過炭酸ナトリウムでキッチン排水口のカビ対策!ナチュラルクリーニングの専門家に聞いた簡単お掃除術②
ナチュラルクリーニングで行うカビ取り特集、第二回は、キッチンの排水口です。
【第一回 キッチンのカビは重曹で予防できる?!ナチュラルクリーニングの専門家に聞いた簡単お掃除術①】
今回も家事研究家の佐光紀子先生から、酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)を活用した排水口のお掃除方法を伺いました。キッチンの排水口お掃除は佐光先生の講習会でも、悩まれる方が多くいるスポットとのこと。
「キッチンの排水口そうじが苦手で...」
「ヌメヌメを触りたくないけど、放置するとすぐにカビが生えるから日ごろからできる簡単な対策方法が知りたい!」
とお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1.ヌメリとカビの原因は殺菌の増殖
気がつけば、すぐにヌメリとカビが発生してしまうキッチンの排水口…。ヌメリの発生原因は、細菌がつくる生物膜(バイオフィルム)だということをご存じでしょうか? つまり、ヌルヌルは細菌が増殖しているサイン! そのままにしておくと、黒カビが発生しやすくなるため早めの対策が必要です。ただ、あまりヌメヌメした部分を手で触りたくないのが正直なところですよね。
1-1.排水口を触らずに掃除できる?
「ナチュラルクリーニングなら、排水口をノータッチできれいにしてくれますよ」と、佐光先生。
排水口には、“過炭酸ナトリウム”がおすすめです!
「いま流行りのオキシクリーンも、過炭酸ナトリウムです。お湯に溶かすだけで、驚くほど汚れを落としてくれます」
そんな、キッチン掃除の救世主がいたなんて! 佐光先生に過炭酸ナトリウムを使ったお掃除法を教えていただきました。
1-2.過炭酸ナトリウムの性質
アルカリ性の過炭酸ナトリウム。酸素系漂白剤、過炭酸ソーダとも呼ばれています。色柄物に使える漂白剤として洗濯に使われていましたが、ナチュラルクリーニングでも効力を発揮!
お湯に溶かすことで、漂白だけでなく、カビや雑菌をやっつけてます。ふきんの漂白から排水口の掃除、黒カビ対策まで、幅広く使えます。
用意するもの
- 過炭酸ナトリウム
- お湯(30~50℃)
- 排水口用のつけ置きキャップ
必要なものは、この3つ!
ぜひ、用意して欲しいのは、排水口用のつけ置きキャップです。これは、過炭酸ナトリウムをお湯で溶かした液が排水管から流れないようにする栓。要はフタの役割をします。バスタブの栓をイメージしてもらえると分かりやすいですね。排水口のつけ置きキャップは、ホームセンターやネットショッピングでも手軽に購入できるので、チェックしてみてくださいね。
排水口用のつけ置きキャップ
まるまるつけ置きキャップC⁻82‐B 638円(税込み)/個
キッチンの排水口用のキャップです。過酸化ナトリウムを振りかけた後に、お湯を流して排水管に流れ出ないようにするつけ置き用のアイテムとして必須。シンクいっぱいに湯をためてつけ置きしておけば、シンク全体をきれいにすることもできる優れもの。1つあるとキッチン掃除の強い味方になってくれるので便利です。
シンクの排水口用 まるまるつけ置きキャップ
出典:Amazon
2.キッチンの排水口をすっきりキレイに
では、過炭酸ナトリウムを使ったキッチン排水口のお掃除方法を説明していきます。
2-1.排水口掃除の際にはつけ置きようのキャップを準備
排水口の防臭ワン*と、ごみ受け(排水バスケット)を外します。
※防臭ワンは、この後で出てきますが排水口にかぶせてあるアイテムです。
排水口の穴に「排水溝用つけ置きキャップ」をはめて栓をします。
