洗濯機のホースになぜカビが生えるの?対処方法は?
洗濯機についている排水ホースの状態を気にしたことはありますか?洗濯槽の洗浄は定期的におこなっていても普段ホースの状態まで気にして見ることはあまりないのではないでしょうか。
ひび割れや水漏れをして初めてホースの劣化に気付く方がほとんどかと思います。見た目からはホース内側の状態を確認することはできないので一見問題ないように見えますが、洗濯機のホースも洗濯槽と同じように洗浄しないと汚れが溜まりカビが生えてしまうのです。そこで今回は洗濯機のホースにカビが生える原因とカビが生えてしまったときの対処法をご紹介します。
目次
洗濯機のホースにカビが生える原因
洗濯機のホースにカビが生える主な原因は、ホースには
- 通気性がないこと
- 汚れが蓄積していること
の二つが挙げられます。
① 洗濯機のホースは通気性がなく湿気がたまりやすい
ホースは排水が通るため当然ながら通気性がありません。そのため洗濯機の使用後ホースの中は水が乾きにくい状態になっています。洗濯後、洗濯物をしばらくそのまま放置していたり、普段洗濯機の蓋を閉めた状態にしている、洗濯槽を洗濯カゴ代わりにしているといった習慣があるとホース内部の通気性がよりいっそう悪くなり湿気が溜まった状態が続いてしまいます。
また、乾燥機能を使っているご家庭は乾燥時の熱で洗濯機が温かくなりさらにカビが好む環境を作り出してしまいます。温かく、湿度の高い洗濯機のホースはカビが繁殖するにはもってこいの環境なのです。
② 洗濯機のホースの中は汚れが蓄積している
洗濯機のホースには汚水や洗剤・柔軟剤の溶け残り、衣類の繊維などさまざまな汚れが蓄積しています。カビはそれらの汚れを栄養源として増殖していきます。そういった汚れが付着する要因には、
- 規定量以上の洗剤・柔軟剤を入れている
- 一度の洗濯に衣類を詰めすぎている
- 汚れのひどい衣類を下洗いせずそのまま洗濯している
- 洗濯槽内の洗浄が不十分
などがあります。洗剤が多すぎると水に溶けきらなかった分が排水時にホースに付着してしまいます。さらに一度に洗う衣類が多いと衣類が洗濯水を吸収してしまいこちらもまた、洗剤の溶け残りがでてしまいます。
また、汚れがひどい衣類の下洗いをせずそのまま洗濯してしまうと、衣類の汚れがしっかり落ちないだけでなく洗濯機内に余分な汚れを持ち込むことになります。
カビは適度な湿度と温度、栄養分と少量の酸素があれば増殖できるため全てがそろった洗濯機のホースはカビの温床になりやすいのです。そして、ホースを掃除しないままでいることはカビをわざわざ増殖させているといっても過言ではないのです。
洗濯機のホースのカビ取り方法
では、実際に洗濯機のホースにカビが生えてしまったらどうしたらよいのでしょうか。ホースにカビが生えた時の対処法としては
①酸素系漂白剤で浸け置き洗いする
②新しいものと交換する
の2つの方法があります。酸素系漂白剤の使用はホース自体が比較的丈夫な場合に使える方法です。ホースのカビを酸素系漂白剤で除去する場合はさらに
●ホースが取り外せる場合
●ホースが取り外せない場合
に分けられます。本来は洗濯機からすべて取り外し分解して漂白できれば一番いいのですが、洗濯機の構造上簡単には取り外せない、取り外したはいいものの元に戻せない、最悪の場合洗濯機が壊れてしまうといったことにもなりかねません。
ですので今回はホースが取り外せないパターンのカビ取り方法も併せてご紹介していきます。
対処法1) 酸素系漂白剤で浸け置く方法:ホースが取り外せる場合
カビ取りに必要なものは以下の通りです。
用意するもの
・ゴム手袋
・ホースが入る大きさの容器(なければお風呂の浴槽でもOK)
・酸素系漂白剤
・歯ブラシまたは掃除用ブラシ
グラフィコ オキシクリーン
出典:Amazon
シャボン玉石けん 酸素系漂白剤
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続いてカビ取りの手順です。
手順
① 洗濯機の蛇口を閉め、排水口と洗濯機からホースを取り外します。
② ホースの中を一度流水で洗い流し、大まかな汚れを落とします。
③ ホースが入る大きさの容器またはバスタブに40~50℃程度のお湯を溜め、そこに規定量の酸素系漂白剤を溶かし入れます。
④ 漂白液にホースを入れ、10~15分を目安に浸け置きます。このとき、排水口のパーツも分解できるようであればそれらもまとめて浸け置きしておくといいでしょう。
⑤ 時間が経ったらカビの状態を確認します。カビが残っているようであれば歯ブラシや掃除用のブラシなどを使ってこすり落とします。
