珪藻土はカビに有効か?珪藻土バスマットにカビが生えた場合どうする?!

乾きやすい珪藻土もカビが生える?!

湿気を吸収し、さらにすぐ乾燥すると話題の珪藻土。

バスマットやコースター、歯ブラシスタンドなどさまざまなグッズに使われています。カビは湿気の多い場所に生える性質があるので、湿気が減るということは、珪藻土を置くことでカビ対策にもなるのでは?と考える方もいるでしょう。

しかし…そんな便利な吸水性バツグンの「珪藻土」でも取り扱いによってはカビが生えるというのをご存知でしょうか?

そこで今回は珪藻土とは何かという基本的な知識から、カビ対策に有効なのか、珪藻土にカビが生える条件についてもし珪藻土自体にカビが生えたらどうすれば良いのかなどについて解説します。

珪藻土とは何か

そもそも珪藻というのは植物プランクトンの一種。珪藻土は珪藻の死骸が海や湖の底に堆積し、化石となったものです。

珪藻土の歴史は古く、日本でも昔から七輪やコンロ、レンガの原料として使われてきました。今では壁塗りに使われる建材としても人気です。自宅の壁に珪藻土を使っている方も多いでしょう。

珪藻土は体に安全な素材です。熊本城では籠城戦に備えるため、内壁を食べられる珪藻土にしたとされています。ただ、もちろん現代の家に使われる珪藻土は食べることを前提にしているわけではありません。建材としての能力を高めるために添加剤などを加えていることがありますので、珪藻土を実際に食べるのは止めておきましょう。

珪藻土のメリット・デメリット


珪藻土が人気の素材とはいえ、さすがに万能ではありません。そこで、以下に珪藻土の詳しい特徴をメリットとデメリットに分けてご説明します。

メリット①「優れた調湿効果」

珪藻土最大のメリットであり一番の特徴と言えるのが調湿効果。壁の塗材として採用する最も大きな理由でもあります。

調湿効果の秘密は肉眼では確認できないたくさんの穴。夏のジメジメした時期にはこの穴が空気中の水分を吸収、乾燥する冬には水分を放出してくれるのです。

バスマットやコースターといったグッズも珪藻土の調湿効果を活かしたもの。バスマットであれば前にお風呂に入った人がいても足裏の気持ち悪さを感じずに済む、コースターであればコップにつきにくいとの理由で人気が集まっています。

実際に自分も珪藻土のバスマットを使用していますが、お風呂上りに濡れてもすぐに乾くのでタオルを使用するよりも気持ちがよいです。

湿気をコントロールするなら、当然珪藻土にはカビが生えにくいのだろうか、とも考えますよね。たしかに珪藻土は湿気を放出しやすいため、カビは生えにくいと言えるでしょう。実際、珪藻土のバスマットを使い始めてからカビが生えなくなったとレビューする方も多くいます。

珪藻土は吸湿性があるので、まわりのカビ予防にはなる。しかし珪藻土自体がカビる可能性も?!

メリット②「脱臭、消臭効果」


珪藻土は湿気を吸収すると同時に、空気中の臭いも吸収してくれます。なぜなら臭いの原因となる物質は空気中の湿気の中にあるからです。湿気を吸収してくれることはそのまま脱臭、消臭に役立つという意味でもあるのです。

ここで気になるのは、湿気を放出するときに臭いも放出するのではないかということ。しかし安心してください。たしかに臭いの原因物質も放出しないわけではありませんが、放出速度が非常に遅いため、人間が知覚できるほどの量は出ません。

デメリット①「カビが発生しないわけではない」


先ほどカビが生えにくいと説明はしましたが、決して生えないわけではありません

たとえば湿気が常に多い場所にさらされている場合、珪藻土は水分を放出できず内部に溜まり続けます。

特に危険なのがバスマット。更衣室はお風呂場から流れてくる湯気で湿度が高くなっている状態が長く、いくら珪藻土といえど長時間放置しているとカビが生えることもあります。

