服の白カビ取り方・落とし方完全ガイド│原因から洗濯・収納のカビ防止策まで徹底解説

「お気に入りの服に白い粉のようなものがついていた。これってカビ…?」
「白カビって自分で落とせるの?それともクリーニングに出したほうがいいの?」

衣類に付着する白い粉や点々は、白カビであることが多く、そのまま放置すると収納スペースや他の衣類にも広がる恐れがあります。

白カビは黒カビに比べて浅く付着するため、正しい方法を知っていれば自宅で除去することも十分可能です。
しかし、対処を誤ると生地を傷めたり、何度も再発する原因になるため、あらかじめ正しい知識をもって対応しましょう。

この記事では、服に生えた白カビの正体や落とし方、再発を防ぐための対策を詳しく解説します。
「白カビかも?」「どう対処すればいい?」と迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること
・白カビの正体と発生する原因
・自宅でできる効果的な白カビの除去方法
・プロに任せたほうがいいケース
・カビの再発を防ぐ洗濯と収納のポイント

目次

1. 衣類に現れる白い綿の正体と黒カビとの違い

白カビという言葉は耳にするものの、実際にどのようなカビなのか、詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか。
衣類を白カビから守るには、その性質や他のカビとの違いを理解しておくことが大切です。

ここではまず、白カビの特徴と黒カビとの主な違いについて解説します。

1-1. 白カビとは?衣類に現れる「白い粉・点々」の正体

白カビとは、比較的乾いた環境でも繁殖できる「好乾性カビ」の一種です。
見た目は、粉雪のような白い綿状やホコリのような微粒子で、衣類に付着する「白い粉」や「点々」は、白カビの胞子が繊維の表面に溜まった状態を指します。

白カビの主な特徴は次の通りです。

  • 表面にふわっと広がるため、初期段階であれば除菌で落としやすい
  • 繊維の奥まで入り込みにくく、漂白処理が不要な場合も多い
  • 食品・木材・衣類などの自然素材を栄養源とし、湿度65%前後の乾燥気味な環境でも増殖可能

早めに発見し、正しい方法で処理すれば、衣類へのダメージを最小限に抑えて除去できる可能性があります。

1-2. 黒カビは白カビとどう違う?繊維の奥まで入り込む厄介なカビ

一方の黒カビは、湿度の高い場所を好んで繁殖する種類で、浴室タイルや窓枠などに多く見られます。
衣類にも発生することがあり、その場合は繊維の奥深くまで菌糸が入り込みやすく、一度定着するとシミのように残り、除去が難しくなるのが特徴です。

衣類に黒カビが発生してしまった場合は、無理に自分で落とそうとせず、カビ対応実績のあるクリーニング業者など、専門のプロに相談することをおすすめします。

2. 白カビが衣類に発生する条件とその代表的な原因

一般的にカビは、以下の4つの条件がそろうと繁殖します。

衣類に付く白カビも「湿度(水分)・気温・栄養源・酸素」の4つが必要ですが、白カビは比較的乾燥した環境でも増殖しやすいのが特徴です。

そのため、一見カラッとして見えるクローゼットやタンスでも、知らないうちに白カビが広がっていることがあります。
実際、この4つの条件は、私たちの衣類まわりにおいて日常的にそろいやすい要素でもあるのです。

参考:文部科学省『カビ対策マニュアル 基礎編』

2-1. 見えない皮脂・汗汚れがエサに

「きちんと洗っているのに、なぜカビが…?」と思うかもしれませんが、洗剤の量や水量が足りていない場合、服に皮脂や汗の成分が残ってしまうことがあります。
また、逆に洗剤の量が多すぎると、すすぎ切れなかった成分が衣類に残ってしまうこともあります。

中でもカビが好むのは、次のような汚れです。

  • 襟元・袖口・脇に残る皮脂や汗
  • 洗剤や柔軟剤などの残留物
  • 食べこぼしなどに含まれる糖分やタンパク質の汚れ

これらは白カビの栄養源になり、カビの繁殖を促す恐れがあります。

2-2. 収納環境の湿気とホコリ

クローゼットや押入れは、一見乾燥しているようでも、実際には湿気がこもりやすく、空気が動かない場所です。
湿度が60〜90%になることもあり、白カビが好む条件が整いやすくなっています。