⑥ カビが取れたら流水でしっかり洗い流し、十分に乾かします。乾いたらホースを元の状態に取り付けて完了です。
以上がホースが取り外し可能な場合のカビ取り方法です。次はホースが洗濯機から取り外せない場合のカビ取り方法になります。
対処法2)酸素系漂白剤で浸け置く方法:ホースが取り外せない場合
ホースが取り外せない場合、と言いましたがホースを浸け置き状態にするためには洗濯機本体とホースは繋げたままでも、排水口とホースは離しておく必要があります。カビ取り作業は排水口からホースを外してからおこないます。カビ取りは次のものをご用意ください。
用意するもの
・ゴム手袋
・コップ
・サランラップ
・輪ゴム(2~3本)
・バケツ
・酸素系漂白剤
手順
① 洗濯機の蛇口が閉まっていることを確認し排水口からホースを外します。
② 排水口から外した側から40~50℃のお湯を注ぎ入れ、8割程度注げたらそこに規定量の酸素系漂白剤を入れます。お湯はコップを使うと注ぎやすいです。
③ ホースの中が漂白液で満たされたら、サランラップでホースの口を塞ぎ、輪ゴムでしっかり留めます。このとき、漂白液がこぼれないようバケツなどを下に置いておくといいでしょう。
④ ホースの口が塞げたらホースを振り、お湯と漂白剤がホースの中で混ざるようにします。
⑤ そのまま10~15分程度放置し、ホース内を漂白液に浸け置いた状態にします。カビの程度がひどければ20~30分程度まで置いても大丈夫です。
⑥ 時間が経ったらカビの状態を確認し、用意しておいたバケツに漂白液を流し出します。
⑦ その後水を注ぎ入れ再度ラップで蓋をし、ふり洗いをしてホースの中を十分にすすぎます。
⑧ カビが取り除けたらしばらくそのままにしてホースの中を乾かします。乾いたらホースを再度取り付け、元の状態にします。
以上が洗濯機にホースをつけたままホース内のカビを除去する方法になります。酸素系漂白剤は水よりも40~50℃程度のぬるま湯の方が効果を発揮します。
ひと手間にはなりますがせっかくですから水ではなくお湯でおこなうことをおすすめします。また使用する漂白剤に関して、洗濯槽のカビ取りにはカビキラーのような塩素系漂白剤を使用しているからホースも同じものでいいのではないかと思われるかもしれません。
もちろん塩素系漂白剤の方が漂白力は高いですし、実際ホースにも使えないわけではありません。しかし洗濯槽と比べホースは柔らかく汚れやカビの蓄積もあるとなると、ある程度劣化も進んでいます。
そのような状態のホースに塩素系漂白剤を使用するとホース自体を傷めてしまう恐れがあります。カビ取り直後はきれいになってもその後のホースの劣化を早めてしまうことにもなりかねないため、塩素系漂白剤の使用はあまりおすすめしません。
もし塩素系漂白剤しか使えるものがない場合は、必ず記載の浸け置き時間を守るようにしましょう。
最後は、カビの除去ではなくホースを新しいものに取り換えることで対処します。
対処法3) 新しいホースに交換する
ホースのカビがひどい場合や洗濯機を購入してから月日がたっており、その間ホースの洗浄をほとんどしてこなかった場合は新しいホースに交換することをおすすめします。
ホースの交換時期の目安は2~3年と言われていますので、ホースの洗浄をされたことがある方でも2~3年に一度は新しいものに交換するときれいな状態を保つことができます。新品のホースは使用している洗濯機のメーカーで購入することができます。洗濯機の型が古くメーカーでも取り扱いがない場合はホームセンターなどで合うものを購入しましょう。
自力での交換が難しいようであれば水道関連の業者に交換を依頼することもできます。依頼した場合の費用相場は10000円~16000円ほどです。ご自身の状況に合わせて場合によっては業者に依頼するもの手かと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は洗濯機のホースにカビが生える原因とその対処法についてご紹介してきましたがまとめますと、
●洗濯機のホースの中は通気性がない上に汚れが溜まってカビの温床になりやすい
●洗濯機のホースのカビは酸素系漂白剤で浸け置き洗いをする
●カビがひどい場合やホースが傷んでいる場合は新しいものに交換する
●自力で対処ができないときは業者に依頼してみる
となります。
盲点になりやすい洗濯機のホースですが侮ると詰まりや故障の原因となります。カビを防ぐには洗剤を入れすぎない、洗濯機の蓋を閉めたままにしておかない、汚れのひどい衣類は下洗いするなど日常の中でできることはぜひ気にかけ実践してみてください。