珪藻土はカビが生えやすい?珪藻土の基本知識とカビ対策の話
自宅の珪藻土の壁にカビが生えてしまいました。珪藻土は吸湿性が高い材質と聞いていたので、まさかカビが生えるとは思わず大変ショックです。どのようにしてカビを取ればよいのでしょうか。また、珪藻土になぜカビが生えたのか詳しく知りたいです。
やわらかい質感と雰囲気で人気の珪藻土。乾燥しがちなホテルの内装に使われたりと、珪藻土のもつ調湿性の高さが話題になっています。それに加えカラーも豊富で、珪藻土による模様仕上げも美しく、飲食店やオフィスなどでも目にする機会が増えてきました。
特に珪藻土は湿気を吸収しやすいため「バスマット」としても最近とても人気です。 とはいえ、我が家のこととなれば「なんとなく」で気軽に考えて失敗したくないですよね。だからこそ
- 珪藻土って本当にいいの?
- カビは生えないの?
- どんなお手入れが必要なの?
と不安になっている方も多いでしょう。そこで今回は、珪藻土のメカニズムから漆喰との比較、簡単だけどカビに効果的な方法などを紹介します。珪藻土を取り入れようと考えている方はぜひチェックしてみてくださいね。
1.珪藻土とは?!基本情報と特徴
珪藻土とは、簡単に言えば植物性プランクトンである藻の化石から作られた素材です。壁として使われる天然素材はこのほかにもいろいろありますが、珪藻土の特徴は以下のとおり。
- 珪藻土そのものには固まる力がない
- 室内の湿気を吸収&放出する機能が優れている
- やわらかい質感、仕上げの方法やカラーバリエーションも豊富
珪藻土の表面には無数の穴があります。この無数の穴が室内の湿気を吸収し、乾燥すれば湿気を室内へ放出する、この「吸放湿性」の高さが、珪藻土の特徴です。そのため、珪藻土のもつ質感や雰囲気だけでなく、快適な空間をもとめる方にも人気がある天然素材なのです。
1-1.珪藻土と漆喰の違いとは?!
塗り壁の素材の中で、特に人気がある自然素材が珪藻土と漆喰です。 漆喰は石灰がベースで、水などを加えて仕上げます。漆喰の吸湿性は珪藻土ほど高くはありませんが、施工時は強アルカリ性に傾いているためカビが生えにくいというメリットがあります。
ただし時間の経過とともに中性に傾くため、その効果は一生続くわけではないことは、念のため頭にいれておくとよいでしょう。 いっぽう珪藻土は、前述のように藻の化石です。
ただし、水を加えるだけでは壁として使うことはできません。また、珪藻土は中性のため漆喰のようなカビの発生をおさえる力はありませんが、吸湿性は漆喰よりも非常に高くなっています。 この調湿性の高さこそが、珪藻土における一番のメリットです。珪藻土は吸湿力が高いがカビやすい、漆喰は吸湿力が高くないが珪藻土よりはカビにくいです。
1-2.珪藻土が吸収した水分はどこへ?
珪藻土の最大の特徴である吸湿性ですが、壁の珪藻土が吸い込んだ水分はその後どこにいくかご存知ですか? 珪藻土は室内の余分な湿気をためこみ、室内の湿度が低下すればため込んだ水分を室内に放出する、といった機能を持っています。
そのため、室内の湿度が高い状態が続けば、吸収した水分は壁から出ることができなくなります。そうなると、いつカビが発生してもおかしくない状況となってしまいます。
ただ、きちんと換気を行えば、簡単に珪藻土から水分を吐き出させることができるので、その点はご安心ください。
1-3.珪藻土はカビの生えやすい材質
珪藻土は、吸放湿性の効果の大きい建材です。その一方で、中性であることから実は漆喰よりカビが生えやすいと言われています。
よって浴室や北側のお部屋など結露の起こりやすい場所には向いていません。(北側の部屋などは、結露しないような根本的な対策が必要だからです) また珪藻土の割合やほかに混合する素材も重要です。珪藻土の割合が低ければ、湿気をコントロールできず、簡単にカビが生えやすい状況が生まれてしまいます。珪藻土を壁の素材として選ぶ場合にはこれらの点に気を付けてください。
1-4.換気が足りないとカビが生える可能性も!
