10000件のカビ取り現場を見て分かった、最もカビやすい場所のカビ取り方法

1年前に中古の分譲マンションを購入。脱衣所に洗濯機があり、洗濯物を取り出したときに壁にカビが生えていることに気づいた。発見が遅れたせいで広範囲にカビが広がっていた。マンションを購入して間もないためショック。これ以上ひどくなる前に対処したい。

というお悩みがありました。

今回は10000件のカビ取り現場を見てきた経験から、最もカビやすい場所をピックアップし、場所ごとにカビ取り方法を解説していきます。

1.家の中でカビが発生しやすい主な場所

家の中でカビが発生しやすい場所は、お風呂、押し入れやクローゼット、壁、窓周辺、エアコンや換気扇、寝室などがあります。

カビが発生する原因は

  • 「温度:20℃~30℃」
  • 「湿度60%以上」
  • 「カビの栄養源となる汚れやホコリなどが豊富」

という3つの条件がそろう場所です。これらの条件が揃うことで大量発生してしまいます。

2.お風呂

お風呂はカビが発生するための「温度」「湿気」「栄養分」の条件が特にそろいやすい場所です。

石けんカスやアカなど、カビが好む汚れが豊富に蓄積されており、水滴がたまりやすい場所にはカビが生えやすいです。

お風呂のカビにはカビキラーなどの塩素系漂白剤が有効です!