佐光先生の愛用品は、フックのあるキャップでしっかりと栓ができるタイプ。
このように排水口にキャップをつけて栓をします。
↑これが防臭ワン。本来、排水管から上がってくる悪臭や害虫の侵入を防ぐものですが、これがヌメリとカビの発生地帯! 雑菌が多く繁殖している場所です。排水口に裏返して戻し、つけ置きをしていきましょう。
防臭ワンにかかるように、過炭酸ナトリウム大さじ1を振りかけます。
サラサラ~
次に生ごみ受けを排水口にセットします。
30~50℃のお湯を一気に流します。すぐに過酸化ナトリウムが溶けて、小さな気泡が出てきます。
(お湯を使う際はヤケドに注意しましょう。50℃付近の場合はゴム手袋を着用しましょう)
「このように白濁してきたらオッケーです」
生ごみ受けを外すと、こんな感じ。防臭ワンが排水口にどっぷりと浸かるまで湯をためましょう。このまま2~6時間つけ置きするだけ! つけ置きが終わったら排水口のキャップを外し、つけ置き液を排水管へ流せば完了です。
「落とし切れない汚れは、つけ置き後に歯ブラシでこすり落とすといいですよ。ただ、定期的に過炭酸ナトリウムでつけ置きすることで、最初とれにくかった汚れも徐々に落ちてきますので、面倒な人は、初回に無理にこすり落とさなくても大丈夫です」
つけ置きしておくだけで、キッチン周りの憎きカビやヌメリを撃退できるのは、とても嬉しいですよね。夕食の食器洗い後に一晩け置きしていると、翌朝にはピカピカになっているのでテンションが上がります。
2-2.過炭酸ナトリウムの使い方
佐光先生が以前からナチュラルクリーニングの最強アイテムとして活用されているのが、「過炭酸ナトリウム」です。
「最初は、洗濯槽のカビ取りとして使っていましたが、暮らしのあらゆるシーンで活用できることが分かりました。お湯につけ置きするだけで、洗濯槽のお手入れ以外にもバス小物のヌメリや黒カビ対策になります」
お湯でつけ置きするだけで良いのは、忙しい私たちの味方です。
「他にも雑菌の繁殖が気になる排水口の掃除に始まり、キッチンのふきんやスポンジ洗浄まで使えて万能です」
過炭酸ナトリウムは、衣類のお洗濯だけでなくキッチンの排水口やふきんなど多岐にわたって活用できること。
しかし、万能にみえる過炭酸ナトリウムにも使用時の注意点があるそうです。
2-3.過炭酸ナトリウムをお掃除に使う際の注意点
「過炭酸ナトリウムを使う際の注意点が2つあります。1つは、汚れている部分を過炭酸ナトリウム液にしっかりとつけること。2つ目は、ぬれると酸素が発生しはじめるので、水に溶かしてスプレーボトルなど作り置きしないことです。酸素が充満してボトルが破裂することがあるので、粉末状のまま保存するようにしましょう」
つい、時間のあるときにまとめて水に溶かしてボトルに入れておきたくなりますが、過炭酸ナトリウムを使用する際には、しっかりと液に漬けこみ、毎回粉末タイプのものをお湯に溶かして使用するようにしましょう。
3.キッチンは、トイレより汚い!?
キッチンの雑菌やカビの発生は、実は排水口だけではありません。キッチンに置いてある様々なグッズは、トイレの便座よりも雑菌が多いのが研究結果から分かっています。
「花王 生活者研究センター調べ」では、一般家庭を42軒を対象に行った菌の実態調査を発表。その結果では、トイレの便座よりもキッチンの蛇口のつけ根、手拭きタオルなどに生菌数が多いとのこと…!
同じく花王の生菌数の検査では、キッチンの蛇口取っ手、手拭きタオルと同等にスポンジの菌数が多いそうです。
食器を洗ってキレイにするはずのスポンジが雑菌だらけ...になっているというのはショックですよね。
排水口は、菌が増殖してくるとヌメリが発生してくるので汚れが分かりやすいですが、キッチンのスポンジに関しては、ノーマークの方も多いのでは?
