洗濯用洗剤の使いすぎはカビの原因になるって本当?!
洗濯機で洋服を洗うとき、つい「多い方が汚れが落ちそう」と思って、洗剤をたっぷり入れてしまう...
ということはありませんか?
もしくは、忙しくて「洗剤は目分量で良いや!」と計量せずに入れることはありませんか?
洗剤で洗うことで、衣類を白く清潔に洗い上げることができます。洗濯用洗剤には大きく分けて液体タイプのもの、顆粒タイプのもの、ジェルボールタイプのものなどありますが
分量を多く使いすぎることでカビ発生の原因になると言われています。
「洗剤はカビを落とすことがあっても、原因となることもあるの?」
と思った方もいることでしょう。確かに、衣類に発生したカビを洗剤で取り除く...という話もありますよね。適度に使えば、衣類を清潔に洗い上げカビの予防につながるのに、量を使いすぎるとカビの原因...?!不思議ですよね。
では、どうして洗剤を使いすぎるとカビが発生しやすくなるのか見ていきましょう。
目次
洗濯用洗剤を使いすぎるとどうしてカビの原因になるの?
まず、洗濯用洗剤とカビの話をする前に、洗濯槽の構造についてお話をしなければなりません。
洗濯機は縦型の全自動洗濯機や二層式、最近人気のドラム式などありますが、全自動式の洗濯機の場合、洗濯後にそのまま脱水するため、洗濯槽の中に脱水層が収まっています。しかし、脱水層と洗濯槽の間の隙間が狭く、水気が乾燥しにくい構造になっています。その為、高頻度で洗濯をするほど洗濯槽や脱水層の裏側は乾燥しにくいため、カビが発生しやすくなってしまうのです。
カビは、水分、酸素、気温、栄養源の条件が揃うことで繁殖しやすくなります。一般的にいうと、ジメジメとして汚れた場所というイメージです。そのため、洗濯槽の内部は水滴が残りやすくかつ乾燥しにくくカビにとっては好条件の場所なのです。
さらに、洗濯用洗剤は一部のカビの”栄養源”ともなるのです。皮脂や繊維だけでなく洗剤もカビのエサとなる為、多く洗剤を使いすぎることでカビが発生しやすくなります。
洗濯槽にみられるカビの種類は?!
ときどき、洗濯機を回した際に、衣類に「茶色いかさぶたのようなもの」が付着していた...という経験はないでしょうか。これは洗濯槽の裏に生えたカビの可能性があります。
基本的に、洗濯機の内部は湿気が多く、洗濯物の繊維や皮脂、垢などの栄養源がありますので微生物にとっても恰好の増殖場所です。そのため、多くの種類の微生物が潜んでいます。
その中でも洗濯機の中にみられるカビは、クロカビなどもありますが、どちらかというと空気中などには一般的にあまりみられないような、エキソフィアラ、スコレコバシディウムというちょっと珍しいカビが繁殖しているようです。
これらのカビは、合成洗剤も栄養にして生育することができるという特徴があります。が洗濯槽の裏側でひっそりと、皮脂や汚れ、泡や洗剤をエサとしながら繁殖しているのです。
また、きれい好きな方には悲しいお知らせなのですが、水滴が乾燥する時間が短いほどカビは増殖しやすくなるため、1日に数回や、毎日回すなど、洗濯回数が多い方がカビも生えやすいという研究もあります。
つまり、毎日洗濯をこまめにして、洗剤を多く使う家の洗濯機の裏は、カビが生えやすいと言えるのです。
(※洗濯槽のクリーニングなど特に対策をしていない場合)
乾燥機能がついていれば大丈夫?!
では、近年人気の「乾燥機付き洗濯機」は乾燥するからカビは生えにくいのでしょうか。
実は、そう簡単にはいきません。乾燥機能付きの洗濯機の場合、内部を加熱するために気密性が高いため、水分がより抜けにくい構造となっています。
そのため、乾燥機付き洗濯機を持っていても、普通の洗濯は毎日するが、乾燥機能は3日に1日しか使わないなど、乾燥機能を使う頻度が少なくなると、洗濯槽のカビは増えやすくなります。
洗剤を使い過ぎないこと、そして洗濯槽をしっかりと乾燥させることが、洗濯機のカビを防ぐためのポイントとなります。
洗濯機のカビを防ぐには?
これまでお伝えしてきたように、洗濯槽の裏は、洗剤を栄養源とし、水気と共に繁殖していくという特徴を持つカビがいるため、洗剤を使う際は、水分量や洗濯の量に応じた洗剤の量をきちんと計量して使用することをおすすめします。
特に、節水機能など水分量が少ない機能で洗濯をした場合、洗剤がすすぎきれずカビの原因となります。例えば、液体状の洗濯洗剤でしたらキャップに目盛りが付いていますので、その目盛りを参考に洗剤を適量入れるようにしましょう。
①洗濯機のフタを開けておく
洗濯槽内の湿気を乾燥させるために、もっとも手軽にできる方法は「使用後にフタを開けておく」ことです。これだけで乾燥しやすくなるので、ぜひ洗濯物のカビ臭さが気になるときなどは試してみましょう。
②洗濯槽クリーナーを使う
洗濯槽を分解して、隅々まで綺麗にカビ取りをするのが理想ですが、そう簡単に分解できるものではありません。そこで、洗濯槽を用いて、定期的にクリーニングされることをおすすめします。
主に塩素系漂白剤を用いた方法ですが、月に1回など定期的に行うことで、見えない部分のカビ取りをしていきましょう。
シャボン玉石けん 洗たく槽クリーナー
出典:Amazon
③お湯で洗う
カビは熱に弱いため、50℃以上のお湯で洗うことで洗濯槽内のカビを殺菌するという方法もあります。ただし、洗濯機によってはお湯が故障の原因となる場合もありますので、説明書を確認して使用するようにしましょう。
お湯で洗うことで、タオルなどについた嫌なニオイのもと(雑菌)も殺菌することができるので、一石二鳥です。
また、縦型の全自動洗濯機の場合は酸素系漂白を用いて、洗濯槽のクリーニングをするという方法もあります。
こちらもお湯を用いて、酸素系漂白に置いて浮かんできたカビをすくい取っていきます。
洗濯槽の裏のカビは上部に生えていることが多いので、お湯はたっぷり入れてクリーニングすると良いでしょう。
グラフィコ オキシクリーン
出典:Amazon
ジョンソン 洗たく槽カビキラー
出典:Amazon
また個人では洗濯槽のカビ取りが難しいと感じたら業者に依頼することをおススメします。
まとめ
洗濯用洗剤は、つい目分量で入れてしまったり、キレイになりそうでたくさん入れすぎてしまうかも知れません。しかし、カビの中には洗剤すら栄養源としてしまう種類もいるため、洗濯槽の裏にカビが生えてしまう原因になります。
洗濯用の洗剤は、きちんと目盛りで計量して使用しましょう。また、洗濯機の使用後はフタを開けるようにして、できるだけ内部を乾燥させましょう。洗濯物のイヤなニオイを防ぐことにもつながります。
また、定期的に洗濯槽のクリーニングを行うことで見えない部分のカビを取り除きましょう。洗濯槽や洗濯物のイヤなニオイ防止にもなりますので、こまめな乾燥とお手入れをして、カビを防ぎましょう。
<参考>カビはすごい!ヒトの味方か天敵か!?(朝日文庫)