
生理用品は紙ナプキンが主流ですが、肌や経済的にも優しく、繰り返し使えるエコアイテムとして布ナプキンを使う方も増えていますよね。
しかし、使い方や保管方法を間違えるとカビが生えやすいということをご存じでしょうか?

デリケートな部分に使うのにカビが生えてしまうなんて、肌トラブルなど衛生面が心配になりますよね。
この記事では、布ナプキンにカビが生える原因と、効果的にカビを取り除く方法、そして再発させないためのお手入れのコツまで詳しくご紹介します。
正しい知識を身につけ、憂鬱な生理も布ナプキンで快適に過ごしましょう!
| この記事で分かること |
| ・布ナプキンにカビが生える原因 ・布ナプキンのカビを取る方法 ・布ナプキンのカビを防ぐお手入れ方法のコツ |
目次
布ナプキンにカビが生えた原因とは
そもそもなぜ布ナプキンにカビが生えてしまうのでしょうか。カビは栄養・湿度・温度・酸素の条件が揃うと発生します。布ナプキンにカビが生えてしまう要因はいくつかありますが大きくわけて二つあります。
一つは「布」という素材がカビの栄養になりやすいことと、もう一つに不十分・不適切な洗濯方法にあると考えられます。
布ナプキンはカビの栄養分が豊富

布ナプキンは綿や麻などの素材からできています。綿や麻などの植物性の素材はカビのかっこうのエサです。商品によってはオーガニックコットンなどが使用されていることもあり、そのような天然素材のものはなおさらカビの栄養分になりやすいです。
また、布ナプキン布を何枚か重ね合わせて作られているので、湿気を溜めこみます。使い捨てのナプキンよりも通気性が良くムレにくいと言われる布ナプキンですが生理用品ですので使用すると経血を含みます。
当然湿気がたまりカビの胞子が繁殖します。通常布ナプキンは2時間程度で交換する必要がありますが、使用済みのものは折りたたんでジップロックなどに入れて洗濯までその中で保管します。ジップロックの中に入れておく時間が長くなるほど血液汚れが内側にまで浸透してしまい、洗濯しづらくなるだけでなく、カビの栄養分も増やしてしまうことになります。
洗濯・乾燥が不十分
布ナプキンにカビが生えてしまう要因に、布ナプキンがカビの栄養分になりやすい素材であることや、生理用品ということから湿気を含みやすいということがあるのは先にお伝えした通りです。
ですが、洗濯・乾燥が適切になされていればカビは生えません。洗濯時に汚れが十分に落としきれていないことや、乾燥が不十分なまま再び使用したり片付けたりといったことが目に見えるカビにつながります。すなわち、布ナプキンの素材そのものと洗い残した血液などの汚れを栄養分とし、不十分な乾燥による湿気がカビを発生させてしまうのです。
■関連記事■布製品に黒カビ発生!?正しいカビ取りとカビ対策を徹底解説
布ナプキンのカビを取る方法
では、布ナプキンにカビが生えてしまったらどうしたらよいでしょうか。初めにお伝えしますと、カビが生えてしまった布ナプキンは捨てることをおすすめします。カビを取り除くことができたとしても、目に見えないカビ胞子が残っていることもありますし、何より衛生面が心配です。新しいものを購入される(もしくは作る)ことをおすすめします。
デリケートゾーンに使用するものですからなおさら、一度カビが生えた布ナプキンの再使用は控えた方がよいでしょう。ですが、気に入っているし、まだ捨てたくない…少しだけだから、応急処置でカビ取りしたい…といったことがあれば以下の方法でカビ取りをおこなってみてください。
布ナプキンのカビ取りで必要なもの
布ナプキンのカビ取りに必要なものは以下の通りです。
~用意するもの~
- 布ナプキンが入るサイズのたらいまたはバケツ
- ゴム手袋
- 酸素系漂白剤
- 布ナプキンがしっかり浸かる量の40℃前後のお湯
- 歯ブラシ(必要であれば)

