も検討した方が良いかも知れません。
ハーツクリーンでは、カビ取りとリフォーム工事のプロの視点から、カビ取りと快適な住まいのリフォームの提案をしております。特に珪藻土の壁に生えたカビにお困りの方は多いので、根本的な解決を目指すためにもお気軽にご相談ください。
珪藻土のカビを防ぐ方法
バスマットやコースターなどの小物類であれば、使用後に立てかけて乾燥させることで、除湿しましょう。湿気を吸い込んだままにしていると、カビの原因となります。
また、こまめに中性洗剤でカビの栄養源となる汚れを放置しないことも大切です。消毒用エタノールを吹きかけて定期的に除菌しましょう。
珪藻土の壁にカビが生えないようにするためには「除湿」がポイントです。エアコンのドライ機能や除湿機を使って、湿気をこまめにとり除きましょう。また晴れた日は換気を行い、空気を循環させます。
押入れや家具の裏の壁、窓のない部屋の壁には、サーキュレーターや扇風機の風を当てることで、湿気を防ぎます。
まとめ
珪藻土のバスマットや水切りは調湿性や消臭力があり便利ですが、中にはアスベスト含有のものもあります。購入したメーカーをチェックし、該当するメーカーの珪藻土バスマットの場合は使用を中止し回収してもらいましょう。
また、カビが生えた場合はやすりで削り取ると、アスベストを吸い込んでしまう恐れがあります(アスベスト含有の可能性がある製品の場合)。
軽度のカビは洗剤で洗って日光に干したり、消毒用アルコールで殺菌する、また、カビの色素が沈着している場合にはカビ取り剤でカビ取りをし、それでもカビが取れない場合には、処分する方が良いでしょう。
珪藻土は湿気を吸収性質があるため、日ごろから使用後は立てかけて乾燥させたり、定期的に洗剤で洗ったり、換気をこまめに行うなど、清潔にしておくことでカビの発生を防ぎましょう。
珪藻土の壁の場合にはとにかく「除湿」がポイントです。除湿機やエアコンのドライ機能を活用して、湿度を下げるように心がけましょう。また、サーキュレーターの風を当てて乾燥させるのもカビ予防につながります。
バスマットなどの小物類ではなく、珪藻土の壁にカビが生えてしまった場合には、カビ取りの専門業者へ依頼しましょう。また、カビを繰り返す場合には、珪藻土をカビにくい素材の壁に変更するなどのリフォーム工事も検討しましょう。