特に以下のような収納状態では、カビが発生しやすくなります。

  • 衣類をぎゅうぎゅうに詰めて収納している
  • 床に直置きして風通しが悪い
  • 衣替え後に長期間開けずに放置している
  • 除湿剤などの湿気対策をしていない

さらに、クローゼット内に溜まったホコリや糸くずも白カビの栄養源となります。
掃除の頻度が少ないと、気づかないうちに胞子が広がり、衣類全体へと広がってしまう恐れがあります。

2-3. 洗濯機内部のカビが衣類に付着

洗濯済みの服に白カビが発生することがありますが、それは洗濯機内部のカビが原因かもしれません。

以下のような症状がある場合は、洗濯機にカビが潜んでいる可能性があります。

  • 洗濯物がなんとなくカビ臭い
  • 黒くペラペラした汚れ(通称:ワカメ)が洗濯物に付く
  • 柔軟剤の香りが残らない

洗濯槽の裏側には、石けんカス・皮脂・ホコリ・湿気・温度というカビにとって最高の環境が揃っています。
そこで発生したカビの胞子は、洗濯中に水と一緒に広がり、洗った服に再び付着してしまうことがあります。

3. 素材に合わせた白カビの落とし方

白カビは、早期であれば自宅でも除去が可能です。
ただし、素材によっては間違った方法で処理すると、色落ち・型崩れ・生地の劣化につながる恐れがあります。

作業を始める前に、まず次の3つを行ってください。

  • 洗濯表示を確認する(水洗いや漂白が可能かどうか)
  • 目立たない場所で色落ちテストを行う
  • 換気を徹底し、マスクとゴム手袋を着用する

準備ができたら、衣類の状態や素材に合わせて、適切な方法で白カビを除去していきましょう。

3-1. 消毒用エタノールで除去する方法

消毒用エタノール(濃度70〜80%)を使った方法は汎用性が高く、多くの衣類に対応できるのが特長です。
色柄物にも比較的使いやすいですが、革やレーヨンなどのデリケート素材は色落ちの恐れがあるため、使用前に目立たない場所で確認することをおすすめします。

また、揮発性が高く引火の危険があるため、火気の近くでは使用しないように注意してください。

用意するもの

  • 衣類用ブラシ
  • 消毒用エタノール(濃度70〜80%)
  • 柔らかい布
  • 衣類用洗剤
  • マスク
  • ゴム手袋

出典:Amazon

カビ取り手順

  • ブラシでカビを払い落とす

衣類用のブラシで白カビを軽く払い落とします。
カビが舞って広がる可能性があるため、屋外での作業をおすすめします。

  • 消毒用エタノールを吹きかける

消毒用エタノールを衣類全体にスプレーします。
目に見えない部分にもまんべんなく行うのがポイントです。

  • 布で拭き取る

エタノールを少しなじませた後、柔らかい布でポンポンと軽くたたくように拭き取ります。
こすらず、やさしく叩くように行うのがコツです。

  • 通常通り洗濯する

素材に応じて、いつも通りの洗濯を行います。
他の衣類とは分けて洗うのが安心です。

  • 乾燥させる

直射日光または風通しの良い場所で、しっかりと完全に乾燥させましょう。
湿気が残ると再発の原因になります。

3-2. 酸素系漂白剤で除去する方法

白カビをしっかり除菌したい場合や、広範囲に広がっている場合には、酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)を使った浸け置き洗いが効果的です。