壁に塗っている場合も家具などが置かれ湿気がこもりやすい状態になっていると、十分カビが生える可能性があります。

カビを防ぐためには定期的に換気を行うこと。窓を開ける、換気扇を回すなどの対策はもちろん、バスマットなど小さなグッズは壁に立てかけるなどの工夫をすると良いでしょう。

※特に珪藻土バスマットは湿気を吸いやすいので、定期的に乾燥させないとカビが発生する可能性も

デメリット②「ひび割れしやすい」

壁に塗る珪藻土はほとんどの場合プロの手によって施工されるでしょう。この場合は大きなひび割れを警戒する必要はありません。

問題は小さなグッズ類。上に硬いものを落とすと簡単にひびが入りますし、割れることも十分考えられます。

カビ取りのプロに相談

珪藻土に生えたカビの除去方法

それでは実際に珪藻土にカビが生えたらどうすればよいのか。小さなグッズ類に生えた場合、壁に生えた場合に分けて解説します。

①小さなグッズ類の場合

絶対にやってはいけないのが石鹸や洗剤で洗うことです。これは珪藻土の表面にある小さな穴が詰まり、調湿効果がなくなってしまうため。

珪藻土の性質を損なわせないためにも紙やすりでカビを削りましょう。紙やすりはホームセンターで購入できます。店員に400番の紙やすりを探していると伝えればすぐに見つかるでしょう。

②壁の場合

壁に生えたカビは市販のカビ取り剤を使うことで除去することができるかもしれません。しかし一般的なカビ取り剤は非常に強力な薬品であるため

  • しっかりと薬品を落とす
  • 乾燥した後もできるだけ触らない

などの注意が必要です。より安全を意識するのであればカビ取り専門の業者に依頼するのが一番の対策となるでしょう。

③珪藻土バスマットの場合

人気の珪藻土製バスマットにカビが生えた場合は、カビの範囲によって対策方法が違います。

詳しい手順は、以下のリンクに掲載してありますが

  • アルコールでカビを死滅させる
  • カビ取り剤でカビを除去する

この2つです。

珪藻土マットのカビ取り方法

①表面の汚れを落としておき、カビ取り剤を吹きかけます

②時間を置き、水ですすぎます(15~30分ほど)

③しっかりと乾燥させます

カビの範囲が狭い場合は、まず家庭用のアルコール消毒剤でカビを殺菌して様子をみましょう。

アルコール消毒剤はメンテナンス目的が〇

アルコールは目に見えないカビに有効なので、定期的なメンテナンスで行いって、 カビが目立ってきたら市販のカビ取り剤を使うという方法がおススメです。

まだカビが生える前から、お風呂掃除のついでに珪藻土バスマットにアルコール消毒剤を吹きかけるなどして早いうちに対策しておきましょう!

それでも難しい場合は買い替えよう

バスマットに広い範囲でカビが生えってしまった場合は、残念ですが廃棄された方が良いでしょう(その場合は地域のごみ捨てルールに沿って捨てましょう)

珪藻土バスマットを削るのは?

珪藻土のバスマットにカビが生えたときやお手入れをする際、メーカーによっては「削って使いましょう」とヤスリもセットで販売している場合もあるようです。

しかし、2020年12月のニュースによりますと、ニトリやカインズの珪藻土バスマットから、アスベストが検出され健康被害のリスクがあるということで自主回収が始まっています。

参考:朝日新聞デジタルより

削ってそのまま使用を続けると、アスベストを吸い込み健康被害の恐れがあるため、該当する商品を使用ちゅうの方は、使用を中止し、販売者へ連絡しましょう(メーカーが自主回収しています)

参考:厚生労働省「石綿(アスベスト)含有品の流通と販売者による回収について」

まとめ

珪藻土が湿度を調整してくれるとはいえ、吸収した水分を放出できなければカビが生えてしまいます。そのため定期的に換気を行うなどの対策は必要不可欠。

もしカビが生えてしまった場合、早めにカビ除去を行うか、手に負えない場合は処分した方が良いかもしれません。