高気密の家が一般的になった現在、珪藻土でも、防カビ効果のある漆喰でも、換気が不十分であればすぐにカビは発生してしまいます。これは天然素材だからとかという理由ではありません。条件さえそろえば、どんな高性能な壁でもカビが生えてしまいます。
2.もしも珪藻土にカビが生えたら
基本的に、珪藻土は取扱いの難しい素材ですので、珪藻土の壁にカビが生えてしまったら、カビ取りの専門業者へ依頼されることをおすすめします。
2-1.カビ取り方法
珪藻土にカビが生えてしまったら…そんな時は範囲が小さければ珪藻土にも使えるカビ取り剤により取り除くことができます。
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実際に珪藻土にカビが生えた際のカビ取り方法は以下の通りです。
①珪藻土の表面の汚れを取る
珪藻土の表面についた皮脂などの汚れを取り去りましょう。カビ取り剤の吸収を良くします。珪藻土の壁の場合は乾いた布巾などで表面のホコリなどを軽く落とします。
②珪藻土に消毒用アルコールを吹きかける
カビ部分に、消毒用アルコールを吹きかけ5分ほど放置して拭きとります。ただし、消毒用アルコールはカビの色素を漂白することはできません。黒カビの色素沈着が起こっている場合には、カビ取りの専門業者に依頼することをおすすめします。
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2-2.カビ取り剤や漂白剤は使えないの?
カビキラーやカビハイターなど、塩素系の漂白剤を使う事で、色素の沈着したカビを除去することは可能ですが、塩素系漂白剤は残留するため、洗い流せない場合のカビを取る場合には薬剤が残らないよう、何度も拭きとりしっかり除去しなければなりません。
また、塩素系漂白剤は塩素ガスが発生するため、使用する際には換気を充分に行い、マスクやゴム手袋を着用して皮膚を保護しましょう。
2-3.カビ取り業者の専門薬剤で除去する方法も
室内の床や壁のカビが気になる方には、カビ取りマイスターキットもおすすめです。
市販のカビ取り剤を使ってもすぐにカビが再発する方や、カビ取り業者の専門薬剤をご自宅で使用したい方に人気のカビ取りキットです。
カビ取り剤と防カビコーティング剤で、カビの再発を防ぎます。
安全性の高い薬剤で、自社オリジナルの厳しい研修をクリアしたカビ取りの専門業者だからできる技術力の高いカビ対策方法をご提案しています。
注意点
珪藻土のカビ取りをする際には、窓を開けるなど換気を必ず行いながら実施しましょう。また、珪藻土の壁や天井など高い部分のカビ取りをする場合には、目にカビ取り剤が入らないようにゴーグルを着用し、保護しましょう。
珪藻土のひどいカビはカビ取り業者に相談
ただ、カビの範囲が広くなれば、壁そのものを塗り直すことになり、大掛かりな作業となってしまいます。カビの範囲が広い場合にはカビ取り専門の業者へ委託することも検討してみてください。
3.珪藻土のカビを予防するには?!
珪藻土は、湿気を吸収する性質なので、油断するとカビが発生してしまいます。そこで、珪藻土のカビを予防する方法をご紹介します。
3-1.換気を充分に行い結露を防ぐ
珪藻土の壁の場合は換気をこまめに行いましょう。結露が生じやすい場合には、こまめに拭きとり、サーキュレーターの風を当てて、結露を防ぎます。
衣類などモノが周りに多くある場合には、モノを珪藻土の周りから少し離して置いて空気の通り道を確保しましょう。
3-2.消毒用エタノールをふきかけてこまめにカビを殺菌
定期的なお掃除ついでに、消毒用エタノールをふきかけましょう。消毒用エタノールは100%濃度の純エタノールではなく 70~80%濃度のものを使用しましょう(100%エタノールはすぐに揮発し効果が減る為)
3-3.汚れが付着したらこまめに拭きとる
汚れたら拭きとる 皮脂汚れなどが付着したら、洗剤などで洗って取り除きよく乾燥させましょう。珪藻土は吸湿性の高い素材ですが、だからといって雑菌が繁殖しないものというわけではありません。 汚れたらこまめに除去し、カビや雑菌の増殖しにくい環境をつくりましょう。
まとめ
天然素材を使った内装にはいろいろな種類があります。珪藻土の壁の良いところは、なんといってもその吸湿性と表面の仕上がりではないでしょうか。 漆喰のようななめらかな仕上げから、こてや刷毛をつかった自然風な仕上げまで、その部屋の雰囲気に合わせた自分だけの空間が作れるのは、珪藻土の大きな魅力です。
また珪藻土は強力な吸湿性がポイントです。 ただ換気を怠ると最終的には他の素材同様カビが発生してしまいます。 カビ取り会社でも毎月多くの珪藻土のカビ取りを行っています。
調質効果があるからと安心せず、十分気を付けましょう。珪藻土のメリット・デメリットを理解し除湿や清掃などをこまめに取り入れて活用するのが良いでしょう。
また、珪藻土は一度カビが生えてしまうと自力での除去が難しい素材です。そのまま放置すると、湿気を吸収しカビがさらに広がる可能性があるため、早めに対策されることをおすすめします。
ハーツクリーンでは、ご自宅に生えたカビのカウンセリングを無料で行っております。お気軽にご相談ください。