2-1.お風呂のカビ取り方法

カビ取り剤を使用しても汚れが落ちないという場合には、放置時間が短い場合が多いです。

しっかりと時間を置いてから洗い流すようにすることできれいに落とすことができます。

用意するもの

  • 泡タイプのカビ取り剤
  • ラップ
  • ゴム手袋
  • マスク

①カビが発生している場所に泡タイプのカビ取り剤を吹き付けます。

②ラップで覆い、放置します。

③カビの状態を確認し、カビが落ちていたらラップを外して水で洗い流します。

※注意点※

必ず換気しながら作業するようにしてください。

カビを吸い込んだり、皮膚に付着しないようにマスクやゴム手袋を着用して作業してください。

カビ取り剤は衣類につくと脱色や変色の原因になりますので、汚れても良い服に着替えてから作業してください。

出典:Amazon

3.押し入れやクローゼット

押し入れやクローゼットは空気が滞留しやすく、開放する機会が少ない場合や物を詰め込みすぎているなどが原因でカビが発生しやすいです。

3-1.押し入れやクローゼットのカビ取り方法1

押し入れに発生したカビが白カビや軽度のカビの場合には消毒用エタノールを使用してカビを殺菌することができます。

用意するもの

  • 消毒用エタノール
  • キッチンペーパー
  • マスク
  • ゴム手袋

①押し入れの中に収納している物を全て取り出します。

②キッチンペーパーに消毒用エタノールを含ませて押し入れを拭きます。

③押し入れの扉を開放したまま放置し、乾燥させます。

④押し入れが完全に乾いてから収納していた物を元に戻します。

※注意点※

カビを吸い込んだり、皮膚に付着しないようにマスクやゴム手袋を着用して作業してください。

消毒用エタノールはカビを殺菌することができますが、カビによる着色を落とすことはできません。

また、消毒用エタノールは揮発性が高いため、完全に乾くまでは火気厳禁です。

出典:Amazon

3-1-1.押し入れやクローゼットのカビ取り方法2

消毒用エタノールでは落とせないカビによる着色を漂白したい場合には酸素系漂白剤を使用します。

酸素系漂白剤は塩素系漂白剤ほどではありませんが、素材へのダメージがありますので必ず目立たない場所で試して問題がないか確認してからおこなうようにしてください。

用意するもの

  • 酸素系漂白剤
  • バケツや洗面器
  • ぞうきん2枚
  • マスク
  • ゴム手袋

①押し入れに収納している物をすべて取り出します。

②酸素系漂白剤をバケツや洗面器に入れ、水で5倍に希釈します。

③ぞうきんに②の液体を含ませて固く絞り、カビを拭き取ります。

④30分程度放置したら、別のぞうきんで水拭きし、酸素系漂白剤を拭き取ります。

⑤押し入れが完全に乾いてから収納していた物を元に戻します。

※注意点※

必ず換気をしながら作業するようにしてください。

カビを吸い込んだり、皮膚に付着しないようにマスクやゴム手袋を着用して作業してください。

出典:Amazon

3-1-2.押し入れやクローゼットのカビ取り方法3

押し入れのカビによる着色をどうしても落としたい場合には塩素系漂白剤を使用する方法があります。

しかし、塩素系漂白剤は素材を傷めたり、変色させるおそれがあるためどうしても黒ずみが気になるときにのみ行うようにしてください。

用意するもの

  • 塩素系漂白剤
  • バケツや洗面器
  • ぞうきん2枚
  • マスク
  • ゴム手袋

①押し入れに収納している物を全て取り出します。

②バケツや洗面器に水2リットル入れ、塩素系漂白剤を40グラム入れて混ぜます。

③ぞうきんを②の液体に浸して固く絞り、カビを拭き取ります。

④別のぞうきんで押し入れを水拭きして塩素系漂白剤を拭き取ります。

⑤押し入れが完全に乾いてから収納していた物を元に戻します。

※注意点※

必ず換気をしながら作業するようにしてください。

目立たない場所で試して問題がないか確認してから作業するようにしてください。

カビを吸い込んだり、皮膚に付着しないようにマスクやゴム手袋を着用して作業してください。

押し入れをすばやく乾燥させるために扇風機やサーキュレーターを使用するのがおすすめです。

塩素系漂白剤はしっかりと水拭きして拭き取るようにしましょう。

よく拭き取れていないと押し入れの色落ちや傷みの原因となるだけでなく、押し入れに収納する物の色落ちや傷みの原因にもなってしまうので注意してください。

塩素系漂白剤は衣類につくと脱色や変色の原因になりますので、汚れても良い服に着替えてから作業してください。

出典:Amazon

4.壁

壁と家具の間に空気が抜ける隙間がない場合にホコリや湿気がたまり、壁にカビが発生することがあります。

壁のカビには消毒用エタノールまたは酸素系漂白剤が有効です。

4-1.壁のカビ取り方法1

消毒用エタノールを使用してカビを殺菌する方法です。

この方法ではカビの殺菌はできるのですが、カビによる着色を落とすことができません。

カビによる着色汚れまで落としたい場合には、酸素系漂白剤を使用しましょう。

用意するもの

  • 消毒用エタノール
  • スプレーボトル
  • ぞうきん

①カビが発生している箇所に消毒用エタノールをスプレーします。

②ぞうきんでやさしく拭き取ります。

③しっかりと乾燥させたら、もう一度消毒用エタノールをスプレーします。

※注意点※

ぞうきんで強く擦ってしまうと壁の素材によってはボロボロと削れてしまうことがあるためあまり力を入れずに拭き取ってください。

消毒用エタノールを使用する際には火気に注意しましょう。

4-1-1.壁のカビ取り方法2

用意するもの

  • 液体の酸素系漂白剤
  • スプレーボトル
  • ハケ
  • ぞうきん
  • ゴム手袋

①液体の酸素系漂白剤を水で5倍に薄めます。

②壁のカビが生えている箇所にスプレーで噴霧するかハケで塗ります。