粉末タイプの酸素系漂白剤は発泡力があり、繊維の奥に入り込んだ汚れやカビの菌を浮かせて落とす作用があります。

ただし、ウール・シルク・革などのデリケート素材や金属パーツのついた衣類には使用できません。
必ず事前に洗濯表示を確認しましょう。

また、色柄物に使用する際は表示どおりの分量を守り、浸けすぎにも注意が必要です。

用意するもの

  • 酸素系漂白剤(粉末タイプ)
  • 衣類用洗剤
  • マスク
  • ゴム手袋

出典:Amazon

出典: Amazon

カビ取り手順

  • 漂白液を作る

40〜50℃のお湯に、酸素系漂白剤を表示通りの分量でしっかり溶かします。
オキシクリーンの場合は、4Lに対してキャップ1杯が目安です。

  • 衣類を浸け置きする

白カビが付いた衣類を入れ、20分程度浸け置きします。
素材や状態を見ながら時間を調整してください。(最大6時間まで)

  • もみ洗いしてすすぐ

軽くもみ洗いをして汚れを浮かせたら、水でしっかりすすいで漂白剤を落とします。

  • 通常通り洗濯する

素材に応じて、いつも通りの洗濯を行います。
他の衣類とは分けて洗うのが安心です。

  • 乾燥させる

直射日光または風通しの良い場所で、しっかりと完全に乾燥させましょう。
湿気が残ると再発の原因になります。

参考:株式会社グラフィコ『オキシ漬け|酸素系漂白剤【オキシクリーン(OxiClean)】公式サイト』

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4. 自分で落とせないカビはプロに任せる

白カビは自宅で対処できることも多いですが、衣類の素材や状態によっては、専門的な処理が必要なケースもあります。

ここでは、クリーニング業者に任せるべきケースと、カビ取り専門クリーニングについて解説します。

4-1. 自己処理が難しい衣類とは?

以下のような衣類は、自力でカビを落とそうとすると、素材を傷めてしまう可能性があるため注意が必要です。

  • 革、シルク、カシミヤなどのデリケート素材
  • ダウンや異素材が組み合わされた衣類(例:コート、ジャンパーなど)
  • 白カビが広範囲に及んでいたり、変色や悪臭が気になる場合
  • 洗濯表示に「水洗い不可」「ドライクリーニングのみ」と記載されている衣類

革やシルク、カシミヤのような繊細な素材や、構造が複雑なダウン製品は、自己処理によって型崩れ・色落ち・風合いの劣化を招くリスクがあります。

また、白カビの広がりが大きい場合や、カビ臭・変色がある場合も、無理をせずプロのクリーニング業者に相談するのが安心です。

4-2. カビを根こそぎ除去する「ガス滅菌」とは?

カビ取り専門クリーニングの中には、医療機器の消毒にも使われる「エチレンオキサイドガス(EOG)」を用いたガス滅菌を導入している店舗があります。

この方法では、衣類全体をガスで包み込み、水洗いやドライクリーニングでは届かない繊維の奥に潜むカビ菌や胞子まで徹底的に除去することができます。

ガス滅菌の特長は、衣類へのダメージを抑えながら、カビを根本から除去できる点です。

  • 湿気や熱を加えない処理のため、衣類へのダメージが少ない
  • 革製品やシルク、着物などのデリケート素材にも対応可能
  • 1箱単位で依頼できるケースが多く、バッグ・帽子・スカーフなどの小物類もまとめて処理できる

衣類に負担をかけず、カビの再発防止にも効果的なガス滅菌は、大切な服を守るための有力な選択肢です。

4-3. ハーツクリーニングなら“ガス滅菌+職人技”で安心

カビ取り専門クリーニングのハーツクリーニングでは、EOGガス滅菌で白カビの菌を確実に死滅させたあと、提携する老舗クリーニング店の熟練した技術で、シミ抜きや漂白などの処理を一点ずつ丁寧に施します。

