キッチンのカビは重曹で予防できる?!ナチュラルクリーニングの専門家に聞いた簡単お掃除術①
気温が上がってくると、キッチン周りはよりカビが生じやすくなります。キッチンは衛生的に保つことが基本ですが、キッチンアイテムの使い方によっては不衛生に。食中毒の原因となることもあるのです。
キッチンにはとカビがいっぱい
特にキッチンのヌメリは、雑菌が繁殖して起こる現象。ほっておくと、すぐにカビが発生します。そんな雑菌やカビだらけのキッチンで、家族が食べる料理を作っているなんて…!
そこで、家事研究家の佐光紀子先生に「正しいキッチングッズの扱い方」と「簡単なナチュラルクリーニングの方法」について解説していただきました。
目次
1.日々のキッチンのカビ対策は、熱湯と重曹で
キッチンのカビ対策の基本は熱湯へのつけ置きです。カビの菌糸は熱湯でほとんど死滅してしまうので、後は、ついているところからこすり落とすだけ。「そういう意味で、調理道具やキッチン小物は、できる限り熱湯消毒しやすいステンレスで揃えるのが正解です」とのこと。
ところが、実際には、キッチンで人気の100円ショップグッズなどのほとんどはプラスチック。熱湯をかけたりつけ置きできないケースも少なくありません。そこで今回は、キッチンに置いてあるグッズからカビの温床となりやすい例を5つに絞り、プラスチックグッズのカビ対策を教えていただきました。
【参考】文部科学省 「カビとは」
用意するもの
- 重曹
- 穴の広い容器
- ボロ布(ハギレなど)
プラスチックはやわらかいので、固いものでこすると傷がつき、中にカビが生えてしまうと、もうとれません。そのため、傷のつきにくいものでお手入れすることが大切なポイント!
「重曹は、プラスチックに傷をつけにくい研磨剤なので、水回りのヌメリやカビを落とすのにちょうどいいんです」と、佐光先生。
レック 激落ちくんの重曹
出典:Amazon
重曹の性質
炭酸水素ナトリウムや重炭酸ソーダとも言われます。弱アルカリ性で油や手あかなど酸性の汚れに効果を発揮します。研磨剤としても優秀で汚れに振りかけて落とすのが得意分野。カビを生やす前に汚れを除去するので、カビ対策にピッタリです。食用の重曹もありますが、お掃除の際にはお掃除専用のものを使うようにしましょう。
重曹は、かたまりやすいため穴の広い容器に移し替えて使うと便利とか。
佐光先生の愛用している容器は、この2つ。どちらも穴が大きめなのが特徴です。
カビを落とした道具は再利用したくないもの。ボロ布をストックしておけば、カビを落とした後は捨てられるので便利です。
ボロ布を軽く水でぬらしてギュッと絞り、上から重曹をひとつまみ程度ふりかけて布になじませれば準備完了。
スポンジ置きでヌメリを発生しやすい上側と裏側をこすります。
要は、ヌメリが発生する前に雑菌やカビをを寄せつけないよう予防することが大切なのです。
「1位 生ごみ置き」
三角コーナーにはじまり、最近では100円ショップにもビニール製や吸盤つきの生ごみ入れをよく見かけます。流しに生ごみ置いておくと、調理や洗い物の時に水がかかり、カビや雑菌にとって好都合の環境を作ってしまいます。
三角コーナーによくありがちな光景。ゴミが丸見えで見た目に残念な印象。
ビニール製のごみ入れも水分が貯まりやすく、雑菌によるヌメリが発生しがちです。このヌメリを放置すると黒カビも発生しやすくなります。
吸盤付きでビニールをかぶせるタイプのごみ入れもありますが、吸盤部分に汚れが付着しやすく、これも雑菌の温床になりやすいのでカビ予防の観点では、お勧めできません。
「生ゴミ受けのカビ対策で一番のお勧めは、生ゴミ受けを使うのをやめてしまうこと。代わりに、スーパーの肉などを入れる薄手のポリ袋やいらない封筒などを手元におき、調理中の生ゴミはぬらさずにポリ袋や封筒へポイ! 掃除もラクですし、何より衛生的です」
生ゴミはぬれると雑菌が繁殖し、臭いのもとにもなります。生ゴミ受けをやめて、なるべく生ゴミを水道でぬらさないようにすることで、臭い・ぬめり・カビの3つの対策にもなるのだそう。
「2位 スポンジ置き」
スポンジ置きは、穴が開いているので水気を切ってくれると思いがちですが、水分を含んだスポンが置いてあるため常にぬれた状態に。雑菌やピンク色のヌメリ、カビが繁殖しやすいところです。
スポンジ置きもヌメリを発生しやすい上側と裏側をボロ布につけた重曹でこすります。
要は、ヌメリが発生する前に雑菌やカビをを寄せつけないよう予防することが大切だとか。
「3位 食器かご」
次に、佐光先生が取り掛かったのは、食器置き場のかごです。食器を洗った後に一時的に置いているかごも要注意。かごの四隅もヌメリやカビが出やすい場所なのです。
ここでも活躍するのは、ボロ布と重曹!