③5分程放置したら固く絞ったぞうきんで軽くたたくように拭き取り、しっかり乾燥させます。

※注意点※

作業をする際には換気をしましょう。

まずは目立たない場所で試してから広い範囲のカビ取りをするようにしてください。

扇風機やサーキュレーターを使用すると速く乾かすことができます。

しっかり乾燥させないとカビが再び発生する原因となりますので気を付けてください。

5.窓周辺

冬場は外の空気と部屋の温度差で窓に結露が発生しやすく、サッシやゴムパッキンには砂ぼこりなどがたまりやすいです。

結露と砂ぼこりをそのままにしてしまうとカビの大好物な湿気を含んだホコリとなり、カビが大量に発生する原因となります。

5-1.サッシのカビ取り方法

窓のサッシのレールにはホコリや砂など汚れがたまりやすいです。

用意するもの

  • 消毒用エタノール
  • ぞうきん2枚
  • 綿棒
  • 爪楊枝
  • いらない歯ブラシ

①サッシのレール部分の砂ぼこりをぞうきんで拭きます。

こまかい部分にはいらなくなった歯ブラシなどを使用するときれいに取れます。

さらに狭いすき間につまった汚れには綿棒や爪楊枝を使用してきれいにします。

②汚れを取り除いたら消毒用エタノールを吹きかけて乾拭きして水気を拭き取ります。

5-2.ゴムパッキンのカビ取り方法

使用するもの

  • 塩素系漂白剤
  • 片栗粉
  • ぞうきん

①片栗粉大さじ1に液体の塩素系漂白剤を大さじ1弱を混ぜてペースト状にします。

②ゴムパッキンの上に載せるように塗り、10分放置します。

③固く絞った濡れぞうきんで拭き取り、乾燥させます。

カビが落ちない場合には、放置時間を少し長めにするか①~③の工程を複数回くり返すことによってカビが落ちることがあります。

また、ジェルタイプのカビ取り剤やゴムパッキン用のカビキラーなども市販されているのでなかなか落ちない場合には専用の製品を使用してみると良いでしょう。

6.エアコンや換気扇

湿気を含んだホコリはカビの大好物な栄養源となります。

このようなホコリが集積されるのが、エアコンや換気扇です。

部屋の中に風を送り込むエアコンのフィルターや内部にカビが発生すると、カビの胞子をばらまくことになってしまいます。

エアコンや換気扇のカビは素人が分解することができない内部に発生していることも多く、プロにクリーニングを依頼するのが安心安全です。

そのため、今回ご紹介するのはエアコンの吹き出し口や換気扇の見えている部分のカビ取り方法になります。

6-1.エアコンや換気扇のカビ取り方法

用意するもの

  • 割り箸
  • キッチンペーパー
  • 消毒用エタノール

①割り箸を割らずに、半分に折ったキッチンペーパーを割り箸にはさみます。

②割り箸にキッチンペーパーを巻き付け、消毒用アルコールを吹き付けます。

③割り箸を入れてエアコンの吹き出し口のカビを拭き取ります。

※注意点※

感電を防ぐためにエアコンのコンセントを必ず抜いてから作業してください。

消毒用エタノールを使用するため、引火することがありますので火気厳禁です。

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7.寝室

寝室は寝るだけの場所なので、気づかないうちにカビが発生しており、カビが目立つようになってはじめて気づくということが多い場所です。

湿気を含んだ暖かい空気が天井に溜まり寝室の天井の角は特にカビが発生しやすく、他にもベッドやマットレスの裏などもカビが発生しやすいです。

布団やシーツなど洗えるものはこまめに洗濯し、しっかりと乾燥させましょう。

7-1.寝室の天井のカビ取り方法

用意するもの

住居用洗剤(界面活性剤や水酸化ナトリウムを含んでいないもの)

  • 消毒用エタノール
  • ぞうきん
  • ゴム手袋
  • マスク
  • ゴーグル
  • スプレーボトル
  • 必要に応じて脚立や踏み台など

①ゴム手袋、マスク、ゴーグルを着用します。

②寝室の窓を開けて換気をします。

③住居用洗剤をスプレーボトルに入れ、天井のカビに吹き付けます。

④水で濡らして固く絞ったぞうきんでカビに吹き付けた洗剤を拭き取ります。

⑤天井が乾くのを待ってから、消毒用エタノールを吹き付けて完了です。

※注意点※

必ず換気をしながら作業してください。

高所での作業になるため転倒に十分注意して安全におこなってください。

8.プロレベルのカビ取りをするならカビ取りマイスターキット

カビ取り業者のハーツクリーンが開発したカビ取り剤のカビ取りマイスターキットは、実際に業者が使用している液剤を誰でも使えるように改良した商品です。

そのため自宅でプロレベルのカビ取りができますし、危険な成分は含まれていないため、水回りだけでなく、壁や家具、押入れなどのカビ取りにも使用できます。

9.自力で除カビしても落とせなかったら

今回ご紹介した方法を試してみてもカビが落とせなかった、再発してしまった、さらに広がってしまったという場合には、早めにカビ取り業者へご相談ください。

カビ取りマイスターでは、カウンセリング無料ですのでご自宅のカビにお悩みの際はお気軽にご相談ください。

まとめ

・家の中でカビが発生しやすい場所は、お風呂、押し入れやクローゼット、壁、窓周辺、エアコンや換気扇、寝室です。

・カビが発生する原因はカビが好む温度、湿度、栄養分の3つがそろうことです。

・カビ取りには、消毒用エタノール、酸素系漂白剤、カビキラーなどの塩素系漂白剤を用意しておくと便利です。

<参考文献>

・おそうじ本舗『おそうじ本舗の速攻そうじ術』2016年、宝島社

・松本忠男『カビ・ホコリ・菌を撃退!家の「正しい」掃除ワザ』2019年、宝島社

・大津たまみ『「汚れ予防」のコツと裏ワザ』2015年、青春出版

・間宮良行『家を建てる前に読む 住まいの仕組み事典』2013年、西東社