この「ガス滅菌+職人仕上げ」の2段階対応により、通常のクリーニングでは落とせないカビ由来の色素沈着や頑固なシミまでしっかり対応できるのが大きな特長です。

実際に、他店で「対応不可」とされた衣類や、諦めかけていた大切な一着が蘇ったというケースも数多くあります。

「他のクリーニング店に断られた」
「もう捨てるしかないと思っていた」

そんなお悩みをお持ちの方こそ、処分してしまう前に、ぜひ一度ハーツクリーニングへご相談ください。

■関連記事■カビが生えた服はクリーニングで落ちる?白カビ・黒カビの対処法と料金・注意点を徹底解説

5. 白カビを寄せつけない洗濯のポイント5つ

白カビを一度取り除いても、「しばらくするとまた生えてきた…」というケースは少なくありません。
再発の原因として、皮脂汚れの落とし残し、乾燥不足、洗濯機内部のカビなどが考えられます。

ここでは、白カビの再発を防ぐために、洗濯の中で実践できる5つの予防ポイントをご紹介します。

5-1. 粉末タイプの弱アルカリ性洗剤を使う

白カビの主な栄養源は、衣類に残った皮脂や汗の汚れです。
これらをしっかり除去するためには、弱アルカリ性かつ酵素入りの粉末洗剤を使うのが効果的です。

  • 粉末洗剤は、液体洗剤よりもアルカリ性を保ちやすく、皮脂の分解力が高い
  • タンパク質分解酵素が含まれていれば、目に見えない汚れも浮かせて落とせる

洗浄力の高い洗剤を選ぶことで、白カビの「エサ」を衣類に残さず、再発を根本から防ぐことができます。

参考:花王株式会社『「花王 公式『見解」①エリ・ソデの皮脂汚れにはパウダー洗剤が良い』

5-2. 洗濯前に40℃のお湯でつけ置きする

洗濯前に約40℃のお湯で衣類をつけ置きすることで、洗剤に含まれる酵素の働きが活性化し、洗浄力が大きく向上します。
特に皮脂や汗の汚れをしっかり落としたいときに有効です。

つけ置き洗いは以下の手順で行いましょう。

  1. 洗濯機またはバケツに40℃前後のお湯を用意する
  2. 使用する洗剤をしっかり溶かす
  3. 汚れた衣類を入れて30〜60分ほどつけ置きする
  4. そのまま標準コースで洗濯する

この方法で洗うと、酵素が最も活性化する温度帯で働き、皮脂除去力が高まると言われています。

参考:皆川基・岡本幾子(1983)『たん白質汚れの洗浄に関する研究:ナイロン衿汚染布に付着する表皮角質層汚れの洗浄について』

5-3. 脱水後はすぐに干して湿気を残さない

洗濯が終わったあとは、できるだけ早く衣類を干すことがカビ再発防止の基本です。
30分ほど放置すると雑菌が繁殖し始め、湿った状態が続くと白カビの温床になります。

干す際は、以下のポイントを意識しましょう。

  • 洗濯機から取り出したらすぐに干す
  • 服同士の間隔をあけて風通しを確保する
  • 部屋干しの場合は扇風機・除湿機・サーキュレーターを併用する
  • 厚手の衣類は脱水時間を少し長めに設定して水分を減らしておく

また、干す場所も重要です。
カーテンレールや壁際など風の通りにくい場所では乾きが遅れ、再繁殖のリスクが高まります。

部屋干しする場合は、部屋の中央など空気が流れる場所を選び、早くしっかり乾かすようにしましょう。

5-4. 乾燥機やアイロンで熱による殺菌を行う

白カビの再発を防ぐためには、乾燥だけでなく殺菌効果のある「熱」を活用することも有効です。
特に湿気が残りやすい厚手の衣類や部屋干し時は、高温処理を加えることで雑菌やカビの原因菌を抑える効果が期待できます。

以下のような方法がおすすめです。

  • 乾燥機(80〜120℃)で短時間の高温仕上げ乾燥
  • スチームアイロンで襟元・袖口・脇部分を重点的に蒸気殺菌

アイロンをあてる際は、生地に応じて温度設定を調整し、傷まないよう注意してください。
熱処理は、乾燥の補助だけでなく、カビの再発を防ぐための効果的な殺菌手段です。

5-5. 月1回は洗濯槽クリーナーで掃除する

洗濯槽の裏側にカビが残っていると、洗濯中にカビ胞子が衣類に再付着するリスクがあります。
月に1回程度、塩素系洗濯槽クリーナーで洗濯槽の掃除を行いましょう。

手順は次の通りです。

  1. 洗濯機の電源を入れ、洗濯槽クリーナーを投入する
  2. 高水位まで給水し、「標準コース」で1サイクル運転する
  3. 終了後、槽内に汚れが残っていれば追加ですすぐ
  4. 使用後はフタを開けてしっかり乾燥させる