「特にマメな洗浄を心がけるように」と、佐光先生がスポンジの洗浄法についても教えていただきました。
ここでもナチュラルクリーニングの心強い味方は、やはり過炭酸ナトリウムです!
3-1.過炭酸ナトリウムでスポンジの除菌を行う方法
用意するもの
- 過炭酸ナトリウム
- 湯(30~50℃)
- スポンジをつけるカップ
そのため、定期的に過炭酸ナトリウムを使用してスポンジの除菌を行いましょう。
①カップにお湯を入れておき、過炭酸ナトリウム大さじ1を入れて溶かす。
②スポンジを入れ、しっかりと全体をつかるように押し込む。
③スポンジが浮いてきてしまうため、皿などで重石をしてつけ込みます
(ラップをかぶせてもよいですが、スポンジが浮かないようにすることが大事。アルミ箔は、黒くなるのでおすすめできません)
このまま3~6時間つけておくだけでオッケーです!すすぎ洗いは、水で洗って十分に乾燥させましょう。
もはや、過炭酸ナトリウムはナチュラルクリーニングに欠かせない存在なのがよく分かりますね。
冒頭でもお伝えした通り、過炭酸ナトリウムは話題のオキシクリーンと同じ。オキシクリーンの方がなじみがあるという方は、オキシクリーンで試してみるのも良いでしょう。
オキシクリーン
オキシクリーン:酵素パワーで汚れを落とすしみ抜きクリーナーで人気。漂白と除菌効果が高いためキッチンの掃除にも使えます。つけ置きの方法は、過炭酸ナトリウムと一緒。雑菌のヌメヌメや黒カビなど、触りたくない部分に万能です。
グラフィコ オキシクリーン
出典:Amazon
まとめ
- 排水口は、雑菌とカビの温床なのでこまめなお掃除が大切です。
- 排水口の掃除には、過炭酸ナトリウムがおすすめです。
- キッチンは、トイレの便座よりも生菌数が多いことを意識してこまめに掃除しましょう。
- キッチンスポンジは、いつも清潔をキープするように心掛けてください。
ナチュラルクリーニング初心者の方は、いろいろと洗剤を買いそろえなければいけないと思いがちですが、実は洗剤の種類が極力減らせるのもナチュラルクリーニングのよいところ。今回の特集でもご紹介した洗剤は、重曹と過炭酸ナトリウムのみ。実際には、家にある洗剤がかなり減らせます。ぜひ、ナチュラルクリーニングで家中をピカピカにしてくださいね♪
【関連記事】ナチュラルクリーニングの専門家に聞いた!重曹でキッチンのカビを予防する方法
<参考文献・資料>
“つけ置きでやめ家事”がキーワード ナチュラルクリーニングの最強レシピ
佐光紀子著/扶桑社刊
・厚生労働省
バイオフィルム | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)
佐光紀子 Noriko Sakoh
翻訳家、家事研究家。繊維メーカーや証券会社で翻訳や調査に関わったあと、フリーの翻訳者に。地球にやさしい暮らし方の翻訳をきっかけに、重曹や酢などの自然素材を使った家事に目覚め、研究を始める。2002年に出版した『キッチンの材料でおそうじするナチュラルクリーニング』(ブロンズ新社)がベストセラーとなる。
以来、日本でのナチュラルクリーニングを定着させ、第一人者として活躍。掃除講座や執筆活動など幅広く展開中。2016年、上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科博士前期課程修了。
『〝つけ置きでやめ家事″がキーワード ナチュラルクリーニングの最強レシピ』(扶桑社)
『家事は8割捨てていい』(宝島社)など著書多数。
(ライター:川越光笑 Akie Kawagoe)
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