グラフィコ オキシクリーン
出典:Amazon

シャボン玉石けん 酸素系漂白剤
出典: Amazon
通常、布ナプキンの洗濯は「もみ洗い→浸け置き→すすぎ→(洗濯機)」の流れで重曹またはセスキ炭酸ソーダを使っておこないます。セスキ炭酸ソーダとは絹や綿などの洗浄に用いられるアルカリ剤でたんぱく質を分解する作用があります。ナチュラルクリーニングには欠かせないアイテムで水に溶けやすい性質があり、皮脂汚れや血液などのたんぱく質汚れにも効果を発揮します。
ですが今回のようなカビ取りの場合はセスキ炭酸ソーダよりも酸素系漂白剤の方が除菌・漂白力ともに高く、おすすめです。シミになりそうなひどい汚れにも酸素系漂白剤は効果を発揮してくれます。顆粒タイプでも液体タイプでもどちらでも大丈夫です。
前置きが長くなりましたが、ここからはカビ取りの手順をお伝えしていきます。
カビ取りの手順
①ゴム手袋をし、バケツまたはたらいに40~50℃のお湯を入れます。
②そこに規定量の酸素系漂白剤を投入し、かき混ぜる。
③よく混ざったら布ナプキンを入れ、15~30分浸け置きする。このとき、蓋があれば蓋をすることで温度が下がりにくくなります。
③時間が経ったら布ナプキンを取り出し、きれいな水ですすぐ。カビが残っているようであれば柔らかめの歯ブラシで軽くこすり、カビを落とします。
④しっかりすすげたら天日干しして乾かす。漂白剤の残りが気になるようであれば、洗濯ネットに入れて洗濯機で洗っても大丈夫です。十分に乾燥させることがカビの再発を防ぐ重要なポイントになります。
■関連記事■日光消毒でカビは本当に死滅する?紫外線と熱の殺菌効果を徹底解説
注意点
ここで、布ナプキンのカビを取る際の注意点をお伝えします。一つ目は、使用する漂白剤についてです。使用する漂白剤ですが、塩素系漂白剤ではなく、酸素系漂白剤を使用します。
塩素系漂白剤は強力なカビ除去効果がありますが、一方で生地を傷めてしまったり色落ちする可能性があります。また、布ナプキンはデリケートな部分に直接触れるものですから、そこに塩素系漂白剤を使用すると思わぬ肌荒れに繋がってしまうこともあります。酸素系漂白剤は塩素系のものと比べると漂白効果はやや劣りますが色落ちの心配はなく、肌に与える影響は少ないです。二つ目の注意点は、ゴム手袋の使用についてです。漂白効果の緩やかな酸素系漂白剤とはいえ、漂白剤であることに変わりはありません。油断して素手で触れてしまうと肌荒れしてしまう恐れがありますので使用の際は必ずゴム手袋を着用しましょう。
以上が布ナプキンのカビ取り方法と注意点になります。カビ取り方法はお分かりいただけたかと思いますが、普段の意識や心がけ次第でカビを事前に防ぐこともできます。
■関連記事■【保存版】カビ取りで酸素系漂白剤を使う前に知っておきたい6つの注意点
布ナプキンのカビを防ぐには?
カビを防ぐにはまず、布ナプキンはカビが生えるもの!と知っておくことです。
布ナプキンを使用されている方の多くは、ご自身のからだを気遣い、安心・安全なものを選びたいと考えているのではないでしょうか。
ですので、普段から布ナプキンのお手入れもきちんとされていて、意図せずとも自然とカビ対策ができている方も多いと思います。だからこそ、布ナプキンにカビが生えるなんて考えたこともなかったかもしれません。
布ナプキンはカビのエサになりやすい素材であり、洗濯の仕方によってはカビが生えてしまうこともある、ということを知っておくだけでも日ごろの手入れの仕方が変わりますし、それだけでカビ予防になります。そして、布ナプキンのカビを防ぐ最大のポイントはしっかり洗い、十分乾燥させることです。作業は難しくありませんが丁寧に、確実におこなうことが大切です。
【カビ最新ニュース】天然繊維は「少量の湿気」でもカビが増えやすいと判明
近年発表された海外の繊維研究によると、衣類や布製品は素材によってカビの生えやすさに大きな差があることが明らかになりました。
実際の保管環境に近い、高湿度の条件下で比較調査をしたところ、綿やウールなどの天然繊維は、わずかな湿気や汚れがあるだけでも短期間でカビが増殖しやすいという結果となりました。
一方、ポリエステルなどの合成繊維は比較的カビが広がりにくい傾向が確認されています。
この結果は、布ナプキンのように天然素材で水分を含みやすい布製品は、洗い残しや乾燥不足がカビの原因となることを改めて示しています。
清潔に使い続けるためには、素材の特性を理解し、洗濯後は十分に乾燥させ、湿気の少ない環境で保管することが重要です。
参考:EurekAlert!|繊維素材ごとのカビ増殖リスクを調査した最新研究
布ナプキンのカビに関するQ&A
布ナプキンは肌に優しい反面、カビが生えると不安も大きいアイテムです。よくある疑問を整理しました。
Q1. カビが少しだけなら、洗って使い続けても大丈夫?
見た目が軽度でも、布ナプキンは直接肌に触れるためおすすめできません。
酸素系漂白剤で薄くなることはありますが、目に見えない菌や胞子が残る可能性があります。
衛生面を考えると、再使用は慎重に判断した方が安心です。
Q2. 天日干しすれば、カビは完全に殺菌できますか?
天日干しには一定の殺菌効果がありますが、カビを完全に除去できるわけではありません。
特に繊維の奥に入り込んだカビは残ることがあり、乾燥だけで「安全な状態」に戻すのは難しいと考えてください。
Q3. カビを防ぐために、いちばん大切なポイントは?
もっとも重要なのは「洗い残しを作らないこと」と「しっかり乾かすこと」です。
使用後はできるだけ早く洗い、浸け置き時間を長くしすぎないこと、厚みのある部分まで完全に乾燥させてから保管することが、カビ予防につながります。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は布ナプキンのカビを取る方法についてお伝えしてきましたが、まとめますと
- 布ナプキンはカビの栄養分が豊富で、湿気が溜まりやすい
- 布ナプキンのカビ取りには酸素系漂白剤を使用する
- 布ナプキンのカビを防ぐには洗濯・乾燥を十分におこなう
布ナプキンは直接肌に触れるものですから、しっかりとお手入れし、カビを防いで憂鬱な生理も快適に過ごしたいものですね。



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