「槽洗浄コース」がある場合は、そちらでも使用可能です。

また、普段の洗濯の時から、使用後にフタを少し開けておくだけでも湿度が下がり、カビの定着を防ぐことができます。

参考:ジョンソン株式会社『洗たく槽カビキラー(塩素系)』

くらしのマーケット

■関連記事■洗濯物の黒いカスはカビ!?衣類&洗濯槽のカビの取り方や予防を徹底解説

6. クローゼットと押入れの防カビメンテナンス

いくら洗濯で白カビを取り除いても、収納環境が整っていなければ再発のリスクはなくなりません。
特にクローゼットや押入れは、空気がよどみやすく、湿気やホコリがたまりやすい場所です。

そのため、収納スペースの防カビ対策もしっかり行うようにしましょう。

6-1. 風通しを意識した収納環境をつくる

湿気がこもる最大の原因は、空気が動かない構造にあります。
収納スペースを工夫するだけでも、カビの発生リスクを大きく減らすことができます。

  • 密集しないようにハンガー同士の間隔をあける
  • 衣類の下にはスノコ+キャスター台を設置して床との接地を減らす
  • 収納ボックスは詰め込みすぎず、上部に隙間を空ける
  • 年2回の衣替え時には全部出して、エタノールで消毒をする

風が通る収納構造を意識することで、白カビの温床を回避できます。

■関連記事■放置厳禁!押入れやクローゼットがカビ臭いときの対策方法

6-2. 目的に応じて除湿剤を使い分ける

収納スペースの湿気対策には、場所や保管物に合った除湿剤を使うことが効果的です。
除湿剤の種類ごとに適した使い方があります。

  • クローゼット全体には吊り下げタイプ
     空間全体に効きやすく、交換時期も確認しやすい。
  • ボックスや引き出しにはシリカゲルタイプ
     狭い空間でも使いやすく、しっかり湿気を吸収。
  • 靴箱やバッグ収納には炭タイプや活性炭入り
     除湿と消臭が同時にでき、革製品にも適しています。

除湿剤は定期的に交換することで効果を維持できます。
使いっぱなしにせず、2〜3か月に一度の見直しを習慣にしましょう。

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6-3. 通気性のある衣類カバーを使用する

保管時のカバーが原因で、かえってカビを招いてしまうこともあります。
特にクリーニング後のビニールカバーは通気性が悪いため、そのまま使い続けるのはNGです。

カバー選びのポイントは以下の通りです。

  • ビニールカバーは外して通気性のある不織布カバーに交換する
  • 可能であれば光触媒加工タイプのカバーを使用(室内光で抗菌効果あり)
  • ロング丈の衣類には裾までしっかり覆えるサイズを選ぶ

衣類を守るつもりで使っているカバーが、実はカビの温床になっていないか、今一度見直してみましょう。

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6-4. 毎日の習慣でカビのリスクを減らす

白カビを寄せつけない収納をつくるには、道具や収納の構造だけでなく、日々の扱い方にも気を配ることが大切です。

以下のような習慣を意識してみましょう。

  • 帰宅後すぐに服をしまわず、数時間ハンガーにかけて湿気を飛ばす
  • 湿った手で衣類や収納スペースを触らないようにする
  • 週に1回はクローゼットの扉を開けて風を通す
  • 棚板や壁にホコリがあれば、乾拭きやエタノールで除菌する

このような日常の小さな工夫を取り入れるだけでも、収納内の湿気や菌のリスクを抑え、白カビの発生を効果的に防げます。

7. よくある質問(FAQ)

白カビに関する正しい知識と対策を身につけても、実際に対処していく中で疑問が浮かぶことは少なくありません。
たとえば、落ちたと思っていた白カビがあとから再発したり、素材によって処理の仕方に迷うこともあるでしょう。

ここでは、よく寄せられる質問とその対処法をご紹介します。

7-1. 白カビは洗濯だけで完全に落とせますか?