ボロ布に水をつけて濡らした後に重曹をふりかけていきます。
汚れが付着しやすいかごの四隅と裏側の水分もよくふき取ります。
重曹の研磨力でクレンザー洗剤いらずです。
また、最後は軽くすすぐ程度で十分。重曹掃除は日々の水道代の節約にもつながりますね。食洗器のかごも同じです。ボロ布+重曹で掃除をしましょう。
注意点 スチール製のたわしで強くこすらない
このような、スチールたわしでこするのはNG! 傷がつき、中にカビがはえてしまう可能性があるので避けましょう。ボロ布と重曹があれば、たわしの代わりにもなります。
「4位 箸入れ」
同様に箸入れもヌメリにご用心! 直接口に入るものなので、カビやぬめりに触れないようにしたいもの。「箸入れはできればステンレスにしたいところ。
プラスチックの場合は、中に重曹をふりかけて、スポンジなどでこすります。」底の裏側も忘れずにチェックしましょう。
「5位 シンク回り」
食器や食品などを置くことがあるので、衛生には特に気をつけたいところ。スポンジも、食器用とは別のものを使いましょう。
ここで気をつけたいのが、シンク用のスポンジと食器洗い用のスポンジを並べておいておくことです。
食器洗い用と掃除用のスポンジを同じ場所に置いていたら、家族が知らずに掃除用のスポンジで食器を洗っていた…というといったこともおこりがち。
「シンクは雑菌が繁殖しやすいと言われているので、食中毒予防の観点からも、掃除用のスポンジは別の場所に保管するようにしましょう。いっそスポンジをやめて、ボロ布に重曹をふりかけたものでこすってそのまま捨ててしまうのを習慣化するのも一案です」
「でも、実はもっと簡単で効率がいい流しのお手入れ方法はね……」といって佐光先生が出してきたのが、これ。
「アルカリ電解水+重曹配合のおそうじシート」です。
水を電気分解して得られるアルカリ電解水と重曹を配合したウエットシートだから、油にも水垢にも最適。キッチン掃除の強い味方だと言います。
「しかも、厚手だから、広い範囲が掃除できちゃうの」
早速、普段のお掃除を試していただきました。
おそうじシートをスーッと1枚取り出して、コンロを拭いていきます。
まずはサッとコンロ周りを一拭き。力もいりません。
コンロの掃除が終わったら、汚れたシートを折りたたんで綺麗な面を下へ。
そのままサーッとシンクへ移動します。
1枚のおそうじシートで、シンクのくぼみから、水滴が貯まりやすい水栓金具回りをササっとひと拭き。
キッチンの掃除が終わったと思ったら、ゴミ箱へポイ!
たった2~3分でキッチン掃除の完了です。おそうじシート1枚でキッチンの掃除が丸ごとできるなんて便利ですよね。これなら面倒なキッチン掃除も、やる気スイッチが押されそうです。
佐光先生は「激落ちくんの重曹ウエットシートは、厚手のタイプがイチオシ!」とのこと。ドラッグストアでも購入できるので探してみてくださいね。
激落ちくんの重曹ウエットシートは、重曹配合のお掃除用ウエットシートです。独自製法で水を電気分解して得られるアルカリ電解水配合。エンボスの凹凸が汚れを絡めて拭き取り、超厚シートなので丈夫です。ニオイの元となる汚れや雑菌を取り除き、除菌・消臭効果は抜群。水拭きではとれない汚れをマイナスイオンが包み込んで浮かせて落としてくれます。
シート両面が使えるのでキッチン回りもこれ1枚で完璧です!
レック 重曹の激落ちくん 超厚
出典:Amazon
まとめ
・キッチンではカビや雑菌は要注意! 食中毒に気をつけましょう。
・キッチンのカビや雑菌が生えやすくなるキッチングッズを再確認しましょう。
・キッチンのエコ掃除には、重曹+ハギレが便利です。
・キッチングッズのお掃除は、特に上下と隅が重要になります。
・面倒なキッチン掃除は、便利なアイテムを使えば時短につながります。
<参考文献・資料>
・“つけ置きでやめ家事”がキーワード ナチュラルクリーニングの最強レシピ
佐光紀子著/扶桑社刊
佐光紀子 Noriko Sakoh
翻訳家、家事研究家。繊維メーカーや証券会社で翻訳や調査に関わったあと、フリーの翻訳者に。
地球にやさしい暮らし方の翻訳をきっかけに、重曹や酢などの自然素材を使った家事に目覚め、研究を始める。2002年に出版した『キッチンの材料でおそうじするナチュラルクリーニング』(ブロンズ新社)がベストセラーとなる。以来、日本でのナチュラルクリーニングを定着させ、第一人者として活躍。掃除講座や執筆活動など幅広く展開中。2016年、上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科博士前期課程修了。『〝つけ置きでやめ家事″がキーワード ナチュラルクリーニングの最強レシピ』(扶桑社)『家事は8割捨てていい』(宝島社)など著書多数。
<参考文献・資料>
“つけ置きでやめ家事”がキーワード ナチュラルクリーニングの最強レシピ
佐光紀子著/扶桑社刊
(ライター:川越光笑 Akie Kawagoe)
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