洗濯だけで見た目がきれいになっても、カビの菌が繊維に残っている可能性があります。
白カビは主に繊維の表面に付着するため、洗濯である程度落ちることもありますが、再発を防ぐには菌までしっかり除去することが重要です。

そのためには、消毒用エタノールや酸素系漂白剤を使用した除菌処理がおすすめです。

7-2. 洗えない衣類に白カビが発生した場合の応急処置は?

洗えない衣類に白カビが付いてしまった場合は、ブラッシングとエタノールによる応急処置が有効です。
以下の手順で、一時的にカビの広がりを抑えることができます。

  1. 屋外でブラシを使い、白カビを軽く払い落とす
  2. 粘着テープで表面のカビを丁寧に取り除く
  3. 消毒用エタノールをカビ部分にスプレーする
  4. 風通しの良い場所で乾燥、または天日干しする

この方法でもある程度の再繁殖は防げますが、完全にカビを取り除けるわけではありません。
着用する用事を終えたらできるだけ早くクリーニングに出すようにしましょう。

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7-3. クリーニング後に再発するのはなぜ?

収納環境に問題があると、白カビは再発しやすくなります。
特に、次のような状態のままでは、再びカビが発生するリスクが高まります。

  • ビニールカバーをかけたまま収納している
  • 除湿剤を使っていない、または交換せずに古くなっている
  • 一度着た服を洗わずに戻している

また、一般的なクリーニングではカビの菌まで完全に除菌できていないこともあり、目に見える汚れがなくても菌が残っていれば再発の原因になります。

再発を確実に防ぎたい場合は、カビ取りに特化したクリーニング業者に依頼し、ガス滅菌などの専門的な処理を受けるのが安心です。

7-4. 白カビが広範囲に生えたとき、自宅で落とすのは危険ですか?

素材や白カビの広がり具合によっては、自宅での処理はリスクが高く、専門業者に任せたほうが安心です。
特に以下のようなケースでは、自己処理によって生地を傷めたり、カビを完全に除去できないことがあります。

  • 革・シルク・カシミヤなどの高級・デリケート素材
  • 服全体に白カビが広がっている
  • 強い臭いや変色がある場合

先ほどの「7-3. クリーニング後に再発するのはなぜ?」でも触れたように、クリーニング後でも菌が残っていると再発の可能性があります。
デリケートな素材や重度の白カビには、専門的な技術を持つカビ取り専門クリーニング業者に相談するのが確実です。

8. まとめ

今回は、服に生えた白カビの原因・正しい除去方法・再発を防ぐ洗濯と収納のポイントまで、実践的な対策を幅広くご紹介しました。

白カビは放置すると広がりやすく、他の場所や衣類にも拡散する恐れがあります。
また、カビは健康に悪影響を及ぼすこともあるため、早めに対処するようにしましょう。

白カビは、状態によっては自宅でも除去が可能です。
以下のような方法を参考に、カビ取りを進めましょう。

白カビが広範囲に広がっている場合や、革・シルクなどのデリケートな素材が含まれる場合は、自宅で無理に対処せず、カビ取りに特化した専門クリーニング業者に相談するのが安心です。

特に、医療機器の除菌にも使われるエチレンオキサイドガス(EOG)による「ガス滅菌」などの高度な処理を行っている業者であれば、繊維の奥に入り込んだカビ菌や胞子まで徹底的に除去できるため、再発のリスクも大きく下げられます。

そして、カビを取り除いたあとは、再発を防ぐために日々のケアを継続することが大切です。

ちょっとした工夫の積み重ねが、お気に入りの服を白カビから守り、長く快適に着続けるためのカギになります。
今日からできることから少しずつ取り入れて、大切な衣類を清潔で心地よい状態に保ちましょう。